推しと旅する世紀末   作:オコSunday

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第四話【邂逅】

新しい拠点を確保してから約半月。あれから物資の確保や、安全地帯の拡張作業、それに伴った野菜畑作り等、わりと充実した毎日を過ごしていた。色々あったが今はそれなりに安定した暮らしをしている。

 

『あははー♪どんどん撃ちますよー!汚物は消毒ですー♪』

『おぐりん前に出過ぎィ!!あと無駄撃ちし過ぎィ!!』

 

──別の日。

 

『今日は安全地帯の拡張をします。おぐりん?分かってると思うけど、くれぐれも弾の無駄遣いは……』

『あ♪ゾンビー♪』

『おいぃぃぃぃぃ!?話聞いてたぁぁぁぁ!?』

 

──またまた別の日。

 

『はい、弾の無駄遣いで残り弾数が心許なくなってきたので、今日は近接戦闘でのお勉強となります』

『……は〜い』

『おいコラ、明らかにテンション下げるんじゃないよ』

『いや、説明しながら片手間にどんどんゾンビなぎ倒してるオコ様に言われましても……』

『最終的にはここまで出来るようになってもらいますよー?』

『普通は無理ですからね!?』

 

……本当に色々あったなぁ(遠い目)

まぁ、その代わりにお釣りが帰ってくるほどの収穫もあった。物資の充実もだが、戦闘面で心強い仲間が出来たのである。世界がこんな風になる前にSNSで知り合っていた人だ。

 

その名も【ミレア】。狙撃術に長けており、スナイパーでの一撃必殺を得意としている。体の細さや、体格で一見女の子に見えるが……男だ。……男なのだ。大事なことなので二回言った。俺とおぐりんは初見で女の子と間違えて、その後びっくりしたのはいい思い出である。

 

「オコサンデぇー、とりあえず近辺を彷徨いてたゾンビは全部やっといたからー」

「ありがとうミレア。……ちなみに弾の消費量は?」

「計14発。全弾命中一撃処理」

「うん、パーフェクト」

 

流石はミレア。的確に弱点を狙い撃つその技術……惚れ惚れしちゃうね!そこにシビれるあこがれるゥ!え?おぐりんも銃使えるだろって?…………あの子は癒し枠だからいいんだよ(目逸らし)

 

ん?皆の名前が独特過ぎるって?そりゃそうだ。だってSNSで使ってた名前だからな。誰がいつ死ぬか分からないこんな世界だ。もしもの時に少しでも心の負担を減らせるようにと思って、俺がみんなにSNSの名前で呼び会おうと提案したのである。まぁ、今となってはこっちの呼びの方が気に入ってるし、なんなら本名より愛着があるくらいだ。……正直言うと誰かの名前を覚えるのは得意じゃないし、俺も俺で覚えづらい名前なのでなにかと面倒なのもある。

 

「そんで?オコサンデーは今日何する予定?」

「あぁ、ちょっと弾の補給に行こうかと思ってな。……主にマシンガン系統の消費が激しくて」

「あっ…ふーん(察し)」

 

「……?2人してこっちを見てどうしたんですか?」

 

ミレアに言った通り、今日は弾の補充だ。俺はバールやナタ等といった近接戦闘を得意とするが、おぐりんやミレアは銃がメインの遠距離戦だ。銃弾は消耗品だから定期的に回収に行かないと、もしもの時に無くなってオダブツなんてなったら笑えない。

 

「今回は俺1人で行く。ミレアとおぐりんは拠点で待っててほしい」

「んー……分かった。じゃあ僕は今まで通り近辺を警戒しとく」

「オコ様……1人で大丈夫なんですか?無理…しないでくださいね?」

 

二人には拠点に待機してもらって俺は一人で弾の回収することにする。あぁ〜、推しがてぇてぇ(定期)

……ゲフン、失礼。とりあえず目的地はあの日からずっとお世話になっているガンショップだ。何回か回収に行ったときに分かった事なんだが、あの店は裏のほうに地下倉庫があり、物凄い量の弾薬が保管してあった。……本当に、なんであの店……国から経営許可出たんだろつな……。

道中ゾンビ達を必要最低限減らしていく。ここの道は毎回通る度に倒していってるとゆうのに、どこからともなく湧いて出てくる。地域的な事も考えてここまで出てくるのは明らかにおかしい……。いったいどこからこんな数のゾンビが発生しているとゆうのだろうか。

──ふと目の前からなにか大きなものがこちらへ飛んできた。……あれは……瓦礫か!?

 

「どわぁ!?……あっぶねェ〜、もう少しでサンドイッチになるとこだったわ」

 

認識してから、当たるスレスレの所で避ける。頭から生暖かいものが垂れてきた。……今ので額を少し切ったか。──ふと瓦礫が飛んできたほうから血なまぐささが強くなった。

 

「……は?なんだよ……アイツは…ッ!?」

 

ソイツはとても大きく、体長は2mは超えているだろう。火傷したかのような真っ赤な肌に、パンパンに膨らんだ筋肉質な体。……なによりも目に付いたのはソイツの巨大な異形の右腕。まるで骨がそのまま飛び出てきたかのような不揃いの大きな爪。その爪には大量の血液が付着していた。……あの血が生存者の物なのか、それともヤツらのものなのかは分からないがどの道、ヤツが危険だとゆうことには変わりない。

 

(アイツはやばい……間違いなくやばい!!……この場はなんとかして逃げないと!!)

 

「……と思ったけど、そう簡単には逃がしちゃくれねぇってかぁ!!」

グオ゛ォオ゛オ゛ォォォォ゛!!!!

「うるっさいんだよボケがァ!!」

 

生き残るにはこの場から逃げないといけない。でもその前になんとかしてアイツの隙を作らないと……。今、俺の手元にあるのは、バール、ハンマー、ナタ、手斧の計四つ。……これならミレアに銃の扱い方を教えてもらえばよかったと今更後悔しても仕方がない。

 

──覚悟を決めた俺は奴へと向けて駆け出した。

 

【MISSION1・CYCLOPES】

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