デート・ア・ライブ 魔法と鋼を使いし者   作:猫舌

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第39話 《迷い込んだ世界!?刹那アートギャラリー!》

刹那サイド

 

 

とある土曜日・・・。僕は、大変面倒な事態に巻き込まれた。事の発端は今から数日前に遡る・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜金曜日[部室]〜

 

 

「美術展?」

 

 

はやてが五河家に来て数日後、僕は部室で部長から二枚のチケットを貰った。其処には《ゲルテナ展》と書かれている。

 

 

「確かゲルテナって・・・」

 

「ええ、世界的にも有名な画家よ。数年前に亡くなっているけど。今回、彼の作品が日本で初公開される事になって私の家にも知り合いからチケットが来たのよ。でもその日は用事が出来てしまって・・・だからコレで誰かと行って来なさい」

 

「それじゃあ有り難く・・・誰か一緒に行かない?」

 

 

僕は部室のメンバーに聞く。すると全員が首を振った。

 

 

「本当は行きたいけどその日は自分も親と遠出するから無理っす」

 

「私も久しぶりに姉さんと会う予定があるので・・・」

 

「そっか。じゃあ、他の誰か誘ってみるよ」

 

 

部活が終了し、僕はモモ達と話しながら帰宅した。その後、孤児院のメンバーにも電話をしてみたが、全員が用事で出掛けるらしい。僕は電話を終えると、リビングへ降りた。リビングでは、皆がソファに座ってテレビを見ていた。僕は皆に話し掛ける。

 

 

「ねえ、誰か明日暇な人居る?」

 

「どしたん急に?」

 

「実は・・・」

 

 

はやてに今日チケットを貰った事を話す。するとはやては悩み始めた。

 

 

「そうやなぁ・・・私も明日はヴィータとザフィーラ連れてドッグラン行く予定やし・・・シグナムは隣町で道場のアルバイトでシャマルは料理教室で・・・そや、リインがおるやん。親睦を深める為に二人で行ったらどうや?」

 

「わ、私ですか・・・?」

 

「僕は構わないけど・・・リインフォースさんは大丈夫ですか?」

 

「ああ、私は予定もないが・・・美術品は分からない方だぞ?」

 

「僕も分からない方だから適当に見てその後何処か行きましょうか?道案内がてらショッピングでも」

 

「それでは有り難く誘いを受けるとしよう」

 

 

こうして僕はリインフォースさんと約束し、明日に備えて寝る事にした。普段リインフォースさんとは話す機会が少ないから仲良くなるチャンスだ。なるべく円滑なコミュニケーションは必要だし、お互い遠慮してばかりじゃ良くないしね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜翌日[美術館]〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして翌日になり、僕とリインフォースさんは美術館に訪れた。美術館の中にはそこそこ人が居て、沢山の作品が展示されていた。有名と言う割には何か空いてるな・・・。

 

 

『ねえねえマスター、あっちにオブジェがあるよ!』

 

『はいはい、ゆっくり行こう?』

 

 

勝手に着いて来てミニサイズ化に加えて霊体化して僕とリインフォースさん以外には見えなくなっているカリンが髪の毛にしがみついて念話して来るのでそれに答える。

 

 

「うーん・・・《無個性》か・・・分からない」

 

「此処の美術品は見ていると不思議な感覚になるな・・・」

 

 

僕とリインフォースさんは首から上のないマネキンの作品を見て話し合う。確かにゲルテナの作品は嫌な気配を何となく感じる。だがとても薄すぎたので僕はあまり気にしなかった。二人で話していると、リインフォースさんが思いついた様に言った。

 

 

「その・・・頼みがあるのだが・・・」

 

「何ですか?」

 

「その・・・私の事を姉と呼んでくれないだろうか?」

 

「姉・・・ですか?」

 

「ああ。何時までもフルネームで敬語では距離感を感じてな。だが刹那の性格を考えると年上の女性を呼び捨てと言うのは躊躇うと主が言っていて・・・だから姉と呼べばあまり気にしないのでは無いかと思ってな・・・」

 

「確かに・・・じゃあ、《リイン姉さん》で」

 

「・・・悪くないな」

 

『あはは!リイン、顔真っ赤だよ』

 

『み、見るなカリン!』

 

 

カリンに笑われ、リイン姉さんは念話で叫ぶと言う器用な事をやって退けた。暫くすると、一枚の巨大な絵画の前に来た。絵画の題名は《ゲルテナの世界》と書かれており、ゲルテナの作品達が描かれていた。それを見ていると視線を感じ目を向ける。其処には一人の少女が居て、僕の右肩のカリンを見ていた。

 

 

「・・・可愛い」

 

「もしかしてこの子の事見えてる?」

 

「うん・・・」

 

「バレちゃったらしょうがない!私はカリン、君は?」

 

「私は・・・《イヴ》」

 

 

そう言って女の子は霊体化を解いて元のサイズに戻ったカリンに自己紹介をする。人がいないから良いものの、誰か居たらマズい。そう思っていると、辺りの証明がチカチカと点滅して元に戻った。その瞬間、館内の雰囲気が一気に変わる。先程まで薄かった嫌な気配が一気に膨れ上がる。僕達はイヴちゃんを囲む様に警戒する。

 

 

「何・・・?」

 

「大丈夫。イヴちゃん、僕達から離れないで」

 

「う、うん・・・」

 

「取り敢えず出口に行こう・・・」

 

 

辺りを警戒しながら道を進む。先程まで居た人々が誰一人居なく、静か過ぎて不気味だ。出口まで行くと、照明が完全に消えて薄暗くなる。昼なのにまるで夜の様だ。扉に手を掛けると、鍵が締まっていて開かない。

 

 

「パパ・・・ママ・・・」

 

「大丈夫だ。私達が絶対に君の親の元へ送り届けるからな」

 

 

リイン姉さんがイヴちゃんを慰める。イヴちゃんはどう見ても小学生になるかならないかの年齢だ。そんな子がこの状況下に初対面の人間とだけになるのは酷だろう。早く逃げ出さないと。

 

 

「他の場所に行ってみよう。何処かに非常口とか別の出口がある筈だよ」

 

 

僕達は再び展示室へ移動するために階段を登って行く。上の階へ着くと、目の前の窓を人影が横切った。その瞬間、全員に戦慄が走る。待ってよ・・・此処二階だよ?外から見た時、二階と地面は少なくとも3メートル近くはあったはずだ・・・。

 

 

「ちょっと急ごう。本気でマズイかも・・・」

 

 

巫女としての感がその場に留まるのはマズイと告げている。皆を連れて急いでその場を離れる。再び絵画の元へ行くと、絵画の裏側から青い絵の具が垂れていた。其れを確認した瞬間、床に赤い絵の具で

 

 

お い で よ イ ヴ

 

 

と現れる。僕は思わず卑弥呼を呼び出そうとしたが、此処で炎を出す事に何か嫌な予感がした。こう言う時の感は良く当たる。

 

 

そして絵画から垂れる絵の具はいつの間に文字へと変わっており、

 

 

,,したへおいでよイヴ ひみつのばしょをおしえてあげる,,

 

 

と書かれて居た。

 

 

「・・・進もう。今はコレに従った方が良さそうだ」

 

「怖い・・・」

 

「大丈夫、僕達が絶対に君を守るから」

 

 

僕はイヴちゃんの頭を撫でて落ち着かせる。暫く道を進んでいると、床に描かれた作品の傍に青い絵の具の足跡を見つけた。それは作品の柵が取り外された所にあった。作品名は《深海の世》とあり、深海魚と深海が描かれて居た。よく見ると、絵の中に階段が見える。トリックアートで見えないようにしてあるのか・・・。だとしたら何処かへの隠し通路・・・何か掴めるかもしれない。

 

 

「どうする?多分、此処に入らないと先に進めないよ」

 

「進むしか無いだろう。もしも何かあったら私達でどうにかすればいい。刹那は魔導書と魔導衣を装備してくれ」

 

「了解。来て、金色の魔導書」

 

 

僕の手に白い状態の魔導書が握られ、ローブを身に纏う。イヴちゃんが僕を見て目を丸くしていた。

 

 

「魔法使いさん・・・?」

 

「まあ、そうなるかな?他の人には内緒だよ?」

 

 

僕が言うと、イヴちゃんは目を輝かせながら頷いた。

 

 

「さあ、行こう」

 

 

僕達は意を決して絵の中へと飛び込んだ。

 

 

ザブン!

 

 

水の中へ飛び込む時と同じ音がするが、呼吸も出来るし水に入った感覚もない。其処にはひたすら階段が続いていた。階段を降りきって道を進むと

 

 

お い で お い で お い で

 

 

と再び絵の具が続いていた。歩いて行くと、ドアがあり、ドアの前に机と花瓶が置かれている。花瓶には赤、白、銀、水色のバラが活けてあった。試しにイヴが赤、僕が白、リイン姉さんが銀、カリンが水色のバラを手に取る。触った限りでは偽物では無い。でも銀色のバラなんて見た事も無いぞ・・・。バラは3枚の花びらを付けており、僕達はそれぞれ胸ポケットに入れて机をずらし、部屋へと入った。部屋の中には微笑んでいる女性の絵があり、その下に青い鍵が落ちていた。女性の絵の説明欄に

 

 

[そのバラ朽ちる時、あなたも朽ち果てる]

 

 

と書かれて居た。そして鍵を拾った瞬間、女性の絵がいきなり目を開け、狂気的な笑みで此方を見た。僕達は走って部屋を出る。外に出ると、壁にびっしりと赤い絵の具で

 

 

か え せ か え せ か え せ

 

 

と書かれていて、足元にもベチャッと嫌な音と共に文字が書かれて行く。

 

 

「走って!この廊下を抜けるよ!」

 

 

廊下を走っていくと、階段が壁になって消えていた。もう進むしかない。僕達は真っ直ぐに進んで行く。やがて青い扉を見つけた。ドアには鍵が掛かっている。

 

 

「これ・・・」

 

「ありがとう、イヴちゃん」

 

 

イヴちゃんが手渡してくれた青い鍵を使うと、鍵が空いた。僕達は部屋へと入る。今度の部屋は一面緑で、虫の絵が飾られていた。ふと、足元にアリがいるのが目に入る。近づいてみると、アリは声を発した。

 

 

「ぼくアリ。ぼく絵だいすき。ぼくの絵かっこいい。ぼくの絵見たいけどちょっと遠いとこにある」

 

「それってあの道の向こうじゃないかな?」

 

 

そう言ってカリンは入って来た場所の前の道を指差す。道の前の柱には

 

 

,,はしにちゅうい,,

 

 

と書かれていた。

 

 

「多分、道の真ん中を通れって事だよね」

 

「行こう・・・」

 

 

一列になって中心を進んでいくと、壁から沢山の手が飛び出す。

 

 

「クッ!」

 

「姉さん!大丈夫?」

 

「ああ。だが今のでバラが一枚散ってしまった・・・」

 

「気を付けて。そのバラが全部散ったら姉さんは死んでしまうから」

 

「分かっている。皆も気を付けてくれ」

 

 

慎重に進んでいくと、やがてアリの絵が飾ってある所へと辿り着いた。

 

 

「あ、この絵外れそうだよ」

 

「持っていこ・・・」

 

 

イヴちゃんに言われ、僕は額の絵を外した。そして再び中央を通って戻る。

 

 

「アリは何処だ・・・?」

 

「何処かな〜・・・」ブチッ

 

「・・・まさか」

 

 

カリンの足元から何かを踏んだ音がした。まさかコイツ・・・やりやがった・・・。アリはカリンの足に踏まれて潰れていた。僕達はその後、アリの墓をポーチの中にある道具で作り、道の端に置いた。カリンも反省している。本当にごめん!祈りを捧げて、行っていなかった道を進むと、道が崖になっていた。このままでは進めない。そう考えていると、イヴがアリの絵を橋代わりにして向こうへと渡った。

 

 

「私が見てくるね・・・」

 

「イヴちゃん、危ないから僕も行くよ」

 

 

僕が言うとイヴちゃんは首を横に振った。

 

 

「大丈夫。私も手伝いたいから・・・」

 

 

そう言ってイヴちゃんは向こうの部屋へと入って行った。すると、アリの絵は重さに耐え切れなかった様で、崖の下へと落ちてしまった。次の瞬間、イヴちゃんが走って部屋から出てくる。その後ろからは《無個性》と言うタイトルだったマネキンが動いてイヴちゃんを追いかけていた。イヴちゃんは目の前の崖を見て顔を青くする。僕は叫んだ。

 

 

「イヴちゃん、そのまま来て飛んで!」

 

「えっ・・・うん・・・!」

 

 

イヴちゃんは一瞬驚いたが、直ぐに僕を信じて走ってジャンプした。僕は直ぐに手を突き出して魔法を唱える。

 

 

「《リグロン》!」

 

 

すると、僕の手からロープが飛び出してイヴちゃんに巻き付く。そしてそれを引き寄せた。イヴちゃんが僕の腕に収まると、リグロンは僕の手の中へと戻って消えた。

 

 

「良かった・・・僕を信じてくれてありがとう」

 

「ううん・・・私も助けてくれてありがとう」

 

 

震えているイヴちゃんを落ち着かせると、イヴちゃんは僕に緑色の鍵を渡した。

 

 

「頑張ったよ・・・?」

 

「うん。ありがとう」

 

「んみゅ・・・」

 

 

イヴちゃんを撫でると嬉しそうに微笑んだ。何だろう・・・最近面倒事ばかりだったから凄く癒される。暫くささくれた心を癒した僕は道を進んで扉の鍵を開けた。まだこの謎の世界の旅は始まったばかりだ。

 

 

刹那サイド終了

 

 

 

 

 

 




前回書き忘れたので、刹那の眷属の最新版を載せます。

王:刹那

女王:七罪

騎士:十香、レイラン

戦車:ステラ、カリン

僧侶:四糸乃、美九

兵士:耶倶矢、夕弦、狂三、黒歌、メイメイ、ハク、サクヤ


これからも刹那達の活躍ご期待ください!
それではさようなら( ´ ▽ ` )ノ
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