おぐりんが機関銃ブッパのトリガーハッピー状態からようやく戻ってきたその後、俺達は無人の教会を新たな拠点として疲労を回復していた。──ここの教会は人影すらなかったが、幸いにもゾンビの一体もいなかった。何故かは分からないが、ゲームで言う安全地帯のようなものだと自分を納得させる。
侵入されそうな窓も全て塞ぎ、今は真上のステンドグラスが日光で神々しく俺達を照らしていた。
「あの……本当にすいませんでした。……かなりご迷惑をおかけしてしまって……」
「いや、別にいいんだけどさ……、それよりもおぐりんが発砲した瞬間のあの光景に驚きすぎて色んなもんがふっとんだんだが…」
「うぅ……わ、忘れてくださいッ」
さっきの事が頭から離れず、思わずジト目で見ると、おぐりんが恥ずかしそうにもじもじとする。……恥ずかしがってるおぐりん可愛い……っじゃねぇわ!毎度毎度しっかりしろ俺ェ!?──と、自分との葛藤で身悶えしていたが、隣でうつらうつらと船を漕いでいるおぐりんを見て正気に戻った。
あのショッピングモールに1人で数日間耐えていた事もあり、あまり眠れていないのだろう。今回は俺も長旅だったこと、それにおぐりんを迎え&脱出の時のゾンビ戦でかなり体力を消耗している。しばらく休んでもバチは当たらないだろう。
「おぐりん、無理せずに寝ときな?今はアイツらもここに襲ってくる気配はないし、なんなら俺も見張っとくからさ」
「はい……すみません。それじゃあご厚意に甘えさしてもらいます……。…すぅ…すぅ…」
「え?ち、ちょっとおぐりん!?……秒で寝たし」
いや、確かに寝てもいいと言ったのは俺だけどさ、まさか俺の膝を枕にするとは思っても見なかったなぁ…。……クッソ、寝顔が可愛い過ぎるんよぉ…。
「すぅ…すぅ…、うぅん…」
「………ははっ」
推しの可愛いさに思わず浄化しかけたが、安心した顔で眠るおぐりんの寝顔を見て微笑する。髪が顔にかかって寝ずらそうにしていた為、髪を手櫛で梳かしながら優しく頭を撫でていく。
建物自体の造りもあってか、ここは外の音があまり入ってこず、室内の温度もちょうどいい。……少し眠くなってきた。寝顔につられて欠伸が出てきたので、俺も仮眠をとる事にする。それなりの食料品はリュックサックに詰め込んでいることだし、物資の調達は休憩した後でも十分だろう。
──おぐりん……大丈夫、心配することはないよ。アンタの命は俺が絶対に守るから。…………
ステンドグラス越しの日光のほのかな温かさに照らされながら、俺は決意を心に刻んで静かに目を閉じた。