デート・ア・ライブ 魔法と鋼を使いし者   作:猫舌

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第7話 《訓練開始!ってギャルゲーかい!?》

刹那サイド

 

 

フラクシナスでの一件から翌日、僕は何時も通りに学校に登校した。殿町やモモに色々と聞かれたが、何とか誤魔化す事が出来た。そんな四月一一日・・・。

 

 

「来て」

 

 

はい、いきなりの鳶一さんによる拉致られイベントになりましたー・・・ってちょい!?

 

 

「待ってよ鳶一さん!痛いって!」

 

 

帰りのホームルームが終わり、帰ろうとした瞬間に鳶一さんに突然引っ張られた僕は唖然とした殿町と威嚇する猫の様な声を上げるモモ、その他のクラスメートを教室に残して屋上の扉の前まで拉致られた。鳶一さんは手を離すと僕に質問して来た。

 

 

「昨日、なぜあんなところにいたの?」

 

「えっ!?そ、それは・・・実は妹が警報中に街の方にいて・・・探してたんだよ」

 

「そう・・・見つかったの?」

 

「うん、おかげさまで・・・」

 

「そう、よかった・・・」

 

 

鳶一さんはそう言うと続けて唇を動かした。

 

 

「-----昨日、あなたは私を見た」

 

「う、うん。そうだね・・・」

 

「誰にも口外しないで」

 

 

鳶一さんはかなり威圧的に僕に言った。僕はその言葉に頷き返す。

 

 

「それに、私の事以外も------昨日見た事、聞いた事。全てを忘れた方が良い」

 

「それってやっぱり・・・あの女の子の事だよね?」

 

「・・・」

 

 

彼女は僕を只無言で見つめてくるだけだ。

 

 

「ねえ、鳶一さん・・・あの女の子って--------」

 

 

僕は鳶一さんから見た精霊の事についてを聞こうと思った。もし、彼女が本当は殺したくないと言う感情を持っているのならば少し戦闘がやりにくくなるが、僕は知りたかった。フラクシナスと反対の立場に属する一人の少女の本音を・・・。

 

 

「あれは精霊--------」

 

 

鳶一さんは短く答えた。

 

 

「私が倒さなくてはならないもの」

 

「・・・その精霊って言うのは悪い人なの?」

 

 

僕が聞くと、鳶一さんは微かに唇を噛み締めながら答える。

 

 

「------私の両親は、五年前、精霊のせいで死んだ」

 

「そう・・・なんだ・・・」

 

 

彼女の仕草と言動で分かった。彼女は精霊を完全に殺そうとしている。でもこれで・・・彼女には一切の手加減も無しに戦える。彼女には悪いけど僕にも守りたい人達が居る。もう・・・守れないのは嫌だから・・・。お父さん・・・。

 

 

「えっとさ・・・その・・・聞いた僕が言うのもアレだけど・・・良いの?そう言う機密的な情報をポイポイと言っちゃって・・・」

 

「問題ない」

 

「そ、そうなの・・・?」

 

「あなたが口外しなければ」

 

「・・・ハハ、確かにそうだね。・・・分かった、絶対に誰にも言わないよ」

 

 

その言葉を最後に鳶一さんは階段から降りて行った。・・・はあ、疲れた。僕は壁に寄りかかりながら鳶一さんとの会話を思い出す。

 

 

「両親が精霊に・・・か」

 

 

まあ、世界を殺すとも言われている精霊だ。そういうのも中には居るのだろう。でも・・・そんな被害者の人間に僕のお父さんは・・・!

 

 

「・・・あっ、血が・・・」

 

 

気が付くと僕は手から血を流していた。どうやら出血するまで手を握っていたらしい。家に帰ったら爪切っとこ・・・。そう思いながら階段を下りようとした時、

 

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「にゃっ!?」

 

 

廊下から女子生徒の声が聞こえ、行ってみると其処には数名の生徒が集まっている。その中には見覚えのある男子生徒が居た。

 

 

「何かあったの《堅ちゃん》」

 

「ああ?何だ刹那か」

 

 

彼の名前は《風間堅次》でクラスは違うけど僕の幼馴染である。まあ、僕が五河家に引き取られてからの話だが・・・。彼は普段、友達二人とつるんでいて、《風間一派》と呼ばれているらしいが・・・。詳しい事は僕にもよく分からない。そんな彼は現在、《ゲーム制作部(仮)》と言う部活に所属していて、楽しく過ごしている。因みに僕とモモ、其れに数人は《助部(じょぶ)》と呼ばれる何でも屋の様な部活をやっている。まあ、僕は基本家事で忙しいから週に2、3回しか行けないけど・・・。でも、個性的な部員が多くてとても楽しい部活だ。唯一困っている事と言えば・・・男子部員が僕以外いないって事かな・・・。去年一緒に入部してくれた男子の《飯野月雄(いいのつくお)》通称イーノック君は入部してから三日も経たずに「大丈夫だ、問題無い」と言い残して転校しちゃったし・・・。もう皆にもみくちゃにされるのやだよ・・・。そんな事を思い出しながら堅ちゃんの話を聞く。

 

 

「何か彼処に知らねえセンコーが倒れてたんだ」

 

「知らない先生?誰なんだr・・・・・」

 

「・・・知り合いか?」

 

「うん・・・一応・・・」

 

 

僕は溜息を吐きながらも人ごみをかき分けて倒れている白衣を着た女性に話し掛けた。

 

 

「大丈夫ですか・・・村雨さん」

 

「・・・ん・・・心配ない。倒れただけだ」

 

「いや、それだけでも十分不安要素たっぷりです」

 

「・・・そうか・・・丁度良いから言っておこう。今日から教員で暫く世話になる事になった。宜しく頼むよ」

 

「は、はあ・・・まあ、周りの視線が痛くなってきたので場所変えません?僕に用があって来たんでしょう?」

 

「・・・君は本当に鋭い子だね」

 

「まあ、人の悪意とか散々間近で見てきたんで」

 

 

僕は村雨さんを立ち上がらせる。

 

 

「あ、堅ちゃんまたね。《中(あたる)》とか部長さん達に宜しくね」

 

「あ、ああ。そろそろアイツがキレるから今度顔出してくれ」

 

「う・・・あの人苦手なんだよね・・・。土属性とか何時も言って・・・」

 

 

こうして僕は村雨さんのペースに合わせて廊下を走り始めた。

 

 

「えっと・・・村雨さん?」

 

「・・・ん、ああ、令音で構わんよ」

 

「良いんですか?」

 

「・・・私も君を名前で呼ばせてもらうおう。連携と協力は信頼から生まれるからね」

 

 

令音さんはうんうんと頷いて僕の顔を見た。

 

 

「・・・ええと、君は・・・センタリング、だったかな」

 

「いや、全然違いますし。それに僕はドリブルの方が得意なんで・・・」

 

 

まさかサッカー単語が飛び出して来るとは・・・。信頼のしの字も無いね・・・。

 

 

「・・・さてセン、早速だが」

 

「変な愛称付けられたし・・・」

 

 

まあ、いいや。若干諦め気味の僕を無視し、令音さんは続ける。

 

 

「・・・やはりした方が良いと言う事で訓練をすることになってね。準備が整ったから迎えに来たんだこのまま物理準備室に向かおう」

 

「分かりました。・・・と言っても訓練って何をするんですか?」

 

「・・・うむ。この前話してはいたが、君はデートの経験はあるが女性と恋愛関係になった事はないだろう」

 

「・・・ええ、そうですね」

 

 

この世界ではね・・・。前世では居ました。ああ、皆に会いたいな・・・。今夜辺りに召喚して何か話そうかな?と言うか琴里さん。何故に僕のプライベートに詳しいんだい?そう思いながら職員室の近くを通ると、担任の岡峰先生が歩いていたのだがその後ろに中学生の筈の妹様が見えるではありませんか・・・。来客用のスリッパや入校証を付けている所を見るとちゃんとした手順で学校に入ったみたいだ。それから琴里も合流して僕達3人は物理準備室の中へと入った。何時もは此処に先生が居るはずなのだが、聞くのが怖いのであえて効かない事にした。部屋の中を改めて見回すと、薄暗くてディスプレイが大量に置いてあった。何と言うか・・・物理準備室の欠片も無い。

 

 

「いいから其処に座りなさい」

 

 

その声に気が付くと何時の間にかさっきまで付けていた白のリボンから黒のリボンに付け替えた琴里が偉そうにドカッと座っていた。僕もその言葉に従って椅子に座った。

 

 

「・・・ねえ、琴里。どっちが本当の琴里なの?」

 

「嫌な言い方をするわね。そんなんじゃ女の子にももてないわよ。・・・ああ、だからまだ童貞だったんだっけ。ごめんなさいね初歩的な事を指摘して」

 

「いや、僕童貞卒業してるし・・・って何言わすのさ!?と言うかそんな言葉何処で覚えt「イマ、ナンテイッタノカシラ・・・?」・・・琴里?」

 

 

僕の言葉に琴里が片言になり、令音さんも驚いた表情で見ている。実は去年、つぼみさんの所に集まってパーティーを開いた事があり、何処からか酒が混入していたらしく全員が酔っ払い気が付けばもう全員裸で朝チュン状態で皆で自己嫌悪に浸っていた。何故か僕以外の全員は「記憶カムバック!」と叫んでいたけど・・・。

 

 

「ま、まあ僕の事は一旦置いて。令音さん、訓練って何ですか?」

 

「・・・ああ、簡単な事だ。・・・精霊をデレさせる事でまず大切な事は何だと思う?」

 

「それは・・・異性への対応力・・・とかですかね?」

 

「・・・ん、当たりだ。・・・其れを鍛えるためにコレをやってもらう」

 

 

そう言って令音さんの言葉に反応してディスプレイの一つにポップな曲と一緒にカラフルな髪の毛の少女達が映し出され、タイトルと思われる《恋してマイ・リトル・セツナ》のロゴが躍る。

 

 

「これギャルゲーって奴ですよね。うわ〜、こう言うゲーム初めて見た。これやって良いんですか?」

 

「・・・ん、君の為の物だからね。・・・そこまで喜んでもらえるとこっちも作った甲斐があったよ」

 

「基本ゲームとかやらないので・・・。へえ、此処で音量とか調節できるんだ。凄いねロック」

 

『確かにスゲエがよ・・・この事セシア達に言わねえ方が良いぞ』

 

「?何で?」

 

「お前・・・(アイツ等がこんなの知ったら教育が〜とかで騒ぐに決まってんじゃねえか)」

 

 

実は今日はロックだけしか持ってきていない。セシアとエネは今日、つぼみさんの所へ手伝いに行っている。僕も偶に手伝いに行ったりしてるのだ。それにあの孤児院の裏庭にはお父さんの墓がある。お父さんが殺されて鹿児島から転移した時に僕はお父さんの亡骸を抱えて転移していて、その亡骸を灰にして形見で持っていた僕はつぼみさんに頼んでおとうさんの灰を裏庭に埋めさせてもらったのだ。お父さんは自然が好きな人だったから其処が良いと思ったのだ。因みに孤児院の皆は僕の過去を知っている。前世も含めてだ。僕がその話をした時、全員が僕の事を受け入れてくれたのが凄く嬉しかった。そんな事を思い出しながら僕はゲームを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜一時間後〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?またハーレム√だ。おかしいな〜・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜また一時間後〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・またハーレム√・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜またまた一時間後〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、やっと個別√だ!・・・ってまたハーレムだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜しつこい様だがもう一時間後〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・何で・・・ハーレム√にしかならないんだ?」

 

 

 

あれから数時間が経ち、僕の目の前の画面には《END》と書かれていて、主人公とヒロイン達全員が結婚式を挙げていると言う画面が映っていた。このエンドはもう4回目となる。しっかりと個別√の為に一人のキャラだけの好感度を稼いでいる筈なのに何故・・・。

 

 

「・・・セン、君の進め方は確かに正しい。・・・だが、他のキャラ達から見ると君は一途な男性で好感度は上がりっぱなしなんだ。・・・よくあんなゲームバランスでこの√を四回も出せたね」

 

「ふえ?いや、普通こうかなって思ってやっただけなんで・・・」

 

「(・・・この子はもう精霊でハーレム築いても大丈夫な気がするな)」

 

 

令音さんは僕を見て無言になる。どうしたんだろうか・・・?気が付くともう下校時刻になっていて僕は慌てて用意をする。

 

 

「令音さん。僕と琴里もう帰らないといけないのでこれで失礼します。あ、このゲーム借りても良いですか?絶対に全ルート制覇してみせますから!」

 

「・・・ん、楽しみにしているよ」

 

「ああ、それとコレを・・・」

 

 

そう言って僕は腰のポーチから重箱を包んだ風呂敷を取り出す。中には幾つかの料理が入っている。今日の朝の内に作っておいたのだ。ポーチの中だから適度な温度で保存され、腐る事も無い。其れを令音さんに手渡した。

 

 

「これ良ければフラクシナスの皆さんでどうぞ。忙しそうだったんでご飯ちゃんと食べてないんじゃないかって思って・・・」

 

「・・・ん、ありがたく頂戴するよ。・・・ここ最近忙しくてね」

 

 

令音さんに風呂敷を渡した後、未だに虚ろな目で固まってる琴里を背負って帰宅した。夜にゲームをしていたらそれを見たセシア達に怒られた。・・・解せぬ。

 

 

刹那サイド終了

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