魔法少女リリカルなのは Acta est fabula 作:めんどくさがりや
・プロローグを少し改変しました。
プロローグ
「あれ、ここどこ?」
気がつくと俺は真っ白な空間に立っていた。上下左右何処を見ても真っ白だ。こんな場所に見覚えは無い。
「ってか白すぎでしょ。目が痛え」
とりあえず誰かいないかと叫んでみる。
「おーい、誰かいないかー?」
すると、
「呼んだ?」
「うおっ」
突然目の前に銀髪の少女が現れた。いったい何処から出てきたんだ?
「えーと、どちら様?」
「信じられないかもしれないけど神だよ」
「ゑ?神様?」
そう聞くと少女は頷いた。
「そう、神様。英語で言うとGOD。理解した?」
うーん、正直理解が及ばないけど、とりあえず納得しておこう。このままだと話が進まない。
「で、その神様がいったいどんな用事?」
「うん、回りくどい言い方は好きじゃないから単刀直入に言うね」
いったい何があるのだろう。そう思いながら言葉を待っていると神様は言葉を紡ぐ。
「君、死んじゃったんだ」
「・・・はい?」
などと言われた。
◆
「死んじゃったって、死因は?」
「トラックに跳ね飛ばされて死亡。潰れたトマトみたいで原型はとどめてなかったみたいだね。見てみる?」
「遠慮しときます」
誰が好き好んで自分のスプラッタ死体を見るのか。
「えーと、俺が死んだのはわかったけど、なんであなたの前にいんの?」
「うん、実を言うと君は本来死ぬべきじゃなかったんだよ。病気も無く、軽く二百年は生きる予定だったんだ」
「どんだけ生きるんだよ俺⁉︎」
二百年ってなんだよ⁉︎俺長生きしすぎだろ‼︎現在の最年長記録を突き抜けてんじゃねえか‼︎
「うん、それだけ異様に長生きする筈の君が死んだのはこちらに問題があったんだ」
「問題?まさかテンプレよろしくあなたのミスで死んだとか?」
「正確には私の部下だね。それにミスというよりはアレが面白半分で殺してしまったって言い方が正しいね。あのゾウリムシ野郎が・・・」
こわっ。
「というわけで君には転生してもらうよ。ちなみに転生先はリリなのの世界だから」
「リリなの?ああ、萌えじゃなくて燃えのヤツね」
なんと言うかこう、魔法少女にありがちなキャル〜ンってんじゃなくて全力全開‼︎疾風迅雷‼︎滅尽滅相‼︎私は、総てを愛している‼︎って奴か。
「うん、後半二つは世界観全く違うよね」
「心読まんといて」
プライバシーの侵害だよ?
「そんな事より、君たちを殺したゾウリムシの責任は私が負うから転生してもらう。お詫びとしての特典も選んでね」
「特典・・・これもテンプレだな」
ん?ちょっと待てよ、君たち?
「もしかして俺の他にも転生者っているの?」
「もしかしなくてもいるよ。君を含めて四人だね」
「ふーん」
「ちなみに特典は自分で選ぶかクジで選ぶかで分かれるから」
自分で希望するかランダムで選ぶかってわけか。
「ちなみにメリットとデメリットってある?」
「そうだね、自分で選ぶ場合のメリットは言うまでもないけど好きな特典を選べる事。デメリットにはその特典に、場合によっては制限がつく事かな。クジで選ぶ場合だと自分の運次第だからどんな強力な能力でも制限がつかない。デメリットはクジ特有の当たり外れがある事だね。ピンからキリまであるから最悪全力全開で力を振り絞って単行本のページを一枚だけめくる能力とか、ぶっちゃけ無くても構わない、むしろ持ってるだけで惨めになるような能力が当たっても文句が言えない。こんな所かな」
なるほど。正直特典と言ってもそんな希望する能力なんて無いからな〜。とりあえず、
「他の転生者の特典って見れる?」
「ええ、ちょっと待ってて」
そう神様が言うと目の前にモニターの様なものが現れた。
「えーと、何々?」
名前:小金井 祐介
特典一:無限の剣製
二:時間を操る程度の能力
三:努力すればするだけ強くなる
名前:水無月 蓮華
特典一:
二:高い身体能力
三:ハイスクールD×Dのエクス・デュランダル
名前:王城 天牙
特典一:王の財宝
二:最高位の魔力量
三:???(ランダム)
というものだ。なんと言うかありきたりというか。
さて、自分はどうするかーー
「よし、クジでお願いします」
「分かったよ。何が出ても文句は言わないでね。殺意が湧くから」
「殺意が湧くの?まあいいや。文句は言わないよ。自分で選んだんだし」
「そうそれじゃあ」
すると神様の手にいつの間にか正方形のくじ箱があった。
「早速引いて」
「ホイホイ」
手を突っ込んでガサガサとあさり最初の特典を取り出す。
「えーと、何々?」
そこにはこう書いてあった。
『Dies iraeのメルクリウスの力、渇望、頭脳、能力』
「・・・ゑ?」
メルクリウス?メルクリウスってあれ?あのチート揃いのDies iraeでの裏ボス的存在で業界ではニート、うざすぎるニート、バグキャラなニート、変態なニート、ストーカーなニート、働いたらいけないニート、やっぱりニートなどと言われているあの
「うわっ、とんでもないの引き当てたね。だからこのクジって怖いんだよね。私達を超える神格を普通に生み出しちゃうんだもの」
そう言いながらくじ箱を再び差し出してくる。そして再びガサガサとあさり、引き抜きとこう書いてあった。
『Dies iraeの聖遺物(ギロチンと聖槍を除く)の使用』
それを見て言う。
「ねえ、これ狙ってるわけじゃないよね?」
「当たり前でしょ・・・多分」
どうやら神様も解せない様子だ。さて、最後だ。
『多元宇宙の掌握権』
「これ絶対狙ってるだろ‼︎絶対俺を水銀の蛇にしようとしてるだろ‼︎」
「ごめん、これ見たら否定出来ないかも」
なんだよこれ‼︎確かにチートには憧れるけどこれチートってレベルじゃねえだろ‼︎バグ通り越してもはや変態の領域だろ‼︎
「うーん、でももう変更は出来ないから諦めてそれで行って」
それにガックリと項垂れる。
「わかった・・・あ、そうだ。ここで能力の修行ってできる?」
「一応できるよ。せっかくだし、ちゃんと制御できる様になってから転生する?」
「そうする」
神は呪文を唱え出す。すると、目の前に光が現る。
「ここから別世界に行けるよ。修行には最適な場所だから、頑張って」
「へいへい」
そして光の中へ歩いていく。
「では、これより歌劇を始めるか」
その時、彼の瞳は翡翠色に輝いていた。
◆
あれから数え切れない程の年月が経った。ようやく転生の時だ。
「では、世話になったよ」
「うん。想像以上に時間が経っちゃったね」
「ああ、本当に、全てが既知と感じてしまう程にな」
神はそれに少しだけバツが悪そうな表情をする。実は予想より早く終わる筈だった修行がとある問題によって予想よりはるかに遅くなってしまったのだ。
「それじゃ、さよなら。次にまた会おうね」
「ああ、君との出会いは良き巡り合わせだと感じたよ」
そう言うと彼は光に包まれて転生した。
神は一人になった部屋でつぶやく。
「行ったみたいだね。まったく、彼の異常さには呆れすら感じるよ」
彼が此処に来た時から、異常だと感じていた。他の転生者も普通とは言い難い素質持ちだったが、彼は飛び抜けて異常だ。
そう思いながら、そばにある箱を手に持つ。先ほど使用したくじ箱だ。これはただ引くだけなら普通のものと何ら変わらないが、とある条件を満たしている者が引くと運が関係しなくなる。その条件とはーー
「強い渇望を持つ者がこれを引くと、その渇望に合った特典が選ばれる、か。まったく、とんだ機能だよ」
いや、それをとってもあの特典はありえない。幾ら何でも強大すぎる。彼の渇望はそれほどまでに強かったという事だが・・・
「だけど、まさかあんな渇望を抱くなんてね」
人なら誰もが一度は思うであろう願いだが、彼のそれは桁が違う。
「『この結末を認めない。ゆえにやり直したい』か・・・まさか水銀と同じレベルの渇望を抱くとは予想外だよ」
彼は自覚していなかったようだ。本人は死ぬのは嫌だなーといった感覚だったろうが、彼の死に際の渇望はそれは凄まじいものだった。
『こんなところで死ぬのは嫌だ。こんな終わり方なんてふざけてる。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。ああ、嫌だ、認めない、このような終わりなど許せない。
だから納得できる結末をよこせ。至高の終わりを迎えさせろ。
これを受け入れる?笑わせるな、そんなのは人形と変わらない。しかし嫌だ。しかし認めぬ。
不条理な結末の否定、諦められぬ生への執着がこの渇望を生み出し、彼は力を得て、神になった。
永劫回帰という理と彼の渇望が惹かれ会うのは必然だったのかもしれない。
何にせよ、彼はもはや人に非ず。まあ転生者の中にもう一人半分人外がいるのだが。
さらに彼は能力の力を慣らすために行った平行世界の様々な力がある。
「少し、彼らには悪いことをしちゃったかもね」
何せ、今送ったのは術と占星、さらに脚本を司る神だ。まず、正史の通りには進まないだろうが・・・まあなんとかなるだろう。
「じゃあね。私の盟友、愛しき第四天。あなたの生に至高の未知があることを願うよ」
そう言うと少女はーーー三代目の神はその場を去った。