デート・ア・ライブ 魔法と鋼を使いし者   作:猫舌

10 / 40
第10話 《繋いだ手。十香デッドエンド》

刹那サイド

 

 

カフェに着いた僕達は席に座る。その際に僕は十香にメニューを渡した。

 

 

「この中から食べたい物を頼むんだ。何が良い?」

 

 

ポーチの中に毎月ゼウスさんから多額を振込まれる僕専用のカードがある為、十香の大食漢等の問題は解決だ。まあ、僕も同じ位食べるけど・・・。

 

 

「きなこパンはないのか!?」

 

「イヤイヤ、其れは流石に無いでしょ。さっきあれだけ食べたよね」

 

「また食べたくなったのだ」

 

 

そう言って十香は大げさにきなこパンについて語りだす。気に入った物が見つかって良かったよ。安心しながら僕は十香の話を聞く。そして十香はまさかの全メニュー制覇を果たした。食べ終わり、僕達はレジへ行く。

 

 

「じゃあお会計してくるからちょっと待っててね」

 

「うむ。分かった」

 

 

十香の返事を聞いて僕は伝票を持ってレジに行った。店員さん驚くだろうな・・・。そう思って僕はレジの人に伝票を渡してレジの人を見た。その瞬間、僕の息が一瞬止まった。何故なら・・・

 

 

「・・・伝票お預かりします」

 

 

令音さんが店員だったからだ・・・。

 

 

「令音さん・・・フラクシナスって給料悪いんですか・・・?」

 

「・・・いや、別に生計に困ってる訳では無いからそんな顔は止めてくれないか」

 

「そうですか・・・一応再就職先のデータ作って渡しましょうか?」

 

「・・・大丈夫だから気にしないでくれ」

 

 

そう言って令音さんはレジ打ちを始める。支払い金額はかなりサービスされた物で、その後渡されたレシートに

 

 

《サポートする。自然にデートを続けたまえ》

 

 

と書かれていた。そして令音さんから商店街の福引券を渡され、僕と十香は商店街の方へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜少年と精霊移動中〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あそこで福引きやってるよ」

 

 

僕達は商店街に到着し、福引きをやっている所に着く。其処には福引きの景品らしき物が並べられており、ハッピを着た係員が居るのだが・・・全員フラクシナスのクルーだった。僕は気にしない様に十香に言って列の最後尾に並ぶ。やがて僕達の番が来て、券を渡す。

 

 

「はい、十香が引いて」

 

「分かった。コレを回せば良いのだな」

 

 

そう言って十香はグルグルと勢い良くガラガラを回す。すると中からは金色の玉が出て来た。と言うことは・・・。

 

 

「大当たり!」

 

 

そう言って係員は手にある鐘を鳴らした。

 

 

「おお!当たったぞセツナ!」

 

「凄いね十香!ナイスビギナーズラック!」

 

「びぎ・・・何だ其れは・・・?」

 

「兎に角凄いって事だよ」

 

「そうか!凄いのか!」

 

 

十香は凄く嬉しそうにしている。良かった・・・。そう思っていると係員が一等の商品を渡してくる。

 

 

「こちら、商品の《ドリームランド完全無料ペアチケット》です!」

 

 

ドリームランド?そんなのあったっけ?そう思いながら受け取る。裏に其処への地図が記載されていたので十香と一緒に歩き出す。地図に沿って歩くと路地裏の方に入ってしまった。本当に大丈夫かな此処・・・。そう思っていると十香が何かを見つけた様で僕に言う。

 

 

「おお、セツナ!城があるぞ!」

 

「城?そんなのこんな所にある訳無いでs・・・」

 

 

絶句した僕の目の前にはドリームランドと書いてあるその・・・大人な方しか入ってはいけない休憩場所があった。僕は十香の手を取り来た道を戻る。

 

 

「行こう十香。此処は僕達には早すぎる」

 

「む。私は入ってみたいぞ」

 

「いけません!そんなラブh・・・イヤ・・・と、兎に角もっといい所に連れて行ってあげるから!」

 

 

そう言って僕は十香を連れて早足でその場を退散した。琴里には後でお説教と一週間飴禁止令を出すしかないね。クルーの人にも差し出すなと言っておかないと・・・。歩いていると十香が急にモジモジし始める。

 

 

「どうしたの十香。もしかして具合悪いの?」

 

「いや・・・そう言う訳では無くだな・・・誰かの手を握ったのが初めてだったのだ」

 

「あ・・・ごめん!嫌だったよね」

 

 

そう言って僕は手を離す。そうだった。十香がそう言う事を知らないのを忘れてた。それ以前に行き成り女子の手を繋ぐだなんて僕は何て失礼な事を!と心の中で悶絶していると、

 

 

ギュッ

 

 

十香が自分から僕の手を握ってきた。

 

 

「い、嫌だった訳では無い。寧ろその・・・温かくて良い感じだ!・・・だから・・・」

 

 

そう言って十香は顔を赤くする。今の一言で一気にパニックが収まった。そして僕も十香の手に少し力を入れて握り返す。

 

 

「じゃあ、このまま行こうか」

 

「!・・・うむ!」

 

 

十香は僕の言葉にパアッと嬉しそうな表情をして、次の目的地へと歩き出した。その目的地がデートの締めくくりとなる。そろそろ日が落ちるから頃合かな・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜少年と精霊移動中〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十香と歩いて到着したのは街を夕日と共に一望できる展望台だった。丁度日が落ちる所で絶景が見える。十香は其れをキラキラとした目で見ていた。途中電車を見て変形するのかと言われたので「イマジネーションがあれば」と答えておいた。そして十香に今日の感想を聞いた。

 

 

「今日一日どうだった?」

 

「うむ。デェトと言う物は素晴らしいな。こんなにも美しい」

 

 

そう言って十香は夕焼けを眺める。

 

 

「お前の言う通り人間は全員が私を殺そうとしている訳ではないのだな」

 

 

そう言いながら少し悲しそうな表情を十香は浮かべる。

 

 

「少しあのASTとやらの考えも分かったしな。・・・私はあんなにも美しい物を壊そうとしてたのだな・・・」

 

「・・・でもそれは君の意思じゃないでしょ」

 

「だがこの場所の住人からすれば其れは破壊と変わらない。奴等が私を殺そうと言う道理がようやく知れた」

 

 

そう言って十香は僕に悲しそうな笑みを向ける。

 

 

「セツナ。やはり私は-----いない方がいいな」

 

 

その瞬間、僕の中で何かがプチッと切れた。

 

 

「じゃあ・・・此処に居れば良いじゃないか」

 

「それは・・・無理だ」

 

「方法はあるよ。君の中の力を僕が封印する」

 

「そんな事有り得る訳が無い!」

 

「この際だから言っておくけど僕は君以外に五人の精霊の力を封印している」

 

「なっ!?」

 

 

十香は驚愕する。まあ、黙っていた僕も悪いけど信じてもらえるとは思っていなかったから言わなかった。そんな十香に僕は言葉を続ける。

 

 

「十香はどうしたいのさ!ASTとか空間震とか細かい事は考えないで!君の本音は!?」

 

「生きたいに決まっているだろう!でも無理なのだ!仮にこの世界に留まる事が出来ても他の人間は私を危険としか思わない!」

 

「だから其れを抜きに言えって言ってるでしょうが!つまり十香は生きたいんでしょ?」

 

「ああ・・・そうだ」

 

 

そう言って十香はその場に蹲る。僕は十香に近づいて行き、十香を抱きしめて頭を撫でる。

 

 

「大丈夫。もし十香を否定するのが僕以外の人類全員なら僕は全てを敵に回しても君を守るから。絶対に僕が・・・君を全肯定する」

 

「・・・信じても良いのか?」

 

「うん。だから・・・」

 

 

そう言って僕は立ち上がって十香の前に手を出す。

 

 

「今は・・・僕の手を握って」

 

「セツナ・・・」

 

 

そう言って十香が僕の手を握ろうとした瞬間、

 

 

『刹那!狙われてるニャン!』

 

 

僕の式神が姿を現して警告する。

 

 

「な、何なのだこの生物は!?」

 

「其れは後で話すから!ジバニャン!敵は!?」

 

「彼処の茂みニャン!」

 

 

ジバニャンが指、と言うより手を指した方向から何かが来るのを確認した僕は《魔力変換資質[風]》を発動して十香を抱えて風で超加速しながらステップで飛んできた物を躱す。

 

 

「《そよかぜステップ》!」

 

 

躱して僕達の居た所を見ると、其処にはクレーターができていた。

 

 

「十香!僕から離れないで!」

 

「う、うむ。分かった」

 

 

十香を背中に隠して《魔力変換資質[雷]》を発動させて微弱な静電気を辺り一面にバラ撒く。すると目の前の林の先の開発地帯に一人、一般人とは違う反応を感じた。間違いなくASTだ。でも反撃よりも十香の確保が先だ!

 

 

「十香!一緒に来て欲しい所があるんだ!そこに逃げさえすれば絶対に狙われない!」

 

「わ、分かった!今はお前を信じる!」

 

「オッケー!ジバニャン!戻ってきて!」

 

「了解ニャン!」

 

 

そう言ってジバニャンはメダルに戻って僕のポーチの中に入る。そして僕は転移魔法を発動させてフラクシナスへと転移する。転移と同時にフラクシナス一面を結界で覆う。これで十香の霊力が漏れて見つかる事は無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜フラクシナス〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「琴里!悪いけど訓練室借りるよ!」

 

「え、ちょっと待ちなs」

 

 

琴里の言葉を無視して僕は十香を訓練室へと連れて行き、更に人払いの結界を張った。これで誰も中の様子は分からないし入ることができない。・・・よし!心の準備完了!

 

 

「と、十香!」

 

「な、何だ急に大声を出して」

 

「・・・さっき僕が言った霊力の封印方法なんだけど・・・その・・・キス・・・なんだ」

 

「?キスとは何だ?」

 

「・・・はい?」

 

 

恥ずかしいと思っていた気持ちが一気に覚める。・・・ああ、十香ってそうだったね・・・。

 

 

「キスとは何だ!?」

 

「ふえ!?そ、其れは・・・お互いの唇を合わせるんだkムグッ!?」

 

「んっ」

 

 

僕の言葉を遮って十香は自分の唇で僕の唇を塞いだ。その瞬間、十香の力が僕に流れ込んで来るのが分かる。そして十香の服がバラバラになって行く。

 

 

「なっ!?////」

 

「あっ、コレ着て!」

 

 

僕はポーチからスペアの制服の上着を出して十香に渡す。説明を忘れてた!ああ、僕の馬鹿!これは十香に怒られると思って十香をチラッと見ると・・・

 

 

「これはまた・・・良いものだ」

 

 

何故か僕の制服の袖に顔を埋めて恍惚な表情を浮かべていた。

 

 

「えっと・・・怒ってないの?」

 

「む。何故だ?これで私の力は封印されたのだろう」

 

「まあ・・・うん」

 

「しかもこんな服を用意してくれたのだ。怒る道理が何処にある」

 

「・・・さいですか」

 

 

取り敢えず一件落着かな・・・?そう思っていると十香が僕に近づいてモジモジしながら言った。

 

 

「セツナ・・・また・・・デェトに連れて行ってくれるか?」

 

「・・・うん!」

 

 

こうして十香とのデートは終りを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜十日後〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから十日が経った。あの後十香はバイタルチェックがあると言う事でフラクシナスの人に連れて行かれてそれ以来会っていない。それは想像以上にキツかった様で、この十日感は自分でも分かるくらいにグダグダしていた。妻が居るのに何してるんだろ僕・・・。そう思いながら登校し、席に着いて直ぐに居眠りの体制に入る。暫くすると先生が入って来て話を始める。まあ、いいか。寝よ。

 

 

「今日は皆にサプライズがあるの。入って来てー!」

 

 

サプライズ?そう思いながら思わず顔を上げる。其処には・・・

 

 

「今日から厄介になる、《夜刀神十香》だ。皆よろしく頼む」

 

 

思わず僕は席を立ち上がった。十香はそんな僕を見ると一目散に此方へと向かって来た。

 

 

「おお、セツナ!会いたかったぞ!」

 

「うん!久しぶり!」

 

 

恐らくフラクシナスが十香を編入させたのだろう。でも今は何処に・・・。

 

 

「ねえ十香。今は何処に住んでるの?」

 

「うむ。お前の知り合いのつぼみの所で世話になっている」

 

「ああ、納得」

 

 

あそこならきっと十香も馴染めるだろう。僕は十香に手を差し出して言った。

 

 

「十香、今日から宜しく!」

 

「うむ!」

 

 

十香は僕の手をギュッと握り返した。

 

 

刹那サイド終了

 

 

三人称サイド

 

 

刹那が十香と再開したのと同時刻、日本へ向かって空を飛ぶ二本の剣があった。黒い剣と白い剣。その二本は競い合う様に空を飛ぶ。自分を使いこなすと思われる人物の元へ雲の上を高速で飛行する。この剣が馳せ参じる事を彼はまだ知らない・・・。

 

 

三人称サイド終了




やっと一巻が終わりました!最後に主人公のデータだけ載せておきます!


名前:五河刹那

年齢:16歳

誕生日:12月12日

身長:172センチ

体重:45キロ

血液型:A型

好きなもの:家族、友達、甘い物、音楽、サッカー、昼寝

嫌いなもの:家族や友達を悲しませる者達、ホラー系全般

容姿:白髪赤目で髪の毛を腰まで伸ばしている男の娘

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。