刹那サイド
突然だが、此処でげろしゃぶとフーミンの能力について説明しよう。まずげろしゃぶは十秒毎に僕の力を倍にする。フーミンは触れた相手の力を十秒毎に半分にし、僕の力にする。相手をボコすには十分な力だ。
禁手化した僕は、フーミンを腰から抜いて黄泉野に突き付ける。そう言えばフーミンのこの状態の名前考えて無かったな・・・。まあいいや、今はアイツをブッ潰す・・・!
「黄泉野、今の内に神への祈りでも済ませておけ」
「ふ、フン!そんな事せずにすぐ貴様を殺してやる!行け!《牛鬼》!」
そう言って黄泉野はガラス玉を地面に叩き付ける。すると割れたガラス玉の中から黒い霧が出現し、巨大な何かを形作って行く。やがてそれは蜘蛛の胴体に鬼の顔が付いた妖怪の《牛鬼》へと変わった。牛鬼は、僕を睨みつけると雄叫びを上げる。
GYAAAAAAAAAAAAAAAAAA!
「部長、桜、二人は向こうに・・・」
「分かったわ。本当は手伝いたいけど、貴方の家系の問題の様だし・・・。無理は禁物よ。」
「先輩!気を付けてください!」
「うん・・・」
部長達が校舎の影に隠れた所で僕も目の前の敵に向き直る。
「行くよげろしゃぶ。カウント開始だ・・・」
『ああ!行くぜ!』
「行け牛鬼!奴を喰い散らかせ!」
GYAOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!
黄泉野の声に雄叫びを上げながら牛鬼は巨大な腕を振り下ろす。僕は其れを空中に飛んで避ける。このトカゲ二匹は魔力で動くらしい。僕は、空中でフーミンに魔力を込めて巨大な斬撃を飛ばす。
「まずは一本!《斬波》!」
GYAOOOOOOOAAAAAAA!?
僕の飛ばした斬撃は見事に牛鬼の右の前足を斬り落とした。切断面からは紫色の体液が流れ出している。すると、
『Boost!』
僕の右手の手袋に装着されている水晶から音がなった。どうやら十秒経ったみたいだ。そう思っていると僕の中の力がグンと上がったのを感じた。僕は魔力を込めて右手を赤黒い魔力で構成された龍の爪を創り、真下の牛鬼に叩き込んだ。
「龍に喰われろ!《ヘルズファング》!」
GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!?
今ので牛鬼の体の半分が削れた。僕は牛鬼の胴体の下に入り込んで、持ち上げてからグラウンドへと投げた。別に校舎が心配なのではない。広い方が心置きなく動けるからだ。さてと・・・ドウシテクレヨウカ・・・。
『Boost!』
また溜まった。僕の力がまた増える。まだだ・・・まだ足りない!僕は地面に叩きつけられて怯んでいる牛鬼の足を素手で殴り飛ばす。これで触れた事になった。すると今度はフーミンから声が響く。
『Divide!』
これで更に僕に力が足される。まだだ!もっと持って来い!
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!』
『DvideDvideDvideDvideDbideDbideDbide!』
僕は溜めて溜めて溜め続けた。やがて僕の魔力は大地を震すレベルに達する。結界もその分、強く張り直したから外に影響は無い。僕は魔力を全身に込めて牛鬼に向かって突っ込む。先ずは一発斬り付けて動けなくした所でフーミンを変形させる。剣から刃が赤黒い魔力で構成された鎌に姿を変える。
「見せてやる。龍の力を・・・」
僕はそれを連続で牛鬼に叩き付ける。
「恐怖を教えてやる・・・地獄なんか無い」
最後にありったけの魔力を鎌とそれを握る右腕に込める。右腕は先ほどよりも巨大な龍の爪へと変化を遂げた。そしてそれを牛鬼へと叩き付ける。
「あるのは無だけだ・・・《ブラックオンスロート》!」
GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAOOOOOOOOOOOOOO!
僕の攻撃に牛鬼は一瞬にして消滅した。僕は最後に黄泉野へ向き直り、一言。
「これが・・・龍の力だ・・・」
僕の言葉に黄泉野は身体を震わせて恐怖する。
「な、何故お前が赤龍帝と白龍皇の力を使っている!?それはグレモリー眷属とアザゼルの所の奴が今代の筈だ!」
「へえ、そうなんだ。でも僕の中に居るのもその二匹なんだよね。何で皆こんな雑魚に恐怖するんだか・・・」
『流石俺達二天龍を素手で殺した男だ・・・』
『何も言い返せないのが辛い・・・!』
「泣くなトカゲ二匹。それでも男、いや、オスなの?」
『『(俺/我)は雌だ!』』
「「はぁ!?」」
これには僕も黄泉野も驚いた。だって声が完全に・・・。
「まあ、いいか」
『『良い訳無いだろう!』』
「黙れ。僕の平穏を堂々と壊しに来たアホ共に何かを配慮するつもりは無い。牛馬の如く酷使してやる・・・」
僕は会話を止めて黄泉野へと近づく。
「さて、と・・・僕は殺しても良いけどそれは後々面倒くさいからね。半殺し程度で許してあげる・・・」
「や、やめろ!来るな!来るなああああああ!」
黄泉野はそう言いながら後ろへと下がる。僕はその姿に嫌悪感を覚えながら、フーミンで黄泉野の右腕を切断する。
「あああああああああ!?痛い!いたいいいいいいいいいいいい!」
「当たり前でしょ。腕を斬り落としたんだから・・・さぁっ!」
「ガフッ!?」
悶絶する黄泉野の腹を蹴飛ばして校舎の壁に叩き付ける。その際に落ちていた黄泉野の腕を拾って倒れた黄泉野の腕の切断面に付けて回復魔法を掛ける。すると黄泉野の腕はあら不思議。あっという間にくっつきました〜。
「・・・それじゃあ、何度も何度も斬ってくっつけてを繰り返して精神的に半殺しにしてあげるよ・・・」
「ひ、ヒイイイイイイ!」
僕が剣を振り上げた瞬間、黄泉野は気絶した。・・・ッチ!僕は禁手化を解いて端末で連絡を入れる。
「・・・あ、もしもし。五河です。はい、一人《処理》しておいてもらいたいんですけど・・・はい・・・報酬は何時もの所に・・・はい・・・」
電話を切ると、校舎の影から部長達が駆け寄って来た。
「あ、部長。もう終わりまs
気が付くと僕は部長と桜に抱きしめられていた。意味が分からない。
「あの・・・部長?桜?何で僕は抱きしめられてるのかな・・・?」
「刹那・・・もう無理しないで・・・」
「さっきの先輩の顔・・・悲しそうでした」
悲しそうだった?多分僕のさっきの顔は怒りの形相だったと思うのだが・・・。
「何言ってるのさ。僕はアイツの発言にブチギレてたんだよ?そんな訳・・・」
「では何故貴方は今、泣いているの?」
「は?」
部長に言われて僕は初めて自分が涙を流していた事を知った。そして部長は僕を撫でながら耳元で言う。
「もう復讐なんて止めなさい。貴方にはそんなの無理よ。敵に情けを掛ける様な子には出来る訳が無いわ・・・」
「・・・うるさい」
「先輩。もう止めましょう?これ以上あんな顔した先輩を見たくありません」
「・・・うるさいうるさい」
止めろ・・・僕の生きる意味を奪うな・・・!そうだ・・・僕は琴里達を守る以前にあの巫女共に復讐する為に生きてきたんだ。甘さは捨てろ・・・心を殺せ・・・躊躇うな・・・。僕は部長達を振り払って結界を解き、自室へと全力で走った。その後の事は何も覚えていない。気が付くと早朝になっていて、何故かベッドに部長と桜が居た。僕も含めて全員全裸で・・・。・・・マジであの後何した僕・・・!
刹那サイド終了
レイチェルサイド
刹那が走って行き、私と桜が追いかけようとしたその時、黄泉野の姿が消えていた事に気が付いた。恐らく刹那の電話してた所ね。これでもうあの男が表の世界に戻って来る事は無い。それは隣に居る桜も知っている事。私達はそれを見た後、全力で刹那の所へと向かった。
〜刹那の自室〜
刹那の部屋へ入ると其処は電気の付いていない真っ暗な部屋だった。私と桜はゆっくりと部屋の中に入る。吸血鬼の私は夜目が効く為、ベッドに刹那が居る事は直ぐに分かった。私達がベッドに近づくと、刹那の腕に掴まれて私と桜はベッドに押し倒される状態になった。
「刹那・・・?貴方・・・誰?」
「ククク・・・カンガイイナ、キュウケツキ・・・」
刹那から聞こえたのは何十にも重なった人の声。まさか・・・。
「ワタシタチハ、コノオトコノマエノモノ・・・トイエバワカルナ・・・?」
「先輩の前の赤龍帝と白龍皇・・・!?」
桜の驚愕の表情に刹那の体を操っている先代達はニヤリと唇を歪める。
「ナニ、ワタシタチハモウフクシュウニハキョウミガナイ。コイツノマリョクノボウソウヲオサエテホシイダケダ・・・」
「魔力の暴走・・・まさか!」
「ソウダ、コイツノカラダハイママリョク二タエキレナイホドスイジャクシテイル。バランスブレイクノエイキョウガツヨスギタナ・・・」
「コレを止めるにはどうすればいいのかしら?」
「カンタンナコトダ・・・コイツトマジワレ」
「・・・は?」
先代達の言葉に私は固まった。交われ・・・?それって刹那と・・・!?////
「な、何を言い出すのよ貴方達は!?」
「そ、そうです!いきなり3Pだなんて!」
「桜!?ちょっと黙っていなさい・・・」
「シカタガナイダロウ。コイツノマリョクヲオマエラフタリデワケアッテイクシカホウホウハナイ。イマノコイツニハマリョクヲアヤツルコトガデキナインダ。マリョクヲコウリツヨクキュウシュウスルニハソレガイチバンナンダ」
「・・・刹那の為ね・・・分かったわ」
「わ、私も覚悟を決めました!これは責任を取ってもらわないと・・・」
「デハ、コイツ二カラダノシュドウケンヲモドスゾ。タノンダ・・・」
そう言うと、刹那の体がガクンと崩れ落ちる。それから顔を上げた刹那は龍の様な目で此方を見て口を開く。
「ぶ・・・ちょ・・・さ・・・ら・・・きちゃ・・・ダメ・・・だ・・・」
「いいえ、私達が貴方を救うわ。桜、行くわよ」
「はい。行きます!」
この夜、私達三人の儀式は朝まで続いた。刹那から流れ出る魔力はとても荒れていて、刹那の心が伝わってくる。でも時々、温かい魔力が流れてくることもあり、刹那の心は二つの感情がぶつかり合って不安定になっている事が分かる。私と桜は刹那を落ち着かせる様に、絶対に離れる事は無かった。後半になると夢心地だったと此処に追記しておくわ・・・。
レイチェルサイド終了
刹那サイド
えっと昨日は確か、部屋に入ってから体の震えが止まらなくなって・・・そこで気絶して・・・それからどうしたんだっけ?ま、マズイ!そ、そうだ!きっと全裸なのは偶々だよ!そう、偶然・・・・・・み、見ていない。シーツに付いた二つの赤いシミなんて僕は知らないぞ!そう思っていると部長が目を覚まして僕を見る。
「あら刹那、もう体は大丈夫なのかしら?」
「は、はい!も、もうバッチリですよ!部長は?よく眠れましたか?」
「いいえ。だって貴方・・・朝まで激しくて」
「ファッ!?」
「最後の方なんてもう頭の仲が真っ白になったわ・・・」
「ま、待て落ち着け五河刹那・・・だ、大丈夫だ。きっと部長が寝ぼけて居るだけなんだ・・・さ、桜に聞けばきっと・・・」
「ん・・・先輩、部長、おはようございます」
「お、おはよう桜。その・・・昨日は・・・」
「昨日・・・きゃっ////」
な、何故そんな反応をする・・・。まるで共に一夜を過ごした恋人みたいな雰囲気なんですけど・・・。ど、どどどどうすれば!?そう思っていると部長が僕の手を握って言った。
「私の初めてをあげたのよ。しっかりと責任を取りなさい」
拝啓、天国のお父さんお母さん。刹那はクズです。知らない内に二人の女子を襲っていました・・・。
刹那サイド終了