2012年 6月
中国 上海市 天候 雨
【⠀……で劉 主席の党大会が近日中に開催します...】
ザーザー
【 ……新しい夜明けを!!肆縁シリョウ社は皆様の...⠀】
ザーザー
???「……。」コツコツコツコツ
響く雨音、1人の青年が裏路地を進んでいく。
表の街並みの繁盛が嘘のような廃れ具合の路地裏、所々に浮浪者や孤児がござをかいていた。
???「……。」コツコツコツコツ
青年は呆れ果てていた。
この国の政府中枢はだいぶ昔から腐り果てていて、非生産的な共産主義を芯に通す「この国」は、もはや手遅れなんだと。
だが青年は「そんな事」とばかりに気にしない。
青年は受けた「依頼」を完遂するだけに注力をそそぐ。
蔓鉈瓏タワー 最上階フロア
【⠀……それで李議長、例の作戦は何時決行致しますか?】
街の中でも五指に入るであろう高層タワーの最上階の会議室で複数の男達が何やら話し合っていた。
【⠀……焦ることは無いよ同志妷氏、全て順調だ。】フフフ
そう言いながらかなり値の張るであろう高級ウイスキーの入ったグラスを仰ぐ。
【⠀心配し過ぎだ同志、ハゲるぞ?】クククッ
【⠀こりゃ失敬。】
【【【⠀ハハハハハッ!!】】】ゲラゲラ
【⠀そう言えば...昨晩警備の人間が党本部にこの様な手紙が届いたと。】つスッ
そう言って男が懐から一通の手紙を取り出す
【⠀……えーと、なんて...】
「明晩に汝らの魂魄を落としに参る。」
「神に祈り、小便を済ませて震えるがいい。」
【⠀……ハハハハハッ!!】
【⠀コイツは傑作だ!中々面白い市民家畜が居たもんだな。】
そう言って笑い終えるが、男はどこか怒りを宿していた
【⠀これを送って来た馬鹿を一族郎党皆殺しにしろ。】
警備【⠀畏まりました。】スタッ
【⠀そうカッカするな、我々は栄えある中国共産党の末席を預かる選ばれた臣民...品位が下がるぞ。】
怒りを顕にした男を窘める幹部風の男。
【⠀……分かってる、気にするな。】
【⠀しかし何処のバカがこんな命知らずな事を...】
同タワー エントランスホール
警備1【⠀……あぁ、暇だよな。】
警備2【⠀滅多な事を言うな、聞かれたらタダじゃ済まないぞ。】
気だるそうに警備する銃を装備したスーツ姿の男2人...片方が気を抜いている事を諌めている
警備1【⠀けどよ、上の幹部さま方は酒盛りしてんのに、俺達は寒い中警備だぜ?】
警備2【⠀そういう仕事だろうが。】
警備1【⠀愚痴ぐらい言わせ【⠀あの〜すいません。】...あん?】
声が聞こえ、そちらに向くと…
???【⠀すいません、ここって○○○秦塔ですか。?】
大きなカバンを肩に提げた清掃員の青年が立っていた。
一瞬訝しんだが清掃だと思い話しかける。
警備1【⠀……あぁ、新しい清掃のあんちゃんか?】
???【⠀はい、新人で先週入社しました。】ペコリ
警備2【⠀...なら早くトイレの清掃をしてくれ。】
???【⠀……えぇもちろん。】
チャキッ
???「ちゃんと掃除をしますよ。」ジャキッ
そう言って青年が黒い塊を突きつけてきて、それが拳銃だと気付くには遅すぎた。
バスッバスッ
ドサドサッ
顬を鉛玉で貫かれた警備員は、まるで糸が切れたマリオネットのように膝から崩れ落ち、微動だにしなくたった。
自身のコートに返り血が飛び散っても一切気にするのとなく歩みを進める。
コツコツコツコツ
歩みを進めながらチャンバーチェックを行い、装弾を確認すると呟く。
???「……楽な仕事になりそうだな。」カチャ
その言葉を漏らした青年の目は、光を宿していなかった。
彼の名は「ケイ・ウィック」、地上最恐の殺し屋だと各国政府が恐れている男だ。
ふとエレベーターホールの方から歩みに力を入れた足音が聞こえてきた。
恐らく定時連絡を済ましてこない同僚にしびれを切らして苦情を漏らしにきた警備員だと察知した。
ケイ「……手早く終わらせよう。」チャキッ
そう呟きながら手にした拳銃を構える。
警備3【⠀おい!!定時連絡はどうし「チャキッ」ぇ?】バスッ
ドサッ
やって来た警備員の顬に弾丸を撃ち込んで、そのまま前身を続けていく。
コツコツコツ
ケイ「(階層はだいたい220階層、警備の数は300人ぐらいか。)」コツコツコツガサゴソ
エレベーターホールの壁に備え付けられている案内板を見て推測する。
すると清掃会社のカバンを開き、中から複数の銃やチョッキを取り出して装備した。
ケイ「さて、と。」ジャキッ
ケイ「狩の時間だ。」
そう呟き階段を駆けていく。
タワー中腹部は夥しいおびただほどの銃声と悲鳴と怒号が飛び交っていた。
【⠀...おい!!どうなってやがる!!侵入者は何処に行きやがった!!】
【⠀...いぎああああッ!!足がッ!!俺のぉぉぉッ!!】
【⠀...無線で増援を呼べ!!早く!!】バババババッ!!!
【⠀...ダメです!!繋がりません!!】ガチャガチャ
...阿鼻叫喚を体現したような様相を呈しているフロアは、見渡す限りに血を流し呻き声を上げる者が多数確認される。
【⠀...畜生ッ!!侵入者が通信系統を破壊しやがったのか?!】バババババッ!!
やけくそ気味に手にした銃を乱れ撃ち、侵入者血濡れの青年を狙うが、悉く躱されては更に味方が撃たれて倒れる。
ケイ「...練度の低い雑兵だな。」バンッバンッ!!
続けて2発、フロアコールを弄る警備員の後頭部に弾丸を叩き込み、そばに居るもう1人の左脇腹に叩き込む。
警備員【⠀ウグァッ!!……ちっくしょうが!...】パタタッ
血を流し、息を荒らげる警備員に近づく青年、すかさず警備員が腰に装備した拳銃を引き抜き、撃ち込むが...
ケイ「...あぶな、」ヒョイッ
難なく避けていた。
警備員【⠀……はは、ははは……化け物かよ...】
絶望のあまりにそう毒づくが、青年には効果がなく。
ケイ【⠀じゃあな。】チャキッ
その言葉を最後に、意識を刈り取られた。
先程まで会議をしていた偉そうな男達は机をバリケードにして部屋に立てこもっていた。
直ぐ外で銃声と悲鳴が聞こえたためここで増援が来るのを耐え忍ぶ選択をしたようだ。
【⠀...外が静かになった、警備が始末したのか?】
【⠀...逸るな、焦らずにここで待機しているべきだ。】
【⠀...畜生ッ...何故我々がこの様な目にッ!!】
各々に喋りながらも警戒を怠らないように専念していたが、部屋の外からコチラに語りかけてくる声を聞こえた。
???【⠀おーい、幹部さん...達出てこーい。】コンコン
その陽気な声色に怒りを覚えたのか、幹部達は激怒しながら答えた。
【⠀ふざけるな!!資本主義の犬風情が!!】
【⠀貴様は必ずここで死ぬ事になるんだぞ。!?】
もはや遠吠えに近いその叫びは、
???【⠀あっそう。】カチャ
虚しくいなされた。
【⠀...ふ、ふざけるなよ貴様!!】
【⠀我々は投降なry『ドゴォォン!!!!!』ぐぁッ】
突然扉が爆発し、衝撃で室内の幹部達は吹き飛ばさた。
【⠀...あぁ...一体何が「チャキッ」ッ?!】
意識がまだある幹部が状況を確認しようと起き上がるが、その眉間に銃口を突きつけられて動けなくなる。
ケイ【⠀ニーハオ、李 雲嫋党員議長さん?】ゴリッ
青年は拳銃を突きつけ
バァンッ!!
引き金を引いた。
ケイside...
ケイ「...さて、後は証拠隠滅をするだけだが…」ゴソゴソ
そう言って俺はバックから手の平サイズの円盤状の機会を取り出した。
ケイ「...(アイツ)が事後処理にちょうどいいと渡してきたこの爆弾を1階の全ての柱に設置しておいたから…後は…。」チャキッ
バババババッ!!!
俺はとりあえず近くの窓に銃弾を叩き込んで穴を開けていた。
ケイ「...確か入れていたはず……あった。」ゴソゴソ
バックの中から小型のジェットパックとウィングスーツを取り出して装備する。
てか滅茶苦茶高いなここ...肝を冷やしそうだよ
ケイ「...うぉらァッ!!」シュバッ
カチャッ シュボッ!!!
飛び降りて直ぐにジェットパックを吹かして高層ビルの森を縫うように飛びながら起爆スイッチを押す。
ピッ ドゴォォォォォンッッ!!!!!
面白いぐらいに綺麗に崩れていくビルを尻目に俺は上海市を飛んでいく。
to be continued...