鋼殻のレギオス~ご都合主義   作:ペコ

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第四話

新入生武芸大会でその力を見せつけたレイフォンは、カリアンによる中隊制度発表と合わさってその名をツェルニ中に轟かせた。

 

よって……

 

「うう…視線が痛い」

 

好奇の目にさらされることとなる。

 

「ま、なにせ中継までされてたから都市中の人が顔を覚えちゃったみたいだからね~」

 

「ミィ、何の慰めにもなってないぞ」

 

「というかとどめを刺したよね」

 

「ま、いままでも似たような感じだったんだから慣れだよ慣れ」

 

「といってもやっぱりきついよ…」

 

なにせレイフォンが好奇の視線にさらされてきたのは武芸関係だけであって普通の生活の中ではとりたてて注目されることはなかったのだ。 

それが今やどこに行こうとも注目されかつ、やっかみや嫉妬といった感情を受け続けるのは武芸以外ではスイッチの緩いレイフォンには少々酷だった。

 

「ま、グレンダンも似たようなものだったし、時間がたてば収まるでしょ」

 

そういって幼馴染のリーリンからも見放されたレイフォンはテーブルに突っ伏していた。

 

そんなレイフォンを憐れむ三人娘と幼馴染。

 

と、そこに乱入者」が現れた。

 

「失礼する」

 

そういってレイフォンたちの教室に現れたのは生徒会長のカリアンである。

 

「……何用ですか?」

 

元凶の登場に顔をあげ不機嫌そうに言葉を返すレイフォン。

 

「まあまあ、そんなに邪険にしなくてもいいだろう? それよりちょっと例の中隊の件で話があるんだが今からいいかね?」

 

「え? いや授業があるんですけど……」

 

「ふむ、それなら仕方ない、放課後にまた生徒会室に来てくれたまえ」

 

そう告げると急を要することでもなかったのかあっさりと引き下がるカリアン。

 

「では放課後に」

 

そう告げると秘書らしき女性を従えて去って行った。

 

すると途端に教室に喧騒が戻ってきた。

 

しかしほとんどの視線はレイフォンのほうを向いている。

 

「やっぱり胃が痛い……」

 

レイフォン・アルセイフ15歳 この年で胃薬が必要なようだった。

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

幼馴染と三人娘に別れを告げ、レイフォンは一人生徒会室にやってきていた。

 

とりあえずゴルネオにならって扉をノックする。

 

「入りたまえ」

 

そして返事があったので扉を開けると、そこにはカリアンと顔をしかめた大男がいた。

 

「やあ、よく来てくれたねレイフォン君」

 

「どうも」

 

そういって部屋に入りつつ扉を閉めるレイフォンを大男が睨んでいた。

 

「紹介するよ、彼はヴァンゼ・ハルディ 武芸長を務めている」

 

「……ヴァンゼだ」

 

そういってこちらに手を差し出すヴァンゼ。

 

一瞬きょとんとしたがすぐに握手を求めているのだと気づき慌てて差し出された手を握った。

 

するとすかさず万力のような力で握られたのでとりあえずグレンダン流にこちらも力を込めて応じる。

 

「っつ!!」

 

もちろん手を壊さないよう手加減はしたのだが、ヴァンゼは驚いたような視線を向けてきた。

 

「さて、じゃあお互い実力は分かったみたいだし。 話し合いにはいってもいいかな?」

 

そういって、カリアンが話を始めた。

 

「今日レイフォン君をここに呼んだのは他でもない、中隊制度について話し合うためだよ」

 

「はぁ……」

 

「でだ、最初はうまくいくかと思ったんだが、やはり各小隊から反発の声が上がってね」

 

「当り前だろう、いきなり一人で話を進めよって、武芸長である俺に何の話も上がってこないというにはどういうことだ?」

 

「とまあ、ヴァンゼのいうような声が小隊からも上がっているし、直接戦うことのなかった者たちには今一つ君の実力が伝わっていない そうだねヴァンゼ?」

 

「…ああ、実際グレンダンの生徒と手合せした俺には彼らをも圧倒してみせたお前の実力がとてつもないものと理解できたが、どうも各小隊の連中は新入生の中ではやるほうだという認識しか示していない」

 

「そうなんですか? わざわざ化錬剄で会場を覆うなんて離れ業をして見せたのに…ですか?」

 

「……未熟をさらすようで恥ずかしいがツェルニにはお前と同じグレンダン出身のゴルネオと、その教えを受けたシャンテくらいしか化錬剄の使い手は居なくてな、どれだけのものか理解しかねているのだろう」

 

「そうなんですか……」

 

どうやら珍しくレイフォンが行った気配りは空振りに終わったようだ。

 

「まあ、そういうわけで彼らに再び実力を示してもらわないといけないわけだが、流石に先日のような催しは行えないので身内だけで小隊長の勝ち抜き戦を行おうと思う」

 

「つまり、また僕にそれに参加して欲しいと?」

 

「うん、話が早くて助かるよ。 君にはそれに第一中隊長として参加してもらい、彼らに君の力を見せつけて欲しい。 トップが敗れれば下の小隊員も納得するだろう  それでいいねヴァンゼ?」

 

「いいも何もそうするしかなかろう、放っておけばあいつらは何をしでかすかわからんぞ」

 

「ふぅ、やれやれ。 力を持つものほど自制して欲しいけどね…、ではレイフォン君私とヴァンゼはこのまま今の話の調整に入るが…参加してくれるということでいいのかな?」

 

「はい、こうなったらしかたありませんから」

 

「ありがとう、そういってくれると助かるよ。 それじゃあもう退出していいよ、連絡は追ってするが近日中には話が行くはずだ」

 

「わかりました、失礼します」

 

こうして、レイフォンは小隊長たちと勝ち抜き戦を行うこととなった。

 

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