0話 黒華梨愛の独白
今でもたまに夢に見る
かつて、理想の中で生きていた私を
小さい頃、私はみんなに愛されていた
今思えば私は神童だったんだと思う
誰よりも勉強ができた
運動神経もそこいらの男子以上だった
頭の回転も速かったし
新しいことも一瞬で理解できた
私はすべてにおいて他人に優れていた
そんな人がいれば、普通は嫉妬される、怖がられる
けど私はそんなことはなかった
驕らず謙譲で、接する人みんなに慈悲深く、何事にも寛容で、努力を惜しまず勤勉で、困っている人がいれば救恤し、過ぎた欲望は節制し、なによりも純潔だった
みんなに意地悪で、嫌われちゃう人とも仲良くできた
誰とも仲良くしない一匹狼な人にも人気だった
見目もよかった私は殊更モテた
男子に告白された回数は冗談抜きに100回を超えていたと思う
女子にも20人くらいから好きだと言われ焦った
私はみんなに愛された
私もみんなを愛していた
そんな私も中学生になった
中学生になってからも、私はみんなから愛される私でいようとて、ますます努力を重ねた
その時の私の能力は中学生のレベルを、ううん、そこいらの高校生よりよっぽど上だったと思う。
だけれどみんな、だんだん私に取り合ってくれなくなった
誰も私と目を合わせてくれなくなった。笑ってくれなくなった。隣を歩いてくれなくなった。祝ってくれなくなった。遊んでくれなくなった。話してくれなくなった。
どうして愛してくれないの?
もしかして傲慢だから辟易したの? 怒ってなんかないけどそう見えた? 嫉妬してしまうようなことをした? 怠惰だから呆れられた? 私の望みは強欲だった? たまにする暴食が目障りだった? 成長していく身体が扇情的だった?
私はみんなから愛されようとした
でも、訳も分からないまま、私は愛されなくなっていった
愛されなくなって2年が経って、私は中学3年生になった
そんな私に1人の後輩ができた
気さくでお茶目でちょっと抜けてる、でもどこか頼りがいのある男の子
誰にも愛されない私に彼は優しくしてくれた
顔を赤らめながらも私の目を見てくれた。照れるように笑ってくれた。恥ずかしがりながらも、帰るとき隣を歩いてくれた。いいことがあると祝ってくれた。誘えばいつでも喜んで遊んでくれた。しどろもどろになりながらも話してくれた。
そんな彼に私は恋してしまった
愛に飢えた私は彼から愛されたかった
彼はみんなを愛していた
彼は私も愛してくれた
でも、かつてみんなに愛されていた私には、そんな分け与えられて小さくなった愛なんかじゃ足りなかった
彼の全部が欲しくなった
私だけを愛してほしくなった
愛は私の生きる理由だったから
だから
『愛してます』
私の『全部』を捧げることで、彼から『全部』をもらおうとして──
彼は、私の狂愛に耐えられず壊れてしまった
そしてようやく気付いたんだ
あまねく人を容易く魅了し狂わせる
私の魔貌に、ようやく気がついた
よう実の詳細な時系列や特別試験のルール、設定などをまとめた資料を書くかどうか(詳細は1章幕間の後書き参照)
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書け
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是非書いてくれ
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投稿が遅れてもいいので書いてほしい
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どちらでもいい
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投稿が遅れるなら書かなくていい
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別に書かなくてもいい
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書くな
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閲覧用