UC0050年代以降の地球連邦軍の艦隊整備とその運用について 〜マゼランマフィアと呼ばれた男〜 作:一番になれないおじさん
しばらくはマゼランのマの字も出てこず、タイトル詐欺になりますがお付き合い頂けると幸いです。
宇宙戦艦がなぜ必要なのかを解き明かさないとこの話は成り立たないので……。
地球連邦宇宙軍、それは連邦軍で最大規模の組織であり、基本的には地球連邦軍=宇宙軍といっても過言ではない。
地球、月、各サイド(現在はフロンティアなのだが、身に染み付いた表現を使用することを許してもらいたい)、及びその通商連絡路、更には地球圏の外にまで。
その広大な、広すぎるエリアが宇宙軍の活動領域である以上はそれも仕方のないことではある。
だが、どんな組織であれ始まりは小さい所から始めなければならないものである。
それは地球連邦宇宙軍も例外ではない。
意外かも知れないが、地球連邦宇宙軍の始まりはコロニー建設事業の従事者であった。
度重なる戦災と時代の変遷によって既に形骸化しているのだが、「地球連邦」の名が指し示すように地球連邦という組織は地球上の複数の国家・自治体によって構成される共同体である。
よって宇宙世紀への移行段階においては地球連邦軍とは、各国から提供された装備・人員によって構成されていた。
各国にも航空宇宙軍等の名称で宇宙を領域とする軍隊は存在したものの、その多くは精々軍事衛星の運用を行っていた程度であり、宇宙艦艇を運用して戦争をした経験のある軍隊など存在しなかった。
これはある意味考えれば当然のことで、この時代の相手国家=仮想敵国は全て地球上の、地続きの相手しか存在しないからである。
宇宙世紀に慣れ親しんだ我々からすれば、別の国、自治体とは基本的に隣接サイドや月、そして地球を指す言葉であるから、当然その間には暗くて寒い宇宙の闇が存在する。
しかしながら、当時の人々にとってはその闇は頭上にしか無いものであるから、ある程度以上に意識を払わなくても良かったのである。
そのような状況であるから、地球連邦宇宙軍とはいっても戦うべき相手も守るべき相手も存在しない以上は組織が拡大する要素が無かったのである。
にも関わらず地球連邦宇宙軍が組織されたのは、その未来を見据えてのことだった。
現代の我々から下す結果論的な評価を一先ず除外して考えなければならないが、当時の地球連邦にとって宇宙移民とは必要な選択であると考えられていた。
地球上で養うに限界のある人口を宇宙へと移民させる。
当時の地球には、そうでもしなければ際限のない領土紛争の嵐による文明的衰退を覚悟しなければならない状況があった。
その回避方法こそが宇宙移民であったのである。
しかし、当然のことであるが宇宙移民をすると宣言してすぐさまに開始できるものではない。
先ずはコロニーの建設が必要であった。
そして、コロニー建設計画は地球の人口増加速度も加味して計画されねばならなかったから、その建設数は当の計画者達にとっても想像を絶するものであったことは想像に難くない。
計画初期段階での資料では、各サイド当たりのコロニー建設数は20基と定めており、1基につき約1000万人の収容することで2億人を移住させるとしていた。
しかし、実際に建設を行う段階の資料ではコロニーの建設数は40基へと大きく拡大していたのである。
それほどまでに事態が深刻であった事が読み取れる。
そして、真の意味で困難なのはその人口の大地を維持し、人々を生存させなければならない事である。
現代においては農業プラントやそれ専用のコロニー等のインフラが整っているから忘れがちとなるが、コロニーにおける空気・水・食料を得る事が如何に困難であるかを思い出して貰いたい。
しかも、その供給を行うインフラが一つたりとも無いのである。
必然的にその解決手段は輸入、というよりも援助が行われなければならなかった。
だが、ここで思い返して貰いたい、この時代の連邦にそんな事が行える組織が存在するだろうか?
そう、存在しないのである。
存在しないのであれば、組織を編成し、人材を育て、適切なリソースを投入しなければならない。
こうして生まれたのが地球連邦宇宙軍なのである。
ここまで読んだ段階で読者の中には、「それならば何故軍隊として組織されたのか?」を疑問に思われる方も居るだろう。
しかし、思い返してもらいたいが当時の連邦構成国で宇宙に携わる民間人はほぼ存在しないのである。
現代ではかなり緩い制約で宇宙空間での作業ができる。
それこそ、訓練を受けた工業科の学生であればコロニー外壁工事のアルバイトをしている者さえ居るほどである。
当然、そのような学生など当時は存在しなかった。
よって、必然的に宇宙空間という過酷な未知(そう、当時の人々にとってはのこれは未知への挑戦でもあるのだ)の環境に耐えうる肉体的、精神的な強さと規律が求められた。
そして、それを満たしうるのはよく訓練された加盟国の軍人達であったのだ。
人類の宇宙開発、その歴史を辿れば史上初めて宇宙に飛び立った人類もまた軍人であった。
こうして発足された地球連邦宇宙軍であったが、では一足飛びにコロニー建設に着手出来るかというと、そうではない。
宇宙空間での作業を行える人員の育成、作業用機器の開発、その輸送手段の整備と開発拠点の建設、コロニー建設用の資源衛星の確保、その他数え上げる事すら億劫になること間違いない。
しかし、地道な努力の元にコロニー建設事業は始まり、そして現代に至るのである。
もしこの話が気になるようであれば、コロニー出身者であれば自身の住むコロニーを管理するコロニー公社について調べてみるとよいだろう。
現代でこそコロニー公社は連邦軍の管轄ではないが、旧世紀末からUC0020頃までは下部組織であった筈である。
フロンティアサイドとしての再編計画等で一概に全てがそうであるとは断言しないが、コロニー公社、ひいてはスペースコロニーの源流は地球連邦軍にあったのだという事は知っていて欲しい。
実際問題、地球連邦発足段階でコロニー建設が行えるような団体って多分ないと思うんですよね。
初代ガンダムの時系列のなので軌道エレベーターは意図的に無視しています。
実際は軌道エレベーターの建設が恐らく必須かな?と思います。
でないと、宇宙に人と物を上げるのに多大な苦労があるので。
SSTOみたいな往復機では多分人員までが精一杯でしょうし。
軌道エレベーターを使わないとなると、基本的には全て打ち上げる必要があるので国家レベルでも破産不可避だと思います。
それでもやらないといけないという事情が地球連邦を生んだんじゃないかなと。
そして、それを担える人材は基本的に軍人じゃないかなって。
実際問題、この世界観では民間から希望者を募るのは難しいと思いました。
この考え方だと、軌道エレベーターを超大国が建設したOO世界が地球連邦に発展してなかったのもいけるかも?
いや、そも前提が違いすぎる気がするのでOO識者に任せます。
連邦軍がコロニーを建設したのなら、原作でのあの態度なんなん的なツッコミはあると思います。
そこは追々書くので待っててください。