現代技術者の無双伝説 ~技術系提督とその仲間の妖精達が鎮守府に着任しました。これより幌筵泊地は最大強化されます~ 作:提督兼指揮官兼トレーナー
はい、というわけでいよいよ多元達がイギリスに到着します。
果たして出迎えるのは一体誰なのか、どうぞお楽しみに。
「まもなく、英国防空圏に入ります。」
「やっと着いたか、さて、護衛機はなんだ?」
「あ、あれはバンパイアですね。」
2機の双ブーム式のジェット機が飛んでくる。
「パイロットに通信してやれ、<貴殿らの護衛を感謝する。>ってな
噴式蒼空改や、白鳳乙型、丙型の数を考えれば、飛んでくる機体の数では護衛としては役不足な部分もあるが、とりあえず形式的ながらも挨拶をするのであった。
~バンパイア搭乗員目線~
「タッカー01より02へ、俺たちは夢でも見ているのか?」
「02より01、こっちも同じものが見えているので2人揃って見間違いってことは……」
「極東の島国がこんなものを開発するとはな。」
2機のパイロットは噴式蒼空改を見て驚いた。
「タッカー01より管制塔、レーダーは故障にあらず正常なり、船が空を飛んできた。」
目の前の光景を信じたくは無いが、事実であることを管制塔に伝え、ネス湖へと誘導した。
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イギリス某所
「Admiral、ニホンからの増援が来たわよ。」
「ふん、弩級戦艦クラスが2隻とタカオ型クラスが1隻、大型空母1隻ならわざわざ極東の島国から呼ばなくてもアメリカから呼べば十分じゃないのかね?、護衛艦もアキヅキ型かと思えばカゲロウ型ですらないフブキ型では無いか!」
「Admiral落ち着いて……」
「転生者だかなんだか知らんが、最北端の島でぬくぬくとやってきた連中にあの大艦隊が倒せるというのか??」
「あんまり言うと例のアレ、貰えなくなるかもしれないのよ?、あの事を引きづるのは勝手だけど私たちに支障が出ることはしないで。」
「ああ、わかってはいるさ。」
「とりあえず、まずはホロムシロの方々を出迎えに行くわよ。」
「そうだな、アーク・ロイヤル、ウォースパイトは俺と一緒に来い。」
「了解。」
一方、着水後、荷物の展開を行う幌筵泊地欧州派遣部隊本隊では……
「戦闘機の揚陸急げ!、早期警戒機もだ!、さっさと防空体制を整えないと万が一爆撃機が来た時は死ぬぞ!!」
「対空砲も回せ!、場所は作ってある!」
「人型ゴキブリも逃がすなよ!、ファストフードばっかでよく肥えているやつだから目立つぞ!」
米国スパイに対してこの言い様……、いるだけでせっかくの作業中を邪魔されることこの上ないため最近では速攻で銃殺してることも相まってか、幌筵泊地では彼らに対する心象は悪い。
「提督、揚陸作業は戦闘機や、早期警戒機などの防空関係のものを優先して揚陸、現在に至るまでに始末したゴキブリは6匹です。」
「全く、少しは学習して欲しいもんだ。」
「本当ですね……」
「航空機の展開状況は?」
「E-2Dが1機すぐに揚陸して、離陸体制を整えました。直掩機と一緒に上がります。」
と、言うがはやいか、グリペンとともにホークアイが警戒に上がる。
「艦娘のみんなは?」
「どうやら湖でも活動可能らしく、丙型の特性を活かして自力で上陸しています。」
「よろしい、間もなく英国鎮守府の方々が来られるので、失礼の無いように。」
「了解。」
そんなこんなで作業を続けていると、やがて1台の車がやってきた。
「艦娘は全員集合!!」
多元の指示で派遣部隊の艦娘が集まる。
「気をつけ!、英国鎮守府司令に敬礼!」
出てきた男に敬礼する幌筵泊地一同。
男は一瞥すると、口を開き。
「旧式の集まりだな」
いきなりそう言った。
「弩級戦艦とは聞いていたが、実態はフソウ型、軽空母に至っては時代遅れのホウショウか、馬鹿でかい飛行機を飛ばす力はあっても艦隊は二流とは転生者が聞いて呆れる。」
「Admiral!、いい加減にして!」
ウォースパイトが止めに入る。
「申し訳ない、Admiralは今回の欧州棲姫達によって襲われた船団に友人が乗っていたため、心身的に落ち着いていないんだ。」
アークロイヤルが状況を説明する。
しかし、彼の失言は留まるところを知らない。
「30代で大将というから、相当なものだとは聞いていたが、歴戦の勇士の覇気すら感じられない、大方上層部に顔が効くのだろう。そんなやつをこちらに派遣するとは日本政府も終わりだな。」
艦娘への侮辱、提督への侮辱、更には国までコケにされてはさすがに幌筵泊地も黙ってはいられないのである。
「(おい、吹雪の、俺がやつを殺る、手伝え)」
「(俺も加勢します。)」
後ろにいた妖精達が、殺気を顕にするのを止めたのは多元でも、他の艦娘でも無かった………
「ほ、鳳翔さん?」
いつもの穏やかな様子が何かおかしい……
ツカツカツカ……
バシッ!
思いっきりビンタしたのである。
そして、おおよそその見た目に似つかわしくない綺麗な英語でまくし立てる。
(日本語で書きますが、英語で話してます。)
「出迎えの態度がまるでなってませんね、あなたのような感情だけで動くような司令官が何故英国を守る要となる鎮守府のトップになれたのか理解に苦しむところです。どうやら英国では艦娘の司令官は出世に敗れた半端者が配置されると、噂として聞いていましたが、あなたのような半端者がいる辺恐らく正しいのでしょうね。私たちの提督はあなたのような半端者とは違い、ちゃんと結果を出しています。私たち艦載機は全て提督の手によって生み出されています。戦場で指揮を取りながら兵器開発を行うことができることだけでもあなたより余程優秀ですが?」
その場にいた全員が固まる。まさか普段は大人しい鳳翔さんがここまで怒るのは見たことがない。
そういえば、最近は鳳翔さんと多元との距離が近かった気もする。
イギリス側も全員固まっている。
「どうする?、素直に謝罪するのか、それともこのまま縺れて外交問題に発展させるか、それとも後ろの妖精達に袋叩きにされるか、選択肢は貴様にあるぞ。」
沈黙を破ったのはもちろん多元。
さすがにここまでコケにされては立つ瀬がない。
現に後ろで妖精達はブチギレており、鳳翔さんが行動しなければ、基地防空用の20ミリバルカン砲をぶっぱなしかねなかった。
「全く、だから鎮守府にはまともな人材を置けと言ったのに、海軍の連中は……」
不意に英国鎮守府側でも、幌筵泊地側でも無い方から声がした。
「あなたは……」
そう、その場にいた男は……
「幌筵泊地の諸君、我が国の軍人が大変失礼な行為を働いた。代わりに私が、我が国を代表して謝罪させていただく。」
多元は驚いた。何故ならその男は、多元のいた元の世界で、第二次世界大戦、ナチス・ドイツからイギリスを勝利へと導き、葉巻とVサインがトレードマークのあの首相だったからだ。
「サー・ウィンストン・チャーチル首相………」
「ウォースパイト、君がしばらくの間この男に代わって指揮をとれ、MP、こいつを連行しろ、同盟国の軍人に対してこの発言はとても容認できる内容では無い。」
「同盟国??」
「おや?、知らないのかね?、我が国と貴国はつい昨日、同盟を締結したのだよ。」
昨日と言えば飛んでいる最中、電波管制を敷いていたからその辺の情報が入って来なかった。
「第2次日英同盟……」
「そうだ、改めて貴国や、貴殿に対する発言について謝罪の機会を申し入れたいのd……」
その時、サイレンが鳴り響いた。
「どうした?」
「深海棲艦らしき爆撃機が接近中との事、これより迎撃に入ります。」
そう言うと多元は矢継ぎ早に指示を出す。
「物資の揚陸は?」
「ちょうど終わりました!」
「よし、では指示を出す。」
続けて
「艦娘は全員湖に展開しろ、飛行艇は直ちに離陸して撃破を防げ、基地航空隊は直ちに全機発進、防空装備を全部出せ!」
更に
「閣下、申し訳ないですが、ここは我々の指示にしたがって逃げていただきます。」
「いや、私はここにいる。同盟国の最先端の軍事技術をこの目で見たい。」
「しかし……」
「貴殿は1万隻の艦隊を薙ぎ払った軍人では無いのかね?」
なるほど……、多元は理解した。彼は我々を試そうとしているな。
「わかりました。では、間もなく迎撃機が出撃します。基地の方をご覧下さい。」
JAS39Eグリペンが離陸体勢を整え、離陸する。
「爆撃機はどこで捉えたのかね?」
「早期警戒機からの情報によりますと、英国本土沖合200km付近です。」
「200!?、そんなに遠くまで見通せるのか?」
「ええ、我が軍のレーダーは優秀ですから。」
「米国が君たちにスパイを送り込みたくなる理由もわからなくは無いな。」
「全くです。ちなみに、艦娘は湖に展開し、対空戦闘に備えていますが、爆撃機の数的におそらく迎撃機だけで事足りるでしょう。」
「それは本当かね?」
「ええ、もちろん。」
その時、迎撃機から無線が入った。
「バービー01からコントロールセンター、敵編隊を捉えた、いつでもどうぞ。」
「コントロールセンターよりバービー隊へ、攻撃を許可する。イギリスの伝説の首相がわざわざ見ようとしているんだ、実際に見られることは無いがひとつビシッと決めてくれ。」
そう言うと、多元は手元のタブレットを見せる。
「閣下、青色のマークが我が軍です。赤色のマークが敵軍を示しています。両軍は本土沖合80km地点で交戦します。」
「敵はこちらの5倍いるが、勝てるかね?」
「余裕です。」
言うが早いか、もう20機ほどたたき落とす。
「まるでアリを踏み潰すような戦闘だな。」
「ええ、数だけは多いですが、戦闘に関しては毎回これくらいです。」
「なるほど、1万隻とはいえ、所詮は数だのみの物量作戦か、あの国とやっていることが同じだな。」
そうしているうちに敵機を示すマークが消えた。
「敵編隊の全滅を確認。勝利しました。」
「随分呆気ないようだが、本当かね?」
「もし不安でしたら索敵機でも出していただければすぐにおわかりになると思います。」
「全く、君たちの技術は理解できないよ、今回渡してもらう予定の機体に関してもね。」
「タ式電征のことですか?」
「二重反転ターボプロップエンジンとか何とか書いてあったが、あれはレシプロ機としては最高峰のレベル、いや、ジェット機でもあの性能は厳しいものがある、とか技術者は言っておった。」
「そうでしょうね、特に初期のジェット機は加速性能なんかで見劣りしますし……」
多元は、日英同盟締結までは知らなかったが、日英の間で技術供与を行うことを知らされており、幌筵泊地に留学中の日本技術者(転生者除く)の下積みも兼ねて、英国向けに高性能プロペラ機の開発を行わせたのだ。
それがタ式電征、オリジナル同様の性能を誇り、今回アークロイヤル等の英国艦娘に艦載予定となっている。
「同盟締結後はさらなる技術供与が行われることをお願いしたい。」
「国の方針次第ですが、陸海空の様々な分野にわたって、支援することをお約束します。」
「次はジェット機を頼みたいな。」
「努力させていただきます。」
そうこうしていると、バービー隊が帰ってきた。
「多元大将、今夜はささやかだが、我々の方で歓迎パーティーを用意させていただいた。ぜひ参加して欲しい。」
えっ、イギリスが開く歓迎パーティー……、多元や幌筵泊地の艦娘達に嫌な予感が漂う。
「提督、私たちは……」
と、吹雪が言おうとしたが……
「フランスから呼び寄せたシェフが腕を振るう予定だ。」
「全員参加します。いいですね?」
「おい待て、今絶対話聞いて対応変えただろ。」
その日はいい夜になった模様
Q.多元達があのままキレたらどうなってたの?
A.多元がフギンとムギンを50機ずつ英国に常時飛ばせるようにする
(意訳:英国は制空権を永久に幌筵泊地に握られる)
Q.ちなみに、さらにやばかったら?
A.英国本土が消し飛ぶ(物理的に)
次回もお楽しみに!!