現代技術者の無双伝説 ~技術系提督とその仲間の妖精達が鎮守府に着任しました。これより幌筵泊地は最大強化されます~   作:提督兼指揮官兼トレーナー

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投稿遅れました……。

他作品も投稿急ぎます。

とりあえず、今回はあの人物の登場です。





世界大戦
第52話 落星作戦


 

 

 

 

<<その作戦については我々から話させてもらいたい>>

 

「これはこれは石原中将閣下、体の方は大丈夫ですか?」

 

<<君らのところの医者が上手いことやってくれたからね、後20年は生きられる>>

 

 

石原莞爾

 

史実では、満州事変を引き起こした張本人であるこの人物は、この世界において陸軍から色々あって幌筵泊地に派遣され、最新鋭の技術に触れながら、幌筵泊地中枢部への軍事顧問的役割も果たしている。

 

 

<<対米戦争を想定した落星作戦には大きくわけて3つの段階がある>>

 

 

第1段階:直接的打撃による機動戦力の破壊

 

第2段階:補給路破壊による継戦能力の破壊

 

第3段階:世論工作による国民世論の破壊

 

 

<<このうち、最も難しいのが第2段階だ>>

 

「米国の本土に直接攻撃を加える必要があるからですね?」

 

<<そうだ、アメリカの補給路を破壊するにはこちらもそれ相応の戦力も必要だ。それともう1つの問題が……>>

 

「アメリカ海軍の艦娘ですね?」

 

<<ああ、その戦力は我が国ほどでは無いにせよ多いことは事実。補給路破壊や、艦隊決戦の場に居れば厄介この上ない>>

 

「艦娘の対人使用は禁止なのでは?」

 

<<表向きはな、白人は簡単にルールを変えることは君らもよく知ってるのでは?>>

 

「もちろんです。しかし、未だ深海棲艦の脅威が排除出来ていない以上、艦娘を下手に沈める訳にもいきません」

 

<<量産型の無力化なら出来るか?>>

 

「使用者次第ですね」

 

<<技術的にはできると?>>

 

「もちろんです」

 

<<よろしい、我々陸軍は海軍の支援を受けて太平洋の要所を制圧する。アラスカを落とした後は英連邦のカナダを通過し、アメリカに直接侵攻する>>

 

「カナダを経由するとなれば、カナダやイギリスも巻き込まれることとなるのですが?」

 

<<そこをどうするかは政治次第だ>>

 

「あっ……、そこは投げるんですね……」

 

<<投げるとは失礼な>>

 

「それはともかく、陸軍としては海軍と共に米軍を主敵と定めた訳ですね?」

 

<<当然だ、陸海で異なる敵を相手にしていては勝つことはできない>>

 

「さすがです。我々もそこだけは懸念でした」

 

 

現状、深海棲艦が主敵と定まっている陸海軍ではあったが、そこに至る道は平坦なものではなかった。

 

まず、陸軍の過激派は、満州や、中国での利権拡大を主張し、海軍の過激派は東南アジアへの利権拡大を主張した。

 

 

 

 

これに待ったをかけたのが他ならぬ深海棲艦の本土攻撃だった。

 

 

 

「臣民が身を削ってこの戦に勝とうとしている最中で、私利私欲を目指した利権拡大に走るとは何事か!」

 

 

 

滅多に政治に関わらない昭和天皇の言葉に陸海軍の首脳部は黙り込み、ついで陛下は

 

 

「直ちに陸海軍のわだかまりを無くして深海棲艦へと対抗するようにせよ!」

 

 

と言った。

 

すぐには動かなかった軍部だが、過激派に弱腰で動けないと見た陛下は

 

 

「朕が不逞なる輩を始末する」

 

 

と大きく出たため、慌てた首脳部は、急進派の処分と、協力体制の構築に入った。

 

その結果、陸海軍の協力関係は進み、史実を知っている幌筵泊地転生者達の助言もあって、1948年時点ではほぼ完全に協力体制は完成しつつあった。

 

 

<<陛下の力無くして両軍の統合は有り得なかったという訳だ>>

 

「陛下無しだともっと悪化していたのか……、鶴舞中将は悪くないとは言っていたけど、比較してってことなんだろうか……」

 

<<まぁ、とはいえまだ米国も本気で動く気は無いだろうから、ゆっくり帰ってきて問題ないと思う>>

 

「はっ」

 

 

 

 

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ここで、読者の諸君に現在の世界情勢について簡単に説明していこう。

 

 

現在、世界の勢力図は以下のような関係となっている。

 

 

 

アジア・英国連邦・東ヨーロッパ派

 

(フィリピンを除くアジア地域と、英国連邦加盟国を中心に構成)

 

 

アメリカ・ドイツ派

 

(フィリピン及び、アメリカ、ドイツ、中南米)

 

 

中立、無所属

 

(フランス等)

 

 

深海棲艦

 

(北極海のみ)

 

 

こう見ると、日本含めたアジア・英国連邦、東ヨーロッパ派が優勢に見えるが、実際はかなり異なってくる。

 

 

アメリカの厄介なところは工業力であり、正直なところ、転生者のいる日本が加わっているにもかかわらず、まだアメリカ・ドイツ派の方が工業力の面では勝っている。

 

 

また、アメリカは、東ヨーロッパでの戦闘にて核兵器を乱発していることもあり、核戦力が充実しており、中野学校と幌筵泊地の調査による推測ではあるものの、既に1000発を超える核爆弾が作られていると見られており、最新鋭爆撃機としてB-47らしき爆撃機も確認されているとのことだった。

 

 

また、セイバーを初めとした第1世代ジェット戦闘機の配備が秒読みとされており、F-1支援戦闘機や、F-4主力とはいえ少々厄介になりそうなのは事実である。

 

 

また、ドイツ人科学者による弾道ミサイルの開発も噂されているため、決してチートによって完全に圧倒しているとは言いがたかった。

 

 

(尚、幌筵泊地は、明らかに深海棲艦対応では無いはずのパトリオットやTHAADなどを日本の各都市に配備しようと試みている)

 

 

また、アメリカは何より物量に優れているというのはお察しの通りで、その物量が専らエセックス級や、フレッチャー級を初めとした海軍艦艇の大量建造に振り分けられるなど、対国家を想定した軍拡を行っており、深海棲艦に対抗するという方針ではないということは誰の目にも明らかだった。

 

 

 

 

 

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数日後、市ヶ谷、地下会議室。

 

 

 

 

「これが、幌筵泊地の技術供与を元に再構成した対米戦争計画です」

 

「かなり中身のあるものになったな」

 

「ええ、資源地帯をイギリスなどから供給してもらえるからこそのこの計画です」

 

 

対米戦争計画として立案された落星作戦の詳細は以下の通り。

 

 

・対米開戦後、アジアに残るアメリカ友好国であるフィリピン、グアム等を攻略し、これを無力化する。

 

・開戦後は、潜水艦と航空機による打撃中心で航空戦力や、海上戦力を削り、太平洋での稼働戦力を早急に失わせると同時に、パナマ運河に対して攻撃を行い、使用不能にする。

 

・艦娘戦力に対しては、駆逐艦のヘリ甲板下を改造して、人工艤装装着隊員の出撃用ハッチを取り付け、偵察機などと共に対応する。

 

・稼働空母を壊滅させたところで、ハワイ並びにアリューシャン列島、アラスカを攻め落とす

 

・ハワイ、アリューシャン列島、アラスカを確保したところで、重爆撃機やミサイル戦艦などを利用した西海岸への集中砲火を浴びせ、太平洋における制空権と制海権を確立する。

 

・なおも降伏しない場合は、西海岸に向けて陸軍戦力を派遣し、ロッキー山脈以西を占拠。それでも抵抗を続ける場合は幌筵泊地の特殊輸送機を用いた渡洋空挺作戦によって首都と政府要人を制圧するものとする

 

・核戦力への対応として、幌筵泊地は、本土防空用戦闘機の拡充を行う

 

 

「幌筵泊地はなんと言ってきてる?」

 

「艦娘装備に主眼を置いていた都合、生産量についてはさほど多くは無いものの、新型の戦闘機である14式防空戦闘機の引渡しがあるとの事らしい」

 

「数は?」

 

「16式(F-16)との並行配備となるから数は多くないとの事だが、実現すれば6大都市(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡)の周辺基地はこの新型になるらしい、それ以外の各主要都市の防空は16式が担うことになるから、これまでの4式はイギリスに売るとの事だ」

 

「我が国の戦闘機の置き換えは早いな、まるで戦時並だ」

 

「実際我々は深海棲艦との戦争状態だからな」

 

「で、幌筵泊地含めた北方の警備は?」

 

「幌筵泊地と併せて、各地の鎮守府と泊地が対応する予定だ、あいえふえふ……、要は敵味方識別装置を取り付けることで、誤射もほぼ無くなるらしい」

 

「そういえば、最近深海棲艦も技術が進歩しつつあるらしい、幌筵泊地が警戒を強めている」

 

「対艦誘導弾も撃たれたらしいな、この成長速度で進まれると厄介だそうだ」

 

「早く始末したいが、米国を無視する訳にもいかんからな」

 

 

 

 

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1949年、3月

 

 

「陸戦やってたら年明けちまったな……」

 

「そんなレベルじゃ済まないんですけど……」

 

「いやまぁさ、去年は去年で陛下に呼ばれたりしたから年越した感はあったんよ、だけどさ、俺結局戻れずに向こう(東ヨーロッパ)で年越したからさ……」

 

「あー……」

 

「東ヨーロッパ含めた旧ソ連地域の汚染は酷いもんだよ、欧州の食糧生産地の半分があれでやられているらしい。かろうじてウクライナ周辺を俺たちが制圧したからまだなんとかなっているところもあるが、重金属汚染だってあるから完璧じゃない」

 

「先輩結局向こうでそういう活動の指揮も執ってましたからね……」

 

 

年明けてかなり過ぎた3月某日、幌筵泊地では久しぶりに全員揃っての転生者会議が開かれていたのだった。

 

 

「日本向けの核融合炉発電はどうなってる?」

 

「御前崎と敦賀にある発電所がまもなく始動、川内と伊方、泊、島根も間もなくです。全部始動すれば、向こう50年の電力需要に応えられるだけの性能はありますし、今後の電力需要増大にも十分対処可能です」

 

「食糧生産は?」

 

「それについては我々が」

 

「食糧部門か」

 

「はい、既に北海道や、満州、極東ロシアなどを中心とした地域は、現代農業を元にした最新の農業に置き換えを進めており、人口増加などにも対応出来る予定です」

 

「なるほどな……、いよいよ対米戦というわけになるが……、俺たちの役割は変わらん。技術でこの国を支えるんだ」

 

「はい、しかし、対日戦計画にあった幌筵泊地への攻撃……、どうしますか?」

 

「海軍と陸軍がそれぞれ対応してくれる。俺たちは大人しくしておこう」

 

「わかりました……、それと提督、後で格納庫に来てもらっても良いですか?」

 

「ん?、なんだ?」

 

「例の件です」

 

「……、わかった」

 

 

対米戦を控えた転生者会議とはいえ、何か出来る訳でもないのだから技術面以外での議題は作戦の確認程度に終わった。

 

 

 

 

 

 

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幌筵泊地、試作機格納庫

 

 

 

「例の件、俺が居ない間にどれだけ進んだ?」

 

「技術的な部分はF-14なんかでも蓄積してきていたんで、ほとんどありません。機体については腰堀君からどうぞ」

 

「先輩、ようやくモックアップが出来ました」

 

「それがこれか……、うむ、俺たちの思い描いていた機体だな」

 

「ここに至るまでどれほど苦労したか……」

 

「後は試作機の製造か……、対米戦、深海棲艦との戦いで忙しくなる中で、どれだけ進められるかはわからんが、ようやく1つの形には出来たのか……、長かったな」

 

「前の世界でのF-X落選、辛かったです」

 

「この世界で制式採用されるかはわからんが、間違いなくコイツはF-3だ、完全自国開発の第6世代戦闘機だ」

 

 

広い格納庫の中に、モックアップとして置かれていた戦闘機は、航空自衛隊向けに納入する予定だったF-3戦闘機だ。

 

空自では長らく付くことの無かった愛称として蒼燕と名付けられたこの機体こそ、F-X選考で落選し、悔し涙を流した彼らの想いの塊なのだ

 

 

 

 

機体予定スペックは以下の通り

 

 

 

 

F-3C 蒼燕

全長 19.7m

全幅 13.5m

全高 4.5m

翼面積 78.5㎡

空虚重量 16000kg

最大離陸重量 27000kg

エンジン kasei-35型×2

ドライ出力 225kN×2

アフターバーナー出力 240kN×2

最高速度 M2.5

巡航速度 M1.6

フェリー時航続距離 4500km

戦闘行動範囲 1200km

実用上昇限度 21000m

固定武装 航空機用レーザー×2

空対空兵装 未定

追加兵装(対地攻撃時) 未定

追加兵装(対艦攻撃時) 未定

リミッター解除時 不明

見た目 F-3予想図と同じ

乗員 1名+支援AI

 

 

 

実は、表向きは航空自衛隊に少し前に納入された国産機であるF-3の派生型とされているが、F-15EXとF-15Aが全くの別物であるのと同じように、設計を大幅に見直した結果、見た目以外の類似点は無いほど変化する。

 

 

「kasei-35は?」

 

「現在エンジン試験中、試験機としてATD-Xを選定しました」

 

「兵装は?」

 

「現在開発中」

 

「よし……順調にいけば来年には試作機を飛ばせるはずだ」

 

「パイロットは誰を?」

 

「欲を言えば俺が乗りたい」

 

「えっ!?」

 

「実は俺、基地航空隊の連中にお願いして訓練させてもらってるんだ」

 

「えぇ!?」

 

「試作機完成までには合格しておきたい」

 

「そんな無茶な……」

 

「空自の防衛大卒のパイロットでも4年はかかりますよ?」

 

「実はこっち来て、第1航空団作ったあとから座学は始めてた」

 

「それにしたって後2、3年はかかる……」

 

「というか、いちばん忙しがったはずの南方出撃前にもやってたの恐ろしい……」

 

「実技どうするの……」

 

 

 

他転生者も流石にドン引き。

 

 

「実技はプロペラ機がそろそろ」

 

「勘弁してくださいよ……」

 

 

 

最近ますます人間離れが進む多元。

 

ホントにコイツ人間なのかすら疑わしい。

 

 

 

1949年の春は、人間離れ著しい多元にドン引く転生者達の声で迎えたのだった。

 

 

 

 

 

 






Q、石原さんが軍事顧問とか思想的に大丈夫?

A、転生者一同対米ヘイト溜まりまくってるから誰が相手でも大して変わらん

Q、多元君ホントに人間?

A、生物学上は


はい、というわけでどっかのアニメみたいに人類同士でいざこざが起こりつつある本作ですが、果たしてどうなるか……



次回もお楽しみに!


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