生身の方が強いボーダー隊員   作:myo-n

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はい、仕事が地獄なのでしんでました。
すみませぬ。


第6話

 

「迅悠一……か」

 

鬼滅ニキの言った名前を思い出す。

 

未来を見れる……恐らくそういうサイドエフェクトだろう。

昔いた仲間も超常染みた能力を持っていた。

全く寝なくても大丈夫だったり、透視ができたりと超能力レベルの物まであるんだから未来視があってもおかしくはない。

 

これで少しは、希望が見えて来た。

 

「何にせよ……今は仕事に集中しないと」

 

飛んでくるトリオン弾を交わしながら、敵のブレードを砕いて首を落とす。

 

「単身で乗り込んできて何だこいつ!?」

 

「いいから撃ちまくれ!近づかれたら終わりだぞ!!」

 

換装が解けた仲間などお構いなしに敵が弾幕を張りまくる。

 

「痛い痛い痛いぃぃ!!止めてくれえぇぇ!!」

 

「隊長!!」

 

「構わん!撃てぇぇぇ!!」

 

流れ弾が彼の体に穴を開けていく。

仲間など死んでもともと……というわけか。

気に入らない。

 

「流流舞い……擬き」

 

少々ぎこちない動きで足を運びトリオン弾を紙一重で避ける。

やはりトリオン体だと再現しきれないな……動きが遅すぎる。

 

「なっ、シールドも無しに全弾避けただと!?」

 

「驚いてる暇があるのか?」

 

近場にいた敵から首を切り落として、残りの取り巻きを袈裟斬りや横一閃でトリオン体を破壊する。

そして最後に隊長の胸を突いて換装を解除させ、制圧完了だ。

 

「あり得ない……」

 

「安心しろ、抵抗しない限りお前達は殺さない」

 

移送用のトリオン兵を簡易ゲートから一体召喚する。

彼らは抵抗せず大人しく収納された。

 

そしてもう一度ゲートを開き、トリオン兵を返してやる。

行き先はエリン家が所有する収容所だ。

 

今回は自爆できる様な奴はいなそうでよかった。

毎回こうして大人しく捕虜になってくれれば色々楽ができて助かるんだけどな。

 

連絡端末を取り出して当主に繋げる。

 

『ご苦労様〜。もう終わったのかい?』

 

「あぁ、一人自滅したが全員無力化した」

 

『隊長は?』

 

「無論、生かしている」

 

『よかった、彼には色々と聞きたいことがあるんだ』

 

「好きにしろ。後は任せる」

 

『冷たいなぁ。君と僕の仲じゃないか』

 

「雇用主と傭兵、ただそれだけだ」

 

『あっそ、次もよろしくね』

 

「了解」

 

端末をしまってその辺りの瓦礫に腰掛ける。

 

傭兵として半年……あの当主は人使いが荒すぎる。

週6ペースで敵地を制圧してこいとか頭おかしいだろ。

それをこなす俺も俺だけど。

 

だが、たった半年でアフトクラトルに力を認められたのは都合がいい。

現に次の大規模遠征に参加出来る事になったのだから。

しかも遠征先が地球と、まさに渡りに船だ。

 

「……増援か?」

 

不意に気配が増えた。

意識を切り替えてその方向にブレードを向ける。

 

「任務ご苦労様です。只今より緊急の作戦会議がありますのでご出席を」

 

そこには、アフトクラトルで有名なワープ女……ミラが空間を繋げていた。

 

というか効果範囲広くない……?

ここアフトクラトルの2つ隣の星なんだけど。

 

「了解した。その前に水を貰えるか?」

 

「……はい、どうぞ」

 

物凄い不服そうな目で彼女はワープトリガーで水を渡してきた。

傭兵という身分上、気に食わないのは分かるが露骨なのはやめてほしい……

 

「すまない」

 

水を飲み干して座席につく。

既に席には主要メンバーの半分が揃っていた。

ランバネイン、ヴィザ、ミラ、そしてハイレイン……か

 

「任務中にすまない」

 

「丁度終わった所だ。問題ない」

 

「評判通りの仕事の速さだな!いつか手合わせを願いたいものだ」

 

少年の様に目を輝かせるランバネイン。

こいつには目が合うたびに最近バトルしようぜと言われるから、俺の認識では短パン小僧になっている。

 

「若さとは良いものですな。私もあと40年若ければ……」

 

貴方はお呼びじゃ無いよお爺さん。

この人と戦う時は命を懸けなければ勝てない。

できれば戦いたくない人間No. 1だ。

 

「私は味方と事を構える気は無い。……それより、残りの二人はどうなっている?エネドラはともかくヒュースは緊急だろうが一番にいるだろう」

 

反対にエネドラは会議をサボりがちだが。

ともかく、ヒュースが来ていないという事は何かしら裏があるという事か。

 

「あぁ……今回はそれについての会議だ」

 

ハイレインが立ち上がって喋り始める。

 

「どういう事だ?」

 

「既に貴殿以外には話しているが、復唱も兼ねてもう一度説明しよう。次の大規模遠征……ヒュースを玄界に置いていき、エネドラを処分しようと考えている」

 

「…………ほう」

 

エネドラの方は分かる。

あいつは自身のブラックトリガーに侵食されているからその危険性を考えた結果だろう。

 

ただヒュースの方は分からない。

あいつ自身戦闘能力も忠誠度もかなり高いはず。

一体何が目的だ……?

 

「何故ヒュースも置いていく?彼に問題点がある様には見えないが…」

 

「詳細は極秘故これ以上教える事はできない」

 

「……そうか」

 

腹を見せている様で見せていないなこいつ。

大方、エリン家に属している傭兵だからか俺そのものもが疑わしい存在かの2択だな。

 

深く聞くのは藪蛇か……

 

「そこで、貴殿には通常の任務に加えて特別任務を与えたい」

 

「……エネドラの始末か?」

 

「そうだ。泥の王(ボルボロス)の情報を渡す」

 

拒否権は無いのかよ

 

「……」

 

10分ほど情報を見たが……俺との相性が悪すぎる。

気体にも液体にもなれて、核を破壊しないとダメージ0でさらに核のデコイを作り出せると……何そのチート。

 

「始末するタイミングはある程度ミデンにダメージを与えてからで構わない」

 

「……報酬はあるのだろうな」

 

「口を慎みなさい、欲深い者は愚かですよ」

 

「大丈夫だミラ、この流れは計算してある。貴殿がエネドラの始末を達成できれば、泥の王(ボルボロス)の使用権限を譲ろう」

 

一見、ブラックトリガーが報酬の様に思えるが正直微妙だ。

情報を見る限り……乱用しすぎるとトリガーに侵食されるかもしれない。

恐らく、譲るとか言いつつ何処かでデータ回収をするつもりだな……?

 

その手には乗らん。

手に入れても絶対に使わない。

どのみち地球に遠征に行ったらもう戻るつもりはないし。

 

「適性が無い場合はどうする?」

 

「既に試算した結果、適正率は100%だったので問題はない」

 

「……そうか」

 

用意周到だな。

面倒くさい……

 

「他に伝達事項はあるか?」

 

「これ以上伝える事はない。ミラ、2人を帰しなさい」

 

「かしこまりました」

 

ミラがランバネインとヴィザの後ろにワープゲートを広げる。

 

「お先に失礼するよ」

 

「ではまた会おう!」

 

ランバネインは意気揚々と、ヴィザは慎ましくその場から退場した。

恐らく、次に会うのは作戦決行日だろう。

 

さて、俺もそろそろ元いた場所に戻るかな。

 

「ミラ、少し席を外してくれ」

 

「よろしいのですか?」

 

「あぁ、構わない」

 

「……はい」

ミラがワープゲートを出して何処かへ行った。

 

……は?俺も帰せよ。

すっごい気まずいんだが。

 

「さて……貴殿とは改めて話をしないといけないと思ってな。少々強引な形になってしまったが許してほしい」

 

「……断ると言ったら?」

 

「申し訳ないが拒否権はない」

 

嘘だッ……!!

正直逃げても良いけど遠征行けなくなるのは困る。

ここは大人しくお喋りをするしかないか。

 

「回りくどいのは好きでは無い……本題に入れ」

 

ハイレインはかなり頭がキレる。

だから無意味な話し合いなんて事は絶対にない。

 

「そうだな……」

 

「……」

 

まずい……

 

もし地球出身だとバレていれば間違いなくアウトだ。

遠征作戦に行けないどころか一気に捕虜になるかもしれない。

頼むから間違っていてくれ……

 

「貴殿は……かつて我々が滅ぼした奴隷国家の出身か?」

 




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