デート・ア・ライブ 魔法と鋼を使いし者   作:猫舌

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第23話 《日曜日。校内探索開始!》

刹那サイド

 

 

部屋に運ばれて数時間後、僕はカーテンから溢れる陽の光に目を覚ました。時計を見ると午前6時23分と出ている。もう少し寝ていたいが、朝食を逃す訳にも行かない。僕は軽くシャワーを浴びてからカードに戻って爆睡中のステラに小声で礼を言った後、カードをポケットに入れて食堂へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜食堂〜

 

 

食堂に着いた僕は再び券売機の前に立つ。さっきから空腹が半端ない。理由は卑弥呼とジャンヌによる物だ。神剣なだけあって一回の使用でかなりの体力を消費し、途轍も無い空腹感と睡魔が襲ってくる。現在の僕はフラフラだ。取り敢えず券売機で《スペシャルカツ丼》を四つと《具沢山豚汁》を三つ、それからデザートに《デラックスパフェ》を五つ購入し、おばちゃんに渡した。再び驚愕の表情を浮かべたおばちゃんを見て思わず苦笑してしまった。この学校の学食は出来た物をテーブルまで持って来てくれる様で、僕は席に座って端末でニュースを見ていた。今の所、天宮市で空間震は無い・・・か。自分が離れている間に何か無くて良かったと思いながらニュースのサイトを僕は閉じた。それから少ししておばちゃん達によって大盛りのカツ丼と豚汁、タワーを作り上げているパフェが目の前に置かれた。さて・・・いただきますか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜数十分後〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご馳走様でした・・・」

 

 

パパッと平らげて僕は食後のお茶を口にする。やっぱり少し早かった様で、他の生徒は誰も来ていない。昨日もガランガランだった。それとも皆部屋に取り付けられているキッチンで自炊しているのだろうか・・・?僕も学食ばかりだと健康に悪いかも・・・。そう思いながら僕は席を立ち、部屋に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜自室〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋に着いた僕は椅子に座って卑弥呼とジャンヌに念話を掛ける。

 

 

『卑弥呼、ジャンヌ、起きて』

 

『む、おはようじゃな刹那』

 

『主よ、おはようだ』

 

『うん、おはよう。寝てる所悪いけど夜の事に着いて話があるんだ』

 

 

僕の言葉に寝ぼけた様子だった二人の声音が引き締まった物になる。

 

 

『それで?話とは何じゃ?』

 

『うん。あの骸骨達の魂を縛り付けていた術式・・・見覚えがある』

 

『ほう、それは一体・・・』

 

『卑弥呼ってさ・・・《黄泉野》って家名知ってる・・・?』

 

『すまぬ・・・妾にはさっぱりじゃ・・・』

 

 

卑弥呼は知らない筈だ。何故ならこの家系が出現したのはつい最近なのだから・・・。

 

 

『黄泉野の一族は呪術を使う事を得意としてる一族でね・・・。神代家の傘下だったんだ。昔、お父さんに会いに来て似た様な術を使っていた事を思い出したんだ。』

 

『では、今回の騒動はその黄泉野の一族が引き起こした事態なのか?』

 

『多分そうだと思う・・・』

 

 

ジャンヌの言葉に僕は答える。でもあの一族は禁忌を犯して常に監視を受けている筈・・・。何が目的だ?やはり怪奇現象は何かの前触れとしか思えない・・・。僕が悩んでいると、卑弥呼が話しだした。

 

 

『刹那、今はその一族の事は後回しにして今日は校内探索じゃ、其処に何か手がかりがあるやもしれん・・・』

 

『うん・・・そうだね。また何かあったら力を借りるよ』

 

『うむ』

 

『ああ』

 

 

僕は念話を切って制服に着替え、理事長室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜理事長室〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼します。五河刹那です」

 

「おはよう五河君」

 

「おはようございます」

 

 

理事長室に入った僕は理事長に言われて椅子に座る。その後、部長達も来て本格的な話が始まった。

 

 

「それでは、これから校内の説明をするからその後は探索をお願いするわ」

 

「はい。分かりました」

 

 

部長が返事をし、校内の説明が始まる。説明が終わり、僕達が席を立ち上がるとドアがノックされ、一人の男性が入って来た。その男性は痩せ型で、部長と桜を見た後理事長に話し掛けた。

 

 

「理事長、お呼びでしょうか・・・?」

 

「はい。《黄泉野》先生。また多数の女子から苦情が来ているのですが・・・」

 

 

・・・ビンゴ。まさかこんな簡単に見つかるなんてね・・・。僕は部長に理事長達にバレない様に手話を使ってサインを出した。

 

 

『部長、恐らくあの教師が今回の騒動の犯人です。昨日彼の術式を見つけて破壊しました』

 

『何ですって・・・?貴方また結界張って無茶したわね。私を呼びなさいと何度言えば・・・』

 

『そんな事している暇がなかったんですよ』

 

『先輩、大丈夫ですか?』

 

『うん。何とか・・・』

 

 

桜も一応裏の世界の住人の家系なので霊等の事も僕と部長の正体も知っている。桜の家系は有名な魔術師の家系で、アルカード家とは面識があったらしい。僕らは一旦会話を止めて、失礼だが理事長達の会話に聞き耳を立てた。

 

 

「今回で5回目ですよ。三年のルメールさんの身体に無闇矢鱈に触ったそうですね」

 

「嫌だなあ、僕は彼女の制服に付いていたゴミを取っただけですよ。それなのにやれセクハラだの何だの・・・侵害ですよ」

 

 

そう言って黄泉野はニヤリと下品な笑い顔を浮かべる。コイツ・・・最低だ。

 

 

「ハア・・・黄泉野先生、貴方には無期限の自宅謹慎を言い渡します」

 

「・・・分かりました。それではこれで」

 

 

そう言って黄泉野は踵を返し、今度は部長と桜に近寄って話し始めた。

 

 

「やあ、君達が交換留学のアルカードさんと間桐さんだね?私は《黄泉野竜也》と言う者で、此処の教師をやっているよ。よかったら今から校内を案内しよう」

 

 

そう言って部長と桜の手を握ろうとするが、二人は後ろに下がる。だが、尚も黄泉野は引こうとしなかった。

 

 

「いえ、私達だけで結構ですので」

 

「まあまあ、私も謹慎なんて言い渡されちゃってね。君達と会えるのも今日限りだからさ。その後に食事にでも行こう。三人でね・・・」

 

 

うっわ・・・僕の事アウトオブ眼中すか・・・。黄泉野はじわじわと部長達を追い詰める。僕はさっとその間に入って止めた。

 

 

「黄泉野先生、そこまでにしてください。彼女達が迷惑してますよ」

 

「なんだね君は。私は今この子達と話しているんだ。引っ込んでいたまえ」

 

「はあ・・・そろそろ止めないと貴方が大変な事になりますよ?」

 

 

僕は言いながら視線を黄泉野の後ろに向ける。其処には今にも噴火しそうな理事長がいらっしゃった。黄泉野はそれを見ると舌打ちをして部屋を出る。最後にニヤリと部長達に微笑み、僕を睨みつけながら・・・。僕は溜息を吐いて部長達に振り向いた。

 

 

「二人共大丈夫ですか?すいません、もっと早くに止めるべきでした・・・」

 

「いえ、助かったわ。ありがとう」

 

「先輩、ありがとうございます」

 

 

よく見ると、二人共震えている。部長達も裏の住人と言えどもあの笑顔は怖い。僕も怖かった。でも・・・あの男、一見ヒョロイだけに見えるがあの体は相当鍛えられている。やっぱり・・・。僕は目の前の二人を落ち着ける為に二人の手を握る。よく昔はお父さんにこうしてもらったな・・・。そんな事を思い出していると、二人の震えが消えて行く。良かった・・・。僕は二人の手を離す。

 

 

「「あ・・・」」

 

 

二人が何か残念そうな顔を浮かべるが、理由が分からなくて取り敢えず理事長に話し掛ける。

 

 

「では、これから校内を歩き回って来ます」

 

「ええ、それじゃあお願いするわ。昼食は此処で食べましょう。色々話したい事もあるし、美味しいお弁当を予約しておくわ」

 

「良いんですか?では、お言葉に甘えて」

 

 

そう言って僕達は部屋を出る。僕が部屋を出ようとした時、理事長に呼び止められた。

 

 

「五河君・・・さっきの貴方の行動・・・カッコよかったわよ」

 

「えっと・・・ありがとうございます」

 

「・・・刹那早く行くわよ」

 

「先輩、行きますよ」

 

「わ、分かりましたから引っ張らないで!そ、それでは行って来ます」

 

「ええ・・・・・・何を考えてるの私。向こうは学生よ・・・!」

 

 

理事長の呟きは僕に聞こえる事は無かった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜探索開始から約30分〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん〜・・・怪しい物は特に無いですね・・・」

 

「ええ、結界の痕跡位は残ってると思ったのだけど・・・」

 

「意外とあの先生、抜け目が無いですね・・・」

 

 

校内を一通り歩き回った僕達は自販機で飲み物を買って休憩している。廊下の窓から見えるグラウンドでは、野球部やサッカー部、陸上部が部活をしていた。サッカーか・・・暫くやってないな。・・・ん?外を見つめていると、校門前で黄泉野がの女子生徒に話し掛けているのが見えた。女子生徒は嫌そうな顔をしている。部長達も其れを見つけたらしく、僕達は頷き合って外へ出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「少し位良いじゃないか」

 

「止めてください・・・」

 

 

・・・何か似た様な光景を昨日見た気がする・・・。そう思いながら僕は黄泉野に後ろから声を掛ける。

 

 

「黄泉野先生・・・何してるんですか?」

 

「・・・また君か。今忙しいから後にしなさい」

 

 

そう言って嫌悪感丸出しの目で僕を睨む。もう隠す気は無いんだね・・・。仕方が無い・・・。僕は黄泉野と女子生徒の間に入って黄泉野に殺気を込めて睨む。黄泉野は僕を見て「ヒッ・・・」と小さい声を上げた。・・・情けない奴。

 

 

「黄泉野先生・・・何故注意を受けて尚、こんな事をするんですか?」

 

「別に変な事はしていませんよ。只、彼女が素直じゃ無かったから少し強気で・・・」

 

「素直じゃ無い・・・?そうなんですか?」

 

 

そう言って僕は女子生徒に問う。女子生徒はブンブンと首を横に振った。どんだけ嫌なんだよ・・・。

 

 

「・・・だ、そうですが?」

 

「ック・・・!クソガキがぁ・・・!」

 

 

そう言って不機嫌そうに黄泉野は駐車場へ行き、大音量で音楽を鳴らしながらスポーツカーで帰っていった。ってかうるさい!近所迷惑だっつの!僕は女子生徒に向き直り、無事を確認した。

 

 

「大丈夫ですか?」

 

「はい・・・ありがとうございます。あの・・・その制服って来禅の・・・」

 

「あ、そうでした。僕は交換留学で来た来禅の五河刹那と言います」

 

「私は三年の《村上文緒》と言います。此処の図書委員をやっています」

 

 

どうやら先輩だった様だ。それにしても黄泉野は見境無いな・・・。まあ、前世でハーレムを形成してしまった僕が言えた事じゃ無いけど・・・。結婚してから数週間は爛れた日々だった事を思い出すよ。・・・って校内探索!

 

 

「それでは僕達はこれで失礼します。さようなら」

 

「はい。ではまた・・・」

 

 

こうして僕等は学校の探索を再開した。後三周は見とかないと・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜夕方〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、昼食に高そうなお弁当を頂きながら理事長と話をした僕達は午後も学校の中を歩き回り、変な所が無いか確認していると夕方になっていた事に気が付いた。この日の探索は終了となり、三人で帰路に着いている。辺りは暗くなり、生徒も居ない。

 

 

「・・・部長」

 

「・・・ええ、分かっているわ」

 

「流石に私でも分かります・・・」

 

 

僕達は後ろから誰かに付けられていた。気配が丸分かりだ。相手から溢れてる霊力・・・あの術式と同じ感じだ・・・。間違い無く黄泉野だ。そう思った瞬間、学校一帯を赤い結界が包み込んだ。すると背後の物陰から忍服を来た黄泉野が姿を現す。

 

 

「フッフッフ・・・。まさか君が此処に来るとは思わなかったよ・・・如月ィ・・・!」

 

 

忌々しそうに黄泉野が僕を見る。

 

 

「僕もまさか目の前で追放された家系の人間が居るとは思わなかったよ・・・先生」

 

「どうやら全てバレている様だね・・・」

 

「当たり前でしょう・・・。貴方それでも忍と呪術師の家系ですか?」

 

「黙れこの化物の一族が!私は忘れないぞ!お前の親父の所為で黄泉野家の地位はドン底だ!」

 

「そりゃそうでしょうよ。巫女に手を出した上に自分の傀儡にしたんですから・・・」

 

 

そう、この男はかつて禁忌を犯した。禊の為に水浴びをしていた巫女に性的暴力を行った後、その巫女の精神を呪術により書き換え、自分の傀儡にした。直ぐにそれはバレて黄泉野家は追放となり、その巫女達は廃人同然になってしまった。それが僕のお父さんが殺される数週間前の事である・・・。黄泉野は顔を赤くしながら僕を怒鳴りつけ続けている。正直何て言っているか聞き取れない。やがて黄泉野はクックックと気持ち悪い笑い方をした後、腰の巾着から何かを取り出した。それは見た目は只のガラス玉であったが、かなりの霊力が込められている。恐らく彼の式神だろう。

 

 

「これで君は終わりだ。コイツにお前を殺させた後に其処の二人もこの学園の女全員も私が食ってやる・・・クヒヒ」

 

「・・・下衆が」

 

「何とでも言い給え。それにしても・・・母親そっくりだな。アイツも何時か犯してやりたいと思っていたんだがな・・・」

 

「・・・今・・・何て言った・・・」

 

「お前の母親だよ母親。かなりの美人でな。何度お前の父親から奪ってやろうかと考えた事か。それがポックリ行ってさ。全く、一回くらいヤリたk、ヒィ!?」

 

「・・・黙れ」

 

 

ああ・・・此処までキレたのは久しぶりだ。まさか僕の母親にまで手を出そうとしていたとは・・・フザケルナ!

 

 

「げろしゃぶ!フーミン!起きろ!・・・初陣だ」

 

『ああ・・・全力で行け』

 

『私達もあの様な下郎は許せん!』

 

「行くよ・・・禁手!《龍の羽衣纏いし死神(ドラゴン・オブ・ブラッド・エッジ)》!」

 

 

僕は大剣となったフーミンを黄泉野に向けて言った。

 

 

「お前には地獄すら生温い・・・無の世界に叩き込んでやる・・・!」

 

 

今の僕は・・・阿修羅すらも凌駕するよ!

 

 

刹那サイド終了




ドライグとアルビオンの禁手名の読みはあまり気にしないでください!
では、さようなら〜!
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