現代技術者の無双伝説 ~技術系提督とその仲間の妖精達が鎮守府に着任しました。これより幌筵泊地は最大強化されます~ 作:提督兼指揮官兼トレーナー
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関東地方上空
「いやぁ、いくら現代の旅客機でも幌筵泊地からだと長いな、そろそろ護衛機が飛んでくる手筈になっているが、何が来るんだろ。」
招集要請に従い、幌筵泊地からはるばる飛んできた多元はやってくる護衛機が気になっていた。
「レーダーコンタクト、感2、おそらく護衛機と思われます。速度600キロ。」
轟音を立てながらやってきたのは横須賀鎮守府所属横須賀航空隊の橘花である。
「無線でこう言ってくれ、<貴機らの護衛を感謝する、幌筵泊地提督多元実>」
「了解」
横須賀航空隊所属ジェット戦闘機橘花改の妖精は驚きを隠せなかった。
「なんだコイツら、ジェット機で幌筵泊地から飛んできたのか!?」
ジェット機は燃費がそこまで良くないはずで長距離飛ぶのは不可能だと言われていたが……
「とりあえず、提督に連絡しよう。」
護衛をしながら無線機を取り、連絡を取った。
「何!?、幌筵泊地の提督は双発ジェットの輸送機で来てるだと!」
航空隊から報告を受け取った横須賀提督は信じられないような顔をしたが、すぐに査問会のメンバーにそのことを伝える。
「これは呉提督の意見を支持する根拠がまたひとつ増えましたな、ジェット機の開発は各国で行われているが、双発で幌筵泊地から無着陸で横須賀まで飛んで来れる性能はドイツの技術力でも不可能でしょう。」
米内光政の発言に頷く呉提督だが、一方で舞鶴提督は依然疑念の目を向けているようで……
「しかし、ドイツが開発していないだけで、他が開発している可能性も否定できません。」
「では、逆に聞こう、他国に忍び込ませる工作員にわざわざ最新鋭の航空機をわざわざ与えるか?下手をすれば差し押さえられて解析される恐れもあるというのにか?」
米内は以前幌筵泊地を調査した青葉からの報告書を読んで、幌筵泊地の面々が転生者であるということに確信を持っていた。現実世界では山本五十六と並んで反戦派だった彼はアメリカ、イギリスをはじめとした各列強の技術力などを駐在武官などを通じて調査しており、また、彼自身も海外赴任経験が多いことから、自らの経験とその調査結果と合わせて幌筵泊地の技術力の特異性を見抜いていたのだ。
「確かに転生者とするなら話が通りますが、しかしこれではおとぎ話です。世界屈指の精鋭である我が国の海軍が、そんな夢物語を信じろと…?」
「おとぎ話と言うなら君、この状態こそまさにおとぎ話だよ、海から化け物が現れ、見た目は年端も行かない少女が戦っている。これのどこに現実味があるのだね?」
「しかし…」
「まぁ、ここで判断するのはなんだ、彼の話も聞いてみようでは無いか、ちょうどそろそろ着陸するようだし。噂の双発ジェット機とやらを見てみようではないか。」
米内の発言の後に、一行は滑走路へと向かった。
U4改機内にて
「鳳翔さんは横須賀に昔いた事があるとか?」
「ええ、かなり前の話ですけどね、提督は前の世界の士官学校がこの辺りにあったんですよね?」
「そうですね」
話しているうちに横須賀上空に着いた。
「あれが90年前の横須賀か、防大時代を思い出させるものは……、何も無いか」
多元は防衛大学校を卒業し、そのまま海上自衛隊の道に進もうとしていた。しかし、卒業間近に自衛官としては致命的な病気を抱えた結果、任官拒否せざるを得なくなり、一般大学で以前から興味のあった航空宇宙工学を勉強して重工メーカーに入社したという経緯がある。
「滑走路の長さはうちより短いが行けるか?」
「工廠の妖精達がバッチリ対策済みですよ」
「ならいいが…」
多元の心配をよそに、多元達を載せたU4改はゆっくりと横須賀航空隊基地に降り立とうとした。
「ん?なんか匂うな?」
「あっ、コラ!、なんでラーメンなんか食べてるんですか!」
「え、鳳翔さんひょっとして今日艤装…」
「すみません、言い忘れてました…」
何と、機内で鳳翔航空隊の妖精がカップラーメンを開け、ちゃんとお湯を注いで食べていたのだ。
しかも、鳳翔は今回艤装を身につけて来たそうで…
「まぁ、機内でものを食ってはいけないとは言ってないし、もし何か見せろって言われた時に便利だから、このまま一緒にいるように。」
「すみません、うちの子達が……」
申し訳なさそうな鳳翔
「着陸しますぜ、シートベルト着用で」
一通り話を終えたところで機長の合図で着陸体制に入った
一方、鳳翔航空隊の面々はというと……
「提督、これはなかなか美味いな、お湯さえ用意出来ればどこでも温かいメシが食える。」
「画期的でっせ、これも未来の技術力か?」
「今度からこれも積んどいてくれよお艦」
多元とその仲間達、及びそのほかの転生者達が知恵を結集して量産可能にした日〇カップ〇ードル
はどうやら妖精達のお眼鏡にかなったようだ。
そして、着陸の様子を見ていた査問会メンバーはというと……
「ほう、後ろから落下傘を出すとは……、何かメリットでもあるのかね?」
「さぁ、分かりません。何しろ未来の技術かもしれないのですから、いずれにせよ、今回の査問会できっちり吐かせなくては。」
「舞鶴提督、まだ彼は我々の仲間なんだ、そう敵を見るような目で見ないように。」
「わかりました……」
全てを明らかにしようとする舞鶴提督を米内が抑えていた。
「ふぅー、長かったぁ」
「これまでとは格段に速いとはいえ長旅はさすがに身にこたえますね。」
「さて、行くとするか、ってあれは確か……」
駆け寄ってきたのは単冠湾泊地提督だった。
「多元殿、大湊警備府提督からの伝言だ、<四大鎮守府の提督と海軍省のお偉いさんが、貴官に対して査問会を行う>だそうだ、おそらく転生者であることについてだろう。全て正直に言った方がいいと思う。」
「なっ……、伝言ありがとうございます単冠湾泊地提督、何とか乗りきります。それと大湊警備府提督にもよろしくお伝えください。」
「一応、呉提督に接触してあるから何かあったら我々も動く。こんなところで大事な恩人を失いたくはないからな。」
失礼する、と言って単冠湾泊地提督は去っていったが、1人残された多元は呟いた。
「中央に呼ばれて査問会とか、一体どこの紅茶大好き歴史好き大将だよ………、勘弁してくれ……」
建物に入り、案内されたのは小会議室のような場所だった。ノックして入るとそこには5人の将官が座っていた。
「幌筵泊地提督、多元実少将だね、今回の査問会で進行役を務める横須賀鎮守府提督 須賀守だ、私の右側に座っているのが舞鶴鎮守府提督 鶴舞昇 提督だ、書類上は君の同期にあたる。君から見て右端にいるのは呉鎮守府提督 大石一誠 提督でその隣が佐世保鎮守府提督 佐倉 英世 提督だ。そして、中央に座っている方についてはわかるかね?」
その顔については見たことがある、防衛大学校時代の図書館の資料でだが…
「米内光政閣下でしょうか。」
「ほう、君のいたという異世界とやらでも米内閣下については知られていたのだな。まぁ立ち話もなんだし、早速査問会を始めるとしよう、そこの椅子にかけてくれ」
大人しく座ることにした、さすがに某提督のように足を組むわけにはいかなかったが……
「ではまず今日は君の出自を中心に確かめたい」
査問会の内容としては彼のこれまでの経歴についての確認が行われた。
この時代における多元実の経歴というのは
1912年 東京で生まれる
1928年 海軍兵学校入学
1931年 少尉待遇で海軍へ入隊
1934年 中尉に昇進
1938年 大尉に昇進
1942年 少佐に昇進するも、前年の深海棲艦出現
よる戦闘とそれによる将校不足により中
佐に昇進
1944年 前年の艦娘出現と鎮守府設置に伴う戦時
特例によって大佐に昇進
1945年 戦線拡大に伴う提督養成のため、養成学
校へ准将待遇での異動
1947年 少将待遇での幌筵泊地着任
となっていた。
「という訳だが、多元少将、君はこの経歴に身に覚えはあるかね?」
「全くありません。」
「やはりか、我々としても貴官が転生者であるということについて混乱しているのだが、一応貴官自身の経歴を聞いておこう。」
口頭で説明した多元実の実際の経歴は以下の通り
2001年 東京都に生まれる
2020年 防衛大学校入学
2024年 卒業するも、体調面から任官拒否
2025年 国立大学入学
2031年 大学院を修了、研究室時代から関わりの
あった重工メーカーに入社する
2033年 開発チームのリーダーになる。
2036年 異世界へ転移
「ふむ、まるで噛み合わないな」
「噛み合わないどころか、まるっきり違うではありませんか!、おい!、貴様正直に吐け、どこの国からどんな指示を受けて来た!」
激高する鶴舞昇中将を須賀守中将が抑えているところに、大石一誠中将が静かに語り始める。
「鶴舞中将、我々が彼を工作員だと認定するためには、彼に無実を証明させるのではなく、我々が彼が工作員であることを示す何かが必要だと思わないのかね?」
「では、我々はこの男のおとぎ話を信じろということですか!?」
「では君は彼が工作員だと確信をもって言える証拠を持っているのかね?」
「彼は幌筵泊地です。ソ連やアメリカに近い、他国から支援を受けるのには理想的な場所です。」
「それは地理的条件だ、実際にどんなものをどの国から受け取ったかが証拠だ。」
「受け取った兵器が英語名です。イーグル、ライトニング、皆英語の名前です。」
「と、彼は言っているが、多元君、このことについて何か弁明はあるかね?」
多元は鶴舞に嫌気がさしていながらも大石からの質問にはっきりと答えた。
「私の元いた世界では、日本はアメリカから兵器を購入したり、1部兵器のライセンス生産を行っていましたので英語名となっています。」
「如何にも工作員らしいもっともらしい理由と見え透いた嘘だな、貴様を今からでも特高に引き渡すことだってできるんだぞ!分かったらさっさと吐きやがれ!」
再び激高した鶴舞に遂に米内がキレた
「やめんか鶴舞!、先程から黙って聞いていれば憶測で勝手にものを言っては査問会を混乱させおって、お前はこの査問会には要らん!、さっさと退出しろ!」
苦虫をかみ潰したような表情をしながらも一応は従い、鶴舞は退出していった。
その後は比較的落ち着いた雰囲気で話が進み、とりあえず、今日のところはここまでとなった。
幌筵泊地向けに用意された部屋には鳳翔がいた。
「提督、お疲れのようですね」
「ああ、酷く噛み付いてくるやつがいましてね、苦労したものです。」
「そうですか、今日はもうお休みになられた方がよろしいのでは?」
そうですね、と答えた時、部屋のドアが叩かれた
「はい」
多元が応え、扉を開けた、そこには……
「多元少将、少しよろしいかね?」
米内光政がいた
そういえば、鳳翔航空隊の面々、カップラーメンを食べていたという……、転生者達が珍しくイカれていない機械を作ったみたいですね。皆さんカップラーメンの味は何がお好きで?
さて、今回初っ端から噛み付いてきた鶴舞提督、果たして彼のこれまで経緯とは一体?、次回もお楽しみに!
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