Wizard Wars -現代魔術譚-   作:空色悠

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第24話『東帝戦開幕』

 その報せは瞬く間に学園全体へと知れ渡り、多くの人間を驚愕させる事となる。

 

 

 

 ◇◇◇

 

「え、マジで!?」

「大文字君が……!?」

 

 生徒会室でその報告を受け、千聖と雪華は驚きを隠せずにいる様子だった。

 

 ◇◇◇

 

「俄には信じ難いな……」

「そうだね……」

 

 教室にてその事件を知った奏と未来も、緊迫した面持ちを浮かべている。

 

 ◇◇◇

 

 亜門と士門は、同時に口からコーラを噴き出していた。

 

「ゲホッ、ウソやん!?」

「ありえへんやろ……」

「いや、なんかガチっぽい」

 

 咳き込みながら疑っている亜門達に、湊が自身の携帯端末から学内SNSを表示して見せる。

 

 ◇◇◇

 

 爆音を轟かせながら、首都高速を疾走する一台のバイク。

 

「なーにやってんだアイツ……」

 

 そう呟きながら蒼は、スロットルを回し更に加速していく。

 

 ◇◇◇

 

 

 

「獅堂の部屋って何階だっけ!?」

「7階だよ!!さっき言ったろ!!」

 

 大声を張り上げながら、階段を猛スピードで駆け上がる日向と伊織。獅堂が負傷したとの報せを聞いた二人は、彼が搬送された病院へと駆け付けていた。

 

 そして7階の廊下へ辿り着いた日向達を待ち構えていたのは、大文字一派の六人。諸星と蛇島、壬生ら二年の四人衆だった。

 

「……来たね、日向君。伊織君も」

「おう、光陰(コーイン)。獅堂は?」

 

 愛染へと日向が問うが、その隣に居た壬生が無言で背後の部屋を指し示す。

 

 ガラス張りの壁の向こうには、集中治療室(ICU)のベッドに横たわり目を閉じている獅堂の姿があった。

 

「手術は先程終わった。命は取り留めたらしいが……意識がまだ戻らない」

 

 全身をコードに繋がれている獅堂に目を向けながら、状況経過を語る諸星。その瞳には彼らしからぬ、静かながらも激しい怒りの感情が見えた。

 

「ナメやがって……どこのどいつの仕業だクソが……!!」

 

 蛇島もまた諸星と同様に、苛立った声を上げながら憤りを露わにしている。

 

「つーかさ、回復魔術で何とか出来ねーのかよ?」

「お前の時とは違う。発見が遅れた上に、今の獅堂には治癒力に回せる程の体力が残ってないんだ」

 

 日向は回復魔術の使い手を頼るべきではないかと口にするが、諸星はそう簡単ではないと首を横に振った。

 

 そもそも『回復術式』とは、被術者自身の治癒能力を外部から強化する物である。しかし獅堂は既に多くの血を流し過ぎていた為、自己回復力、即ち体力の大部分が失われてしまっていた。

 

 

 

 剣呑な空気の中、伊織は傷を受けていた獅堂の腹部へと目を向ける。彼の脳裏に浮かんでいたのは、一つの疑念。

 

(…………凶器は刃物か……いや、それにしても……)

 

 あれ程の深傷を負わせる為には、刃を押し込む為にかなりの至近距離まで接近しなければならない。

 

 

 

 あの大文字 獅堂との戦闘の中で、そんな事が可能なのか――――?

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

『まさか大文字がやられるとはな……』

「そうだね……俺もかなり驚いてる」

 

 内部調査に伴い定期連絡を取り合っていた本郷と久世もまた、獅堂の殺害未遂を受け慄然としていた。

 

『やっぱ、「結社」の差し金だと思うか?』

「あー、そのコトなんだけどさァ……」

 

 刻印結社の人間による犯行を疑っていた本郷だったが、久世はそれについて自身の見解を述べ始める。

 

「ハッキリ言うけど、獅堂(アイツ)の強さは東帝(ウチ)の中でも頭一つ抜けてる。単純な殴り合いなら、例えプロが相手でも遅れを取る事はまず無いと思うよ。よっぽどの実力差でもない限り、真正面の敵からあんな傷を負うとは考えにくい」

『つまり……』

 

 プロの魔術師にも匹敵する、獅堂の戦闘能力について言及する久世。

 

「相手が恭夜さんレベルだったか、それとも……」

『……見知ってる誰かに油断を誘われたか、ってコトか……』

 

 久世が口にした推測を、本郷が引き継ぐ。彼等が示唆していたのは、獅堂が元々知り合っていた人物に刺されたという可能性だった。

 

 

 

『……いよいよ現実味帯びて来やがったな……』

「勘弁してほしいね、ホント……」

 

 本郷と久世が言外に示しているのは、無論『内通者』の存在について。

 

 自分達の預かり知らぬ所で、何かが動き出している。漠然とではあるが、不穏な予感を二人は確かに察知していた。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 しかし交錯する思惑を他所に、時は進んで行く。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 7月16日。

 

 

 

「日向は今日もまた寝坊か?」

 

 日向がまだ到着していない事に気付き、辺りを見回す創来。

 

 日向を除く一年選抜組の七人は今、『東帝戦』開幕式を控え演習場(スタジアム)の観覧席に座っていた。

 

「おいオマエ、部屋隣なら起こして来てやりゃよかっただろォが」

「知るか。俺が行った時にはもう部屋に居なかったんだよ」

「アイツが早く起きるって、ちょっと珍しいわね」

 

 啓治に軽く咎められるが、向かった時には既に日向は部屋から出ていたと反論する伊織。毎朝日向が伊織に叩き起こされている事を知る天音は、意外そうな表情で呟いていた。

 

「創来クンは随分派手に先輩達と戦り合って来たみたいやね」

「まァな。積もった恨み全部晴らしてやる」

 

 一方で陣が感心しているのは、身体中に絆創膏や包帯が見える創来の姿。蛇島達へのリベンジに燃える彼の横には、アイマスクを着け爆睡している凪と彼女に肩を貸している沙霧が並んでいた。

 

 そして、肝心の日向は――――

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

「やーっべェって!!遅ッ刻遅刻ゥ!!」

 

 学園上空を、屋根伝いに爆走していた。

 

 普段より早く目が覚めた為、少し特訓しようとスラムへ足を運んでいた日向。しかし時計を全く見ておらず、伊織達との集合時間を大幅に過ぎている事に気付いていなかった。

 

 慌てて目的地へ向かう日向だったが、そこで前々から思っていた事を改めて実感する事になる。

 

(つーか……)

 

「やっぱこの学校デカ過ぎだろ!!」

 

 東帝学園の、広大すぎる敷地面積。

 

 度重なる改修工事によって、各棟の施設規模は年々拡大している。加えてスラムの旧校舎群は魔術で建築されていた為、解体作業が全く進まない事も学園巨大化の要因の一つだった。

 

 スタジアムまでは、まだ距離がある。更に加速しようとする日向だったが――――

 

 

 

 ――――その姿が突如、消えた。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

「あ、結弦さん戻って来た」

「急に消えたと思ったら……どこ行ってたんスか?」

 

 ガラス張りの連絡通路を歩いていた、少女と少年の二人組。彼等が話し掛けていたのは、その場に前触れも無く現れた一人の少年だった。

 

「あー、遅刻寸前少年が一人見えたからな。助けて来た」

 

空間転移(テレポート)』の魔術で姿を見せた彼の名は、結城(ユウキ) 結弦(ユヅル)

 

「はー……好きだねェ人助け」

「よくやりますよねホント……」

 

 スカジャンを着た少女、風切(カザギリ)アランは呆れと感心ともつかない声を返し、天然パーマの少年古田(フルタ) 徹彦(テツヒコ)は苦笑しながら頷いていた。

 

「まァ、そんなコトより急ごうぜ。沢村さん待たせてるしよ」

「りょーかい」

「うす」

 

 二人の後輩を伴い、結城もまた目的の場所へと向かって行く。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 突如として、日向の『視界』が切り替わる。

 

「――――っは?」

 

 

 

 一瞬の浮遊感に襲われるも、気付いた時には周囲の景色が一変していた。

 

「…………え?……え、は!?アレ!?何で!?」

 

 1秒前まで全力疾走していた筈の自分が、何故か既に目的の場所へと到着している。まるで、『瞬間移動』でも用いたかのように。

 

 理解出来ない状況に動揺しながら辺りを見回す日向だったが、そこには目を丸くして絶句している伊織達が座っていた。

 

「……日向オマエ……いきなりどっから湧いて出た……!?」

「春川アンタ今……何も無いとこから急に出て来たわよね……!?」

 

 何の前触れも無く登場した日向に、伊織や天音は呆気に取られた様子で声を漏らす。

 

「春川……お前『転移術式(テレポート)』でも使ったのか?」

「いや……そもそも何が起きたのかサッパリ……」

 

 啓治は何らかの魔術の暴発を疑っていたが、一切身に覚えの無い日向は依然としてこの状況に困惑していた。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

『何やら客席の一年エリアがザワついてるが……それはともかくッ!!』

『この魔術学園の一大イベントたるバトルエンターテイメントがいよいよ開幕ッ!!』

 

『『東ッ!!帝ッ!!戦ーーーー!!!!』』

 

 スタジアムへ響き渡る実況アナウンス。それと同時に、ドームのように上空を覆っていた結界魔術が一時的に開放されて行く。

 

 そしてそこから打ち上げられるのは、これもまた魔術による号砲。無数の弾幕は轟音と共に、色鮮やかなスモークを空へと爆発させていく。

 

『さァ!今日から五日間、昼夜を通して行われる学園最強決定戦ですが!!』

『本日「一日目」に行われるのは!ある者達にとっては前座かもしれないが、ある者達にとってはメインプログラム!!』

 

『『「タッグロワイヤル」ーーーー!!!!』』

 

 実況の二人によって発表された第一競技、『タッグロワイヤル』。それは文字通り『二人組(タッグ)』によって行われる、バトルロワイヤルを指していた。

 

 メインイベントである『トーナメント』に先駆けて行われるこのプログラムは、『前哨戦』であると同時にもう一つの実施目的も有している。

 

 それは、『非戦闘型魔術師』へ実戦内での評価機会を与える事。

 

 例えば千聖や未来のようなタイプの魔術師は、後方支援に特化している為当人の戦闘能力は比較的低い事が多い。しかし1対1形式での戦闘を行う必要がある『トーナメント』では、彼女達の正当な能力評価を下す事は難しかった。

 

 よってこの『タッグロワイヤル』にて任意の人物とチームを組ませ、測定された競技成績を『支援(サポート)能力』や『連携能力』の評価基準とする。それが、このプログラムの目的だった。

 

 

 

『タッグは誰と組むのも自由!!能力でも性格でも、自分と相性が良い相手を探すも良し!』

『勝ち上がる為に、イケ好かない相手と一時停戦し協力するも良し!!』

『さァ!第一競技開始はこれより二時間後!!』

『参加者はそれまでに中央転送ゲート前へとお集まり下さい!!』

 

『『それでは改めて!!東帝戦スターーーートーーーー!!!!』』

 

 実況席からの宣言と同時に、再び盛大な号砲が空へと轟く。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

「えっと……取り敢えずトリプルチーズバーガー10コお願い。チキンとポテトはLで5コずつ。コーラフロートも一番デカいやつで頼むわ」

「お前ホントにそんな食えんのか……?」

「朝あんま食ってなかったからハラ減ったんだよ」

 

 競技開始前にに売店へとやって来た日向と創来は、観戦に備えて大量の食糧とドリンクを買い込んでいた。

 

「つーか、オマエはタッグ戦出なくて良かったのか?」

「あァ、俺はトーナメント一本に集中する」

 

 両手にトレーを抱えた日向からそう訊かれ、自身の出場競技について応える創来。

 

 

 

 

 

 数分前。

 

 開幕式が終了すると同時に、伊織が観覧席から立ち上がる。

 

『よし……行くか』

『え?行くってどこにだよ』

『……エントリーに決まってんだろ』

 

 伊織からさも当然のように応えられ、そこで初めて彼がタッグロワイヤルに出場する事を知る日向。

 

『え、お前出んの!?誰とだよ?』

『私よ。私が御剣に前衛を頼んだ』

 

 驚いていた日向へそう告げたのは、伊織と同様に既に席を立っていた天音だった。

 

『御剣の防御力なら、私の盾役として申し分無いしね』

『……あくまで立場は対等だっつーコトを忘れんなよ』

『なんだよソレ……俺一つも聞いてねーし……』

 

 不敵に笑い合っている天音と伊織だったが、クラスメート二人が見知らぬ所で手を組んでいた事に少なからずショックを受けている日向。

 

『……春川君の前では言い辛いんだけど……実は私達も出るんだよね……』

『え、沙霧と啓治もかよ!?』

『当然だ。空条さんはこの俺が前衛として守護するッ!!そして御剣ィ……テメーは例え火の中水の中でも肉壁として藤堂さんを死ぬ気でいやいっそ死んででも守れよコラ。もし彼女に傷一つでも付けて見ろ……俺がテメーを……消すッ!!』

『るッせーな……テメーは精々空条の足引っ張らねェように気ィ付けとけよカス』

『おォいオイ誰に注意しくさっとんじゃコラァ』

『あァ?』

 

 更に沙霧からもタッグ戦出場を告げられる中、日向の背後では啓治と伊織が普段通りに啀み合っている。

 

『オーイ凪ちゃーん、そろそろ行くで〜。あ、そうそう日向クン。一応ボクらも出るねん。応援ヨロシク』

『なんだよお前らみんな出るんじゃん!!え楽しそうじゃん!!俺も出てェ!!』

 

 そして凪の肩を揺さぶっていた陣もまた、タッグ戦に出場するとの事だった。仲間達が揃いも揃ってエントリーする事を聞き、自分も競技に出たいと日向が声を上げる。

 

『いや……』

 

『『『『お前と連携出来る奴なんているわけないだろ』』』』

 

 しかし伊織も天音も啓治も陣も、自由奔放すぎる戦闘スタイルの日向をサポート出来る人間など、いる筈がないと断言していた。

 

『ぐっ……それは……』

『はは……まあ、春川君はトーナメントもあるし……』

 

 核心とも言える要因を突かれた日向は、再びショックによって沈黙する。沙霧は苦笑しながらも、何とかフォローを試みていた。

 

 

 

 

 

「でもやっぱちょっと興味あったなー、タッグ戦」

「やめとけ。誰かと波長を合わせるような戦い方は、多分お前に向いてねェだろ」

「……オマエにソレ言われんのはなんか釈然としねー」

「だから俺は出てねェだろうがよ……」

 

 口を尖らせる日向に呆れている創来だったが、その時二人の背後に一人の人物が現れる。

 

「春川 日向君……だよね?」

「「ん?」」

 

 声を掛けられ、振り向いた彼等の前に立っていたのは――――

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 スタジアムの中央入口付近にある『転送ゲート』の前へとやって来た伊織達だったが、そこには既に大多数の出場者が揃っていた。

 

 高次訓練に選抜されていた上級生達が集まっている中、雪華と千聖がこちらへ気付き歩み寄って来る。

 

「藤堂さん、今日は頑張りましょうね」

「黒乃先輩……!はい、胸を借りるつもりで行きます」

「ちょっと伊織ィ〜〜、アンタしっかり天音っち守るんだよ〜〜?」

「分かってますよ……」

 

 師事していた少女からの言葉に、気を引き締めながら応える天音。雪華の横では千聖が、ニヤニヤと笑いながら伊織の脇腹を小突いていた。

 

 そしてそこに、もう一人の『師匠』が現れる。

 

「お?伊織じゃねーの。オマエも出んのか?」

 

 姿を見せたのは伊織へ『技』を授けた二人、蒼とスティーブだった。

 

「……どうも、蒼さん」

「何だ、一年同士で組むのかお前。まァアレだ、俺ら以外にはやられんなよ?」

 

 弟子の肩をバシバシと叩いている蒼だったが、そこに雪華が少し意外そうな表情で声を掛ける。

 

「あら、御剣君は天堂君に弟子入りしていたの?」

「あー……ハイ、まァそんな感じっスね……」

「そう、俺の『二番弟子』ってコトだ。まー、今の一年最強は間違いなくコイツだな」

 

 しかし蒼のその言葉に対し、天音の肩を持ちながら反論する千聖。

 

「いやいやちょーっと待てい。今の天音っちはアタシと雪華がみっちり鍛えたんだからね?何なら多分アンタにも勝つかもよ?」

「ちょっ、白幡先輩……!!」

 

 蒼と千聖が『自分の教え子最強論争』を繰り広げている中、遠くではまた別の集団がギャラリーを騒つかせている様子が見えた。

 

 

 

「せやから絶対あのお姉さんキャスターはショート似合ってへんねんて!!間違いなくロングの方が良かった!!」

「オマエ目ェ腐っとるやろ絶対。どう考えてもショートの方が見栄え良いに決まっとるわ。ああいうクール系はあんくらいの長さの方がスマートな印象になんねん」

「やっかましいわ……たかだか推し始めて二ヶ月程度のオマエに何が分かんねんボケ!!」

「歴関係無いやろカス!!もっと審美眼磨いて現実見ろ!!」

「オマエ如きに美的センスどうこう言われたないわタコ!!オイ紅!!オマエはロングショートどっち派や!!」

「朝からンなクソしょうもねェコトで言い争えるお前らのバイタリティがスゲーよなホント……」

「「シバくぞ!!」」

「何コイツらうるさ……」

 

 如月兄弟の大激論からの飛び火に、朝は低血圧の湊がげんなりと応える。ちなみに言及されている女性ニュースキャスターは、二日後産休を発表し亜門と士門を絶望へと叩き落とすのだった。

 

「湊さん達だ……!よし、俺も神宮寺委員長に挨拶して来よう。空条さん、少し待っててくれ」

「あ、うん。行ってらっしゃい」

 

 湊達がいるという事は、彼等を束ねる奏も近くに居る筈。啓治もまた『師匠』に一言挨拶すべく、人混みの中へ駆け出して行く。

 

(……綾坂先輩、どこにいるんだろう……?)

 

 しかし沙霧が教えを仰いだ少女は、未だこの場に姿を見せていないようだった。

 

 

 

 そして競技開始前となり、出場者達が次々と転送ゲートへ飛び込んで行く。待機していた最後のタッグがゲートへ入り、エントリー行程が完全に終了しようとしたその時。

 

 

 

 

 

「こっちこっち!まだ始まってないよ!」

「あっぶねェ!何とか間に合ったな!!」

 

 ――――直前になって、新たな二人組がその場へ滑り込んで来ていた。

 

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