原作を知らないただのチート転生者が仲間を死なせないために頑張る話 作:蘭 ノイ
(二ファ視点)
鎧の巨人の手に匿われている、ベルトルトと、鎧の巨人の項にいるであろう、ライナーに向けて、同期が思いの丈を話していた。
仲間だと思ってたのに、裏切ったのか?
そんな言葉は何回も聞いてきたはずだ。私の人生は、裏切りと決別によって成り立っている。
自分の大切な人が生きていくために、必要だったら、誰かを犠牲にしても構わない。
今回は……ハンネスさんだ。
私がベルトルトやライナーに何かを言う資格はない。
私だって、前は
私だってあの国と同じ事をやっている。目的を達成するために、誰かが犠牲になることに目を瞑る。
でも、そうしなければ、何も成功などしない、という事を知っている。
「お前らー!
そこから離れろ!」
ハンネスさんの声だ。
この人も救えるはずなのに……
救ってしまったら、撤退は不可能だろう。
その為に、この人は救えない。いや、救わない。
「あんた達、とりあえずここから離れるわよ!」
私はそう言うが、他の同期達が離脱したのを見届けた後も、そこに留まった。
「二ファ、君は……逃げないのか?
どうして…?」
ベルトルトが不思議に思ったらしく、そう聞いてくる。
「そうね……
ここで私が逃げると、あんた達が死んじゃうからってことにしとくわ。」
「んん゛ー!ううー!」
エレンは猿轡を嵌められていて、話せないらしいが、私の言葉に反抗している様子だった。
「お前こそ、敵なのか味方なのか、どっちなんだ…」
「さあね、その時の自分の目的に1番得になる方を選ぶだけよ。」
「そういう方が、逆に信頼できるよ。」
「とりあえず、この場ではあんた達を守ることになりそうね。」
こいつらに死なれると、後々困ることになるから。
「なんだか意味がわからないけど、俺たちのことは攻撃しないでくれよ…?」
ベルトルトは怯えながらそう言う。
「それは、分からないわ。自分の身は自分で守ることよ。私は自分の利益のために、巨人を殺すだけなんだから。」
「この大量の巨人に、二ファまで加わったら、本当に僕達助からないよ。」
「そうかもね。」
そう言って、私は集まってきた巨人を近いものから順番に倒していった。
…
記憶の通り、エレンはエルヴィン団長とアルミン、そしてミカサの連携によって救出された。
そして、やがてここに群がる巨人の数も減ってきて、ライナーは兵士達のいる方向に巨人を飛ばし始めた。
「ちょっと!兵士達には飛ばさないで!
それより、アルミンやジャン、ノアのいる場所を狙った方がいいと思わない?」
「何故だ?二ファ。」
ライナーは話せないため、代わりにベルトルトが質問する。
「あの3人は、エレンたちの援護に行こうとしているわ。
このままだと、エレンを連れて撤退できてしまうでしょうね。」
「なるほど。確かに一理ある。
ライナー!ノア、ジャン、アルミンのいる方向に巨人を投げ飛ばすんだ!」
ライナーは小さく頷いてから、巨人を投げ始めた。
「くれぐれも、死なせないでよね。
あの3人のうち誰か一人でもあなたの投げた巨人に潰されて死んだのなら、私が今、ベルトルトの首がライナーの項を削いで殺してあげるわ。」
私の脅しに彼らは冷や汗を浮かべた様子だった。
…
ビリビリビリビリッ
来た。エレンに座標が移った!
この後が勝負だ。
エレンの思いによって、巨人たちがこちら、鎧の巨人の方向に一斉に動く。
「気を引き締めなさい!
…来るわよ!」
それからは、地獄だった。
が、無事撃退に成功。ライナーとベルトルトに捕まってしまう前に、私はそこを離れた。
これで、良かったんだよね。
あいつらはここで死ぬ運命じゃない。
そうだよね?
神様。