現代技術者の無双伝説 ~技術系提督とその仲間の妖精達が鎮守府に着任しました。これより幌筵泊地は最大強化されます~ 作:提督兼指揮官兼トレーナー
更新をお待ちにしておりました読者の皆様、大変お待たせしました。作者兼、モブ役代打のうp主でございます。
ようやくリアルの方が落ち着いてきましたので、新シリーズなども含め、来週辺りから本格的に始めたいと思います。
というわけで、前回の続きとなります。
久しぶりの幌筵泊地をどうぞお楽しみください
「艦載機、着艦体制に入ります。」
「レーダー、ソナーに感なし。」
次々と艦載機が着艦していく中で、鳳翔と、建御雷は多元のあの言葉を思い出していた。
<どこかが情報を漏らした。>
本来、深海棲艦に対して一枚岩にならなければならないはずの人類側に多少なりとも軋轢があるのは艦娘である彼女たちも知っていた。
深海棲艦が出現して間もない頃、各国は自分の仮想敵国が新兵器を出してきたのだと、お互いを非難し合っていた。
そうしているうちに、貴重な迎撃チャンスを逃してしまったり、離島部の民間人の避難が遅れてしまったりなどの影響が出てしまっていた。
また、ほぼ唯一の対抗手段である艦娘に関しても各国で対応が異なっていたというのは以前紹介した通りなのだが、我々の世界で言うところの連合軍側の国家でも対応はバラツキがあった。
第1次世界大戦以降疲弊していたイギリスはともかく、アメリカは、その工業力と軍事力が完全に仇となり、多数の艦娘が居たにも関わらず艦娘の存在によって既得権益の喪失などを恐れた高級将校などの反対から、当初は全く効果的な反抗作戦が取れず、フィリピンにいたアメリカ国民と米軍は、日本を頼ってしまうなど、第1次世界大戦以降から築き上げてきた権威は地に落ちた。
今回アメリカが艦娘を欧州へ派遣しているは、それまで地に落ちた権威をなんとか回復させるという意味合いも含まれている。
<そんな中で何処かから情報が漏れるということは一体どういうことなんでしょうか?>
腕を組んで考える鳳翔。
ちょうどその時、同じような仕草をしながら、ある事を考えている男が、ネス湖湖畔に備えられた臨時司令部に居た。
「コイツは一体どういうつもりだ?、純粋に戦術的な意味合いだけでは測れない何かがある……」
奇しくも同じ時に秘書艦と同じ構図を取っているのはアメリカ艦隊から不可解な要求をされた我らが幌筵泊地提督の多元。
事の発端はアメリカ艦隊から来た要請であった。
<本艦隊の航空攻撃を効果的に行うため、他艦隊は接近して砲撃戦を行って欲しい>
戦術的に考えれば、この考え自体は間違っていないが、何かが引っかかる。
特に、あまり友好的ではないアメリカからの要請となればなにか裏がありそうだ。
「一応従う素振りを見せておくか……」
とりあえず、何か引っかかるものを感じていた多元は要請に従いつつも、艦隊に対して艦載機を米艦隊に向けて飛行させることを命令した。
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一方、幌筵泊地にて……
「では、これより深海棲艦の解剖作業を始めたいと思います。」
「特殊なガスや、細菌の可能性もある。慎重に行うように。」
「了解」
幌筵泊地がこれまで戦ってきた深海棲艦、その上位個体の遺体を腐らぬように保存し、これまで蓄積してきたものを生物学的、医学的観点から探るために、厳重警戒の上で解剖が始まった。
「皮膚組織、剥がします。」
「それはこっちに」
「放射線量は?」
「特に反応はありません。」
「酸素濃度は?」
「変化なし。」
「体液のサンプル取れました。」
「分析始めます。」
「化学物質、細菌などの危険物は今のところ観測されていません。」
順調に解体が進む深海棲艦の上位個体。
このサンプルから後にある事実がわかることになるのだが、それはまだ先の話である。
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一方、欧州にて作戦実行中の幌筵泊地艦隊
「えっ?、偵察機を?」
「そうだ、アメリカ艦隊の具体的な陣容などについて詳しく知りたい。頼めるか?」
突然の提督からの要請に建御雷は困惑しつつ、その可否について答えた。
「一応出せはしますが……、理由を聞いてもらってもいいでしょうか?」
そうだな……、と多元は同意し、
「先程米艦隊から<本艦隊の航空攻撃を効果的に行うため、他艦隊は接近して砲撃戦を行って欲しい>との趣旨の連絡が入った。敵の対空砲火を減らすために航空攻撃と水上戦闘を組み合わせるということは、戦術的には間違っていない。」
じゃあ何故?、との建御雷の指摘に多元自身もはっきりとした口調では返せないものの。
「何か嫌な予感がする。最初に新鋭部隊がこちら側に回っていたことや同盟国でもない国に対してこういうことを要請してくるあたり、何か裏があるに違いない。」
なんとも煮え切らない発言だが、建御雷も、横で聞いていた鳳翔もその違和感には同意する。
「わかりました。私が偵察機を出しましょう。」
「鳳翔さん……、頼めますか?」
「提督がそう仰るのなら、私としても異論はありませんから。」
エラく信頼されている気もするが、とりあえず偵察機を出す方針で固まった。
「では、誰が行きますか?」
鳳翔航空隊の妖精は揃って挙手する。
「2機だけですよ。」
「隊長、最近出撃多いじゃないですか、ちょっとばかし譲って下さいよ。」
「いやいや、みんな変わらんだろ対して。」
「1年前に横須賀行った時あんなことしたんですから少しは自重してくださいって。」
中々決まらないメンバー選出に、鳳翔の鶴の一声が入る。
「7、8番機の2人でお願いします。」
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それからしばらく経ち……
「んで、アメ公どもはどこにいるんだって?」
「早期警戒機のレーダーによると、後100kmくらいですかね。」
「んじゃ、そろそろ無線封鎖するか。」
鳳翔航空隊7、8番機は機体下部に偵察用装備を装着した上で、アメリカ艦隊の偵察に向かっていた
艦隊を自機のレーダーにて補足すると、高度を高く上げ、発見されないようにする。
向こうは幌筵泊地から偵察機が飛んできたことに全く気づいていないようだ。
「おい、7番機、真ん中の奴見ろ、空母だぜ。」
「ほんとだ、しかも人間用のやつじゃねぇか。なんでわざわざ人間用を持ってきたんだ?、アイツら相手には全く役に立たないってのに……」
「あっ、よく見ると双発機が載ってるな」
「しかも発艦準備中じゃねぇか」
「こりゃ提督に報告モンだな。」
この報告が、結果として幌筵泊地を救うと共に、その後の日米戦争へと繋がる最初の事件となる事になるとは、この時誰も知らなかった。
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「提督!、画像を見てください!!」
かなり興奮した様子で司令部要員が画像を多元のパソコンに転送する。
「何があった?」
「この真ん中にいる2隻の空母なんですが……」
「艦娘ではない普通の空母だな。」
「はい、そしてここを見てください。」
艦娘の護衛の元、中央には大型の空母が存在し、甲板上の丸つけされた部分には双発のプロペラ機が載っかっていた。
「おい、これって………」
多元の脳裏にある言葉がよぎる。
「普通の航空母艦なんですが………
P-2対潜哨戒機が載っています!!」
わざわざ陸上機であるP-2を載せる理由、そして深海棲艦に対して効果を示さない人間用の空母を引っ張ってきたこと、そして、史実におけるP-2の一部機体への役割…………
多元は一瞬で全てを悟った。
そして、追加の情報が多元に判断を下させる。
「しかも、まもなく発艦体制に入ったとの報告が入っています。」
不味い!、多元はすぐに指示をだす。
「航続距離と上空到達時刻を計算しろ!、それと平原におけるMk1、Mk2、並びに同時期もしくは数年先のアレの被害範囲を国を問わず出せ!!、通信士は幌筵泊地に連絡!、蒼空改か白鳳改でもとりあえず大至急、
・・・・・・
緊急被爆医療用の設備を積んで寄こすように伝えるように!、安定ヨウ素剤と、そっち方面の実務経験のある医療従事者も連れてこい!、除染作業用の道具もだ!、艦隊に向け通信!<全艦反転急速離脱、絶対に振り返らずに帰投せよ!!>全員急いでことにあたれ!」
多元からの指示でいっせいに司令部は蜂の巣をつついたがごとくあっちこっちに動き回る。
クソっ!、悪態をつきながら多元は怒りを漏らす
「あの馬鹿野郎共め!!、いくらなんでも深海棲艦と艦娘まとめて消し飛ばす気か!!」
まぁ、何がなんだかすぐにお分かりになったと思いますが……、それについては次回で、ちょっとリハビリ兼ねて短めですが、その分次が早く更新されるのでお待ちください。
次回もお楽しみに!
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