木葉散る頃   作:とんでん

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竹葉

 

 ────雲隠れの里との協定、失敗。

 ────二代目火影病没。

 ────二代目火影葬儀。

 ────三代目火影就任。

 

 これが、ざっくりとした木ノ葉隠れの里の歴史である。というか、木ノ葉隠れの忍者アカデミーにて配布される教科書で、少なくとも正史として記されている筋書きである。

 アカデミーを卒業し、上忍にでも出世すれば協定失敗の原因が雲の金銀兄弟のクーデターのせいであることを知るし、病没となっている二代目火影の死因もそれとなしに察することだろう。葬儀が死後かなり経ってから行われたことも考えると、雲の一件の鎮火に当時の上層部がどれほど手を焼いたのか、うかがい知ることができるはずだ。

 特に『ご遺体破損、及び時間の経過により劣化激しく、防腐処理を施し葬儀の先に埋葬す。式は形式的に行う。』の一文には、若かりし頃の“女湯を覗くために忍の全力出すような白髪のデカいオッサン(うちはサスケ談)”も「先生も若いのに大変だったのォ・・・」とちょっとしんみりしたそうである。昇進するたび叩き込まれる里の機密情報はいつも仄暗く、木葉でチョイと隠してやらねばならぬものばかりだ。しかし、三代目火影は師匠の死もろくに悼むとこができす日々任務に追われておられたのか。忍の生、割り切っているとはいえやるせなさはいったいいかばかり。おいたわしいことよの、と白髪は目を伏せた。

 

 ただ、当時渦中にほど近いところにいた者たち────しんみり白髪の同期で同僚のくノ一は「あれ・・・・・・?」と里の公式記録に首を傾げた。

 大叔父様のお葬式って、亡くなってすぐにやらなかったっけ?ていうか大叔父様のお顔に布乗せたのアタシじゃない?

 随分綺麗な、眠っているようなお顔だったと思うんだけどな。と思ったくノ一は、色々思うところしかなかったがやはり忍であるのでその疑問を口にすることはなかった。そもそも力のある忍は己の死についてひけらかさない。大叔父様もきっと考えがあって“事実”をおつくりになったのだろう。

 

 とはいえ元来人の口とは自動ドア。綻びというのは一つあればそのへんに二つ三つあるものである。

 木ノ葉隠れの里では二代目の死亡時期ズレてる説がどこからかまことしやかに囁かれ、半ば都市伝説になっているとかいないとか────。

 

 

 

 

 

******

 

 

 

 

「ドアは閉じるためにあるんだろうが、仕事しろ人の口の戸・・・・・・!」

「扉間先生だけに?うわごめんダンゾウ怒らないで言ってみただけ。」

 

 ダァンと机に拳を叩きつけ呻くダンゾウに、のほほんと茶を啜っていたカガミが肩を竦めた。

 同じ班の仲間として下忍の頃から組んでいる、能天気すぎるうちはの青年をひと睨みしてからダンゾウは深々ため息をつく。良いやつは良いやつなのだが、どうにもポジティブシンキングが過ぎるのだ。うちはのくせに。

 

「けど情報統制がうまくいかなかったのは仕方がないと思うよ。あの状況で先生が生きていると判断するのは危険だった。それに二代目の遺言がなければヒルゼンの火影就任がスムーズにいかなかったかもしれない。」

「ああ、分かっている。分かってはいるが・・・・・・だからこそ先生が生きて帰ってこられるとは思わないだろう?」

 

 ダンゾウは数か月前のことを思い出しながら疲れた目元を掌で覆った。

 

 

 二代目火影こと千手扉間の死について、ダンゾウは詳しいことを知らない。原作の描写を見た限りだとダンゾウに説教をしたあとに死んだように推察できるが、そもそも漫画を読んだのは前世の話であってそれももう二十年は前のことである。要は記憶が劣化してきていてそれが正しい情報なのか分からない。

 分からないがしかし、卑劣様実はそこで死んでなかった説があるらしいのは覚えていた。

 嘘だろう、「俺を置いて先に行け!」の流れで生き残ることある?という気持ち半分、卑劣様なら生還しそうという気持ち半分。ファンブックを買うほどの余裕が(一番手との関係だとかで精神的に疲弊していたため)なかったから、ひょっとしたらダンゾウが知らないだけで正確な享年とかがどこかに載っているのかもしれない。だから再三言うようにダンゾウのこのあたりの知識は酷くあやふやなのだが─────

 

「死に損なったか、ワシもしぶといな。」

 

 ─────結論から言いますと、二代目火影千手扉間、金銀兄弟に手傷を負わせた上でしれっと帰還しました。

 

 血みどろの師が、あの任務から五日が過ぎた夜半、弟子兼側近だった扉間小隊のメンバーで職務の引き継ぎを進めていた火影室に降ってきた時はいったいどれほど驚いたことか。

 術式を仕込んでおいたのか、やるなと考えてはいたものの咄嗟に動けなかったダンゾウと違い、すぐさま駆け寄り師を助け起こしたのはヒルゼンだった。ずたずたに裂け肉塊のようになった体で、それでも僅かに微笑を浮かべてそう呟き気絶した師匠に、そこからはもう阿鼻叫喚である。

 コハルは泣くしホムラは医療班を呼びに行こうとして壁にぶつかるしカガミはなぜだか写輪眼で笑い泣きしているしトリフは・・・・・・増血丸を師の口にねじ込んでいた。有能である。

 ダンゾウはと言えば右往左往する全員をいったん順に一発殴って、それから「ヒルゼン、どうする?」と指示を仰いだ。

 

「医療班に!ビワコを呼んできてくれ!」

 

 ぶん殴られて落ち着いたらしいカガミが真っ先に部屋を飛び出していった。瞬身のシスイの祖父は扉間小隊の中では師匠の次に早い。この分ならば数分もかからんだろうと考えながら、ダンゾウは止血帯を結ぶヒルゼンを手伝った。

 

「トリフは千手の屋敷へ、先生を運びこむと伝えてくれ。くれぐれも内密に。」

「承知。」

「木ノ葉病院に行かなくていいのか?あっちの方が設備がそろっているのに、」

「駄目だ。」

 

 きっぱり言ったヒルゼンがはっきりした調子のまま続けた。

 

「先生が意識不明の重体だと知ったら、命を狙う者が必ず現れる。このまま死んだことにして、回復を待つ方がいい。」

 

 

 とはいえ、どんな戦い方をしてきたのかは分からないが、師匠の容態は生還の見込みがないほど酷かった。少なくとも一回は自爆を試みているはずだ。全身が酷い火傷でおおわれており、内臓まで傷がつき、骨はほとんど折れていて、四肢の一部がなかった。

 一週間は意識が戻らず幾度も心臓が止まりかけ、その度に交代で千手邸に詰めていた小隊のメンバーが酷い顔色になるので、上層部には不審がられるのを通り越し師を失ったのが辛いのだろうと暇を貰った者までいた。

 

「ワシが生きていることは隠せ。」

「・・・・・・死の淵から帰還なさって、真っ先におっしゃるのがそれですか。」

 

 そんな師が目を覚ましたのは、たまたまダンゾウが枕元で不寝番をしていた時である。

 怪我が膿んで───ヒルゼンの妻であり医療忍者のビワコ曰く生きているのが信じられないレベルらしいのでやはりこの人は千手柱間の弟である───高熱に魘される師匠の口に、定期的に解熱剤を混ぜた薬液を含ませるという代り映えのしない仕事の最中。不意に聞こえた親しんだ声に、ダンゾウは呆気にとられて椀を取り落とした。

 薬が畳に染みを作るのに、しまったビワコに怒られる、と思いながらダンゾウは起きたら飲ませろと言われていた方の水差しに手を伸ばす。

 首を支えて頭を起こし唇へと水を傾けると、ゆっくりと嚥下するように喉が動いた。波打った包帯に血が滲む。

 

「そのようになっています。ヒルゼンがそう命じて。」

「ならば良い・・・・・・虫の息の火影など、何の役にも立たん。」

 

 無駄にとおる声に、ざらついた音が混じった。包帯にまみれた顔の中で、布に覆われていない口元に血が幾筋か流れていく。咳き込む体力もないのだろう。息がし辛そうだったが、火傷が酷いため横にしてやることはできない。

 

「もう印も組めんというのに、貴様らよくも生かしてくれたな。」

「お叱りは後で受けますから、何も話さないでください。一呼吸ごとに全身が痛むはずです。」

「冗談だ、よくやった。これでまだ成すべきことを成せる。」

 

 薄く笑うような気配に息をつめる。それからカガミを呼んでこいと言われたダンゾウは、すぐさま身を翻しその場を後にした。

 二人が何を話したのかは知らないし、ダンゾウがその後二人きりで師匠と会話をすることはなかった。何しろ師の意識が明瞭だったのはその一回きりで、あとはずっと朦朧とする意識をひと月半の間繋げ続け、ついには眠るように息を引き取られたからである。

 

 看取ったのは小隊のメンバーの誰でもなく、猿飛ビワコだった。ダンゾウはその場にいなかった。ヒルゼンもだ。二人は火影就任の準備と、反対派の上層部を宥めるのに追われていた。猿飛ヒルゼンは二代目の直弟子であり、遺言も残っているというのに騒ぎたいものはどこにでもいるのである。

 師匠には妻子がいない。更に火影の葬儀ということもあり必然的に大きくやらねばならず、ヒルゼンが主となって行った。ダンゾウは任務が詰め込んであったため通夜にしか出席できなかったが、師の顔は随分綺麗な死化粧が施されていて、生きている時は一度も見たことがないくらい穏やかだった。喪服を着せられた綱手姫が大叔父の頬っぺたを紅葉のような手で撫でて、きょとんとしているのに誰かが啜り泣いていた─────。

 

 

「でも俺は嬉しかったな、空っぽの墓になんか手を合わせたくないから。」

「それは・・・・・・そうだが。」

 

 先生が帰ってきてくれて本当に良かった。そう言ったカガミが、うーんと伸びをした。

 

「明るい方向に考えようぜ、ダンゾウ。俺たちの親友がみんなに祝福される火影になって、お前は暗部総隊長に抜擢されて、それから、えーと。俺は今お前の奢りで団子を食べてる。」

「おい、聞いてないぞ。」

「じょーだんだって。これは俺の奢り。」

 

 カラカラ笑った親友が、勢いよく手元の湯呑を煽って立ち上がった。

 事務机の上には冷めた茶が入った急須と湯呑が二つ、それに近所の甘味処の包みと串とが散らかっている。少し横を見ると、カガミが来た時にざっと脇へやった巻物や書類の束もあった・・・・・・全部ダンゾウが片付けなくてはならない物ばかりである。

 

「ヒルゼンが心配してたぞ。お前がずっと執務室に籠って食う寝るせずに仕事してるんだって。実際来てみたら青白い顔して筆握ってるんだもんな。ここひと月何食って生きてたんだお前。」

「・・・・・・兵糧丸?と水?」

「あのなあ、霞食って仙人になる昔話じゃないんだから・・・・・・それとも、本当になるつもりなのか?」

 

 お前ならなれそうだけど、と悪戯っ子のように付け足すカガミに買いかぶり過ぎだとダンゾウは首を横に振った。

 自分はそんな器ではない。

 

「ならんしなれん。仙術にはもちろん興味はあるが調べる時間もない・・・・・・ヒルゼンめ、いきなり厄介なモンを押し付けおってからに。」

「暗部のトップなんて花形じゃないか。もっと喜んでると思った。」

「ここまで早く昇進する気はなかった。確かに暗部は火影直属の部隊で、信のおけるものでないと困るだろうが。」

 

 これでは絶対に反感を買う。

 ヒルゼンが三代目に就任してすぐのこと。ヒルゼンから持ち掛けられた昇進話を、ダンゾウは一度は断った。結局他に都合の良い者がいなかったのと、火影が側近として傍に置けてなおかつある程度の権限がある役職がそこくらいであったため、渋々着席することになったが。因みに前任の総隊長はいない。というかその辺り管理は全て師匠一人がしていた。おそらくいずれは扉間小隊のうちの誰かを管理職に放り込むつもりだったのだろう。

 とはいえダンゾウがヒルゼンの親友であることは誰もが知っていることだし、他人に贔屓されていると思われるのは癪である。なによりあまり身内を引き立てるとヒルゼンが危うい。

 

「先生だって俺たち弟子のことを身辺に置いてたじゃないか、それと一緒だよ。ダンゾウは思考が後ろ向きだなあ。」

「お前が前向きすぎるんだ、トンボか何かか。」

「強いて言うならうちはかな。」

 

 それが一番の冗談だと思ったが、さすがに言わないでおいた。

 

「それじゃあ家帰って飯食って寝て見合いして嫁さん貰えよ、ダンゾウ。」

「余計な世話だ。お前こそとっとと帰れ、新婚だろう。」

「おかげ様で毎日幸せだね、生きてて良かったって一日に十七回くらい思う。」

「ああそうかよ・・・・・・。」

 

 ほっといたら何時間でも惚気るのでシッシと手を振って追い返す。

 誰が二十四歳独身暗殺戦術特殊部隊総隊長だ。字面からして一生独り身だなこれ。

 

 

 

 

******

 

 

 

「─────何か吐いたか?」

「っ!ダンゾウ様、」

「良い。そのまま続けろ。」

 

 せめて外の空気を吸え、としつこく言って去っていった男とおざなりにした約束を守るため、ダンゾウは執務室を出た。

 木ノ葉の里に無数に張り巡らされた地下通路の一つに入り、更に隠し通路の奥へと向かう。日の光が届かない場所まで来ると、湿った土のにおいにやがて血の臭いが混じりはじめた。思わず鼻に皺を寄せる。何度来てもここは好きになれない。

 

「う・・・・・・、ぃぎっ」

「思ったよりもしぶといな、さすがに影二つを消し去ろうとしただけある。」

 

 根すら張らないほどの闇の濃い地下深く。張り巡らされた護符と術式に、懐かしい師の手蹟を見つけたダンゾウは遠い目になった。寧ろない方が心配になるが、やはりここ作ったのあんたか。

 手近にあった椅子を引いて腰かけ、鎖や術で何重にも拘束された褐色肌の男の顔をじっくり眺めた。もっとも褐色だったのはここに捕らえられる前までの話で、今はどこもかしこも赤黒い。

 

「雲隠れの上忍師、名前はワカイだったな。妻は三つ年下、子どもは四人か。末はまだ生後半年と・・・・・・働き手のお前を失ったら、細君はさぞ苦労するだろう。」

 

 誰に言うともなしに言ってから、ダンゾウは男の拷問をしていた暗部に目を向けた。二代目火影が選び抜いた忍は、躊躇なく男の腕に千本を突き刺す。叫び過ぎて喉がつぶれたおかげで、悲鳴にすらならない声が地下に響いた。

 

「お、俺たちは間違っていない・・・・・・!金角様と銀角様こそが雲隠れを率いるに相応しいお方なのだ。雷影が素直に従えば命は奪わないはずだった・・・・・・なのに、忠告を無視したばかりか勝手に火影なんぞと手を組むというから!」

「首謀者の名前はもう知っている。仲間は、潜伏場所は、計画は?生憎俺たちの火影様が聞きたいのはお前の思想じゃない、情報だ。」

 

 もう山中のやつを呼んだ方が早いかもな、と思いながらダンゾウは喚き散らす元雲隠れの忍者に嘆息をつく。

 九尾の腹の肉を食いちぎって生還したという金銀兄弟に、カルトのような信者がいるらしいことは知っていた。しかしまさか雷影も会合の場でテロをぶちかましてくるとは思っていなかったのだろうよとひとりごちる。それくらい滑稽なことを言っていることに、この手の輩は不思議と気が付かない。

 

「ほ、火影・・・・・・?火影は死んだ!嬲り殺しだ!ヤツめ、部下に見捨てられて最期は惨めに自爆した!」

「残念ながら、火影様はご健勝だ。そもそも爆発したくらいであの人が死ぬものか。」

「嘘をつくな!死んだ!火影は死んだ!死んだ!」

「おい、壊れてないかこれ。」

「精神崩壊しない程度の拷問しかしていません。」

 

 それ元から正気でなかった場合は加味されていなくないか。獣面の忍が澄ました調子でサクサク千本を刺していくのに、これは尋問部隊に任せた方が良かったかもしれんとこめかみを揉む。

 しかし表向き病死したことになっている二代目の死の真相を色んな人間にばらまくわけにもいかぬので、ダンゾウは拷問班でもつくるかということで落ち着いた。ヒルゼンが安々と承認してくれればいいが。いやでも尋問部隊がいるのに拷問いるか?ただでさえ治安維持系統で暗部と結界班と警務部隊が揉めてるのに、これ以上同種の問題を増やしたくはない。

 

「死にたくなければとっとと吐くんだな。今火影様は相当機嫌が悪いが、温情の方だ。さっさと話せばお前を解放するのもやぶさかでないとおっしゃっている。」

 

 というよりさっさとゲロってくれ。あんま時間かかるとノコギリ持ったヒルゼンがお前の足切り落としにくるかもしれんから。

 

 衝撃的な師匠の帰還の、そのすぐ後のことである。ヒルゼンはすぐさま当時持っていた権限と次期火影としての権力をフルに使って暗部を動かし、テロリストの捜索にあたらせた。一応里の警備がどうたらと言っていたが、相当キレていた。捜索範囲が里の周りだけだったのでまだ理性は辛うじて残っていたが本当に。

 任務の結果はご覧の通りであり、火影暗殺未遂の詳細を究明すべく(あと今後雲にイチャモンつけられた場合の手札にすべく)ダンゾウたちは日夜哀れな男とのお話あいに励んでいた。

 

「き、金角様と銀角様が助けて下さる。あの方たちが雷影になって、救いに来て下さるのだ。お前は殺されるぞ!あの方に殺される!」

「さあ、俺たちは火影様に従うだけだ。・・・・・・それにしても話にならんな。」

「山中の者を使いましたが、脳にプロテクトがかかっていて触るのは危険な状態です。いかがいたしましょう?」

「写輪眼は試したか?」

「いえ、暗部にはおりませんので。」

「アテがある、話をつけてこよう。引き続き頼んだぞ。」

「はっ」

 

 頭を下げた暗部に軽く頷いて、ダンゾウは独房を後にした。

 金角と銀角はもう既に死んでいるとの情報が入っている。件の一件が元で亡くなった二代目雷影の死後、あとを継いだ三代目雷影がそれこそ電光石火で首を刎ねにいったらしい。あとに残ったのは下手な武力を持ったまま頭を失い右往左往するテロ集団と、木ノ葉と雲との間に産まれた禍根くらいだ。

 

 サテ、ヒルゼンはどうするつもりかなと考えながら外に出たダンゾウは、日の光に目を刺されて顔をしかめた。

 一番のすぐ下にいることは決して日陰者になることと同義ではない。なのにさっそく闇の中に突っ込んでいっている自分が可笑しかった。

 

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