「……狂三」
俺が通う学校、来禅高校の屋上にて俺は『最悪の精霊』、«ナイトメア»こと時崎狂三と相対する。
「あら、士道さん。先日はあれだけ怖がっていらしたのに、あっさりやって来ましたわね」
……まあ腹に風穴空いて死ぬってのは中々見たことねぇしなぁ。見たことあるのだと『一台で並の犯罪者1000人分のスペックを持つ特殊鎮圧用パワードスーツの中で心臓だけを残して全身消滅』とか『身体の外側と内側が文字通り裏返ってタワーの先に突き刺さっていた』とかだし。まともに五体満足で残ってる死体とか片手で数えられる程度しか見たことない。
「一つ質問がある」
「……何でしょう」
「お前ってナノ秒間で斬撃を振るってビル群を粉々にし都市を崩壊させかける神性存在を捕らえて生きたまま半分に切断して暴れさせたりする?」
「ごめんなさい何の話ですの?」
「朝食を作る片手間に創り出した魔獣を放ち脅威の捕食成長で数時間で地球の人口を十分の一にしたりは?」
「士道さん私の事なんだと思ってますの?」
「時間経過でブラックホールに変質するコインを市場にばらまいたりは?」
「私は厨二病患者が書いた駄作ラノベのラスボスじゃないんですのよ?」
違うのか。じゃあ……
「アレフ2次元の力を使って現実改変を引き起こす論理爆弾やあらゆる物体の経過時間を超加速・圧縮し風化させる終天圧縮時計を持ってたりは?」
「本当に何の話ですの?」
……なるほど。
「よし、だいたい分かった」
「今の質問で?」
「これなら──────勝てる」
俺はそう言って、懐からあるものを取り出す。
「……それは?」
「兄弟子から貰ったのさ」
それは、銀色のジッポー。実力以外カスのクソボケ兄弟子から貰った、大切な贈り物。
俺はそれを握りしめ──────取り付けられた針を掌に突き刺した。
「何を──────っ!?」
ほんの僅かな傷。本来ならば血も数滴出れば良いだろう。だが、俺たちのような超人であれば話は別だ。
溢れんばかりに血が噴き出し……刀を形作る!
「それは……」
「狂三。一応言っとくが……死ぬなよ」
正直師匠にバレたら『この程度の塵芥を相手に我が伝授した斗流血法を使ってなお仕留めきれぬとは、知らぬ間に獣畜生の屁すらも下回るほどに堕落し衰えたようだな。貴様のような糞虫を弟子に取ったかつての儂の眼の曇りように余りの恥辱と悔恨の念で二百度ほど殺し尽くしたくなる。その腐りきった性根を手ずから叩き直してやろう』とか言われるので一瞬でも苦戦する訳にはいかない。
っつーか俺の場合なんかよくわからん再生能力でどんな怪我も治るから師匠大喜びで兄弟子の
焔丸を振るい、狂三の分身を二十人ほどまとめてぶった斬る。……やっぱ気分はあんまり良くないな。
「霊装ごと……っ!?」
「別に驚くことじゃねぇよ。殆どダメージが入らないってだけでほんの僅かなら入るんだ。なら、その霊装の許容量を大きく上回る火力を出せばいい」
多分あの2人なら全然出来るだろうし、俺が出来るんだから兄弟子2人はもちろん師匠も余裕だろ。
「数が多いな……纏めて焼くか」
焔丸を狂三の集団めがけてぶん投げ、すぐさま血液操作で糸へと分解。
「燃えろ」
兄弟子が居ればもうちょい火力出るんだけどなぁ。贅沢は言えん。じゃ、焔丸をもう一度作って──────
最後の狂三たちをすれ違いざまに斬り裂く。これで分身共は全滅だな。この間僅か12秒。……ちょっと腕落ちたか?殺されるかもしれん。
「あ、あなた……一体何ですの!?」
「俺か?俺は──────」
五河士道
斗流血法・カグツチの使い手。継承者は兄弟子。
短編なので設定なんてほとんどないが、灼爛殲鬼の力で火属性の血法が使えているっていう裏設定がある。
そのため四糸乃を封印すればエスメラルダ式血凍道、八舞姉妹を封印すればシナトベの適正を獲得する。954血弾格闘技は知らない。ブレングリード流血闘術は……なんか時間操作に関わる特性が絡んだ滅獄の術式が関係あるっぽいので多分狂三と十香を封印すると適正を得れるんじゃないかな。知らんけど。なお適正を得るだけなので別にすぐ使えるわけじゃない。
時崎狂三
言うて普通の人間やろと思って舐めてたらクソやばだった。可哀想に。