転生神は頭を抱えたい   作:紅優也

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始まりは高笑いと共に


プロローグ

「うっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ハーレムだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「……いってらっしゃい。(すぐに死ぬと思うけどね。)」

僕……転生神である『ルーラス』は喜びながら転生した男の子にこっそりと手を合わせながらそう言った。

 

 

 

だって…………

 

 

「主、あの転生者生まれてすぐに魔力が暴走して死にましたよ?」

「うん、解ってる。地獄に送って。」

「了解。」

え?何でわかるかって?

 

 

だって彼が望んだ特典が……『魔力EX、チートデバイス、王の財宝(中身付き)、ニコポナデポ』なんだもん。

因みに望んだ世界はリリカルなのは。

 

 

 

此処まで言えば判るでしょ?

彼は魔力が多すぎて死んだんだ。元々リリカルなのはの世界の魔導士は八神はやてのSSが最高クラスなんだ。

よってリリカルなのはの世界を統括する神……通称『リリなの統括神』はそれを人間が耐えきれる限度とした。

そしてそれを上回る魔力を持って転生する……肉体が耐えきれるわけがない。

 

 

よって彼は死んだ……という訳さ。

 

 

 

 

 

「主、昨日『バカとテストと召喚獣』の世界に送り込んだ転生者ですが……」

「……もしかして何かやらかした?」

僕は嫌な予感を感じながら部下の報告を聞く。

 

 

 

「はい、典型的なアンチ・ヘイトを開始した上にそれが原因で吉井明久等の登場人物の性格が改悪され……結果文月学園が潰れました。

その件でバカテス統括神から苦情が来ています。」

「だと思ったよちくしょう!」

僕はその報告に頭を抱えたくなった。

だって本当にまともな転生者以外のバカテスに行った転生者はバカテスの根幹設定……『ラブコメディ』の設定をぶっ壊すようなアンチ・ヘイトをして同じ末路を辿って巡りめぐって僕にバカテス統括神から苦情が来るんだもの……

 

 

 

「くそ!転生者は黄泉送りを送って消せ!序でに登場人物の記憶から抹消しろ!」

「承知しました。」

部下が僕直轄の『対転生者用死神部隊』……通称『黄泉送り』の詰所に向かったのを見て僕は溜め息を吐く。

 

 

 

「とほほほほほ……何だって僕の代はこんなにアンチ・ヘイトを行う転生者が多いんだろ?」

一年前位に送った転生者に至っては色んな世界に跳んでそれらの世界で最悪のラスボスを演じた挙げ句の果てに滅ぼして黄泉送りを総動員して消したのは良いんだけど……それから三ヶ月はそれらの世界の統括神に怒鳴りこまれ滅ぼされた世界の人間を同じ世界の統括神が納めている別の世界に転生させたり果ては最高神様にねちねち怒られたりしたんだ。

 

 

 

「父さん……爺ちゃん……僕、立派な転生神になれないかも……」

父さんの代も爺ちゃんの代も素晴らしい人格者が転生したのに……僕の代になって人格者!……と思ったら実は下劣な精神を持ってる糞人間(転生者で言うところの『オレ主』)だったり、二次で出来た捏造の設定を振り回してアンチ・ヘイトを行ったり……もう嫌になってきた。

 

 

 

「うふふふふふふふ……これ以上厄介事が出来たら僕、死ぬかも……」

僕はそんなことを呟きながらバカテス統括神に送る今回の転生者の行動に対する『書き慣れた』謝罪文を書き始めた……

 

 

 

…………………………

 

 

「……不味いですね、これでこの書類を見せたら主が壊れてしてしまいそうです。」

ルーラスが虚ろな目で謝罪文を書いているのを見た美女……ルーラスの補佐である『ガブリエル』は手元にある頭の痛くなる書類を見ながらこう呟いた。

 

 

 

「…………ガブリエル様。」

ガブリエルが声に振り向くとそこには黄泉送りのリーダーである『デス』がいた。

 

 

 

 

「どうしたのですかデス?」

「いえ、主にバカテスでアンチ・ヘイトをした転生者を消したことを報告しに来たのですが……どうして書類を見て溜め息を吐いたのですか?」

「…………見れば判ります。」

デスはガブリエルから渡された書類を訝しげに見て……硬直した。

 

 

 

「何だこれは…………!?」

その書類にはこう書かれていた『転生者ロワイヤル』……と。

 

 

「ええ、最近最高神が道楽者に変わったらしくこの様な催し物をするようです。」

「『ランダムで百人の転生者を選びリリカルなのは主体で複数の世界を融合させその世界で最後の一人になるまで戦わせ生き残った一人に何でも願いを叶える』……だと!?ふざけてるのか!」

「あの道楽者は本気のようです。しかもそれを行う上で主は一切拒否権はありません。」

「くそ!こんな書類を見せたら主は自殺するぞ!」

デスの言葉にガブリエルは溜め息を吐きながら頷く。

 

 

「ただ……無視をすると余計にヤバイ事態になると思います。」

「…………だな。」

二人は揃って「「はあ……」」と溜め息を吐く。

しかし…………

 

 

「……何これ?」

謝罪文を書き終わったルーラスがデスが『ふざけてるのか!』のところで地面に叩き付けた書類を拾い上げる。

 

 

「な…………!?」

「主!待………」

二人が制止しようとしたときには遅くルーラスは隅から隅まで書類を読んだ後だった。

 

 

 

 

「……………………………あ、」

「「…………あ?」」

 

 

 

「あっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」

「「主ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」」

ぶっ壊れた様に笑うルーラスに悲鳴をあげる二人だった…………

 

 

 

尚、この時誰も知らなかった……これが史上最高の転生神と言われるルーラスの誕生の始まりだということに……




如何でしたか?
次回もお楽しみに!
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