皆さんからのお気に入りが600を超えたのを見て感無量になってる作者です。
最近仕事が忙しくて書く暇ないんですが頑張ってちびちび書いていきます。
あの後、遠征までの間特に何事もなかった。
あるとすればたまに呼び出されてハイレインと茶会(ゴミ)をするというイベントは何回かあったけど他の人もいたので普通に雑談で終わる事が多かった。
そんなこんなで遠征に行くまで一月の間、エネドラ対策やトリガーを改造したりしているとあっという間に遠征日になっていた。
今はニキ達と話しながら地球の兵士の戦いを高みの見物している。
「存外に玄界の戦力も侮れないかもしれないな」
プロトタイプのラービットを撃破していく地球の兵士達を見てランバネインが目をキラキラさせている。
「ハイレイン!そろそろ出番じゃないのか!?」
某サイヤ人並に勢いが良い。
ほんと戦闘狂なんだよなぁこいつ。
「そうだな……玄界の兵士達も良いように散らばっている今が好機か。
総員、出撃準備をしろ」
「へっ……ようやくかよ。玄界の猿どもは根絶やしにしてやるぜ」
「我々の目標は金の雛鳥です。貴方はその為の陽動だと言う事を忘れないように」
「へーへー……お堅い女だぜ」
エネドラが悪態を吐きながら立ち上がる。
ヒュースやヴィザ翁もゆっくりと立つ。
「それでは各方角にゲートを繋ぎましたのでどうぞ」
ミラが3つのゲートを出す。
あの得体の知れない感覚はあんまり好きじゃないんだが……仕方ない。
「俺は行かせてもらうぜ」
「それでは私達も向かうとしましょうか」
「はい、よろしくお願いします」
組み合わせとしては、ヒュースとヴィザ翁、俺とランバネイン、エネドラ単騎だ。
どうやってランバネインを撒こうか……
「さあ行くぞ!傭兵!」
「……わかっている」
ランバネインが我慢ならない様子だ。
このままだと担がれて強引に連れていかれそうだから奴に速度を合わせてやらないとな。
「例の件、頼みましたよ」
「……あぁ」
すれ違いざまに彼女に圧をかけられる。
もっとにこやかに送り出してくれないものかね。
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「2人だけか?拍子抜けだな」
ゲートを出た先では2人の兵士がいた。
両方共装備は狙撃銃の様なので離れられる前に仕留めないといけない。
「数だけを見るな。足元を掬われるぞ」
こんな風にな、と言って背後の建物からランバネイン目掛けて飛んでくる銃弾をブレードで弾く。
「なっ……!?こいつブレードで弾いた?」
「茶野隊か!?よけろ!」
「えっ?」
「遅い」
長髪の男が注意する前に近くにある柱を駆け上り跳躍する。
「水面切り……擬き」
銃撃タイプは距離を詰められると対応がしにくくなるのはどこの国でも同じだ。
帽子を被っている方が反応が速かったから隣の兵士の首をすれ違いざまに斬る。
「樹!」
仲間がやられて動揺した隙を見逃す程甘くはない。
振り下ろしたブレードを円を描く様に回してその勢いでもう1人の首も落とす。
《戦闘体活動限界、ベイルアウト》
トリオン体が破壊された2人は光となってある方向に飛んで行った。
トリオン体が消えたら記録した所に飛ぶみたいな感じか?
中々面白い事をしてくれる。
「実際に見たのは初めてだが凄いな!」
「大した事ではない、目の前に集中しろ」
既に長髪の男が結構遠くまで逃げているのを指差す。
俺があの兵士2人に接近し始めた瞬間に走り出していたな?
あの男は中々の手練れと見える。
あとはランバネインが興奮してこっちに気をやったせいもあるが……。
「ハハッ!中々頭がキレる奴がいるな!」
「関心している場合か」
「まぁ、俺に任せておけ!」
陽気に笑うランバネインが腕の部分を変形させて重機関砲の様な武装になる。
「男なら逃げずに戦うんだな!」
そして大玉のトリオン弾を連続で高速発射していく。
何度か見た事はあるが歩く砲台と言っても過言じゃないくらい威力が高い。
「っ…!東さん危ない!シールド!」
長髪の男を庇う様にシールドを張って兵士が弾丸を受け止めようとした。
しかし弾丸はシールドごと彼を貫通して長髪の男に迫る。
「……ほう、これを防ぐか」
「生憎、用心深い性格でね」
なんと長髪の男は弾が貫通する事を見越してシールドを一点集中させてガードしたのだ。
知略に長けているこの男は油断できない。
長髪の男はすぐさま建物の影に隠れる。
このまま距離を取られると拙い。
「ランバネイン、空から撃て」
「おう!」
俺の指示に呼応する様に空を飛んで無差別射撃を行っていく。
隠れる場所が無くなれば距離を詰めて狩る。
「まるで砲台だなっ」
長髪の男が他の建物に移動する為に顔をだした。
よし、これならいける。
「霹靂一閃……擬き」
地面を蹴り、近くの橋の柱を飛び跳ねて近づく。
やっぱりトリオン体だと霹靂一閃より格段に遅いがこれでも十分に届く。
「くっ!?」
咄嗟に長髪の男は銃を取り出してシールドと一緒にガードしてきた。
瞬時の判断にしては最適だろう。
だけど、その程度では止められない。
「甘い」
シールドごと銃を両断する。
薄皮一枚ぐらいしか切れなかったが次の太刀でしとめられる。
振り下ろしたブレードを逆手に持ってそのまま振り上げようとした時……後ろに身を返しながら跳んだ。
直後、2筋のトリオン弾が背中を掠める。
「成程……」
空中にいて明らかに狙いやすいランバネインよりも、俺を狙うとはな。
相当の狙撃手なのだろう。
ランバネインを見ると彼もどうやら撃たれていたらしい。
「やってくれたな!だが位置は分かったぞ!」
自動追尾型のトリオン弾を放つランバネイン。
しかし、先ほどの脱出の光があがっていないと言う事はあの弾幕を逃げ切ったのだろう。
しかも今の隙に長髪の男にも逃げられてしまった。
「ハハハッ!取り逃がしてしまったな!」
「敵ながら見事」
あのレベルの攻撃を仕掛けてくるとは中々侮れない。
仕方がない、今の所は陽動に努めておくのがベストだな。
「さて、次はまともに戦える者がいればいいが……。この辺りを更地にしてしまおうか?」
「トリオンの浪費はやめておけ」
血の気多すぎだろ……
上手いこと手綱を握っておかないと暴走しそうで怖い。
「それもそうだな!本来の任務を遂行しようじゃないか!」
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見つかりやすい様にしながら暫く歩き続ける。
最初の会敵から全然攻撃してこなくなった所を見るに、人を集めて何かしようって魂胆か。
「不用意に撃ってこなくなったな……いっそヴィザ翁に合流するか?」
「下策だ……今は散開して陽動に徹しろ。そろそろ仕掛けてくるぞ」
「それもそうだな。ところで、本当に気にせず戦っていいのか?」
「構わない」
無差別な砲撃なら避けるのは容易い。
それに、ランバネインと協力するというより俺がランバネインに合わせる形で動いた方が効率がいいだろう。
まぁどのみち後で裏切るんだけどね。
地球の兵士達が倒してくれれば御の字くらいに思っておこう。
「おぉ、中々に大きい建物じゃないか」
「そうだな」
これは……学校か?
教室っぽい所もちらほら見れるし。
事が済んだら、学校に通って見るのもいいかもな。
そんな気持ちに浸った瞬間、敵の弾幕が飛んでくる。
「懸命だな」
ランバネインの死角から1人の兵士が加速して飛び込んできた。
移動するのが面倒なので拾っておいた瓦礫をブレードに飛ばして弾く。
「うっそー!?よねやん先輩!」
「あいよ!」
続いて別の兵士が槍を持って突撃してくる。
単純な突きをそのままブレードで受けようとしたが、俺のブレードを避ける様に変化した。
「幻踊孤月」
「惜しいな」
変化した槍を絡める様にブレードを回転させて軌道をずらす。
「初見でそんな事できる奴いんのかよ!」
中々の初見殺しだ。
これがランバネインならダメージを受けていた事だろう。
だが冷静であれば対処できる。
「ちょっとエグすぎでしょ〜」
「ここは立て直しだな」
もう一度弾幕が飛んできたタイミングで白兵が2人とも建物の中へと下がる。
あくまでも奇襲で仕留める作戦か?
「む……手応えが無い。何か細工があるな?」
ランバネインもさっきの弾幕が飛んできた方向に攻撃していたようだ。
避難装置が作動していない所を見るに避けられたようだが。
「ふむふむ……中々に手強い。ここは1人ずつ狙うとするか」
返事を返す間もなく、ランバネインが白兵の1人を追いかける。
さっきみたいな連携を何回もされるなんてたまったもんじゃない。
今はランバネインの方が機動力が高いしあの飛び回る白兵は押し付けておこう。
「さて……」
「あー……俺の所に来るかぁ」
窓ガラスを突き破って建物に入り槍使いを追いかける。
暫く追いかけると、逃げていた槍使いが動きを止めてこっちに向いてきた。
「屋上……なるほど、狙撃か」
飛んできた狙撃弾を体をずらしてかわす。
確かに俺には遠距離攻撃が無い。
いい判断だな。
「そゆこと、じゃあ第二ラウンドと行きますか!」
二発目の狙撃と共に飛び込んでくる槍兵。
狙撃を半歩前にかわして距離を詰める。
槍相手に距離を与えるとこっちの間合いの外から攻撃されるからな。
「普通後ろに引くだろ!」
「この程度の死線は腐るほど経験している」
戦場だと基本的に一対多数だった。
こういう場面だと敵に肉薄するくらい近付いておけば狙撃もされにくい。
あーよくブレード片手にゲリラ戦みたいな事してたなぁ……
槍を弾いては少しずつ詰め続けていくと次第に槍兵が後ろに下がっていく。
「こんなものか?」
「まだやってみないと分かんないだろ?」
今までとは違う最速の突き。
さっきまでの攻撃とは段違いに早く、ブレードで弾くのは間に合わない。
なのでブレードを投げて一瞬気を奪い、足に力を込めて勢いよく前に出る。
避けるのが難しいなら致命傷じゃない所に当てれば良いだけの話だ。
「なっ……!」
生まれた動揺の隙をついて槍の柄を掴んで槍兵を蹴飛ばす。
槍兵がフェンスに激突して体勢を崩したのでブレードを作り出してそれを向ける。
「終わりだ」
「と、思うじゃん?」
そう言うと槍兵はフェンスを越えて飛び降りた。
また奇襲するつもりか……?
そう思い、下を覗き込むとなんとランバネインがやられていた。
どうやら最初からランバネインを狙っていたらしい。
さっきまでのは時間稼ぎだったというわけか。
いつの間にか体に刺さっていた槍もないし。
まんまとしてやられた。
「見事だ」
屋上から飛び降りて槍兵に話しかける。
ランバネインは……ミラに連れて行かれたようだな。
「そりゃどーも、次はアンタだけどな」
本当なら隙を見てランバネインを狩るつもりだったがその手間が省けた。
感じの目がない今なら行動を起こしても問題はないだろう。
「いや、これ以上戦う理由はない」
ブレードを納めると槍兵が不思議そうに首を傾げる。
「はぁ?もしかして降参とか?」
「そんな所だ。話がしたい」
そう言って分かりやすいようにトリガーを解除する。
そこまでして槍兵が向けていた槍を下ろした。
続いて先ほどの小さい白兵が寄ってきた。
「よねやん先輩〜何が起こってるの?」
「いや、俺にもさっぱり」
「ジンユウイチという男に会わせて欲しい」
「もしかして迅さんの知り合いなのかな?」
「な訳ねーだろ」
「ややこしい事になってんなぁ」
建物の影からもう1人、黒コートの男が出てきた。
手にはトリオン弾を浮かばせている。
まだ警戒されているようだ。
「あっいずみん先輩!この人が降参するっぽいって!」
「んーーマジか?そんな追い詰めてたのか槍バカ」
「いんや、むしろ詰む一歩手前だったな」
「ならなんで降参なんかするのさ〜」
「本人に聞いた方が早いんじゃね?」
「だな……おい!二つ聞いておく、なんで迅さんを知ってるんだ?あとどうしてそんなあっさりと降参する?」
「詳しくは言えない。だが彼は未来予知が出来ると知っている」
「やっぱ迅さんの知り合いじゃない?」
「かもな〜……でも迅さん遠征に行った事あったっけか?」
「次の質問の答えだが……降参というより亡命が正しい。私は元々地球出身だ」
「「「は????」」」
3人が驚いてあたふたしている。
無理もない、そもそも自力で帰ってこれる人間なんていないだろうし。
仕方がないから少し落ち着くのを待つか。
応援いつもありがとうございます。
これからも見ていただけるとありがたいです。
追記
全話で3バカを無傷で完封と言いましたが、(生身は)無傷って事にしてください。
おねげぇします………
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