・おぐりんとミレアはこの状況に違和感を感じ始める
・化け物との死闘の末に左腕を無くす
──左腕が無くなった。
世界がこんな状況だ。いつかはこんなことも起こるだろうと頭の片隅には思っていたが……、いざ実際に体験してみると心は冷静さを無くし、その場に蹲りながら傷口を押さえるしかできない。マンガやアニメみたいに、気にせずに立ち向かう主人公のようなことなんて出来ない。これが現実だ。
「ぐうぅぅ…ッ。畜生……畜生…っ!」
悔しい……今の俺1人じゃ、どうやってもコイツに勝てない。生き残って最後まであの子を守るって決意して、啖呵まできったのに結局こうなってしまった。
すぐそこまで来ているヤツの足音が俺の命を奪う死の音のように聞こえてくる。
顔を上げるとヤツが右腕を振り上げていた。恐らくあの大きな爪で俺を串刺しにするつもりなのだろう。
「……はは。上等だよ………その面、頭の中に焼き付けて……死んだとしても………いずれお前を呪い殺してやる…」
覚悟を決めてヤツを睨みつけながら、その瞬間をじっと見つめた。
──次の瞬間、何十発もの銃撃音がした。
そして、ヤツの体から無数の血が飛び散り、その体をよろめかせて後退した。
「オコ!!大丈夫か!?心配になって追っかけて来たんだけど、何この化け物は!?」
振り返ると銃を構えたミレアとおぐりんがいた。
ミレアはこの現状を見て珍しく声を荒らげている。一方でおぐりんは顔を真っ青にしてこちらへ駆け寄ってきた。
「いや………オコ様……その腕………」
無くなった俺の左腕を見て手当しようとしているが、かなり動揺しているのか涙目になりながら震えている。
「あはは〜……、ごめん。ドジっちゃった」
安心させようとして無理やり笑顔を作るが、逆効果だったようでポロポロと涙を流し始めた。
「もう!だから何度も無茶しないでくださいって言ったじゃないですか!!こんなになるまで無理して………体もボロボロになって………腕だって………こんな………」
「あんこ!オコ!お話しするのはいいけどまずはアイツを何とかしてからだぞ!!」
ミレアに言われてヤツの方へ目を向けると、傷口を異常な速度で再生しながらゆっくりとこちらへ歩いてくるヤツの姿を確認した。
「りょーかい。…ごめん、おぐりん。お説教はあとで聞くからさ。止血と手当お願い。包帯グルグル巻きでいいから」
「グスッ………わかりました。でも、ほんとにあとでお説教ですからね!」
ミレアに足止めしてもらってる間に、傷口に大量のガーゼを当てて包帯を巻いてもらった。
この2人が来てくれたんだ。1人だったら諦めてたけど、今は1人じゃない!
「俄然やる気出てきた!!」
左腕が無くなった?まだ右腕が残ってるじゃないか。
まだ立ち上がれる
まだ武器を握れる
大事な仲間がいる
俺は1人じゃない
──だったら最後の最後まで足掻いてみようじゃねえか。
「そんじゃ、まぁ─」
ミレアはスナイパーライフルを、おぐりんは二丁のサブマシンガンを、俺は持っていたナタを握りなおしてヤツへ刃先をヤツへ向けた。
「スリーマンセルで第2ラウンドだ!」
──もう何も怖くない(フラグ)