生身の方が強いボーダー隊員   作:myo-n

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なんかすっごいお気に入りが増えててビビりました。
あと0とか1とか低評価ついてて悲しい……


第2話

「痛い!やめて!!」

 

「黙れ、低トリオンのグズ共が」

 

「いやぁぁぁぁぁ!!!」

 

人が、トリオンに変えられる。

この悲鳴を何度聞いただろうか。

俺と同じように誘拐された人達の大半はトリオンタンクの肥やしになってしまった。

 

残った人間も、自爆装置を埋められ兵士になるか愛玩用に連れて行かれたりされた。

俺もそんな中の一人で、兵士となる事を余儀なくされた。

 

殺されなくて良かった。

最初はそう思った。

だけど、そこからが本当の地獄だった。

 

肉体の改造時の激痛。

休みなく戦い方を叩き込まれる苦痛。

最低限の食事。

 

そして、元々少なかった生き残りはさらに半分以上減った。

もう最初の頃に出会った彼らの顔なんて忘れてしまっている。

 

「トリガー……オン」

 

この世界に来てからどれくらいの時が経ったんだろうか。

1年を超えた所で数えるのを辞めてしまったからもう分からない。

だけど、俺は必ず地球に帰る。

 

その為に今は、こいつらの言う通りに動くしか無い。

 

殺人、拷問、誘拐……毎日の様に吐き、悪夢を見た。

そんな仕事も重ねる度に、段々と罪の意識を感じなくなる。

 

生き残る為には殺し続けなければならない。

そう思わなければやっていけなかった。

 

叫び声も、命乞いも、絶望も、何千何百と聞いた。

そして……死体の山が今まで出会った人の数を超えた頃、ついに生き残りは俺だけになった。

 

俺はただひたすらに戦った。

死にかけた事もあったけど、その度に仲間を思い出して踏ん張る。

そんな毎日を何度も繰り返す。

 

そうして長い年月が経ったある投薬実験の日、俺は薬の作用で記憶を取り戻した……正確には前世の記憶だが。

そのおかげか今まで朧げにしか使えていなかった剣技が明確に使える様になった。

 

それを境に、状況が大きく変わる。

今まで停戦状態だった隣国がより大きな国の統治下に入り、戦争を仕掛けてきた。

 

未知の新型トリオン兵の大群に、俺のいる国は僅かひと月で壊滅状態にまで追い込まれる。

 

「敵の手に渡るぐらいならいっその事爆破させるしかない……!」

 

夜更けのラボから聞こえた言葉。

そんな事になるだろうとは思っていたから、行動は早かった。

 

「ふぅ……」

 

心臓のすぐ近くに埋められている自爆装置を取らなければならない。

器具はない、力技になるけど急がないと。

 

「……っ」

 

ラボから盗ってきたナイフで胸に小さな切れ目を入れる。

血が流れるが、呼吸で血管を締めて止血する

 

「ふー……ふー……よし」

 

できないとどのみち死ぬんだ。

覚悟を決めろ。

 

タオルを咥えて、体を透かして見る。

うん、これならなんとか取れそうだ。

 

迅速かつ、丁寧にしないと……

 

「……ぐぅ!!ぅぅぅぅ!!」

 

傷口に指を突き刺して奥に入れていく。

耐え難い激痛が走り、意識が飛びそうになるが必死に堪える。

 

あと、数ミリ……

 

「ガフッ……掴んだぞ……」

 

指にある装置の固い感触。

少しずつ、引き抜いていく。

もし何かの拍子で爆発すれば一巻の終わりだ。

 

「うぅぅぅっっ………あぁあぁぁぁ!!」

 

装置を抜ききって、遠くに投げる。

すると、パァンッと乾いた音を立てて装置は爆発した。

 

「次は止血……」

 

最初の傷口がかなり大きくなってしまい、血が止まらない。

なので呼吸で血管一本一本を締めていく。

これで流れる血は減った。

 

次に、糸と針で傷口を縫い合わせる。

麻酔がないから激痛だが耐えるしかない。

 

「最後……」

 

ガーゼを当ててその上から包帯を巻く。

気を緩めると傷口が開きそうになるので呼吸で体を締める。

 

「ここから離れないと……」

 

大分騒いでしまったから、すぐに誰か来るだろう。

傷口が死ぬほど痛いが体に鞭を打って収容所から抜け出す。

 

目標はただ一つ、敵の遠征艇だ。

昨日の巡回の最中に偶然発見できてよかったと思う。

今こそ、行動の時だ。

 

---

 

遠征艇を守っていた集団を暗闇に紛れて始末したが、途中で気づかれて戦闘になってしまった。

 

「ま、待ってくれ!もう戦えない!こうさ──」

 

首を飛ばす。

仲間を呼ばれると面倒だから、殺すしかない。

あと、2人。

 

「っ……!!こうなったら!」

 

1人が生身のまま突進してくる。

何か企んでるのだろうが、今は斬り伏せるのが最善だ。

奴らに気づかれるまで時間が無い。

急がないと。

 

「……」

 

肩から斜めにブレードを振り下ろす。

そして即座に蹴り飛ばした……が。

 

「これ……で、あんた、も生身……よ」

 

足にトリオンキューブが付けられている。

設置型の爆弾……か。

 

ドォォォンッッッ

 

爆音と共に爆発が起こり、トリオン体が消し飛ぶ。

体が瀕死だから反応が遅れたのか……

 

「ミサッッッ!!!」

 

残りの1人が黒焦げになった奴に駆け寄る。

激しい涙を流し、こちらを恨みの形相で睨む。

 

「ミサ……ありがとう。君の死は無駄にはしない」

 

彼は懐からカプセルを取り出す。

すると彼はトリオン体に換装した。

先程トリオン体を破壊したにも関わらず、だ。

 

「なるほど……新種の薬か」

 

「そうだ。生身でトリオン体にダメージは当てられないだろう!2人の仇を打たせてもらう!」

 

僕に向かってトリオン弾が放たれる。

生身では相殺することもできない。

誰でも終わりだと思うだろう……普通なら。

 

「……」

 

懐から別のトリガーを取り出す。

 

「ブレード、オン」

 

トリガーから刀身が作られ、刀の形に変わる。

そして、静かに構える。

 

「水の呼吸、拾壱の型────凪」

 

飛んでくる弾の一切を、斬り弾いて無力化する。

 

「なっ!!?」

 

「終わりだ」

 

動揺から生まれた隙に一気に踏み込む。

 

「水の呼吸、参の型・流流舞い」

 

「くっ!シールド!!」

 

加速を付けて振り下ろした刀は、敵のシールドを砕いた。

そして流れる様に刀を回して、首を斬り落とす。

 

「あ、あり得ない……生身の貴様がトリオン体より速く動けるんだ!!?」

 

生身に戻った奴が、地面に腰を落として後ずさる。

 

「教える義理はない」

 

振り上げた刀を、下ろした。

 

「……敵はもういないな。ぐっ……!」

 

その場で膝をつく。

 

まずい、傷口が開きかけている。

なるべく負担がない技を使ったのに……

 

あともう少しだ。

頑張れ、俺。

 

「すまない……漁らせてもらう」

 

死体になった彼らの懐を漁り、遠征艇のキーを取る。

 

ちなみに先程使っていた薬は無かった。

トリオン体に換装できれば普通に動けるのに。

……ない物ねだりしても仕方ない。

 

キーを使って中に入る。

周りを見るに、どうやら外に居たので全部の様だ。

痛む体に鞭を打って、操縦席へと向かう。

 

「オートモード起動」

 

端末を操作して遠征艇を動かす。

傷口が痛い、早く目的地を設定しないと……

 

「うっ……」

 

その場に倒れてしまう。

駄目だ……力が出ない。

 

幸い、起動自体はしたからどこか適当な国には行けるだろう。

 

「仕方ない……か」

 

ゆっくりと目を閉じて、眠りへと落ちた。

 




まぁこんな感じで掲示板と主人公視点を交互にやっていくのでよろしくお願いします。
設定暗いのは仕方ないと思ってください。
あと強引なところも見逃してください。

寛容な心で楽しみましょう。

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