ストックあるので載せていきます。
頑張って書きます。
「すごーい!みてみて!なんか建物があるよ!」
フォッシル・ルーの出口からでも見えるコンデヤ・パタの建物を指さして言えば、皆が行ってみようと歩き出す。
この大陸のモンスターは見たことのないものばかりだったが、サボテンダーが出てきて私は大興奮。
サボテンダーってFFの代表的なマスコットだよね。
「何が可愛いんだよとんでもないモンスターじゃないか!!」
飛んでくる針の嵐に皆が逃げ惑い、私は逃げつつもサボテンダーを愛でる。
触ると刺さりそうだから近くでカワイイカワイイと言って回ったら、流石のサボテンダーもドン引きだったみたいで逃げてしまった。
サボテンダーも逃げるほど引くってどういうことよ……
「……ヴィエラって変わってるわよね」
「変なものを見る目で私を見つめないでダガーさん!!」
ダガーにも呆れられながらもコンデヤ・パタに辿り着き、クイナさんは食べ物を求めて中へと突進してしまった。
もしダンジョンだったら罠にはまってるぞ。
「ったく、クイナは食べ物の事しか頭にねぇんだから」
ジタンがしかたねぇなと溜め息を吐けば、ダガーに「ジタンは女の子のことばかり考えてるけどね」と言われてしまう。
ダガーもクイナさんの後に続いてコンデヤ・パタに入っていき、ジタンはまたも溜め息を吐いた。
「本日も進展無し、と」
トボトボと歩いて行くその背中についていけば、ドワーフ族が入り口で「ラリホッ」と挨拶をしてきた。
この里ではラリホッと挨拶するのが習わしなので、しない人は歓迎してくれません。元気よく歯切れ良くラリホッと言うのがコツ。
皆も動揺しながらも挨拶を返していて、私も素直に元気よく「ラリホッ」と答えて進んでいく。
コンデヤ・パタはまるで古代の遺跡のような見た目で、暖かな陽を感じられた。
こんなとこでお昼寝したら気持ちよさそう。
中を探索していると、クイナさんの「濡れ衣アルよー!」という叫びを聞き、行ってみるとお店があった。
そこには新鮮な山の幸がずらりと並んでいて、クイナさんが勝手に食べようとして泥棒に間違えられたのだろうと悟る。
まぁ、勝手に食べたらどろぼうよね。
「ラリホッ!何か良い食材ありませんか」
「ラリホッ!見かけない客人がまた来るなんて珍しいド。今日はこの爆弾カボチャがオススメド!」
「それじゃ、その爆弾カボチャと……この辺の食材もくださいな」
私もここの山の幸を楽しみたいのでたくさん買い物しました。
お金には困ってないのでたくさん買って、あとは調理器具も必要なのでそれもそろえる。これで長旅も大丈夫だろう。
食材もあるし、一流のシェフもいる。最高だな。
るんるん気分で歩き回っているとビビと合流。
我々はクジャの情報を得ようとここまで来たのだが、特に何も情報はない。だが、ビビには何か違和感を感じたようだ。
「ここの人たちはボクに会った事があるように話しかけてくるんだ……どういうことなんだろう」
ビビが私にそう零したら、後ろから来たドワーフ族のオジサンが、この前の木の実がどうだこうだと話しかけてきて、ビビは首をかしげた。
知り合いがいるはず無いのに、なんでこうやって話しかけられるのか分からなかった。
「うーん、だれかとまちがえてるんじゃない?」
「ボクを誰かと間違える?」
「聞いてみた方が良いよ、ラリホッ!おじさん、あのさー」
と、話しかけようとしたらそのオジサンの背後からオバサンが現れて夫婦喧嘩を始めてしまった。
オバサンはほっつき歩いてねぇデとっとと働け!とオジサンを仕事場へと戻らせてしまった。
「おんやま!まんずめんこい客人がおったなんてな!今日はお使いド?」
オジサンから情報は得られなかったが、オバサンなら知っていそうだ。
「あの、ボクの他に訪ねてくる人が居るんですか?」
ビビの質問に、オバサンはうんと頷く。
ビビは答えを聞いたけど訳が分からなくて帽子をぎゅっと握った。
「ほれ、あそこに居るド?クロマ族」
オバサンの指さしたそこには、お店で物を交換している黒魔道士が居た。
そこにジタンが鉢合わせ、それに驚いた黒魔道士は凄い早さで里から逃げていく。
「まってよ!!」
ビビが追いかけるが、あまりの早さに追いつけなかった。
黒魔道士が居た以上、調べなければならない。
コンデヤ・パタの人たちにクロマ族という人たちのことを聞き、近くの深い深い森の奥に住んでいるという情報を得た。
「黒魔道士が、なんでこの地に」
ジタンがうーんと悩み、私は知っているし、逃がした張本人だ。だからまぁ、行こうと里を出る。
「会ってみれば分かるよ……あ、よかった、クイナさん来てくれた。おーい、クイナさーん、出かけるよー」
「ま、待つアルよー」
クイナさんも何とか合流し、我々は黒魔道士達の住む村へと進んでいく。
だが、段々日も傾き、そろそろ夕方に入ってしまう。
そのまま森で一夜を過ごすのは危険なので、荒野でも高台に今日は根城を作ることにした。
「コンデヤ・パタで一泊って言うのも手だけど、この深い森……迷っちまいそうだから朝から入りたい。その方が安全だと思う。コンデヤ・パタからだと時間がかかっちまうからな」
ジタンの提案で、今日はここにキャンプなのです。
早速買ってきた調理器具が登場!
「じゃじゃーん!今日は美味しいご飯が食べられるよー!クイナさーん!お手伝いー!」
「任せるアル!」
買ってきた食材を全部出して、クイナさんにまだ何日か歩くかもしれないんで、半分だけ使って。と頼んだら、その分の調理をやってくれた。
半分でも多いとのことでいくつかは少なく使われ、材料は枯渇することはなかった。
「これだけたくさんの材料がそろっていると料理のし甲斐がアルよ!どれもこれもうまそうアル!!」
そう言うとおり、本当に良い香りが漂ってくる。
食材は野菜の他にもフクロウや木の実があったので、それも買わせてもらった。
肉も彩りもある炒め物と煮物とスープができあがり、月明かりの下、焚き火を囲んで皆でご飯を食べる。
ホント、クイナさんが居てくれて助かった。めちゃくちゃうまい。
「爆弾カボチャの煮っ転がし美味いわぁ……スープもタマネギみたいなのとほうれん草っぽい草のスープでうまぁ……炒め物も鳥肉うまぁ……」
かんぺきよ、さいこうよ……
「クイナさん、味の方はいかほどで……」
「美味いアル!!この食材達は食べたことないものばかりだったアルが、少し食べれば特性が分かるアル。全て適した料理が出来たはずアル!カエルも美味いアルが、この山の幸も美味いアル!」
クイナも満足そうにペロリと食事を平らげ、近くにある湧き水を汲んで食器をビビと洗った。
「美味しかったねビビ」
「うん、お腹いっぱいだぁ」
二人でニコッと微笑んでご飯の余韻を楽しみ、洗った食器などを拭いてから鞄に押し込める。
明日もまたご飯作ってもらわないとな、と。テントに入って目を閉じた。
朝になり、昨夜の残りと食材で朝飯を用意。
食べ終わって、ようやく深い森の入り口に立った。
「枯れてる森だね……この大陸は基本水不足な気がする」
「とりあえず気をつけて進もう」
森を進み、モンスターとも出食わずが、たいした相手ではない。
私無しでもみんなで戦って進めている。私は温かい目で見守っていた。
だけど進んでも進んでも同じ場所に戻されているような感じがした。
「……この看板、さっきも見たよな?」
ジタンが首をかしげ、私も「見たねぇ」と頷く。
「うーん、何かしらの魔法で偽装しているのかもしれないね。まぁ、進もう」
私は気にしないで適当に歩き、すると遠くに黒魔道士を発見することが出来た。
あとに着いていけば、黒魔道士は枯れ果てている森にかけた偽装を解いて、緑の茂る青々とした森の姿を見せる。
黒魔道士が入っていくのを遅れないように追いかけ、私たちは黒魔道士の村に侵入することに成功するのであった。
外は枯れ果てていた森だったが、ここでは川のせせらぎと小鳥のさえずり……緑豊かな風景の中に魔道士達の顔のような建物が連なっていて、おとぎ話のテーマパークのような雰囲気がした。
かわいいんだけど。
ぼんやりとその風景を眺めていたら、黒魔道士達が私たちのことに気が付いて、目が合った瞬間に飛び上がって逃げ出してしまう。
「人間だー!!」
「人間が来たぞー!!」
外を散歩していたであろう黒魔道士も近くの家に飛び込んでしまって、森は静まりかえる。
ビビは動いている黒魔道士達に驚くと同時に同じような仲間が居たと言うことで喜んでいて、話をしたいから彼らの後を追いかけて行ってしまった。
ダガーは何故こんな枯れた森に村が?と疑問に思っていたけど、そのままビビの後を追って村の中へと向かった。
「うーん、別に黒魔道士達は敵意は無いと思うし、各自情報集でいいかな」
私がそう言って離れて、家の窓から顔を除いてみる。
黒魔道士は私と目が合ったら数センチ飛び上がって物陰に隠れてしまった。
うーん、ここは話し合い出来そうにない。
適当に歩き回りながら、沢に作られた家に入ってみる。
構造的に、ドアには鍵をかけるところはなかった。
「ヒッ!人間……!!」
「……あれ、その耳……」
ここは宿屋のようで、隣の部屋にはベッドが見える。
中に居た二人の黒魔道士は怯えつつも、一人が私を見て何か気が付いたようだった。
「あなたは……ギザマルークの洞窟で助けてくれた……!?」
「あ、キミはギザマルークの洞窟からの子か!道中で他の仲間に会えたの?」
どうやらこの子は私が初めて助けた子だった。
ギザマルークの洞窟以降、ブルメシアやクレイラでは誰も助けてあげられなかったから、この村で顔見知りなのはおそらくリンドブルムで助けた子達くらいだろう。
「はい、あなたから逃げるように言われて、海沿いを走っていたら、他の仲間も数人出会って……それからリンドブルム側であなたがたくさんの仲間を引き連れてくれてから船でここまで逃げてこられました……すべてあなたのお陰です」
深々と頭を下げる黒魔道士と、それを見ていた隣の子も一緒に頭を下げた。
私は嬉しくて二人まとめてギュッと抱きしめ、無事で良かったと言って離れた。
「私、仲間と一緒に来たから、私の仲間を見て皆びっくりしたみたい。誤解を解きに行ってくるね」
「ああ、私もいきます。恩人が来たのです、皆に知らせなければ」
そう言うと二人は宿を出て行って、私はのんびり後を追った。
すると恩人が来たと声をかけられたせいか、隠れていた黒魔道士達がどんどん集まってきて、「恩人!」「ウサギさん!」何て声が多数聞こえる。
騒ぎになっているからジタンもダガーもやってきてしまった。
「えっ、ヴィエラ、どうしたんだ!?」
「ごめんちょっと実は顔見知りがいっぱいで……」
「顔見知りがいっぱいって……お前黒魔道士達がこうやって動いていることを知ってたのか!?」
まぁそうなりますよね。
ジタン達が来たので黒魔道士達は私から彼らに視線を移し、じぃっと見つめて居る。
視線に圧倒されてジタン達が少し引き気味になっているけど、私の仲間だからって言えば黒魔道士達は視線を私の方に戻した。
「恩人が来たんだから歓迎しないと」
「でも、歓迎ってどうやるんだろう」
「コンデヤ・パタの人たちみたいに、お祝いってのをやれば良いんじゃないか?」
「なにするの?」
「お祝いってお花を摘んだり料理を並べたりするよね」
黒魔道士達は歓迎会をしないととばらけていく。
私はジタン達に事の経緯を軽く説明することにした。
「実は、カーゴシップの時に動いている黒魔道士達を見てから、もしかしたらビビみたいに動く子も居るんじゃないかって気をつけていたんだ。まぁ、攻撃されたら私もバンバン殺してたんだけど……最初はギザマルークの洞窟で一人動いている子を見つけてとにかく遠くに逃げるように言って、次はリンドブルムの城が攻められた時に、動いている子を探したらたくさん居たの。その子達を集めて、霧の大陸から逃げるように言って別れたんだけど、まさかこんな村を作っているとは思わなかったよ」
「でもよ、何で今まで自我を持った黒魔道士達のことを隠してたんだ?」
「彼らには静かに暮らして欲しかったし、自我があるかもしれないなんてビビの耳に入ったら……まともに戦えなくなるだろうって判断したんだ。ビビは優しいから、自分の手で目覚める前の子を殺したかもしれないなんて思わせたくなかったんだ。この村の子も、私の逃がした黒魔道士達だとは思ってなかったし、もしかしたら他にも見えないトコで暮らしているかもしれない」
私がそう説明すると二人はうんと頷いた。
「ビビには……確かに話辛かっただろうな」
「それに、私も逃がすので手一杯だったから、ビビに紹介してる暇なんて無かったし、「いたよ」って変な期待を持たせたくなかったからさ」
「そうだよな、あの戦いのさなかじゃ……そういえばダガー、ビビは見なかったか?」
「いえ、見てないわ」
「うーん、んじゃぁもっと奥の方に入っちゃってるのかもね。まぁ、同じ魔道士達だから話が弾んでいるのかな…………あれれ、ビビだ」
遠くの方で駆け足のビビが横切った。
おそらくお墓のことを聞いたのかもしれない。
私も後でお墓参りに行くとしよう。
「ねぇ恩人!歓迎会ってどうすればいいのかな!」
元気な黒魔道士が質問してきて、私が持っている材料と、魔道士達各自で木の実やフクロウ肉、キノコを採ってきてもらうことにして、料理長は我らがクイナさんに任せようと、クイナさんを探す。
ついでに黒魔道士達にカエルも生きたまま集めるように言っておいた。
「ごめん。ジタン達は適当にくつろいでて!」
「お、おう」
探して数分、クイナさんはチョコボの小屋でチョコボの卵を狙っていて、黒魔道士二人に「来るなー!」「あっちいけー!」と怒鳴られている。
「チョコボの卵は珍味アル……」
「あーお忙しいところスイマセン、クイナさん。黒魔道士達が歓迎会を開きたいんだけど、誰も料理が出来ないそうで、材料を取ってくるから料理をして欲しいんですけど。カエルも集めてくるって言ってたよ」
カエルの単語でクイナさんは目を輝かせ、この大陸のカエルの味を想像してよだれが出ていた。
よし、これでチョコボの卵から意識がそれた。
「料理長、どうか我々に料理を作ってください」
「分かったアル。この周辺でキノコも木の実も豊富なのは見たアルから、美味しい料理ができそうアル」
クイナさんを連れて、村の広場のようなトコに来て、私の持っている材料を並べる。
爆弾カボチャの残りとその他野菜、いつもの調味料……
すると調達をして戻ってきた黒魔道士達が、カゴいっぱいに食材になりそうな物を集めてくれたようだ。
魚や鳥、獣肉、木の実、キノコ、葉っぱ、そして大量のカエル。
カエルの量にヒエって思わず声が出てしまった。
目視20匹くらい居る。ひい。
「カエルアル!!いっぱいアル!!!」
「クイナさん、カエルは全て差し上げますので料理をお願いします」
私はもう一度深々と頭を下げてクイナさんに任せたら、クイナさんは何匹か食べてから「たくさん料理を作るアル!!」と燃えていた。
集められた材料は、クイナさんの手で食べられるものとそうじゃないものに分けられ、その広場で料理道具を広げて火を焚き、歓迎会の事を勉強するために黒魔道士達は集まってクイナさんの料理姿を眺めている。
私は数人に声をかけてテーブルを用意するように伝えれば、家を作った端材などでテーブルがたくさん作られていく。
広場に並べ、様々な料理ができあがり、たくさんのお皿に盛られてテーブルに並べられて、所々に花瓶も添えられてとても華やかだ。
流石にテーブルクロスは布が足りなかったのでなかったが、これで十分だった。
準備しているうちに日も落ちて、ロウソクに火が灯される。
魔道士達は見たことのない彩り豊かな料理達を見て目が輝いていた。
「いっぱい作ったアル。この村に何人居るのか分からないアルが、きっと余るくらい作ったアル」
そう言いつつパクパクとカエルを食べるクイナさん。
クイナさんはカエルを箸休めに料理を堪能するのであろう。
「余ったらまた明日食べようね。私他の皆も呼んでくるね」
黒魔道士達を連れて「歓迎会」と言うのをやるぞと声をかけて回り、ジタン達にも会えたので、中央広場で歓迎会だよと伝えた。
「はやくはやく!料理冷めちゃうよ!」
私は小走りで広場に戻り、何が起こっているのか分かっていない黒魔道士達も誘導してテーブルに着かせた。
やはりいっぱい作りすぎたみたいで、料理の量が人数に合ってないようだけど、足りなくなるよりずっといいだろう。
「恩人、歓迎会とは」
「えっと、ホントは外からやってきた私たちが中心に用意するのは違うんだけど、皆に知って欲しいから、今回は私たちがやらせてもらうね」
木箱を積み上げて目立つ様にそこに立つ、手にはお茶の入っている木のコップだ。
「えー皆々様、お集まりいただけたでしょうか」
私はマイクはないので少し大きめの声量で皆に話し始めた。
「本日、我々が急に村に踏み込んでしまって、一時的といえど騒がせてしまったことをお詫び申し上げます。ですが、私が逃がした皆さんとまた会えたことは本当に嬉しく思っております。歓迎会は本来、この村の住人である黒魔道士達がよそから来た我々に行う、僕らの村に来てくれてありがとう!という喜びを伝えるためのものです。今回は初めてのことで、食材を用意したり、テーブルをつくったり、花で飾り付けをしたり、たくさんのことを覚えましたね。これから先、同じような黒魔道士がまた来てくれるかもしれない。その時は、今日のようなお祝いをしてあげて欲しい」
そう言うと、黒魔道士達はうんうんと頷き、ジタンはパチパチと手を叩いてくれた。
「手を叩く、それは「すばらしい」や「すごい」と言うのを身体で示す行為です。皆様、一度拍手をお願いします」
私の言葉の後、少し静寂が訪れたが、小さくパチパチと手を叩く音が聞こえ、それから皆も同じように拍手をくれて嬉しくてにっこり笑ってしまった。
それから拍手を止ませようと手を上げれば、自然に音は止まり、私は言葉を続ける。
「我々は同じような悲劇を起こさないよう、ブラネ女王の陰謀を阻止するためにこの大陸までやってきました。悪いやつは私たちが必ずやっつける!」
そして大量の拍手。
なんか演説みたいになっちゃったよ、やだん。
「では、ここで我々の出会いに感謝を込めて、乾杯!……あ、乾杯って言うのは……各自好きな飲み物をまず飲んでから、お祝いを始めてご飯を食べよう!ってことね」
細かいことは知らないから、もう見た目だけ意味が伝われば良いと思う。
お酒無いだろうし。
「そうそう、乾杯!って言ったら皆目の前の食事を食べて盛り上がれば良いのさ」
ジタンがそう言って、お茶を一気飲みしてから、ハーブ焼きの魚にかじりつく。
うめー!とジタンが言えば、他の黒魔道士達も同じく各々何か飲んでから食事に手を付け、始めて食べた美味しい料理に目を輝かせていた。
「キノコと葉っぱでこんな美味しい物が出来るの!?」
「この鳥も木の実と一緒に煮込んだらこんなに味が変わるんだ!」
「この野菜焼きおいしい!」
皆喜んで食べていて、ジタン達もニコニコしながら食べている。
ビビは最初うつむいていたけど、少しずつ食べ始めたトコで、他の黒魔道士達と何か話している。
打ち解けているみたいでよかった。
私も箱から降りて料理を食べてみれば、クイナさんの料理はやはり最高だ。めちゃくちゃうまい!!
「恩人、次この村を来たときは、同じように色々用意するよ」
「あはは、ありがとう。もしかしたらコンデヤ・パタの人も来るかもしれないから、敵意のない人だったら歓迎してあげてね」
敵意のない人……こうわざわざ言うってのは、後にクジャがこの村にやってきて魔道士達を連れて行ってしまうからである。
だから、訪れた人全員歓迎するな、と、遠回しで言ったのだ。
恐らくその意味は伝わっていないだろうけども、まぁへたに警戒されても困るからそれでいいのかもしれない。
それから歓迎会は続き、夜も更けていく。
ようやく皆おなかいっぱいになった頃に解散となり、料理はいくらか残ったが明日食べようと言うことで器に入れて皿で蓋をする。
これで虫は入らないだろう。
宿屋のベッドは二個しかなかったので、ジタンとダガーに譲って私は黒魔道士達と一緒に広場でテントを広げてパジャマパーティ的なアレになってめちゃくちゃ楽しんでる。
クイナさんはお腹いっぱいでもう眠ってしまって、ビビは他の黒魔道士達と話があるからとこちらには混ざらなかった。
このテントに居る子達は寿命のことを知らない子達が多いみたいで、精神年齢も低く感じる。
私は子供とお喋りする様に、色んな事を聞かれて、それを説明しているうちに眠ってしまったのであった。
目が覚めたら黒魔道士達は眠っていて、時計を見たら朝の4時。
外は薄暗く、でも朝日が昇る方角の空が明るくなっていた。
起こさないようにテントから出て、お墓にやってくれば、そこにはずっと立っていたのか黒魔道士が一人居た。
「君は眠らないの?」
声をかければ、眠くなれば、眠ると答えた。
「恩人は、私を覚えているか?」
どうやらこの子も助けた子だったみたい。
「助けた数が多くてちょっと分からないかも」
正直に言えば、そうだろうなと言われた。
この黒魔道士は何処で出会ったかは口にはしなかったが、288号と番号を教えてくれた。
「恩人が逃がしてくれた後、何人かが止まってしまった」
「……お墓なのね」
かかしの様に立てられているそれらを見て、私は目を細めた。
これから先、彼らは次々止まっていくだろう。
「恩人は何処まで知っている」
「ダリの村で作られている時、卵の頃から見たかな」
「我々の寿命のことは」
「私は作った人じゃないから流石にそこまでは分からない」
そしたら288号は黙ってしまう。
私は気休めになるかは分からないけど、ちょっと話してみようかなと口を開いた。
「生き物ってさ、それぞれ寿命が違うって知ってる?環境にもよるし、猫や犬は15年くらい、人間は平均的に70くらいかな。でも昨日料理してくれたクイナさんはク族っていう種族だけど、100年以上生きるらしい。この世界に居るかは知らないけど、エルフなんて1000年超えるとかいうし……人間の基準で見れば犬や猫だって短いって言われるのかもしれないけど、エルフからしたら人間は短命って言われるよ」
「……恩人は我々の寿命の事を知っているんだな」
「いや、寿命の事は?って聞かれたら恐らく短命なのかなって察するよね。お墓あるし」
「…………」
288号は黙ってしまい、この沈黙が辛くて私が口を開く。
「逆にさ、死ねないってなったらどうする?」
「……死ねない」
「自分の大切な友達や大事にしていた動物、彼らがどんどん先に死んでいく。自分だけ死ななくて、知っている人は自分より先に死んでいく」
「……いやだ」
「長寿だからイイってものでもないってこと。それに、病気とかしたら寿命があっても死ぬんだからあんまり関係ないかもね」
「ボクは人を殺した」
「なら命の大切さを理解できるかな」
「…………」
288号はまた黙ってしまう。
生きることに、正しい答えって難しい物だ。
人によって意見が違うからどうしても答えは一つに絞れない。
「今を大切に生きる、ってのが一番良いことだと思うけどね。もしかしたら私も明日モンスターに食べられちゃうかもしれないし、そんなことをずっと考えながら生きるのは辛いかな」
「……それは、ボクも思う。今を皆と一緒に過ごせるのが凄くたのしいんだ」
その言葉を聞いて安心した私は288号の背中をポンと叩き、ちゃんと寝てね、とお墓を後にした。
テントに戻ればまだ黒魔道士達が寝ていて、恐らく昨日びっくりしたりはしゃいだり、色んな出来事があったから疲れてるのかもしれない。
まだ朝も早いので、私ももう一眠りすることにして、自分が寝ていた場所に戻るのであった。
「おーい、ヴィエラ。出発するぞ!」
めっちゃ寝たみたいでジタンに起こされました。
どうやらこの大陸の北西辺りで銀色の竜を見たらしいと情報が入った。
クジャの後を追うためにコンデヤ・パタの聖地という場所に向かわないとならない様だと言うことで、コンデヤ・パタに戻る支度をする。
ビビはようやく仲間が出来たから、来ないかもしれないとジタンが言った瞬間ビビが置いていかないでと走ってきた。
「村の皆に頼まれたんだ!村の外をたくさん見てきて、それを教えて欲しいって!」
「そうだね、ビビが皆の代わりに冒険して、それを教えてあげよう!次来たときはフォッシル・ルーで戦車に追われた話とかイイかもね!」
そう笑えば、嬉しそうにビビは帽子の鍔を握ってえへへと笑った。
昨日の残った料理をキレイに食べきり、我々はコンデヤ・パタへと戻るのであった。