推しと旅する世紀末   作:オコSunday

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第9話【救済】

 

──ここは……どこだ…?

 

目の前の化物共を、ブレード状にした両腕で切り刻む。

 

──なんで……ここにいるんだ…?

 

横から迫る、2m越えの化物が突進してくる。

ジャンプで飛び越え、ブレードを脳天に突き刺す。

 

ひと息つくのもつかの間、奥の方から化物共の大群が押し寄せてくるが、俺の後方には避難した生存者達がいる病院がある。

その中には、絶望した大人や、明日に怯える子供がいる。……負ける訳にはいかない。

 

「ここを通れるなら通ってみろよ?その代わり……ぶっ殺すけどな?」

 

──誰が知っているなら教えて欲しい………

 

「って、もう死んでるんだっけ?…んまァ、どうでもいいか」

 

──俺は………誰なんだ?

 

 

〈拠点・教会〉

 

仲間が1人死んだことにより、ミレアとアンコの2名は、ショックが大きく、お互いに数日間塞ぎ込んでいた。

だが、その現状から先に復帰したのはミレアだった。

 

──あの人は自分達を守る為に命をかけた。だから自分達は生き延びなきゃいけない。……と。

 

そう言ったミレアの顔は、涙でぐしゃぐしゃになっていた。そうして2人は身を寄せ合い、ひたすら泣いた。泣いて泣いて……声が枯れるまで泣いた。

 

いつの間にか2人は泣き止んでいた。2人の目には決意が宿っていた。

 

──あなたが守ってくれたこの命……絶対最後まで生き延びてみせるから。

 

 

»---------------------------«

 

 

──それから2ヶ月の月日がたった。

激しい銃撃戦の音が鳴り響く。しかしそれは一方的なものであった。

 

「ふぅ……。こちらアンコ、化物の駆除終わりましたよー。ミレアのほうはどうですかー?」

 

おびただしい化物共の残骸を前に、アンコは無線で通信を入れた。

その両手には、前よりも新たなサブマシンガンが握られている。

 

〈スコーピオンEVO3〉軽量性と携行性に優れており、泥水や水に浸かっても使えるので、例えアンコがドジっても使える1品である。

 

『こっちも雑魚ばっかだから、すぐ終わったよー』

 

通信先のミレアの周りにも、化物の山がいくつも出来上がっている。

ミレアのその手にも、新しいスナイパーライフルが握られていた。

 

〈バレット M82〉簡単に言えば、軽車両の装甲をぶち抜く威力がある、アンチマテリアルライフルだ。射程距離は2500メールまで及ぶ。

 

『こちら青空、化物共は完全沈黙した』

『こちらツバメ、同じくこっちも全部殲滅完了ゥ!』

『プルレよ。こっちはあともう少しで終わるから。そんで、あんた達は手が空いてるならこっち手伝いなさい』

 

あれから仲間も3人増えて、今じゃ生存者も救助出来るくらいには戦闘力も増した。

 

〈部隊アウロラ〉──ラテン語で夜明けを意味するこの部隊は、現在[小倉あんこ]、[魅魔(すだま)ミレア]を筆頭に、[青空]、[ツバメ]、[プルレ]の5人で形成されている。

 

数こそ少数であるが、ひとりひとりの戦闘力が高く、数多くの化物(ゾンビ)共を葬っている。──が、ゾンビの数は減るどころか、ここ最近は人型ですらない化物まで出てくる始末。

幸いにも、空気感染することは無く、傷を負うことによる接触感染でなければ感染はしないようである。

 

──まだまだ夜明けの光は遠く離れていた。

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