Wizard Wars -現代魔術譚-   作:空色悠

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第10話『Outsider -来訪者-』

「よーし、そんじゃ記念すべき『選抜クラス』初ミーティングだッ!楽しくやってこォぜ!」

 

『一年選抜試験』から数日後。教壇に立つ恭夜の前には、教室各所の席に転々と座る八人の生徒の姿があった。

 

 春川 日向、御剣 伊織、藤堂 天音、皇 啓治、空条 沙霧、一文字 陣、更科 凪、漆間 創来。

 

 彼等は先日の試験にて魔術師としての実力を示し、本来ニ、三年次生しか認められていない高次魔術訓練への参加を特例として許可された者達だった。

 

「なーセンセー、これから授業ってどうすんだ?俺らはこのクラスで受けんの?」

「いや、まだ今は週何回か集まるくらいだからな。授業は自分達のクラスで受けてもらって構わねェよ。ただ、呼び出しにはキッチリ応じるよォに」

 

 日向からの疑問に、今はまだあくまで準備段階であり選抜クラスの本格始動はしばらく先だと答える恭夜。

 

「まァ今日は顔合わせみてェなモンだ。つっても、殆どの奴らはお互い知り合ってるだろうけどな。仲良くすんだぞ〜」

 

 そう言って生徒達を一瞥する恭夜だったが、彼等の表情は様々だった。普段と違うクラスに物珍しげな日向。それを見て愉快そうに笑っている陣。睨み合っている伊織と啓治。緊張している沙霧。爆睡している凪。読書をしている天音。

 

「うんうん、個性があって良い事だ。んじゃ、俺これからちょっと会議あっから。各自で自己紹介くらいはやっとけよ〜」

 

 一切まとまりの無いクラスに満足気に頷いた恭夜は、魔術によって忽然とその場から姿を消した。が、その数秒後に再び魔術で教室に姿を現す。

 

「あーそうだ、忘れてたわ。日向、オマエに話があるからちょっと来い」

「え、なんで俺――――」

 

 そう言って恭夜の手から放たれた魔力による帯が、一瞬で日向の身体に巻き付く。そして日向が応えるより早く、恭夜は彼を連れてまたしても掻き消えた。

 

 騒がしく去って行った二人に陣や沙霧は唖然としていたが、その時派手な音を立てながら啓治が椅子から立ち上がる。とうとう伊織と取っ組み合いにでもなるのかと思いながら、そちらへ視線を向ける陣。しかし彼が歩いて行ったのは、教室の端の席で一言も発さず座っていた少年の元だった。

 

 クラス1-Eに所属している彼の名は、漆間(ウルシマ) 創来(ソウライ)。つい先日まで謹慎処分を受けていた為、彼と知り合っている人間はここにはいない。

 

「おいテメェ……どのツラ下げてココに居んのか知らねェがな……まずは謝らねェといけねェ人がいるんじゃねェのか?」

「…………」

 

 怒気を帯びた声で啓治はそう言い放つが、見下ろされている創来は依然として黙ったまま。

 

「藤堂さんに一言の詫びも無ェとはどういうつもりだって聞いてんだよ!」

 

 啓治が追及していたのは、選抜試験終盤に創来が天音に斬り掛かった件についてだった。

 

 

 

 あの直後に演習場に現れた恭夜によって一旦その場は収められたが、創来の戦闘狂じみた危険行動に憤慨していた啓治。しかし創来は何の関心を見せる様子もなく、啓治を無視して席を立った。

 

「テメェ……!!」

「待って、皇」

 

 いよいよ啓治が胸倉を掴み上げようとしたが、その時天音が冷静な声で彼を制する。読んでいた本を閉じた天音は、創来へ淡々とした口調で言葉を掛けた。

 

「アンタが私と戦いたいなら、いつでも掛かって来ればいいわ。相手になってあげる」

 

 余裕すら感じさせるような態度で受けて立つと告げられるが、やはり創来は反応を示さず彼女を一瞥して教室を出て行った。

 

「〜〜ッ、良いのか藤堂さん」

「別に、私は何とも思ってないから」

 

 創来から何の謝罪も無い事に啓治は我慢ならない様子だったが、当の天音は平然としながら読書に戻っている。

 

「伊織クンはどう思う?」

アイツ(藤堂)が良いっつってんなら、好きにさせりゃいいだろ……」

 

 剣呑な雰囲気の中で陣に声を掛けられるが、どちらの立場につく気も無いと返す伊織。魔術の訓練機関であるこの学園に於いて、強い人間が勝負を挑まれる事など珍しくも無いのではないかと伊織は考えていた。

 

 そしてここまでの騒ぎを一切意に介さず、凪は机に突っ伏し続けている。その横で沙霧は、前途多難と思われる選抜クラスの今後を憂うように創来の背を見送っていた。

 

 ◇◇◇

 

「え、マジで何だよ。補習とか追試だったらこんな無理矢理連れて来なくても受けるけど俺」

「普段からそういう心構えなのは良い事だが、お前はまず授業で50分起きとく事から意識してこうな」

 

 教室から連れ去られた日向は、恭夜によって魔術で縛られ引き摺り回されていた。

 

「まァ実を言うと、お前に創来の事を任せてェんだわ。あの一匹狼が選抜クラスに馴染めるよォに、上手く取り持ってやってくんねーか?」

「俺が?別にいーけどさ、なんでよ」

 

 恭夜が口にしたのは、日向とは選抜試験で初めて出会った創来について。その頼みを了承しながらも、日向が恭夜へ理由を問う。

 

「お前とアイツには共通点があるからな。まず一つ目、アイツはお前と一緒でこの街の外から東帝に入って来たんだ。俺がスカウトしたんだけどな」

「へェ、そうなのか。出身の話とかあんましねーから知らなかったわ」

「お前は気にしねェだろうけどな。まァ、ヨソモン(アウトサイダー)同士仲良くやってくれってこった」

「スッゲー身も蓋もねェ言い方すんじゃん」

 

 魔術都市の外部から入学した者同士という、思わぬ共通点を知らされる日向。

 

「それからな、日向お前入学式来なかったろ」

「あー、あん時か。サワムラさんに捕まった日」

「あの日、創来も式に出て来なかったんだ。しかもその理由がな、アイツどこをどう迷ったのかスラムに真っ直ぐツっ込んだらしくてよ。獅堂達とバチバチに暴れてやがったんだわ」

「アイツも獅堂と()り合ってたのか……!」

「んで、乱闘騒ぎで奏に捕まって入学早々謹慎喰らってたっつーワケだ。“入学式スッぽかしコンビ"、オマエら結構気ィ合うと思うぞ?」

 

 学園屈指の問題児二人を組ませるという、正気の教師とは思えない悪魔のような提案をしている恭夜。しかしやはり日向の表情は、いつもと同じ期待感に満ちた楽し気なものだった。

 

「それじゃ、早速オマエにミッションを課す。……創来を探して来い」

「は?」

 

 そう言って急に立ち止まった恭夜は、扉のような建造物の前で日向の拘束魔術を解除する。それは、魔術都市各所と東京都を次元トンネルで繋ぐ『転移門(ポータルゲート)』と呼ばれる物の一つだった。

 

「いやー、アイツしょっちゅう魔術都市から抜け出してるらしくてな。夜までにどうにかして見つけてくれ」

「成程、分かった」

「オマエのその学力と比例しない理解の速さはホント素晴らしいな。捕まえたら連絡しろ、迎え寄越すから」

「おっけ」

 

 二つ返事で引き受けた日向は恭夜に送り出されるまま、転移門へと飛び込んで行く。

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

『何で、お前は違うんだ?』

『怖いよ』

『気味が悪い……』

『来るな!!』

『――――この、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎……!!』

 

 

 

 この街に戻ってくる度に、思い出す忌まわしい記憶。声と共に脳裏を過るフラッシュバックを追い払うように、小さく頭を振る。無数の人々が行き交う交差点。その中心で、一人立ち止まる。

 

 周囲の誰もが、同じ顔。特徴が無いという、特徴を持っている。彼等は知らない。人と違うというだけで、虐げられている人間がいる事を。人と異なっているという事を、棄てた彼等に解る筈も無い。

 

『――――次のニュースです。先日□□区の自宅マンションで、△△ホールディングス代表取締役の××××氏が、遺体で発見されました。警察は殺人事件として捜査を進めていますが、これまでの事件との関連性は不明です』

 

 街頭の大型ビジョンを見上げると、巷で連続殺人と噂されている事件が報道されていた。

 

「おー、やーっと見つけたぞ」

「ッ!!」

 

 その時、背後から突然誰かに声を掛けられる。振り返った漆間 創来が目にしたのは、自分と同じ教室にいた紅色の髪の少年の姿。

 

「ほれ、オマエも食うか?おやつタイム」

 

 そう言いながらバニラシェイクを啜っている彼が差し出して来たのは、一つのハンバーガーだった。

 

 

 

 

 

 魔術で強化した身体能力によって、とあるオフィスビルの屋上に無断で登った日向と創来。日も沈み始めた夕方の街を見下ろしつつ、屋上の縁に腰掛けた二人はハンバーガーにかぶり付いていた。

 

「……なァ、お前さ。戦いとか喧嘩すんのが好きなのか?」

 

 日向は開口一番、デリカシーの欠片も無い質問をぶつけて行く。しかしそのような雑な切り込み方も気にしていないかのように、創来は静かな口調で言葉を返した。

 

「……別に、好きでも嫌いでもねェ。俺はただ、強くなりてェだけだ」

「へェ……そうか」

 

 創来から告げられた行動原理は、思っていたよりもずっと単純な物。強くなるには自分より強い人間と戦って勝つしかないというその考えに、日向は既視感を覚える。己を鍛えるために努力を惜しまない人間達が、自身の近くにもいるという事を思い起こしていた。

 

「だったらさ、今度俺ともやろうぜ。闘技場で」

「……別にいいが、お前強ェのか?」

「オーイオイお前ナメてんな?一応獅堂とも引き分けたぞ俺」

「なっ、ホントか……!?」

「おう。ほんで伊織は司に勝った」

 

 その強さをよく知る人物の名前が、日向の口から出て来た事に驚く創来。

 

「まァ、馴れ合えなんて言わねーケドさ。せっかく選抜クラスとやらにも一緒に選ばれたんだ。どォせなら、お互い楽しくやってこーぜ」

「……あァ」

 

 ニヤリと笑い掛ける日向に、創来が小さく頷く。初対面は中々物騒な出会い方だったが、存外話が通じる人物であった事に日向は内心小さく安堵していた。

 

(思ってたより良い奴じゃねーか……獅堂といい、ヒトは見かけによらねーってホントだな爺ちゃん……)

 

 人の本質を見抜く『心の眼を鍛えろ』と、祖父から口喧しく言われていた事をふと思い出す日向。何はともあれ恭夜からの依頼も完遂し、一件落着かと日向が思っていた、その時。

 

 

 

「ッ!!」

「え、オイオイオイちょっと待て待て!!どうした!?」

 

 街を見ていた創来が食べ掛けのハンバーガーを放り出し、突然ビルから飛び降りた。慌ててそれをキャッチした日向だったが、創来は既にビルの壁面を垂直に駆け降り始めている。

 

「何考えてんだアイツ急に……!!」

 

 追い掛ける日向だったが、直前の創来の横顔に見えた強い『何か』の感情が彼には理解出来なかった。

 

 ◇◇◇

 

 街の大通りから少し外れた、路地裏の影。そこで壁際に押しやられていた一人の少女を、複数の女子高生が取り囲んでいた。

 

「アンタさァ……何回言ったら分かるワケ?」

 

 皆同じ制服を着ている彼女達の内、一人が高圧的な口調で口を開く。

 

「人の男に色目使うなってさァ……アタシ言わなかったっけ?」

「私は……何も……」

「何もしてないって?よく言うわ……アンタが近くにいるだけで、ウチらの男が目移りすんのは自分のせいじゃないとでも言うワケ?ねェ!?」

 

 日常のフラストレーションを吐き捨てるかのように、暴力的な声を発しながら少女の髪を掴む女子高生。

 

「このピアスもさァ……男が寄って来てんの分かってて付けてんでしょ?狙ってんのか知んないケド、そーいう魔性ぶってんのマジで死ぬ程キモいから。つーか……もう学校来んなよ。殺すよ?」

 

 痴情の一端などとは片付けられない程、醜悪に歪んだ鋭い言葉。少女は乱暴に詰め寄られながらも、抵抗する素振りを見せずされるがまま。人と向き合うという気力が、最早彼女には残っていないのかもしれない。

 

 

 

「――――オイ」

 

 しかしそこに現れる、新たな人物。声がした方向に目を向けた少女達が見たのは、自分達と同年代と思しき一人の少年だった。

 

「は……?何?誰アンタ」

 

 黒色の髪、鋭い瞳、見慣れない制服。その少年に向かって、何の関心も無いような声を掛ける女子高生。しかしこちらへ歩いて来る彼の表情には、底知れぬ感情が隠されていた。

 

「…………何でお前らは、そんなに簡単に傷つけられるんだ……?」

「え?」

「自分達と少し違うだけの他人を……どうして、そんなに許せねェんだ……教えてくれよ。なァ、オイ!!!!」

 

 叫びと共に叩きつけられた拳が、轟音と共にビルの壁を打ち砕く。そうして少女達は漸く気付いた。突如現れたこの少年が、計り知れない憤怒を自分達に向けている事に。

 

「ちょっ……何コイツ、なんかヤバいって……!!」

「もう行こ……!!」

 

 常人離れしたその異常な腕力に、恐怖を覚えた少女達は逃げ出そうとする。しかし少年の身体から溢れ出す不気味なオーラが、彼女達の足を動かす事を許さない。

 

「人と違うってコトが悪なのか……?なァ、答えてみろよッ!!!!」

 

 少女達の眼前へと辿り着いた少年が、握り締めた拳を振り上げる。

 

 

 

「創来!!」

 

 その背後から、彼の名を呼ぶ声が路地裏に響いた。しかし、拳は止まる事なく振り下ろされる。創来のその右腕を、彼の横に現れていた少年が同じ右腕を交差させ受け止めていた。日向によって辛うじて拳が少女達に届く事は無かったが、それによって生じた風圧が吹き抜ける。

 

「やめとけ……もう充分ビビらせたろ……」

 

 日向からの落ち着かせるような言葉を受け、静かに彼の腕を振り解く創来。恐怖と衝撃の余り少女達は呆然と立ち尽くしていたが、日向はそちらを振り返ると明るい声を張り上げながら手を叩いた。

 

「ハイハイ、解散!撤収!コイツに殺されんぞ!!」

 

 その忠告に彼女達は、半ば取り乱しながら今度こそ逃げ出していく。しかし壁際でしゃがみ込んでいた少女は、日向と創来を睨みながら小さく呟いた。

 

「余計な事、しないでよ……」

 

 それだけ言い残し立ち上がると、二人を見向きもせずに立ち去って行く。その瞳に宿っていたのは、諦観めいた暗い感情。すれ違い様に日向の魔力知覚は、その少女が人より少しだけ強い魔力を有している事を感じ取っていた。

 

 ◇◇◇

 

 授業が行われている教室の、窓際の席。日向は外の景色を眺めながら、昨夜交わした恭夜との会話を思い出していた。

 

 

 

 創来と共に魔術都市へ帰還した後、恭夜と二人になった日向は路地裏での出来事を報告した。

 

『成程な……まァ、アイツ(創来)も似たような境遇で思う所があったんだろ……』

『……アイツ、昔なんかあったのか?』

 

 創来が怒りを顕にしていた事には、彼の過去に何か関係があるのかと問い掛ける日向。

 

『……向こう(表側)の世界だとな、魔力を多く持ってる人間ってのは異端なんだ。疎まれ、怖れられる……アイツの場合は生まれた環境も悪くてな。随分長い間"そう"だったらしい」

 

 強大な魔力を身に宿す者は、本人の意思とは関係無く周囲に影響を及ぼしてしまう。魔術都市と異なり魔術が"得体の知れない力"である現代社会にとって、創来は異質な存在であり虐げられる立場の人間だった。

 

 あの時日向達が守ろうとした少女に、創来はかつての自分を重ねていたのかもしれない。少なくとも、彼が抱えていた怒りの心情の意味を知る事は出来た。

 

 だが魔力を持つ人間であっても、日向や創来のように東帝に入る事が出来るのは『戦える魔術師』としての素質を見込まれた者だけ。彼女のような人間全てを保護する事は出来ないという事は、恭夜に伝えられずとも薄々理解していた。

 

『創来はこれからも、怒りのやりようが無ェ場面にきっとブチ当たる。だからそんな時、アイツとぶつかり合えるような……対等な「理解者(ストッパー)」でいてやってくれ』

『……あァ、わかった』

 

 恭夜の言葉を、真っ向から受け止め頷く。それは自分にしか出来ない役割だと、日向は解っていた。

 

 

 

 そうして現実に戻った日向だったが、ふと視界の隅で中庭を歩いていた創来を捉える。

 

(授業中に何してんだアイツ……)

 

 そんな事を考えながら、次の瞬間日向は窓から飛び降りていた。隣の席の伊織は最早、何を言う気も起きないような表情。

 

「この術式を構成する要素として考えられるのは……端の席で爆睡してる春川!何だと思う――――って、え?アレ、どこ行った?」

 

 教壇に立っていた冴羽が振り向き様に日向を指名するが、彼の席には誰も座っていない。

 

「……あのバカなら、たった今そこから飛び降りて行きました」

「授業中に何してんだアイツ……!!」

 

 うんざりするような伊織の言葉に冴羽は青筋を浮かべつつ、空中に術式を描いていた魔術杖を固く握り締めていた。

 

 ◇◇◇

 

「んで、怜さんの授業から脱走してからまだ帰って来てねーと」

「漆間を追わせたのはどうせアンタの指示でしょうが」

 

 再び選抜クラスに招集された伊織達だったが、それに応じたのは六人で日向と創来の姿は見えない。

 

「まァいいや、その内アイツらは戻って来んだろ。それより今日は、俺からオマエらに紹介したいヤツがいる。オーイ、入って来ーい」

 

 しかし恭夜は二人を待つ事無く、今日の本題に入る。その合図の声と同時に、廊下で待たされていた一人の人物が教室へと足を踏み入れた。

 

 体格も雰囲気も、至って普通の男子生徒。これと言った特徴の無いその少年は、穏やかそうな笑みを浮かべつつ小さく頭を下げる。

 

「今日からこのクラスに加わる……新!クラスメートだッ!」

「初めまして。D組の天城 鎧です。別日の選抜試験で合格して、このクラスに入れてもらえる事になりました。宜しくお願いします」

 

 選ばれた人間だけが集う場所に、新たに来訪した少年天城(アマギ) (ガイ)。彼の存在が、どのような変化が齎すのか。それを知る者は――――

 

 

 

【天城 鎧】

 学年『2位』(SWP:1876点)

『???。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「弱者達は、今も苦しんでいます」

「…………」

「何の罪も無い人々が、蹂躙され悪意に晒され続けているのです」

「……………」

 

 

「彼等を救う事が出来るのは、貴方だけです」

 

 差し出される、黒き剣。復讐と怨嗟を宿したその刃は、確かな意思によって掴み取られた。

 

 


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