謎のウイルスによって人々が蠢く肉塊と化し、荒廃してしまった世界。そんな世界で俺は今日も今日とて醜く生き足掻いている。
だが今回は少し事情が違う。辛うじて起動しているSNSを通じてにある場所へ助けにもとい、お迎えに向かっているところだ。……めっさ長距離だけども。
パンデミックの影響により、大破した車の波をバイクで駆け抜けながらヤケクソ気味に叫ぶ。ゾンビは大丈夫かって?アイツら動きはのろいから捕まらなければ無問題。なんならこっちはバイクだ。余程のことがない限り追いつかれることはまず無い。
バイクを走らせること約半日。道中色々……ホントに色々あったけどもう少しで目的地だ。すでにここから指定されたショッピングモールが見える。──蛇足ではあるが、合流するとゆう名目で迎えにいくので、武器などは余分に持ってきてある。
さて、そんなこんなで目的地に着いた訳だが……めっさゾンビおるやん……。とりあえず着いたことだし、SNSに到着したことを送信する──秒で帰ってきた。
〈屋上にいます!ドアの向こう側でゾンビが沢山いるのでそちらに行けません!!助けてください
(´;ω;`)〉
どうやら屋上にたてこもってるらしい。ものすごくメンド──困ったことになった。それはお迎えに行く道中、アイツらを接客しながら5階上の屋上まで迎えに行かなきゃ行けないとゆうことだ。
──え?接客じゃなくてぶっ飛ばすんだろだって?……相手するって意味では同じじゃい!皮肉で言ってんだよこんちくしょうめぇ!!
「HAHAHA!いらっしゃいませお客様ァ!!残念ながら本日限りをもって当店は閉店致しましたァ!お残りのお客様は速やかに土に御還りくださいませェ!!」
ヤケクソ気味に、しかし的確に頭部をバールで破壊しながら止まっているエスカレーターを駆け上がる。何度でも言うが、奴らは動きが遅い。力こそ強いがそれさえ気をつければ狙うのは容易なことだ。
「おいーっスおぐりん!オニイサンがお迎えに来たゾー!!生きてるかーい!!」
若干うっぷんが溜まっていたので、屋上のドアを全力で蹴破り辺りを見回す。貯水タンクの近くにいた。服は多少汚れたり所々破れたりしているがそこには確かに生きている女性が──
「やっと来てくれたー!遅いですよぉ!!」
「げぼぁ!!」
お、お腹におぐりんの頭部がダイレクトに……吐きそ。いや、朝から何も食ってないから吐くもクソもないんだけども。
飛び込んできた張本人を見下ろすと、小さい体をガタガタと震わせながらすすり泣いていた。──無理もない。女性1人で数日とはいえ、アイツらがすぐそばで徘徊しているのを耐えていたのだ。そうとう精神をすり減らしていることだろう。
「大丈夫、俺が来たからには嫌と言っても生かすからな。文句は受け付けておりませんのでご了承のほど」
「グスッ……ふふっ、なんですかそれ?でも……アナタらしいですね。ありがとうございます」
すすり泣くおぐりんの背中を、ポンポンと一定のリズムで優しく叩きながらおちゃらける。そんな俺のいつもの様子に安心したのか、目尻の涙を拭い笑顔を見せる。
──とりあえず今は新しい拠点探しを行きますかね。……でもその前に、
「……笑顔のおぐりん尊いゴフォ!!」
「えぇ!?ちょっと!?しっかりしてください!!」