東方双交伝~裏切り者たちの幻想入り~《更新停止》   作:アルシェス

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一応戦闘になりますが、しょぼいです


悪魔の妹・縛る物

小樽はゆっくりと振り向く、敵意は感じなかったからだ。

そこには赤を基調とした服を纏い、

赤いリボンが付いたナイトキャップを被った10歳ほどの少女がいた。

金髪をサイドテールに束ね、赤い瞳が可愛らしい顔立ちに収まっている。

そして、細い枝に菱形の宝石のような物が横に並んでぶら下がっている羽が

背中から生え、少女が歩くたびにユラユラと揺れていた。

 

(ホルス、この子もオーヴァード?それともレネゲイドビーイング?)

(どっちでもねえよ、人間じゃなさそうだけど)

 

彼らの力の根本、それを感じ取る力が強いホルスが違うといったのだ。

ならば自分達とは関係が無い人間以外の存在、小樽はそう認識した。

 

「僕は小樽、間宮小樽……君は?」

「フランだよ」

 

少女、[悪魔の妹]フランドール・スカーレットは無邪気に答える。

 

「フラン、君は人間じゃなさそうだけど、なんなの?」

「フランは吸血鬼だよ」

 

オカルト的な返答に、小樽は少し考え込む。

紅い目に鋭い犬歯、一応小樽が良く知る吸血鬼の特徴を備えている。

背中の羽はイマイチ説明がつかないが、小樽は信じることにした。

 

「ねえフラン、ここを出るにはどうすればいいかな?」

「わかんない、私もずっと閉じ込められてるから」

「閉じ込められてる?」

 

確かに吸血鬼は疎まれる存在だから、何かしろの方法で幽閉されていてもおかしくない。

良く知られる伝説の内どれほどが事実かは不明だが、血を吸われるのはいい気分ではない。

量が多いならなおさらだ。

 

「お姉さまが、悪い子だって……」

 

笑顔が曇り、寂しげな表情を見せる。

 

「だからずっとこの部屋の中、もう500年ぐらい」

「そんなに……」

 

子供は純粋だ、だから思ったことをすぐ口に出す。

それを知っている小樽は、フランが嘘を言ってなと気付いた。

 

「アイツ、私のこと嫌いなんだ」

「それは違うと思うよ」

「え?」

 

小樽は屈んで視線を合わせ、フランの頭に手を置く。

 

「500年も時間があったんでしょう?

本当に嫌いなら、とっくに殺すなり追い出すなりしてるさ

そうじゃないのは、多分距離感が分からないからだよ」

「どうゆうこと?」

 

小樽は優しく微笑む。

 

「仲直りしたいけど、どうすればいいか分からないってところかな」

 

その後ゆっくりと立ち上がり、小樽は扉を見る。

 

「まあ、僕は本人じゃないから分からないけどね

でも、まずは本音で話し合わないと「ねぇ」ん?」

 

この時、小樽は失念していた、知らなかったからだが。

フランには強い[狂気]が存在している。

故に、他者から愛情をほぼ与えられないまま幽閉されてきたのだ。

そんな幼い少女に愛情を与えればどうなるか、答えは単純。

欲するあまり………

 

「イッショニアソボ!禁忌[クランベリートラップ]!」

 

独占しようとする、だ。

突如フランは小樽に手を向け、凄まじい数の光弾を放つ。

しかし小樽も歴戦のオーヴァード、不意打ちの

光弾を危なげだが回避する。

 

「ちょっと!いきなり何を!」

「だってお兄ちゃん人間でしょ、なら

足が無くなっちゃえばどこにも行けないよねぇ」

「ええぇ!?」

 

小樽は仰天の声を上げつつも、次々と放たれる光弾の弾幕を

経験と身軽さで危なげなくかわしていく。

 

「アハハハハハハハハハ!すごいすごい!

こんなに簡単にかわせる人久しぶり」

(何でこうなるのさ!)

 

さっさと逃げたいところだが、それは難しい。

一応小樽は密室だろうと逃走することはできるが、その隙が無いのだ。

故に、今のところは避けるしかできない。

 

「ならこれはどう?禁忌[フォーオブアカインド]!」

 

途端に、フランは四人に増えた。

 

「うげぇ!」

「そんなのありかよ……」

 

四人に増えたために、弾幕はさらに激しくなる。

このままでは埒が明かないと、小樽は反撃することにした。

 

[雨粒の矢]

 

突如水が集まり、弾丸となってフランに向かう。

 

「ヒッ!」

 

突如フランの顔が恐怖に歪む。

ここは幻想郷で、フランは吸血鬼。

現実ではバカバカしく、ありえない要素も存在する。

その一つが、[吸血鬼は流水に弱い]だ。

故に吸血鬼は川で泳ぐことが出来ず、雨天時は物理的に外出不可。

[雨粒の矢]は雨を人為的に降らせて攻撃手段にするエフェクト。

小樽は無意識的にだが、効果的な攻撃をしたのだ。

フランは咄嗟に回避するが、分身は直撃して消滅する。

 

(今!)

 

隙が出来たので、小樽は次の手を打つ。

 

[ジャミング]

 

突如金色の鎖が出現し、フランを縛り上げる。

小樽のコードネームは[グレイプニル]、

それはギリシャ神話に登場する狼の姿をした怪物[フェンリル]を縛り付けている鎖。

そう、虚空から鎖を出現させ縛り上げるのを得意とするため、このコードネームが付いた。

 

「え?……え?」

 

フランは必至で鎖を振りほどこうとするが、びくともしない。

吸血鬼は怪力だ、大木を片手で持ち上げることが出来るという。

そうでなくとも、フランには[ありとあらゆるものを破壊する程度の能力]という、

文字どうりあらゆる物を破壊できる能力がある。

しかし、それらを駆使しても、鎖を振りほどく事は叶わない。

小樽はそのままフランに近づき、

 

ゴチーーーン!

 

「いった~~い!」

 

フランの頭に拳骨を振り下ろした。

人間よりはるかに頑丈な吸血鬼とは言え、これは痛いだろう。

 

「とりあえず正座」

「え?」

「せ・い・ざ」

「………はい」

 

言いようのない恐怖を感じたフランは、鎖で縛られたまま正座をする。

傍から見れば、虐待ともシュールな光景とも取れる。

 

__________________

 

30分後

 

「遊んでほしいのって思うのはいいよ、でも君はやりすぎ」

「バディ、いくらなんでも」

「何か言った?」

「イエ、ナニモ」

 

___________________

 

1時間後

 

「まずは守らなきゃいけないことがあるから、それを学ばないとね」

「正座止めていい?」

「何か?」

「ナンデモアリマセン」

 

___________________

 

2時間後

 

「上手く加減が出来ないなら僕が練習に付き合うからさ」

「もう許して(涙目)」

「流石に可愛そうになって来たんだが」

「ダマッテキキナサイ」

「「サー・イェッサー!」」

 

___________________

 

3時間後、ようやく説教が終わった。

仲間たちの間でも、小樽の説教は長いことで有名だ。

ロクに叱られたことも無いフランには大層堪えただろう。

 

「じゃ、まずお姉ちゃんと仲直りしないとね」

 

優しい表情に戻った小樽が、再びフランの頭をなでる。

その光景は親子にも、年の離れた兄妹とも取れる。

実際にはフランの方が遥かに年上なのだが。

そして、フランは不思議な感覚を覚える。

 

「ねえお兄様………」

 

___________________

 

時間を少し戻そう。

幻想郷の大きな泉のほとりに、紅魔館と呼ばれる洋館がある。

窓がほとんどなく、壁も屋根も囲う塀も真紅の館。

吸血鬼が主を務める館である。

 

その館の当主は、どこか楽しそうに、しかし不安げな表情を浮かべていた。

肩辺りで揃えた青髪と真紅の目、ナイトキャップと薄いピンクのワンピースを纏い、

蝙蝠の羽を生やした、10歳ほどの愛らしい姿をした少女。

[永遠に幼き紅き月]レミリア・スカーレット、そう、この館の主である。

 

「……咲夜」

「こちらに」

 

名前を呼ばれて、フランス式のメイド服を纏った少女が現れた。

肩辺りで揃えた銀髪の顔両脇を三つ編みにして緑のリボンで止め、

丁重に整った涼やかな美貌と雰囲気の持ち主だ。

[完璧で瀟洒な従者]十六夜咲夜、この館のメイド長を務めている。

 

「どうやらお客が来たみたいなの」

「お客様、ですか?」

「ええ、それも今後を左右するような、ね」

 

[運命を操る程度の能力]、それがレミリアの持つ力だ。

それ故に、これから起こるであろうことを予知できる。

二人はそのまま地下室、フランの自室に向かう。

その扉の前に先客達がいる。

 

紫色の神を髪を腰まで伸ばし、うすい紫を基調とした寝間着のような服にナイトキャップ。

顔立ちは整っているが、愛想が悪そうな表情と眠たげな眼で印象は暗い。

[動かない大図書館]パチュリー・ノーレッジ、紅魔館図書館の管理人で魔法使いだ。

 

二人目は赤毛の徴発に司書の様な服装を纏い、頭の側頭部と背中に蝙蝠の羽が生えた少女。

小悪魔、通称[こあ]、パチュリーの使い魔である。

 

三人目は赤毛の長髪で、抜群のスタイルを誇り、

[龍]と書かれた星の飾りがついた帽子と中華風の衣装を纏った女性。

[色鮮やかに虹色な門番]紅美鈴、紅魔館の門番である。

 

「美鈴、何で居るの?」

「私が呼んだのよ、誰かいるみたいだからね」

「すいません、お仕置きは勘弁してください」

 

偶に美鈴は居眠りをしてしまうことがあり、

そのたびに咲夜からお仕置きを受けていることがある。

 

「とにかく、お客に挨拶しないとね」

 

レミリアが扉を開けようとした時、突如その横の壁が歪んで穴が開く。

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

予想外の光景に、その場に居た五人は素っ頓狂な声を上げる。

そしてそこから頭の上にホルスを乗せたフランと、それを肩車する小樽が出てくる。

小樽が目的地までの道を自由に作れる[猫の道]をつかったのだ。

 

「おじゃましてます」

「アレ?みんなどうしたの?」

「そこまで驚くことか?」

 

そして、更に驚きを紅魔館面々が襲う。

 

(((((フラン(妹様)が懐いてる!!?)))))

 

ハッキリ言って紅魔館で一番危険な面子であるフランがここまで懐く相手など

今まで見た覚えが無い五人は心底驚き、目を見開いた。

 

________________________

 

驚きはしたものの、レミリア達は自己紹介をし

 

「僕は小樽、間宮小樽です」

「俺はホルス、小樽と共生している生物だ」

 

小樽とホルスもそれに続く。

レミリア達はここが[幻想郷]という異世界で、小樽は外から来た人間[外来人]だということ

小樽は自分が気が付いたらフランの部屋に居たことなど、

お互いに離せることを話す。

 

「それで、貴方はどうする気?」

「僕にはやることがあるので、できれば帰りたいのですが

フランが力加減できるように練習に付き合うと約束しましたから」

「なら貴方を使用人として雇いましょう、役割はそうね

フランの世話係兼雑用でどうかしら、勿論給料は払うわよ」

 

_______________________

 

ところ変わって、別の場所。

したり落ちる水の音で、目を覚ました30代ほどの男がいた。

くすみのある銀髪とサファイヤブルーの目を持ち、肌は白色人種特有の真っ白、

顔立ちは整っているが、右目に沿う様に傷跡が出来ている。

ジェームス・ルイス、元傭兵である。

 

「いって……どこだここ?」

 

視界は真っ暗で状況把握が出来ず、どうやら怪我をしているらしい。

 

「少し大人しくしてるか」

 

 




エフェクトのゲーム内での効果は説明しません。
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ゲーム内での制限も、ある程度無視するのでご了承ください。
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