デート・ア・ライブ 魔法と鋼を使いし者   作:猫舌

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第2話《新学期だよ!全員登校!》

刹那サイド

 

 

「・・・苦しい・・・」

 

 

高校二年になった朝、詳しく言う位ならば四月十日の月曜日で目覚めは最悪だった。理由?決まってるじゃないか。僕の上に少女が馬乗りになって髪やら頬やらを弄り回しているからだ。僕、《五河刹那》は義妹である《五河琴里》に声を掛けた。

 

 

「おはよう・・・琴里」

 

「おお!おはよう、愛するおにーちゃんよ!」

 

 

そう言って琴里は僕の上を降りる。あれ?もう琴里が起きてるって事は・・・僕寝坊した!?そう思い時計を確認すると、

 

 

「・・・まだ六時前じゃないですかヤダ〜・・・」

 

 

そういえば昨日から義父さんと義母さんが仕事で出張だったな・・・。琴里が「起こしてあげる!」と言っていたから頼んだけど・・・。まさかこんな起こされ方だとは・・・。

 

 

「はあ・・・起きよう・・・」

 

「朝ごはんだ〜♪」

 

「はいはい。着替えてから行くから先に下降りてて」

 

「は〜い!」

 

 

上機嫌に琴里は降りていった。僕は直ぐに着替えて髪を整える為に鏡に顔を写す。其処にはゲイム業界にいた頃と何ら変わらない白髪赤目の僕の姿があった。但し、身長が170cmである事を除けばだ・・・。

 

 

「せめて黒髪が良かったな・・・染めるか」

 

『気にする事ありませんよ刹那」

 

「うわっ!?セシアおはよう」

 

『はい、おはようございますマs・・・刹那』

 

 

そう言ってベッドの枕元から挨拶したのは僕の前世からのパートナーデバイスの《セシア・アウェア》で普段は銀と青のネックレスになっている。セシアは人型になる事が出来、僕の妻の一人でもある。元々僕の事はマスターと呼んでいたのだが、流石に結婚しても其れはどうかという事で今は刹那と呼んでいる。未だに呼びにくいらしいが・・・。まあ、其れはさておき・・・。

 

 

「じゃあ、残りの二人も起きてるかな?」

 

『おうよ!おはようだぜ刹那』

 

『おはようございますご主人』

 

 

同じく枕元で充電していた二つの端末に映る二つの人物、青い獣の《ウォーロック》愛称はロックと青い髪と青い服、途中で消えている足が特徴の《エネ》が僕に挨拶をして来る。僕も二人に挨拶を返して髪を整え、セシア達を持って下へと降りていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュ〜・・・

 

 

 

 

リビングで朝食を作っている僕は冷蔵庫から卵を取り出しながらこれからの生活を考える。両親は二人揃って大手エレクトロニクス企業に勤めていて度々家を空ける事も多く、昔から家事は僕がやっていた。

 

 

『-----本日未明、天宮市近郊の-----』

 

 

ふと耳に入って来たニュースの無いように耳を傾ける。理由は、僕達が住む地域の名前が出て来たからだ。テレビには街の様子が映されていて、街はグチャグチャになっていた。

 

 

「また《空間震》か・・・」

 

 

そう言いながら油を引いたフライパンに卵を流し込む。《空間震》とは簡単に説明すると、空間の地震の事で、今から約30年前にユーラシア大陸のど真ん中に発生した事が始まりだった。其れが起こった跡は、くり抜かれたかの様な形を残す。発生原因、発生時期、発生場所の測定不明と言う理不尽極まり無い現象で、死傷者はおよそ1億5000万人に達する。その事件から半年後、全世界のあらゆる場所で、同じ現象が小規模だが再び起こり始めた。現在でも其れは起こっている。そして現在、ニュースで出ているのが僕達の居る関東辺りで最近多発している空間震だ。

 

 

「でもさ、一時は起こらなかったよね。どうしてかな?」

 

「どうしてだろね〜」

 

 

僕が言うと、琴里はソファに首を傾げた。そう、五年前に起きた関東地域で起きた空間震《南関東大空災》以来、空間震はピタッと止んだのだ。だが、ここ最近になって再び起きる様になって来た。

 

 

「何かここらって多いよね・・・」

 

「んー、そーだねー。予定よりちょっと早いかなー」

 

「何が早いの?」

 

「あんでもあいーい」

 

 

琴里の喋り方が気になり、僕は琴里に近づく。琴里の口には彼女の大好物である《チュッパチャプス》がくわえられていた。

 

 

「もう!ダメだって言ってるでしょ?・・・ちゃんと朝ごはんも食べてね」

 

「おー!愛してるぞおにーちゃん!」

 

 

はあ、僕ってシスコンなのかな・・・?そう思いながら僕は作業へと戻る。さて、後はご飯と味噌汁を盛るだけだな。卵焼きもいい出来だし。あ、そういえば・・・

 

 

「ねえ、琴里。今日って中学校も始業式だけだよね?お昼ご飯はリクエストある?」

 

「デラックスキッズプレート!」

 

「ん・・・じゃあ、ファミレスの前で待ち合わせね」

 

「約束だぞ!絶対だぞ!地震が起きても火事が起きても空間震が起きてもファミレスがテロリストに占拠されてもだぞ!」

 

「うんうん、分かったからご飯食べよ」

 

 

そう言って僕と琴里は配膳を始める。キッチンの小窓から見えた空はとても青かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから僕が高校に着いたのは午前八時十五分を回ったと頃で、廊下に貼り出された表を見て自分のクラスに向かう。

 

 

「二年四組か」

 

 

この地域は最新技術のテスト都市となっており、この僕達の通う学校である《都立来禅高校》もその一つである。空間震用の地下シェルターも最新であり、その他の機能も充実している。クラスに入った僕は辺りを見回す。結構人は居るが、目立った知り合いは・・・居た。窓際の隅、大体掃除ロッカーがある辺りに一人、中学からの知り合いでロングの黒髪が特徴の女子が・・・。相手も僕に気付いた様で、直様近寄って来た。

 

 

「せっさん、おはようっす」

 

「うん、おはようモモ」

 

 

特徴的な語尾を持ったこの女子は《東横桃子》と言う名前で、周りから認識されないレベルで影が薄い。酷い時は器械が作動しないレベルだ。でも写真写りだけは凄くいい。彼女との出会いは中学で、廊下でぶつかった時に大丈夫と聞いた時、「私が見えるっすか!?」と凄い形相で言われたのが始まりだった。当初、彼女に気づく者は全く居なくて僕だけハッキリ見えていた。寧ろモモはかなり可愛い類の少女で10人中10人は振り向いても可笑しくは無いと思う。まあ、そんなこんなでモモと知り合い、彼女と他県で開催されるライブへ行きまくり、ライブだけで無く沢山の人と知り合いになったりもした。お陰で携帯の中のメアドは沢山ある。

 

 

「まあ、これから一年間宜しくねモモ」

 

「はいっす!・・・やっと一緒のクラスっす」

 

「?最後何て言ったの?」

 

「い、いや!何でも無いっすよ!?////」

 

 

そう言ってモモは自分の席へと戻って行き、うつ伏せになって寝始めた。じゃあ、僕も寝よっと。そう思って自分の席に付こうとすると、

 

 

「-----五河刹那」

 

「ん?」

 

 

後ろから不意に静かな声に話し掛けられた。僕が振り返ると其処には一人の無表情な少女が居た。

 

 

「・・・どなたさん?」

 

「覚えてないの?」

 

「う、うん・・・」

 

「そう」

 

 

彼女は短く言うと教室へ入り、自分の席に着くと鞄から分厚い参考書を取り出して読み始める。何だったんだろうか・・・。そう思っていると再び後ろから声を掛けられる。その声は僕の数少ない男友達の一人《殿町宏人》のものだった。

 

 

「おはよう、殿町。これから一年間よろしく」

 

「ああ、五河。よろしくな。所で・・・朝から鳶一とお話とはやるな」

 

「鳶一?誰それ?」

 

「お前、本気で知らずに話してたのか?教えてやろう」

 

 

そう言って殿町は説明を始める。

 

 

「《鳶一折紙(とびいちおりがみ)》。成績は常に学年次席、この前の模試も二位だったって話だ。学年と模試のトップのお前なら知ってると思ったが・・・」

 

「基本成績とか見ないから・・・」

 

「行くと何時も先輩にもみくちゃにされてたからなお前・・・」

 

「もう絶対に行かない・・・」

 

「おっと、話を戻そう」

 

 

そう言って殿町は仕切り直す。

 

 

「それだけじゃ無くて体育の成績もダントツトップ。おまけに美人と来てやがる。去年の《恋人にしたい女子ランキング・ベスト13》でも第3位だぜ?」

 

「何でそんな中途半端な・・・」

 

「主催者が13位だったんだよ」

 

「・・・あっ(察し」

 

 

そこまでして入りたかったんだ・・・。

 

 

「因みに《恋人にしたい男子ランキング》はベスト258まで発表されたぞ」

 

「多くない!?下位は最早ワーストだよ・・・」

 

「そいつも主催者決定だ」

 

「殿町は何位だったの?」

 

「358位だ」

 

「おい主催者!?」

 

「選ばれた理由は《愛が重そう》《毛深そう》《足の親指の爪の間が臭そう》《ウホッ、いい男》でした」

 

「完全にワーストだよそれ!?最後に至っては完全に危ない人だし」

 

「安心しろ。お前は圧倒的に一位だ」

 

「何でさ!?てっきり再開だと思ってたのに・・・」

 

「お前は少し自分の容姿と性格を自覚しろ。因みに意見は《女の子にしか見えない》《サッカーしてる姿が素敵》《一日中その膝小僧をチュッチュペロペロしたい》《女装が似合いそう》《女装させて体育倉庫か保健室でガッツリ犯したいっす》だったが」

 

「後半寒気しか感じないんですけど!?」

 

「まあ、落ち着けって。《腐女子が選んだ校内カップル》は俺とお前のセットでベスト2にランクインしてるぞ」

 

「ハッハッハ!主催者ジェノサーイド!」

 

 

殿町に取り押さえられた後、教師が入って来たので僕と殿町は席に着いた。運が良いのか悪いのか隣の席は鳶一さんだった。そして教師は小柄なメガネを掛けた女性で岡峰珠恵と言うそうだ。人気があるらしく、周りの男子生徒は色めき立っている。そこまで興味は無いので僕はエネの端末にワイヤレス式の無線イヤホンを使い、音楽を聞いていた。すると、

 

 

『ご主人、メールが届いてますよ!10件・・・30件・・・まだまだ来てます〜!』

 

 

イヤホンからエネの声が聞こえ、僕はメールを確認する。えっと・・・先ずは岩手からトヨ姉と皆か・・・。後は・・・八舞姉妹に美九からとその他に沢山・・・あ、七罪からもだ。僕は先生にバレない様にメールを全て返信する。そして作業を終えた後、眠くなった僕は意識を落とした。

 

 

『ちょっ、ご主人!寝ちゃダメですってば〜』

 

 

刹那サイド終了

 

 

 

 

 

 

 

 

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