現代技術者の無双伝説 ~技術系提督とその仲間の妖精達が鎮守府に着任しました。これより幌筵泊地は最大強化されます~ 作:提督兼指揮官兼トレーナー
前回のコメント欄で皆さんおおよそ察しが付いたようで、色々おっしゃっていましたが、まぁ、その通りって感じです。
<我が艦隊を囮に米国艦隊から深海棲艦に向け核攻撃の予兆が確認されたため、蒼空か白鳳改に大至急、緊急被爆医療用の設備を積載し、安定ヨウ素剤と、放射線関係の方面の実務経験のある医療従事者搭乗の上で除染作業用の道具を持ち、速やかにイギリスへ派遣するように>
「なんだって!?」
「アメリカが俺らを囮に核攻撃をするだァ!?」
「あの自己中傲慢肥満超大国め!、だからあいつらとの共同作戦なんて信用したくないんだ!!」
多元達欧州派遣部隊からの緊急通信を受け取った幌筵泊地では天地がひっくり返ったが如く大騒ぎになっていた。
「すぐに医療部門から人選を行え!!」
「原子力部門(新設)からも応援を!!」
「効払君!、最短で何時間だ!?」
「多分最短で12時間です!!」
「事前準備含め丸1日か!、彼女たちが帰ってくるとしてギリギリだな、とりあえず機体はすぐに飛べるようにしておけ!!」
「了解!!」
とにかく急がねばならない、アメリカなんぞの勝
・・・
手な都合で核兵器なんぞの直撃を艦娘達が喰らう訳にはいかないのだ。
「医療器具積み込み終わりました!」
「人員点呼完了!!」
「機体点検異常無し!!」
瞬く間に準備を終えた幌筵泊地緊急派遣部隊。
「全機発進!!」
轟音をたて、大型飛行艇が次々と離水する。途中の空中給油なども含め、どれだけ急いでも12時間はかかってしまうが、とにかく確実に、なるべく早く着くために、幌筵泊地は努力し続ける。
そして、艦隊にもその一報は届く。
「欧州臨時司令部より緊急入電<直ちに突入を中止し臨時基地に帰投、直掩機などの最低限の機体を除き、全ての機体を格納庫へ、艤装の全入口を閉鎖し、非常配置を行うこと、艤装外部に配置されている妖精は全員艦内へ退避、シャッター、カーテンなども可能な限り閉めること、決して振り返ることなく戻ること>以上です。」
えっ?、との声が艦隊に上がる。
「突入中止はともかく、直ちに帰投なんて只事では無いね、一体どうしたのかしら?」
愛宕の質問に、鳳翔が答える。
「分かりません、何か先程の偵察でわかったことがあるのかもしれません。」
その時、命令内容を一読した建御雷がハッとした顔で話し始める。
「もしかしたら、アメリカ軍は核攻撃を行うつもりなのかもしれません。」
「か、核攻撃ですか!?」
吹雪の驚いた顔に建御雷が頷く。
「提督の指示の内容からは、なるべく放射線被害を防ぐための内容が見て取れます。おそらく先程の偵察によって、艦上核攻撃機がいることがわかったのでしょう。」
建御雷は元々は違う世界出身で、自身も核融合炉を持つため、核についてはこの艦隊で一番知っているとも言っていい存在だった。故に、どう対応すればいいのかも熟知しており、通信内容は核攻撃への対応を裏付けるものだった。
「でも、確か核攻撃は大して効果を挙げなかったはずじゃ……」
<<それはアメリカの報告だ、他国に開発されることを恐れたアメリカが効果について隠蔽したって可能性だって有りうる。>>
「提督!?」
<<すまん、俺がもう少し早く気づいていればどうにでもなったんだがな……>>
声の小さくなる多元。
「提督、とりあえず使用される核兵器について検討はつきましたか?」
冷静に情報提供を要請する建御雷。
<<とりあえず、P-2に載る大きさってことなら広島型原爆が真っ先にあげられる、さすがに水爆に関してはデカすぎるから有り得ないとは思う、だが一応確認したい、敵艦隊との距離は?>>
「およそ200kmです。」
<<分かった、帰投後は一応除染活動を行うつもりだからそのつもりで>>
「除染って何をするんですか?」
除染の概念の無い艦娘達に多元に変わって建御雷が説明する。
「一番手っ取り早いのは汚染された物質を体から離すことです。もう既に原爆の被害範囲は外れているので私たちが気をつけるべきなのは放射線と黒い雨ですね。」
「黒い雨?」
「核兵器を投下した後に降る爆発によってまきあげられた泥や埃、すす、放射性物質を含んだ重油のように粘り気のある大粒の雨のことで、浴びてしまうと健康被害が出る恐れがあります。」
「対策は?」
「被らないことです。」
「えぇ……」
<<大丈夫だ、さすがにP-2には水爆はつめん、積めたとしてファットマンがいいところだ。>>
「時代的に考えてもそのはずです。」
「だが、俺たちがこの場に存在することがそもそもイレギュラーな話だ。その上で、水爆の被害範囲である300km圏内から離れるように、とにかく振り返るな、光を見れば目を焼かれる。」
「Wait、どうして私が居るのにAmericaは核攻撃なんかやるの?、一応友好国のはずよ!!」
ここまで蚊帳の外に置かれていたウォースパイトが声を上げる。
「では、お尋ねしますが、友好国の艦娘1人の命と将来的な安全保障上の脅威の排除だったらどっちがいいと思いますか?」
えっ……、建御雷の突然の言葉にウォースパイトが固まる。
「まさか……、Japanを脅威として見てる?」
<<むしろ裏では敵扱いかもな>>
「そんな……、今は非常事態よ!?」
<<それでも危機を直視できないのが人間の悪い癖だな、あの時だってそうだった……>>
旧日本軍の陸海軍のいざこざ、そして、勢力を拡大し続けた隣国の脅威を無視して、自国の利益のために多元の開発した機体に全てで劣っている機体の導入を強行したあの世界のアメリカ。
多元の頭によぎる中身はどれも醜い人間達のつまらない争いだった。
だからこそ、そんな醜い争いの道具に彼女たちを巻き込む訳にはいかない。
「もし、有り得ない話ではあるが、こっち側に飛んで来て攻撃態勢に入った機体がいたら構わん、撃墜しろ。」
「了解、でもいいんですか?」
「構わん、責任は俺がとる。」
この際、多少の不利益は被るつもりだ。
「早期警戒機のレーダーが米艦載機と見られる大編隊を補足しました。こちらに向かう機体はない模様!!」
<<早期警戒機も退避を急がせろ、観測よりもまず妖精達の命が大事だ。>>
「了解、退避させます。」
この後、幌筵泊地、英国連合艦隊は無事に核兵器の影響範囲外への脱出に成功することとなる。
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一方、米艦隊にも何機か居たレーダー搭載機から幌筵泊地艦隊の存在が見えないことを受けた米艦隊司令部は早速幌筵泊地に連絡を入れてきた。
「アドミラル多元、貴官は我が国の要請に応じておきながら、攻撃のタイミングを合わせようともせずにどこに艦隊を置いているのかね?」
はっ、と多元は乾いた息が出た。
「(早速言ってきた、全くこの時代の米国は基本的に日本を下に見てるからな、まぁ、それはこっちの現代世界でも政治とかでは変わっていないところはあるにせよ、接してきた現場の兵士たちに関してはそういうのが無かった分、マシな面はあったんだがな………)」
まぁいい、既に本土への連絡は済んだ。
「お言葉ですが、米艦隊司令部。あなたがたは共同作戦を取る相手に詳細な情報を与えず、我が艦隊に突入を要請しましたが、そもそも我々の艦隊は戦艦3隻を有するものの、機動部隊としての運用を主眼に置いております。予め、言っておいたはずなのですが、そのような部隊に突入を要請させるのは、そのようにアナポリスで教わっていたからですかね?」
大いに皮肉を込めて、それも流暢な英語を使って言った言葉は米艦隊司令部の神経を逆撫でするのに十分だった。
(実は、多元は防衛大学校時代にアメリカへの短期留学を行っていた)
「貴様、我々を愚弄する気か!?」
・・・・・
「愚弄も何も、あんたら自分達の特殊な爆弾を使うために我々を囮にしたんでしょ?、いくら深海棲艦に勝つためとは言え、さすがに流石にそれは我々でも許容しかねますね、初戦の頃のあなた方とは違って、我々は艦娘を重要視してますから」
サラッと原爆について触れると、あからさまに米艦隊司令部は動揺し、ついでに米国での艦娘への扱いを言われるとさらに口を噤んだ。
米国が原爆を手に入れた頃に、艦娘を囮にした深海棲艦への核攻撃ということを計画していたというのは、現在西海岸沖で情報収集活動を行っている伊58、伊401と、中野上がりの諜報部員達がかき集めた情報の中に入っていた。
ああ、それと……。最後に多元はもう1つ大きな爆弾を落としておくことにした。
「誰が情報漏らしたかはもう調べがついてる、侵入者の1件も合わせて証拠もきっちり集めたから覚悟しておけ。
幌筵泊地を舐めるな。」
最後、聞くに耐えない罵詈雑言を送ってきた米艦隊司令部をしれっと無視して、多元はそのまま指揮を執り続けた。
1948年、5月某日、欧州方面に展開していた米艦隊より、P-2対潜哨戒機改造型核攻撃機が発艦、深海棲艦欧州主力へ複数投下し、これを殲滅。海戦自体には勝利したものの、今後の多国間における深海棲艦との戦いに影響が出る複数の事案が発生してしまった。
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米軍の核攻撃から1夜明けたイギリス本土付近。
大型の飛行艇が、ネス湖に着水しようとしている中で、幌筵泊地の艦娘達は洋上にて待機していた
「皆さん体調に変化はありませんか?」
「駆逐艦一同問題無いです。」
「私は問題無いわ。」
各々に体調の変化を確認させ、万が一に備える。幸いなことに、黒い雨などの目立った放射線被害は防げたはずなので、あとは検査するまでだ。
<<とりあえず上陸して装備を外した後、白いコンテナの中に入ってくれ>>
「了解です。」
艦娘達は陸に上がり、艤装を外す。白い防護服を着た妖精たちが除染道具共にやってきて、各種測定を行っていた。
艤装を外した艦娘達はそのまま白いコンテナの中に入る
「名前を確認しますね」
「駆逐艦吹雪です。」
「吹雪さんね……、はい、確認出来ました。怪我は無いようなので、このまま最初の部屋で服を全て脱いだところで、シャワーを浴びて、中にいる妖精からOKが出たら次の部屋に進んで用意された服を着て、診察を受けてください。」
入る前に、入口にいる妖精(転生者)から指示を受けてコンテナに入ると、服を脱ぎ(変な想像はしないように)、妖精たちからシャワーを浴びる。
計測器で異常が確認されない事を確認したところで服を着て診察を受ける。
「特に体調に変わりは有りませんか?」
「いえ、特には」
妖精による問診が終わるとようやく提督の元へとたどり着ける。
「ご苦労さま、すまんな手間をかけた。」
「いえ、それより倒すはずだった敵艦隊はどうなったんですか?」
「大量の放射性物質と引替えに倒された……ってところかな、あの辺一帯の汚染状況はまた追追調べていくとしてだ……、情報漏洩の原因はわかったから、後で全員を集めて報告する。」
幸い、誰も放射線による健康被害はなかった。
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「それで、情報漏洩の犯人は誰ですか?」
「*元*イギリス鎮守府提督」
鳳翔の質問に多元がすぐに答える。
「元々アメリカ寄りの奴が、アメリカ海軍からの依頼を受けて漏らしたらしい。更迭されたところで不可能となったが、知り合いに頼んで入手した情報を渡したそうだ。」
「そのふたりはどうなったんですか?」
「知り合いの方は確保されたが、もう1人は俺が始末した。」
えっ……、との声が全員に広がる。
話は艦娘達が帰ってくる少し前に遡る。
「悪い、ちょっとトイレ。」
トイレのために席を外す多元。外に備え付けの仮設トイレに向かった後。おもむろに声を出す。
「隠れてるのはわかってるぞ。なんのつもりだ?、*元*イギリス提督。」
仮設トイレの裏側から出てきたのは更迭されたはずのイギリス提督。
「なぜわかった。」
「いやぁ、君の新しいご主人様の棚の中をちょっとばかし覗かせてもらってね。」
「なら話は早い、ここで死ね。」
拳銃を構え、多元を殺す構えに入ったイギリス提督だが、多元は全く動じない。
「どうした、震えないのか?」
「いやぁ……、だって君
弱いもん」
「はっ?」
「構えも雑、銃口も震えていてまともに飛びそうもないよ、それに君、まともに軍事訓練受けたことないでしょ?」
「巫山戯るな!」
「調べはついてるぞ、親のコネで士官学校に入ったはいいものの、厳しい訓練が嫌で毎回親の威光を傘に着て訓練をサボった挙句、着任が有力視されていた奴が自分より年下だったことに腹を立てて無理やり奪ったようなやつに、俺が殺されるわけが無い。」
図星を突かれて怒り心頭の元イギリス提督だが、怒りに任せて言ってしまった一言が人生を終わらせることとなった。
「言わせておけばベラベラと勝手なことを……、殺せと言われていたが、気が変わった。貴様を動けなくしてから、あの卑しくもビンタしたお前の
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お気に入りの艦娘を目の前で犯してから殺してやることにしよう。」
ブチリ。
・・
明らかに常軌を逸した発言と、それとは違う何かに触れてしまった元イギリス提督。多元の中であからさまに堪忍袋の緒が切れる音がした。
ヒュッ
風切り音が明らかに鳴るような速度で射線を切りながら距離を詰め、強烈なアッパーをかまし、よろめいたところでそのまま右手に握られていた拳銃を奪う、その過程で肩の骨を破壊し、蹴りをかまして吹っ飛ばす。
「M2!、早く!!」
怒声を聞いた妖精達が何事かと集まって来る中で装甲車積まれていたブローニング下ろして照準を合わせる多元。
「あがァァァァ!、ま、待ってくれ、冗談だったんだ!、許してくれ!!」
痛みに悶えながら必死に許しを乞うが、外道を許すほど、大事な秘書艦に対する非道を予告するような奴を許すほどの優しさは持っていない。
「地獄へ堕ちろ、屑が。」
ドガガガガ!!
原型をとどめることなく肉片のようななにかに加工された人体を見下ろして多元は指示を出した。
「ガソリンもってこい。」
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「………というわけで、ゲス野郎は見事提督が始末したってわけさ。」
現場を見ていた妖精が、それはもうすごいとばかりに解説する。
「一応任官拒否したとはいえ、幹部学校まで出てるんだから一応出来はするんだよ。」
「おいおい提督、なんでそういうのを俺たちに言わなかったんだよ、25mmで始末したぞ?」
「お前らまだ洋上だったろ、それに全員放射線検査受けないといけないからどの道ダメだ。」
多元の発言に落ち込む鳳翔航空隊一同。
この後、チャーチル首相から土下座され、多元が慌てることがあったのだが、それは別の話。
ちなみに、ガチ切れすると多元君大分ヤバいです。目の前にいたら間違いなく処されます。骨も残りません。
目の前にいなかったら?、やめてくださいフ○ンとか作りかねません
次回もお楽しみに!
間違い、指摘はコメント欄にお願いします。