盛大に爆破したにも関わらず、傷を再生させながら歩いてくる奴を見て俺はその場にへたりこんだ。
「クソが……なんだよそれ……!そんなんチートみたいなのアリかよ…」
正直心が折れそう……ぴえん。ってふざけてる場合じゃないか(笑)
なぁ、オコSundayよぉ……死ねないし死ぬわけにいかないって、さっき自分に言い聞かせたばかりじゃんか。こっちだってそう簡単にくたばるワケにはいかないんだよ。
奴も相応にダメージを受けているのか、格段に動きが遅い。俺は手元にあるナタを杖にして立ち上がる。
『グゥ……ゴォ゛ォオォ……』
「フゥ〜……。全く…、諦めやすいのは俺にとっちゃあ、いつものことだけど……それでも諦めるのはここじゃないよなぁ?」
そう言って俺は奴に背を向けて全力でその場から逃げ出す。あんな勝てる見込みもわからないチート野郎にはまともに相手しないのが1番だ。
先程の大爆発で奴の動きは普段のゾンビ共くらいにとろい。つまりは今がチャンスってことだ。
「へっ!三十六計逃げるに如かずってね!」
幸いにもバイクは爆心地から遠めに停めていたため、多少傷だらけではあるが動かすのに特にこれといった問題もない。急いでエンジンをかけて急発進させる。
「またなクソ野郎!!もう二度と会いたくないけどなぁ!!」
爆速で追い抜く周りの景色と共にサイドミラーごしに、奴の姿がどんどん小さくなっていく。生き残ったもん勝ちだ。文句は受けつけないし言わせない。
──奴とかなりの距離が開き、完全に油断しきってきた。これで奴もここまでは追ってこないし、諦めるだろう。その考えを俺は一生後悔することとなる。
『ゴガアァ゛ァァ゛アア゛アァァ゛ァァ゛!!!!』
「なんだ?──がッ!?」
後方から今までにないくらい奴の大きな咆哮が聞こえたかと思った瞬間、体に凄まじい衝撃を受けると同時にバイクが横転し、俺は宙を舞った。不安定な体制でそのまま地面に打ち付けられてクラクラする。
なんだ今の……。まるで何かが飛んできたような……ってそんな事考えてる場合じゃない!バイクはオシャカになったけど体はまだ動けるっ!早く逃げないと!
体を起こすために左手を地面について立ち上がる
──ことが出来ずそのまま横に倒れた。……なんだ?左の感覚が全然無い?確実に嫌な想像が頭をよぎったが迷わず左腕を見た。
「……え?……あ」
そりゃそうだ。無いもので起き上がろうとすればそのまま倒れるのは必然。自覚した瞬間に熱と痛覚が襲う。
「あ゛ぁああああ゛ァァァ゛ァァァ!?腕がァァァァァァ!!!」
──左腕がなくなっていた。