デート・ア・ライブ 魔法と鋼を使いし者   作:猫舌

20 / 40
第20話 《ヒーロー参上!四糸乃パペット》

刹那サイド

 

 

よしのん回収から数日、僕は何故か鳶一さんの自宅へとお呼ばれしていた。理由はいまいち分からないが、放課後に腕を問答無用で引っ張られて此処に来た。そして現在、テーブル越しに座って話をしている。お茶を出されたが、色と臭いを確認した瞬間、遠慮した。鳶一さんが僕を見て話を始める。

 

 

「五河刹那・・・どうして精霊を庇うの?」

 

 

鳶一さんの質問にまたこれか・・・と溜息をつく。これに似た質問を前々からされていた僕はいい加減イライラして来た。思わず少し辛く当たる。

 

 

「前々から言ってるけど僕の意見は変わらないし、いい加減その話し止めてもらってもいいかな?」

 

「・・・でも、精霊は」

 

 

 

プチンッ

 

 

しつこい鳶一さんに僕の中の何かが切れた。もうこれ以上は我慢できない。僕は言った。

 

 

「前々から思ってたけど何?精霊全てが悪?馬鹿じゃないの?もう一度言うけど馬鹿じゃないの?」

 

 

僕の口調に少し驚いた顔を鳶一さんが浮かべる。僕はそんなのお構いなしに話を続ける。

 

 

「真面に話した事も無いくせに直ぐに殺すだのこの世界に居てはいけないだの君達は何様のつもりだ?精霊は君達が思っている程残虐非道な連中じゃ無い」

 

「でも別の国では精霊が暴れたりして被害が出た街も・・・」

 

「それなら毎回街中で先制攻撃のミサイルぶっ放してるお宅らはどうなのさ?ある程度調べたけど君達のやってる事の方がよっぽど残虐非道だしこの世に居たらダメでしょ」

 

 

そう言って僕は鳶一さんの前にディスプレイを出してデータを見せる。これは初めてASTの存在を知った日にロックを使ってASTのデータベースに侵入して盗んできた情報だ。こりゃ凄い。裏で糸を引いているのが世界的に有名な会社のDEM社とはね・・・。他にも孤児を使った人体実験、精霊を使った実験etc...と言った様にヤバイ情報が書かれている。其れを見て鳶一さんは今まで見た事のない表情を浮かべていた。それに対し、僕は思い出して言った。

 

 

「一応言っとくけどこの情報を摘発とかしない方がいいよ。君・・・消されちゃうから」

 

「・・・そんな事しない。それにこの実験は精霊に勝つ為の・・・」

 

「その為に罪のない子供を巻き込むと?・・・フザケルナ」

 

 

鳶一さんの言葉に僕は殺気を込めて言葉を放つ。僕を見て鳶一さんは震える。それを見ても僕は止まらない。止まる気はない。

 

 

「人の命を何だと思っている!命は・・・オモチャじゃないんだぞ!精霊に勝つ為?ならお前らASTが犠牲になれ!関係のない未来のある人間をそっちに引き込むな!」

 

 

思わず卑弥呼で斬りそうになったその時、けたましいサイレンが鳴り響いた。その合図で鳶一さんが逃げるように部屋を出て行く。

 

 

「あなたは早くシェルターへ」

 

 

そう言ってササッと出動していった。さっきまでビビってたくせによく言うよ。じゃあ僕も行こう。そう思って外を出ると既に街から人影は消えていた。早いなこの街の人達の行動・・・。すると腰のエネの端末から通信の音が聞こえる。これは・・・仙堂さんか。僕は通信に出た。

 

 

「もしもし?」

 

『貴方今何処よ?四糸乃が出現してASTに襲われてるわ。今流子が向かってるから貴方も合流して』

 

「分かった。それじゃあ後で」

 

 

僕は通信を切り、爆発音のする所へと向かおうとした。すると、エネに呼び止められる。

 

 

『ご主人!此方を使ってください!』

 

 

そう言ってエネの端末から出てきたのはタイヤのない空中に浮いているシルバーのバイクだった。(イメージはFate/Zeroでセイバーの乗っていたバイク)

 

 

「コレは・・・?」

 

『前々からセシアさんとロックと開発してた移動用マシーンです!これがあれば水中に潜る事も可能な優れものですよ!何よりコレは魔力で動くから環境にいいんです!さ、早く私をセットアップして乗ってくださいな!』

 

「分かった。エネ、セットアップ!」

 

 

エネをセットアップした僕は黒いズボンに白のシャツ、上にブルーのコートを羽織って腰にナイフを付けたバリアジャケットになる。そして変装用の仮面を装着して準備完了だ。バイクに跨ってグリップを握る。ある程度の運転法は前世で学習済みだ。エンジンを掛けて僕は走り出した。待ってて四糸乃・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜少年バイクで移動中〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆発のあった場所へ行くと、其処には氷に埋め尽くされた街が広がっていてASTの連中がウロウロしていた。その奥には竜巻が一つ綺麗に直立して発生していて、周りには氷塊となったASTが転がっていた。それを見ていると僕の足元に銃弾が打ち込まれ、僕はバイクを動かして回避行動を取る。するとASTの隊長の様な人物が武器を向けて叫んだ。

 

 

「貴方は何者!大人しく投降すれば危害は加えないわ!」

 

 

・・・既に撃ってますやん。僕は仮面越しに魔法で声を変えて言葉を発した。

 

 

「おやおや、いきなり発砲して来た連中に従うと思ったかい?まあ、僕が誰かと言えば・・・君達のターゲットのヒーローかな?」

 

「そう・・・なら貴方も敵ね。総員、撃てーーーー!」

 

 

隊長の合図に全員が銃を撃ちまくる。僕は回避しつつ腰でナイフになっているエネに言った。

 

 

「エネ、《ウイルス・エリア》起動」

 

『了解です!』

 

 

そう言った瞬間、AST隊員全員が殺虫剤を掛けられた虫の様に地に落ちて行く。現在この街一体はエネ特性のコンピュータウイルスがばら蒔かれている。少なくとも自分で装備解除はできないし、システムの一切も使えない。全てはこっちの意のままだ。僕はその隊員達をスルーして、四糸乃の霊力反応のある位置へと向かう。・・・纏さんは何処だ?そう思っていると、竜巻の近くで巨大なハサミを持った纏さんと動けなくなっている鳶一さんが居た。僕を見て纏さんは手を挙げる。

 

 

「よお、コイツが動かなくなったのはお前がやったからか?」

 

「うん。この街一帯の機械類にウイルスをばら蒔いたからね。それにしても・・・」

 

 

僕は竜巻を見る。この中に四糸乃が・・・。そう思いながら試しにその場に落ちていた瓦礫を竜巻に放り込んだ。すると瓦礫は一瞬で氷漬けになって砕ける。

 

 

「うわ、痛そ・・・」

 

「この竜巻は霊力に反応して攻撃してくるんだ。気を付けろ」

 

「この程度じゃ僕を傷つけるのは無理だよ。来て、卑弥呼」

 

 

注意して来る纏さんに言いながら僕は卑弥呼を出現させる。

 

 

「卑弥呼《霊装展開》」

 

 

僕が言うと、バリアジャケットから巫女服へと変わる。周辺には神炎が出現し、僕を覆う。そして竜巻の中へと進もうとするとエネから通信が入る。相手は琴里だ。僕は通信に出た。

 

 

「どうしたの琴里?」

 

『どうしたもこうしたも無いわよ!アンタ何突っ込もうとしてんのよ!』

 

「ああ、大丈夫だよ。卑弥呼が居れば負けないし」

 

『その事については後でじっくり聞かせてもらうけど兎に角一旦待ちなさい!』

 

「ねえ、琴里・・・」

 

『・・・何よ』

 

 

琴里の注意をスルーして僕は聞いた。

 

 

「僕の中にある能力の一つって・・・琴里の能力だったりする」

 

『な、何でアンタがそれを知ってるのよ!?』

 

「簡単だよ。人間ってさ、微弱だけど霊力を持ってる人もいるんだ。霊力は霊感みたいな物だからある人はあるんだよ。で、僕の中にある能力の一つと琴里の中にある霊力の波長が一致するんだよね。だからそれは琴里からもらったのかなって」

 

『・・・当たりよ。知ってるなら話が早いわ。アンタの中にある十香達の霊力じゃ能力が間に合わないわ!』

 

「何言ってるのさ。僕の霊力は皆から貰った分だけじゃ無いんだよ」

 

 

そう言って僕は封印していた自分の霊力を解放する。如月家舐めんなコラ。通信越しに琴里が慌てる。

 

 

『な、何よその霊力!?それじゃあまるで・・・』

 

「言っとくけど精霊じゃなくても霊力が強い人は世界中に居るよ?て言うか僕もう行くからね」

 

『ま、待って!おにーt

 

 

琴里との通信を切って、僕は竜巻へと歩き出す。

 

 

「・・・よかったのか?あんな切り方して」

 

「いいんだよ。実際大丈夫だし、あれ以上話しても意味ないしね。纏さんはフラクシナスに先に帰ってて。僕は僕で終わらせて来るから」

 

「ああ、頑張れよ」

 

「うん」

 

 

纏さんに言葉を返し、竜巻の中を歩き出した。中に入った瞬間、氷の刃が僕を襲うが神炎が全て溶かして行く。

 

 

『この程度で妾の炎に勝てる訳なかろう。刹那、お主は構わず進むがよい。この邪魔な氷細工は妾が何とかしておこう』

 

「うん、よろしく」

 

 

卑弥呼と会話しながら進んで行く。暫くすると、台風の目の様な風のない中心部分に着いた。其処には一人で涙を流す精霊の少女が居た。僕はポーチの中からパペットを取り出して持っていく。

 

 

「よ、し、のん・・・っ・・・」

 

『は・あ・い』

 

「・・・・・・・・ッ!?」

 

「やあ、四糸乃。ヒーロー参上・・・かな?」

 

 

そう言って僕は腹話術していたパペットを外して四糸乃に渡す。それを受け取った四糸乃は嬉しそうな笑みを浮かべてパペットを左手にはめる。するとパペットは喋りだした。

 

 

『やっはー、お久しぶりだね。元気だったかい?』

 

 

復活や、よしのんさんが復活やでーーーー!よしのんの言葉に四糸乃はうんと返して僕を見て言った。

 

 

「ありが、とう・・・ございます・・・」

 

「え?」

 

「・・・よしのんを、助けて、くれて」

 

「気にしないで。さあ、次は君の番だ」

 

「え・・・?」

 

 

僕の言葉に四糸乃が首をかしげる。僕は四糸乃に高さを合わせて膝を突いて言った。

 

 

「言ったでしょ。僕が君のヒーローになるって。でも・・・君を助けるにはやらなきゃいけない事があるんだ」

 

「なん・・・ですか?」

 

「うん。キスって知ってる?それをするt

 

「ん・・・」

 

 

僕が説明を終える前に四糸乃に唇を塞がれた。四糸乃から僕に霊力が流れ込んでくる感覚があった。

 

 

「・・・違い、ました・・・?」

 

「いや、間違って無いけど・・・」

 

「刹那、さんの・・・言う事なら、信じます」

 

 

そう言うと四糸乃の霊装と竜巻が姿を消した。僕は直ぐにスペアの上着を取り出して四糸乃に着せる。すると四糸乃は僕の服の匂いを嗅ぎ始めた。・・・君もか。

 

 

「・・・いい、匂いです」

 

「そ、そう・・・。取り敢えず、僕の知り合いの所に来て、もらってもいいかな?」

 

「は、はい・・・」

 

 

僕は転移魔法を使ってフラクシナスへと転移した。艦内へ転移すると其処には孤児院の精霊メンバーが勢ぞろいしていた。僕は四糸乃に優しく言う。

 

 

「四糸乃、彼女達も君と同じ精霊なんだ。皆いい人だから仲良くね」

 

 

僕がそう言うと、四糸乃は十香の所へと歩いて行く。そして十香に頭を下げた。

 

 

「十、香さん・・・ごめっ・・・なさい・・・!」

 

「む。気にするな。誤解だったと分かったのだ。これから宜しく頼む」

 

「は、い・・・!」

 

「うん、早速打ち解け始m「ああん、可愛いですぅ〜」・・・美九さんちょっと?」

 

 

四糸乃に飛び付こうとする美九を止めて注意した。

 

 

「いい?四糸乃に過剰なスキンシップはダメ。もう少し優しい対応にしなさい」

 

「でも〜、ちゃんとしようとしましたよ?」

 

「何処が・・・?獣の目してましたよ」

 

 

そう言うと美九は渋々普通の対応をする。すると背後から凄まじい気を感じ、後ろを振り向くと其処には涙目の義妹様がいらっしゃった。

 

 

「あの・・・琴里さん?」

 

「・・・何時もの」

 

「・・・分かったよ。椅子借りるね?」

 

「・・・うん」

 

 

そう言って僕は琴里の座っている椅子に座って膝をポンポンと叩く。すると琴里はその膝に座る。僕は琴里を後ろから抱きしめて頭を撫でた。琴里は泣きそうになったり泣いたりすると何時もコレを要求する。琴里は涙声で話し始めた。

 

 

「・・・無茶しすぎなのよ」

 

「うん。ごめんね」

 

「怪我して・・・死んだらどうすんのよ」

 

「大丈夫。僕は死なないよ」

 

「もう・・・あんな事しないで」

 

「・・・頑張ってみる」

 

「・・・あと5分」

 

「はいはい・・・」

 

 

なんだかんだでこの日、僕は琴里の頭を膝の上で撫で続けて一緒に寝た。四糸乃は孤児院で生活する事になったそうで、グレイフィアさんも詳しい手続きを済ませて来月には来るそうだ。さて、琴里になんて説明しようか。だが僕は知らなかった。この後に多忙な日々が待っていようとは・・・。

 

 

刹那サイド終了




次回からはほぼ原作から外れます!
では、さよなら!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。