私のいつか帰るところ   作:にくはるまき

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執筆状況 テラ編、独りじゃないまでが終わりました。
次はガーランド~テラ終焉です。

そう考えると話数はあまり多くなくなってきたかなって思います。

そんなことよりサラマンダーさんとイチャイチャしたいです(本音)





グルグ火山

 

 

 

グルグストーンを無事手に入れられた我々は急ぎ足でヒルダガルデ1号へと戻る。

外はすっかり夜になってしまっていて、デザードエンプレスに着くのは朝になるだろう。

 

「ちゃんと手に入れたでごじゃるか!?」

「ちがうものを手に入れてないでおじゃるか!?」

 

ソーンとゾーンがそう言うのでジタンがグルグストーンを見せれば、認められたようでようやく船に乗り込んだ。

 

結構歩いたから疲れたわあ。

のんびりと船室で過ごしていれば、いつの間にか寝てしまったのかフライヤさんに起こされる。

 

「ヴィエラ、着いたぞ」

 

「んぇ、ごめん普通に寝てたわ」

 

「休息も必要なことじゃ」

 

ハンカチで顔を拭いてジタン達と合流し、そして船を下りてクジャの部屋へと進んでいく。

ワープできる魔方陣の上に乗れば、知らない場所に出たのであたりを見渡した。

 

「なんだここ、見たことない場所だ……どこだ?」

 

ジタンが首をかしげると同時にクジャの声が響き渡る。

 

「よく戻ってきたね、その階段を上った先の部屋にボクはいるよ。ただし、ここからはキミ一人で来るんだジタン。待っているよ」

 

そう言って声は聞こえなくなり、罠だと知っていても従わざるを得なかったジタンは、一人で進んでいった。

私達はそのまま待っていたが、しばらくしたら別の魔方陣からダガーやエーコ達が走ってきて、ジタンは!?と、エーコが声を荒げた。

 

「あぁ、ジタンならこの先の部屋でクジャとおしゃべりしてるよ?」

 

「絶対楽しくないおしゃべりでしょうね!!……じゃなくて!ジタンを止めないと!!」

 

そう言うのでみんなでジタンを止めようと追いかけていけば、ジタンはまだグルグストーンを渡す前だったのか、ビビの待っての声で止めることができた。

だけど、背後で扉が不自然に閉まったのが気になるところ。

 

「ねぇ、エーコおいてきてない?」

 

部屋の中にエーコがいません。

私がそう言って扉をたたくが開きそうにない。どういうシステム?自動ドア?

 

「ククク、これはちょっと計算外だね。そう、その中にいるのは偽者さ」

 

どうやらみんなの偽者を使ってジタンを脅していたようだけど、ご本人様登場によりその計画は失敗したのだろう。

だけどそれでも悔しくもなんともないのかクスクスと笑みを浮かべていてみんなが怒りを感じていることだろうな。

 

「だけどこれで勝負が決まったわけではないよ」

 

クジャがそう言うと、我々の後ろの扉が開き、ソーンとゾーンに捕まったエーコがそこにいた。

シド大公が取り戻そうと飛びかかるが、ただのデカいカエルなので何もできず踏まれて終わってしまう。

 

「なにすんのよー!離しなさいよー!!」

 

「うるさいでおじゃる!」

「ねむるでおじゃる!!」

 

暴れているエーコにスリプルをかけたのか、エーコは眠ってしまう。

再び人質が敵の手に渡ったので我々は動けずにいたが、クジャは魔法でジタンの持っていたグルグストーンを奪ってしまったのだった。

 

「残った余計な奴らを殺してグルグストーンを奪ったら、君たちも処分するつもりだったが……とりあえず彼女とこれだけはいただく!」

 

そう言って背後の魔方陣に乗ってクジャは消えていき、ソーンとゾーンも魔方陣で消えていった。

 

「ちくしょう!!なんでうごかないんだよ!」

 

ジタンが魔方陣の上に乗っても反応はされず、仕方なく自分たちが来た道を引き返すことになった。

 

「ヒルダガルデ1号で逃げる気じゃ!!」

 

フライヤさんの言葉を耳に入れながら走るが、もうヒルダガルデ1号は飛び去ってしまった後だった。

 

「ブルーナルシスで後を追うケロ!まだ追いつける距離ケロ!!」

 

シド大公はブルーナルシスの速度の方が勝っているといっていて、みんなで急いで船に乗り込み、望遠鏡で遠くへ飛んでいくヒルダガルデ1号を捉える。

 

「この方角だと……多分雪と氷で覆われた閉ざされた大陸に向かってるのかもしれないね。ダガーと空のお散歩してたときにその方角に建物あったし」

 

ね?ってダガーに言えば、地図の方向と私と散歩したときの記憶を重ねられたみたいでコクンと頷く。

上から見た輝く島のリアルな表現は本当に美しかったなぁ。

 

「……そういえばヴィエラもそうじゃが、あのお嬢ちゃんも召喚獣を使うケロ?」

 

「ああ、使えるけど」

 

ジタンはシド大公の問いに答えてからはっとしたようで表情が硬くなった。

 

「今ジタンが考えていることは間違いなく当たりだね。クジャは力を欲している……ダガーの召喚獣を抜き取り、残る召喚術士はエーコのみ。つまりエーコの中にいる召喚獣を欲しているということ」

 

「あのやろう、ゆるせねぇ!!」

 

そして追いかけていくとブルーナルシスはやはり閉ざされた大陸に行き着いた。

 

「この先にエスト・ガザって場所があるから、そこに向かったんだと思う。そこは何かを信仰しているらしいんだけど、私もよく知らない」

 

というかこんな寒い大陸に他に街を見たことないんだけど、人はどこからやってきているのか。そしてどうやって物資を得ているのか……まぁいい。

 

雪の中を進んでいくと、私は最初の氷の洞窟のことを思い出してクスリと笑った。

 

「こうやって雪の中を進むって、なんだかもう懐かしく感じちゃうね」

 

「氷の洞窟も大変だったよな」

 

「寒くて凍えちゃうかと思ったもんね」

 

ちょっと過去を振り返っているうちにエスト・ガザにたどり着いた。

街の人たちにエーコやクジャ、黒魔道士のことを聞いていけば、グルグ火山という場所へと入っていったという。

今は誰も住んでいない閉ざされた場所らしいが、一体そこに何があるのだろうね(知ってるけども)

 

「早く助けに行こう!」

 

そうしてグルグ火山の中に入れば、朽ちた家が残されていて、とても不気味である。

 

「結構広いな……どこにいるんだろう」

 

「多分下だと思う、上は何もなさそうだし」

 

見上げてみれば。ただの岩の天井が広がっているだけ。

そしてその壁には崩れた家々が並んでいて、いつ崩れるかわからないからそこに入っていくのは怖いでしょう。

……と、言っても私達の周りにある廃墟も入るのが正直嫌ですね。

 

「とりあえず進むか……」

 

崩れないように気をつけながら進んでいけば、何か大きなモノが上空を飛んでいったのか、羽ばたきと影が我々を通り過ぎていく。

確か赤竜だったか、なんかドラゴンが住み着いているんだよね。

 

「気をつけながら進もう」

 

廃墟を進んでいくと、井戸のようなものがあるが、そこから垂れ下がるロープを使えば下のフロアへ移動ができそうだ。

最初にジタンが降りてみて、そこから他のみんなも下へと移動できた。

足下も崩れそうだけど、結構丈夫なのかみんなが乗っていても軋む音すらしない。

それは正直ありがたいことだよね。

 

「ったく、どこもかしこもボロすぎて崩れそうだぜ……」

 

刹那、横の建物の屋根に大きな竜が降り立ち、こちらへ向かって雄叫びを上げた。

恐らく縄張りに入られたからだろう。

 

「くるぞ!」

 

ジタンがナイフを構え、みんなも戦闘態勢をとったその時、竜は屋根から飛び立ちこちらへと飛んでくる。

 

「竜騎士の前に現れるとは、運が悪かったのう」

 

迫り来る竜に槍をお見舞いし、竜の紋章を唱えて返り討ちにした。

赤竜はかなりのダメージを負ったのか、後ろへ吹き飛ばされてひっくりかっえったままジタバタともがいている。

 

「ドラゴンキラー恐ろしいねぇ!フライヤさんたのもしー!」

 

後ろでパチパチと拍手をしていると、音を聞いた他の赤竜達も集まって、この場はなんだかお祭り騒ぎになってしまう。

ビビも至近距離だから魔法が打てないし、ダガーも召喚獣を出せず回復に専念している。

飛んでいる敵だからジャンプして飛びかかって攻撃しなきゃいけないから、ジタンとサラマンダーさんが苦戦しながらも飛びついてしがみつき、攻撃している。

クイナさんは先ほど吹き飛ばした竜が食べられそうだからと言って、生きたままもぐもぐ食べ始めるグロ映像が始まった。

確かにデザートエンプレスで捕まっていたときとか何も食べてなかったからおなかすいていたんだろうなぁ。

さすがにドラゴンをそのまま食べているクイナさんにフライヤさんも引いてしまって、見なかったことにして戦っているみんなの元に戻っていく。

私も苦笑いしながらみんなのとこに戻り、スタイナーさんは魔法剣で戦って魔法の範囲を狭くしてくれているから被害がない。

みんな連携とれていいねぇ。

私はニコニコとその様子を観察している。

どんどん倒されて三体ほど地面に転がって、残りはボロボロの二体だけになった。

 

「よし、もうちょっとだ!」

 

その時その二体の赤竜は同時にツイスターを放ち、この辺の建物や足場が風圧で吹き飛ばされて崩れてしまう。

足場の無くなった我々は火山のそこまで真っ逆さまに落っこちていってしまうことに。

ちなみにクイナさんは離れたとこでお食事していたので上に残ってしまったのである。

 

「ジタンはダガーを!サラマンダーさん一緒にビビとスタイナーさんを救助!!!」

 

落下しながら指示を出して、近くにいるビビを捕まえて肩車し、そしてスタイナーさんをサラマンダーさんと一緒に捕まえて、スタイナーさんの向きを地面と真正面になるようにした。

 

「サラマンダーさん!スタイナーさん!着地はやばいから地面に向かってなんか技放って落ちる速度緩めて!!」

 

さすがのこの高さからの落下はやばい。

ジョブチェンジもまだ時間がかかるので無理。私も落下ダメージを抑えたいので技を放って衝撃を和らげようと剣を構えた。

 

「ホーリーブレード!!」

 

地面まで10mというくらいのとこで技をぶっ放したら、その衝撃で落下の速度がかなり遅くなり、そのまま着地に成功。

 

スタイナーさんとサラマンダーさんも技を放って着地に成功していてなんとかなったようだ。

 

フライヤさんはこれくらいの高所は問題なかったようで普通にスタッと着地していたので、ネズミ族すげーなあと思いながらビビを地面に下ろしたのだった。

 

そしてジタンだが、ダガーを小脇に抱えて先ほどの衝撃で上から垂れていたロープにつかまり、少し上の方でゆらゆらと揺れている。

あれくらいなら飛び降りられそうだろう。

 

「よっと……。ちょっと今回のは危なかったな。運良くロープがあって助かったぜ」

 

抱えられていたダガーもほっと胸をなで下ろしている。

 

「安心するのはまだ早いね!あの赤竜達追ってきてる!」

 

最後のボロボロの二体は急降下していて、私はビビに魔法を放つよう頼む。

 

「返り討ちじゃぃ!ビビ、ファイガ!!」

 

さっき魔法剣やってるときに”ガ”系の魔法を使っていたからもう使えるんだなぁって思ってファイガをお願いしたら、ぼかんとどでかい爆発が起きて赤竜達はぼとりと地に落ちたのだった。

 

「一応確認で……首切っとこう」

 

残酷だけど確実に殺しとかないと面倒だったりするから、赤竜達の息の根を完全に止めておいた。

まぁ、何はともあれ火山の底までやってこれたのだからよしとしよう。

 

「なんかそっちに道が続いているみたいだねぇ、いってみよー」

 

私は奥の道らしき穴を指さし、そしてみんなで進んでいく。

すると大きな空間に出て、穴の出口は中腹当たりだったのでまたも下へ向かわなければならないようであった。

下では何かの儀式をしているのか、ソーンとゾーンがエーコの周りを回っていたのだ。

その様子をみたダガーは顔を青くし、恐ろしさに後ずさりをしている。

本人はその時眠っていたけど、これが自分の召喚獣を抜き取った儀式だというのはわかったらしい。

 

「急ごう!」

 

ジタンはそう言って走って行き、螺旋のようになっているこの洞窟の道を走って降りていく。

ようやく一番下への出口にさしかかったところで強い光に阻まれて我々は足を止めた。

 

多少目がくらんでしまったが、エーコの前に立っていたモーグリのモグの体が光り出し、そして姿を変えた。

かわいらしいマスコットの姿から勇ましい二本の足で立つ魔獣のような姿へと変貌し、そして光の網のようなものに包まれて爆発し、ソーンとゾーンは倒れた。

 

そこに駆けつければモグは光になって消えてしまい、空からモグのリボンがひらひらと落ちてきたのだ。

 

「エーコ……今のは……」

 

ジタンや我々は状況がわからずエーコに聞くが、エーコはリボンを手にしてぽろぽろと涙をこぼした。

 

「……私知らなかったの、モグが召喚獣だったなんて……あんなに弱虫で臆病だったのに……ずっと私を見守ってくれてたなんて」

 

恐らくだけど、召喚獣としてはカーバンクルみたいに小さな状態で、だからモーグリの姿を借りて彼女のそばにいて、だけど今のピンチに陥ったことでモグの魂がトランスし、力強い召喚獣になったのだろう。

今まで何回かピンチになったけど助けに来なかったしむしろ逃げていたから、その時は力が無かったんだろうな。

もともとエーコの両親がそばで見守っててくれる召喚獣をねがったからモグが生まれたんだろうけどさ。

 

とりあえず彼女の中にある召喚獣を抜き出すのは失敗に終わったらしく、エーコも体力が落ちていたがこれといったけがもなかったので、これで一段落だろう。

 

その時背後でクジャの声が聞こえてきた。

 

「……今のはモーグリの魂がトランスしたのか!?環境に反発した感情の爆発……やはりそれが完全なトランスをもたらすのか!?」

 

彼は一人分析するようにふむと顎に手を当てる。

 

「それが生きる欲望であれ他者を守ろうとする欲求であれ……」

 

クジャは一人で楽しそうに分析して、召喚獣を上回る力を手にする方法を思いついたのか笑みを浮かべて笑い出してしまう。

そしてもうココに用はないと言ってどこかへ歩き出し、ビビが「黒魔道士のみんなはどうしたの!?」と追いかけようとしたら、倒れているソーンとゾーンがビクンと脈打ち、ビビの行く手を阻む。

 

「君たちの相手はこの双子で十分だよ。まぁ、もう双子じゃないけどね」

 

そしてクジャは笑いながら立ち去り、ビビはそれを追いかけていく。

 

「ビビ!待てよ!!……うわ!!」

 

ジタンも追いかけようとしたが、ソーンとゾーンの体がふわりと浮かんだかと思えば、二人は黒い光に包まれそして頭が二つある化け物へと姿を変えられてしまった。

 

「クジャ……!なんてことを!」

 

悪いことをしてきたソーンとゾーンであれ、簡単に人をこんな風にモンスターにしてしまったクジャに対してジタンは怒りを抑えられず、拳をぎりりと握りしめた。

 

モンスターになってしまった双子はバイオで毒をまき散らし、我々は飛び散る毒液をよけて戦う。

だがその毒は猛毒で、触れた地面は少し溶けているのかジュウと嫌な音がした。

 

「みんな毒に気をつけて!」

 

私は後方に回り、魔法を撃つダガーエーコを守る。

この洞窟は広いのでエーコもフェンリルを出して戦ったり、ダガーもシヴァを出して戦ったり、召喚獣で戦っていた。

デザートエンプレスで戦っていたときにみんなたくましくなったんだな、なんて思いながら、飛んでくる毒液をホーリーブレードで吹き飛ばす。

 

そしてジタンのナイフ、フライヤさんの槍、スタイナーさんの剣、そしてサラマンダーさんの爪により、化け物になってしまった双子は倒され、自らの毒が体内で回ったのかドロドロに溶けて消えてしまった。

 

するとビビが戻ってきて、背後には黒魔道士が二人着いてきていた。

クジャには追いつけなかったようで、逃げられてしまったようだ。

 

「……みんなだまされているってわかっていてもついて行ってしまったんだ」

 

ビビは悲しそうにそういう。

後ろにいた二人も、申し訳なさそうにうつむいていて、彼らを批難する気持ちなんてこれっぽっちもなかった。

 

「それなのにあいつ……みんなに……定められた寿命を変えられるわけ無いだろうって……あざ笑って……っ!!」

 

ビビは震えていて、私はそっと背中をなでた。

何も言えなくて、ただそうするしかできなかった。

 

「みんな落ち込んで……むこうで座り込んじゃってる。ねぇジタン、こんな時、どういう言葉を言ってあげればいいの……?お姉さん、どうすればいいの……!?」

 

私は……泣きそうな声でそういうビビの背中をなでてあげることしかできない。

 

「ごめんね、私も、答えはわからない……」

 

そしたらビビは背を向けてそして黒魔道士達の元へと歩いて行く。

 

「ボク……今は一緒にいてあげることしかできないから……」

 

「私も行く」

 

ビビと一緒に座り込んじゃってる黒魔道士達の元に行けば、泣いている子もいた。

 

「……みんな、帰ろう。村で待ってる子達もいるよ」

 

そう言ったが、誰も反応を返すことはなかった。

ただすすり泣く声だけが、この場所で木霊したのだった。

 

 

ーーーーーー

 

 

グルグ火山には行方不明だったシド大公の妃、ヒルダもいて、クジャの目的や正体、秘密を知っているらしく、黒魔道士達をブルーナルシスで村まで送り届けた後はリンドブルムに戻り、その説明をしてくれることになった。

 

私はいつもの精霊使いに戻り、そして数日休んだ後に会議室に呼ばれてヒルダからの説明を受けることになった。

 

そのとき、いつものカエルシド大公ではなく、魔法を解いてもらってようやく人間の姿に戻ったシド大公がそこにいて、最後に入ってきたジタンがその姿を見て驚いていた。

 

「はて、またも姫様が見当たりませんな……自分が探してくるであります!」

 

会議室にはダガーがいなくて、スタイナーさんはダガーを探しに会議室を出て行く。

 

「ではワシも3号機の建設があるから、ヒルダ、後は任せるブリ」と、シド大公はまだブリ虫とカエル言葉が抜けていないのかたまに語尾がおかしくなるが、ゴホンと咳払いをしてシド大公も会議室を出て行った。

そして、ヒルダからのクジャの情報を聞いて皆が驚くことになった。

 

「クジャは強力な力を手に入れようと異世界からやってきたそうなのです」

 

異世界という言葉で何人かが驚き、そして数人が私の方を向いた。

 

「全然違う世界だし私は好きなように行き来できるわけじゃない」

 

「ん?まるでお主も異世界から来たような口ぶりじゃが」

 

フライヤさんには伝えてないからそりゃそうよね、と思った。

 

「異世界人ってのは案外その辺にいるもんだな」

 

サラマンダーさんがそう言うが、まぁ、確かにジタンも実はテラ出身だし、以外といるもんだなって確かに思う。

 

「まぁ。うん。ちょっとね。でもクジャには関係ないからまずクジャの話を聞こうか」

 

申し訳ないがはぐらかし、そしてクジャの話を聞いていく。

するとテラの話も出てきて、私は脳内でウイユヴェールの情報と絡めて情報を整理していく。

 

「異世界、テラか……」

 

フライヤさんは腕を組み、同じくウイユヴェールの情報を思い出しているのだろう。

 

「かつて繁栄し、そして衰退したテラ。永遠を求めるテラ……確かグルグストーンを取りに行ったウイユヴェールにそういう資料が残されていたよね」

 

「……でもなんであんなとこにテラの資料館みたいなのがあるんだ?」

 

「さぁ……」

 

知ってるけどしらないふりであります。

 

「テラとこの世界は輝く島と呼ばれる場所で結ばれているようですが……輝く島からそのままテラには行くことができないらしいのです」

 

「そりゃそうだ、世の中甘くねぇぜ。それだったら今頃誰でも別世界のことを知ってるじゃねぇか」

 

サラマンダーさんがそう鼻で笑い、確かになぁと頷けば、ヒルダが方法はありますと答えた。

 

「二つの世界をつないでいる場所は封印されているけれど、封印を解く鍵がある場所があることも言っていました。そこは忘れ去られた大陸にある古城だと言っていました。冒険家だったイプセンが残した見聞録には、切り立った崖の下に建つ古城を発見したが、降りることができず断念したといいます。忘れ去られた大陸にある古城は恐らくそれでしょう。その古城は名がないのでイプセンの古城と呼ぶことにしておきます」

 

そしてヒルダの聞いた話はこれで終わりになった。

とりあえずそのイプセンの古城に行くことが現在での目的になったのである。

 

「そういえばヴィエラはダガーと空の散歩してたんだろ?見たか?」

 

ジタンが聞いてきて、イプセンの古城は横目でちらっとくらいと、輝く島はきれいだったことを話す。

どうせ封印されていけないなら飛んでいっても同じことである。

 

ブルーナルシスも3号機の建設に使われているので、その場所の近くに行くこともかなわない。

だが、ブルーナルシスがあったとしても、忘れ去られた大陸はすべて切り立った崖なので、船を着けても上陸することはできないだろう。

 

その時、ダガーを探しに行っていたスタイナーさんが姫様がどこにもいない!と大慌てで戻ってきたのである。

 

「リンドブルムにいないんだったら、行き先は一つさ。オレが行ってくるからみんな待っててくれ」

 

ジタンはそう言ってトコトコと会議室を出て行った。

確かダガーがようやくしゃべれるようになって、しかも決意の意味もあり髪の毛をバッサリと切ってしまうあれよね。

いいイベントだったなぁ、なんて思い出しながら私も会議室を出てリンドブルムを散歩するのであった。

 

それから数日、ダガーが見つかったらしい。

 

そして3号機はもう少しで建造できそうなんだとか。

ブルーナルシスを使っているから普段の建造スピードをかなり短縮できているらしい。

 

リンドブルムの少し高い宿屋であくびをこぼし、そして暇つぶしにココ掘れチョコボをやったりしてまたもアイテムが手元にいっぱいたまる。

ポーションやハイポーション、エーテルやエリクサーも手に入れられるからやはりチョコボは最高だぜ。

 

そうやって日を過ごしていると、あっという間に建造したらしく城に呼ばれ、ヒルダガルデ3号に乗り込んで船は城を飛び立った。

ブリッジにいればジタンとダガーが一番最後に乗り込んだらしく最後に入ってきて、髪をバッサリと切ってしまったダガーにエーコが驚いたが、ダガーの声が出るようになったことが一番驚き、そして喜んでくれた。

 

「おかえりダガー。短いのかわいいね、似合ってるよ」

 

私も髪を褒めれば、ダガーはニコリと微笑んでありがとうと言った。

 

我々は目的地のイプセンの古城に向かって飛び立ち、イプセンが降りることができなかった絶壁だが、飛空艇ならば問題なくその崖下へと着陸したのである。

 

「さーて、古城はどんなものがあるのか楽しみだねー」

 

ニコニコ微笑んでいたが、横にいるサラマンダーさんはなんだか少し様子が違った。

普段から何も言わないけど、今日はなんかずっと不機嫌そうと言うか。

 

あ。そうだ、ここでサラマンダーさんのイベントがあるんだった。

すっかり忘れていたけど、これはジタンに任せた方がいいね、と思い、私は黙っているのであった。

 

 

 

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