私のいつか帰るところ   作:にくはるまき

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25.7.12にて書き終わりました。

もう全部載っけます。
なんかミスってたらコッソリ直します。

誤字脱字はいつものことなので見なかったことにしてください()





記憶の場所 上

 

「準備は整ったな……、イーファの樹へ行くぞ」

 

ついにこの時が来た。

装備もアイテムも、心身も整えて我々はインビンシブルに乗り込み、イーファの樹へと飛んで行く。

 

見えてきたイーファの樹の上には怪しい紫色の球が浮かんでいて、アレが間違いなく何か不吉な物だというのは言わなくても理解は出来た。

 

あそこにクジャが居る。全員が感じたんだ。

 

私は知っているから、胸を押さえて突入する画面を睨んだ。

 

だが、突然紫色の球から凄い数の銀竜が飛び出してきて、我々の行く手を阻む。

 

「この数はマズい……!ていうかこの船の攻撃ってあの目だけなのか!?」

 

「んー、確かに他の攻撃法知らないなぁ」

 

インビンシブルって戦艦ってわけじゃないってことなのかねぇ?

あの目で全て無効化、支配下するからそれ以上の機能が無いのか、弱い星を乗っ取ってるだけあって、相手が自分たちよりも格下なのが確定しているからこそ、必要以上の力を必要としなかったのか。

 

モニターに大きく映し出された銀竜がコチラに攻撃を仕掛けようとしたその瞬間、銀竜の胸元が爆発した。

 

「え!?他の銀竜達も次々落とされてる……!……あれは、ヴィルトガンス!?」

 

画面の横の方に、どんどん霧から顔を出して大砲で撃ち落としているヴィルトガンス達、つまりリンドブルムの飛空艇団、そしてヒルダガルデ3号も見えた。

 

「シドおじさま……!?どうしてここに……」

 

「全く、勘が鋭いお節介なオヤジがいたんだろうな!よし、このまま突っ込むぞ!!」

 

ジタンは銀竜達を倒してくれているシド達に感謝しながら進むが、まだまだ銀竜が残っていてこちらに迫ってくる。

 

「ぶつかる――!!」

 

だが刹那、その銀竜達は横から盾になるように現れたレッドローズに突撃され、無残に散っていく。

 

あの巨体を何匹もぶつけられたレッドローズはかなり損傷しただろう。

 

「あれはレッドローズ……、ベアトリクスか!?」

 

スタイナーさんが驚いていて、リンドブルム同様アレクサンドリアにもイーファの樹に向かう話しなんてしてないんだからそりゃびっくりよね。

でも、この世界で皆が1つになって戦っている。そんな感じがした。

 

「まったく、とんでもない女に惚れたもんだな、おっさん」

 

ジタンがニヤニヤしながら言っていて、スタイナーさんがベアトリクスと何か良い関係になっていることを知っているらしい。多分ブランクさんとマーカスさんだな。

 

エーコがジタンに宛てた手紙が事故ってバクーに託され、バクーは手紙をうっかり落とし、そしてたまたまスタイナーさんが拾って、またも警備中に手紙を落としてブランクさんの頭に当たって自分宛だと勘違いをし、そして待ちあわせの船着き場で待っていたら警備中のベアトリクスがきて、ブランクさんが慌てて隠れたら手紙を落としていて、ベアトリクスはそれを拾って自分宛だと勘違い(みんなどうして)して、そして約束の時間だからスタイナーさんがやってきて、二人が船着き場で出会う。

 

お互いがその手紙の差出人だと思って、「ベアトリクス、まさか吾輩を……?!」「スタイナー、あなた、私のことを……」って感じでくっついたのがラブレター大作戦。

 

私はその時混ざるのめんどくさかったんで宿に居たんじゃ無いかな。

 

「き、貴様には言われたくない!!」

 

とんでもない女に惚れたでそんなこと言ってしまって、真横に居たダガーが氷った笑顔を向けた。

 

「スタイナー、それどういう意味?」

 

あ、やべ。っ的な感じでスタイナーさんはそっと逃げていく。

 

ダガーも最初はしおらしかったけど、今だとじゃじゃ馬感があるよね。

まぁここまで気が強い人こそ女王にふさわしい気がするけどね。

 

「よーし、邪魔な銀竜は追っ払った!全員ショック体制ー!!!」

 

こうしてインビンシブルは紫色の球へ突入し、そして中に入れば銀竜達を束ねている神竜が待ち構えていた。

 

私はいつもの精霊使いで、24時間は過ぎているからとりあえず何かあればジョブチェンジできる。まぁ、召喚士が一番安定ではあるけどね……

 

最初に使ったギガフレアなんて、今のレベルで使えば多分皆巻き込むだろうし、アルテマもヤバいと思う。

 

「さ、大きな唐揚げにしてあげましょ?」

 

私は微笑んでレイピアを抜いて笑い、クイナが唐揚げ!とヨダレを垂らしていた。

 

神竜に立ち向かい、私は相変わらず後ろで補佐をしていて動け無いようにドンムブをかけてやる。

 

動け無いだけで攻撃はしてくるけど、皆私の地獄の特訓のおかげで全然ひるんでいなかった。

 

「ヴィエラに比べたらこんなヤツ、ぜんっぜん怖くないもんね!」

 

「ヴィエラ殿は恐ろしいのである……」

 

「痛たかったアルよ……」

 

各々神竜と戦っているというのに私の感想いうのやめて貰えませんか?

 

「バケモンみてぇに強いがイイ女だ」

 

「サラマンダーさん何気なくそういうの無し!無し!!」

 

いきなり褒めデレしてくんなっての!!!

 

こうして神竜は討たれ、我々は記憶の場所へとついに足を踏み入れた。

 

眼前には城のような大きな建造物に、それへと続いていく長い道。

そして下の方は街並みのようなものが広がっていて、ここはどこだろうと皆でアチコチを見ている。

 

刹那、ジタンが何かに気付いたらしくキョロキョロとしていて、誰か俺を呼んだか?と訊いてきた。

 

「誰も呼んでないわよ?」

「うん、ボクも呼んでないし、なにも聞こえてないけど…」

 

でも、私にも声が聞こえていた。

 

「ガーランドの声だね。私にまで聞こえるとは……ジェノムじゃ無いのにってことは個人的に?」

 

私がそう言ったら、ガーランドはそうだと応えた。

 

『この記憶の場所は、お前達の記憶で作られている。そしてここで全ての真実が明らかになるだろう』

 

ガーランドは記憶の場所の話をし、進むが良いと言う。

 

正直、嫌な予感がしている。

すごく、嫌な予感が。

 

ガーランドの声は言いたいことを言って勝手に沈黙してしまい、今の話しを皆に伝える。

私とジタン以外は誰も聞こえなかったからね。

 

そして我々は城のような建物に向かっていき、我々の記憶で作られているとは言ったものの、何がそうなのか全く分からない。

 

アレクサンドリアなのかトレノなのか、見た目的にはそっち側の雰囲気で、リンドブルムみたいなスチームパンク感はない。

 

いや、うーん、イプセンの古城に似てるとかかも?

 

「なんか変な場所だよね、どこの記憶を使って形成されてんのか」

 

私がぼやけば、皆も同じ事考えてたみたいでうんうんと頷いている。

 

「変な場所だよな……、なんかこう、行けない場所に建物があったり通路があったり、逆さまだったり、イプセンの古城みたいなぜ」

 

「あ、それ私も思ってた」

 

「だよなー」

 

そんなたわいもない話をしながら進んでいくと、赤のようなピンクのような大きな月が下の方にみえ、そして封印の祠を守っていたガーディアンが急に姿を現した。

 

「また会ったなネズミども……。強化された我らガーディアン、カオスの力存分に思い知れ!!」

 

6本の腕を持つラミア、マリリスが行く手を阻み、戦うことになる。

 

「ふん、祠の時同様に潰してやる」

 

「何度やっても同じ事じゃ!」

 

マリリスと対峙していた二人がまず最初に駆け出し、6本の刃をいなしながら攻撃を入れていく。

みんなも続いて行き、そしていくら強化されたマリリスといえども、コチラは私という最恐が鍛えたので、マリリスはおのれぇ!と怒りを露わにしていた。

 

多勢に無勢ではあるけど、私はそっと見守ってるだけで手を出してないし、皆が強くなって安心しました。全然危なげない。

 

「うう……もはやこれまで……っくらえ、剣の雨!」

 

マリリスは最後の力を振り絞り、持っている剣を投げて雨のように降らし、何人か掠めて怪我を負ったが無事に戦いは終わった。

 

「この分だと、他のガーディアンも出て来るだろうね。気を引き締めていこう。それにしても、皆強くなったねぇ~」

 

パチパチと拍手してあげたら、皆が何かを思い出して青ざめていたり複雑そうな顔をしているのは観なかったことにしよう。

 

それからどんどん先に進んでいくけど、やっぱり記憶の場所という割りにはなんかあんまり記憶っぽい物は見えなかったが、ついにアレクサンドリア城が見え、そしてバハムートとアレクサンダー、そしてインビンシブルにて全てを焼き尽くされ、無残に破壊された城へと変貌した。

 

クイナだけは最初から壊れているアレクサンドリア城が見えたと言っていて、その場に居なかった者は見えないと言うので、やはりこれが記憶なんだなぁって実感した。

 

それから更に進んでいき、嵐の吹き荒れる場所へとやってきた。

そのまま橋へと歩いて行けば、その下に小舟があるのが見えた。

ジタンはそれに気付いて足を止め、この嵐で船を出すのは危険だと声を出したが、皆は見えていないから少し首をかしげている。

 

もちろん、私はゲームをしていたし、これがインビンシブルで攻撃されていたときにマダイン・サリから逃げだそうとしていたダガーとその母親だというのは知っているから、ばっちし見えています。でも私は見えていると知られたら色々面倒なので、見えないふりをしておくことにした。

 

「ジタン……それ、私の記憶よ」

 

ジタンが見えたというそれはダガーの記憶だと言うが、知らないはずのジタンがなぜ知っていたのか分からず、モヤモヤしながら先へと進むことになった。

 

そしてその先には空に赤い瞳が写り、そして黒い雲が渦巻いている。

その目の中に入れといわんばかりに長い階段が続いていた。

 

「あの目は……!」

 

イーファの樹やアレクサンドリアであの目を見ているから、自分たちが今さっきまで乗っていたインビンシブルだけれども恐怖心を抱いた。

確かに気味悪いよね。

 

『ジタンよ、お前が見たのはガーネットの記憶では無い、お前の記憶だ』

 

急にガーランドの声が響いた。

なんで私まで巻き込まれてるんですかね。この話には私関係ないよなぁ。

 

「なにいってんだ!オレは嵐の海の記憶なんてないぜ!」

 

『まだ解らぬか……いずれ解るだろう』

 

そうして声は聞こえなくなり、そしてジタンは腕を組みながら悩み、人の記憶が自分にもあると言うことなのか?と呟いた。

 

……このへんあんまり覚えてないから、どういうことなんだっけ。

解らなくって私は目を点にしているしかなかった。

 

「宝珠を4つに……」

 

ポツリとジタンが呟いた。

なんかガーランド、ジタンにだけは会話続けてたらしい。まぁいいんだけど。

 

こうして先へと進もうと言うことになり、長い階段を上ろうと足をかけたら、上から大きな何かがドスンと降ってきて行く手を阻んだ。

 

「か、風のガーディアン!」

「今度は貴様が出てきおったか!再び吾輩の剣の錆びにしてくれる!」

 

落ちてきたそれは風のガーディアンであるティアマット。ビビとスタイナーさんがすぐに戦闘態勢をとり、他も続いて構えた。

 

「ほほう……マリリスを倒してきたか。だがこのティアマット様はそうはいかんぞ!」

 

三つ首のティアマットはそう言って襲いかかったんだけど……

みんながフルボッコにしました。

私が鍛えたせいでみんな戦闘になると怖いんだけど。私のせいで皆がこわいよう。

 

「んだよ、全然たいしたことないな」

 

「多少切り傷や打撲くらいだから、すぐどうにかなるわね」

 

「あんなのただ図体デッカいだけじゃない」

 

「攻撃が当てられるならば恐れる事はないじゃろう」

 

「おいしそうじゃなかったアル」

 

各々なんか言ってるけど、皆大分感覚バグってんじゃん。ごめんって。

 

「ヴィエラ殿のおかげで危険は無いのであります」

 

「ありがとうお姉さん」

 

お礼言われても複雑な気分なんだけど?

 

「見た目が化け物よりお前を怒らせる方がよっぽど恐ろしいぜ」

 

「サラマンダーさん、それけなしてる?」

 

「褒めてるさ。師匠兼、オレの恋人だからな」

 

そこで嬉しいけど恥ずかしくて顔を押さえて悶えたのは言うまでも無い。

 

そんなこんなで更に進んでいき、今度は星空の中で二つの大きな星がぶつかり合っていた。

これはテラとガイアの融合の瞬間だ。

 

「凄い光景だね」

 

ほへーってどうでも良さそうな感じでそう言ったら、ガーランドが解説を入れてくれる。

命がつきようとしていたテラは、延命のために若い星を吸収して生きながらえてきたが、この時にはもうまわりにガイアしかなく、文明のある星を吸収すると危険を伴うことは解っていたが、吸収し無ければテラが滅びてしまうので、否が応でもやるしかなかった。

 

そして吸収に失敗し、ガイアの文明は滅び、しかもテラもガイアの中に吸収されてしまい、このままでは双方滅びを迎えるとのことでガイアの文明と、イーファの樹を作り出した。

 

これはウイユヴェールでもあった説明だ。

だけどここまで詳しくは話していなかったからね。

 

これがこの星の起源なのだという感じかな。

 

解説をしてくれたのでみんなにも共有し、また先へ進む。

 

今度は水のエリアになり、水の神殿と名が付きそうな場所から滝で水のカーテンがされているような通路をくぐれば、そこは水の底だった。

 

美しいサンゴや海藻、そして魚が泳いでいるのをクイナさんも泳いで追いかけていく。

我々は普通に歩いているのに、クイナさん、浮いてる……

 

そして一人で苦しみ始めて、ジタンに水の中だと思ってるから苦しいんじゃ無いか?と言われてやっと目が覚めたらしく、浮いていた身体は重力を取り戻してどしんと地面に落ちた。

 

思い込みってコワイねぇって思いつつ再び皆が歩き出し、私は横目で岩の裏を見る。

 

ここにはハーデスがいるけど……実を言うと裏でチョコボやってたからふゆう石のかけら、もってんだよなぁ。

 

「……ちょっと、皆。とある人に喧嘩売ってイイかな?」

 

私が歩みを止めてそう言ったら、何人か青い顔してた。

大丈夫大丈夫、オズマ倒そうぜ!って言ってるわけじゃないし。あれは私もやりたくない。

 

「ちょっと欲しいものがあってね。付き合ってくれる?」

 

「……ちょっと待ってヴィエラ。なんで何かがそこに居て、欲しいものがあるのか知ってるの?」

 

ダガーが不思議そうにそう言ったけど、私は目線を岩の方に向けて、気配がすると言えば、皆も見たけどなにも感じては居ないらしい。

まぁ実際、私も感じては居ない。知っているだけだもの。

 

「大概強い者はいいものくれるからね。喧嘩売っていい?」

 

そしたら皆は諦めたように笑ってくれたので、トコトコと岩の裏にやってきた。

 

「伝説の鍛冶屋のハーデスさん、ふゆう石のかけらを2個もってるのでふゆう石にしてくれませんか?」

 

手のひらにそれをのせて見せれば、岩からズズズ……と大きくそして恐ろしい姿のハーデスが顔を覗かせた。

顔、こわ。比べるとリッチの方が怖くないわね。

 

後ろの方で何人かがびっくりして声を上げていたけど、私は知ってたから怖いとは思わなかったし、あとは……コイツを強敵とはまったく感じなかった。

 

「……貴様は、強大な力を持っておるな。天空に封印されている恐ろしい存在に匹敵するやも知れん」

 

「あぁ、オズマですか。流石に怖いので喧嘩は売ってませんし、精霊達の力も借りていないので戦うのはやめておいています」

 

「オズマを知っているのか!」

 

「ジハードは使うわカーズは使ってくるわエグいんで触ってません」

 

やだよ、怖いもんアイツ。

 

「……腕を試そうかと思ったが、恐らくワシはおまえの足下にも及ばん……。石を貸せ、望む通りふゆう石にしてやろう」

 

またもズズズ、と岩の中に戻っていって、トンテンカンと音だけが響いた。

 

戦闘すると思ったのに回避されるとは。ていうか私そんなに怖いのかい。

 

「ヴィエラ、アイツ……なに?」

 

ジタンが少し腰が引けた状態でこっちに来たんで、伝説の鍛冶屋さんって言ったら顔が引き攣ってた。

 

「……あのツラで?」

 

「あのツラで鍛冶屋さんよ?あとめっちゃ強いよ?」

 

あいつもカーズ使ってくるから、状態異常祭りは大変迷惑ですわ。

 

「そんなのに恐れられてるヴィエラの方が怖いな……」

 

「死に物狂いで鍛えたせいで強くなり過ぎちゃったぜ」

 

てへ、っていったら引いてた。引くな。

 

するとズズズ…とハーデスさんが顔を出して、出来たぞとキラリと光る石を差し出してくれた。

 

「ありがとうございます!」

 

「面白い出会いに、ワシも少し楽しめた。さらばだ、異界の者よ」

 

私が異世界人だというのは気が付いていたみたいで、そう言ってから岩の中に姿を消していった。

 

私はうけとったふゆう石をダガーに手渡せば、ダガーは中に封印されている最後の召喚獣に驚いていた。

 

「召喚術士一族が我々の知らない召喚獣がいるって言う文献を残していたんだけどさ、ウイユヴェールでグルグストーンを守る役目としてその召喚獣が使われてたんだ。私やジタン、サラマンダーさんフライヤさんは見たことあるけど、その他の皆は見るの初めてだと思うよ。なかなか強いからオススメ召喚獣」

 

「……アーク」

 

そう、グルグストーンを取りに行って出会ったボス、アーク。

アイツがダガーの使える召喚獣なんだよね。

 

「次なんか敵が出たら使ってみたら?」

 

「そ、そう、ね。ありがとう」

 

ハーデスさんが出るわ知らない召喚獣が出るわでダガーはタジタジだったけど、まぁ戦闘も無かったのでそのまま進むことになった。

ハーデスさんだからストーリー的に関係ないので喧嘩売る気満々だったけど、戦えなかったなぁ。ショック。

 

そして進んでいけば水の中からようやく抜けだし、ジタンが水を見ながら足を止めた。

 

「ガイアは昔、海で覆われていたんだな……。そんなの遙か昔のことだろうし、テラで生まれたオレが知るはずも無い記憶……」

 

「……ボクも、何でか知らないけど知ってる……」

 

「私もじゃ……」

 

不思議なことに、知らない記憶がみんなにあった。

私は自分の世界でも、生命が生まれる前は海で覆われていたっていう話を聞いたことあるし、大体の星がそうなのかも。

 

その記憶がなんなのか答えは出ず、進んでいったその時、ジタンの足下に謎の触手の攻撃があった。

当たりそうになったジタンは咄嗟に背後へと飛び退き、そして姿を現したのは水のガーディアンであったクラーケンだ。

 

「あーっ!アイツ!エーコとダガーが戦ったやつ!」

「皆気をつけて!」

 

戦闘態勢になり、クラーケンはぐねぐねと触手を動かして大きく笑った。

 

「我こそは水のカオス、クラーケン!貴様らをこの先に進ませるわけにはいかん!」

 

そして戦いが始まり、触手の攻撃でみんなの連携が阻止されている。

リーチも長いし、思ったより早いからだろうか。

 

「みんな!アークを呼ぶわ、下がって!」

 

さっそくダガーがアークを呼び出し、飛空艇からロボットに変形し、そして強烈なレーザー光線が放たれてクラーケンは脳天から穴を開けられてしまう。

 

一撃でクラーケンをやっつけて、アークの力強さを知ったのは良いけど、アークを使うとかなり疲れるのか、ダガーが息を乱して座り込んでしまった。

 

「ダガー大丈夫か!?」

 

慌ててジタンが駆け寄り、エーコがケアルガをかけるが、完全には回復できないようでダガーはまだ立てそうに無かった。

 

「姫様!ご無理をなさらず!」

 

「ありがとうスタイナー……。アーク、とんでもない力だわ……」

 

「ダガー、一旦休もうか」

 

休めそうな場所を探そうと、ジタンはダガーを抱き上げて進み、壊れた時計の場所に少し休めそうな空間があったので、一旦皆で休憩することになった。

 

確かに記憶の場所に来てからずっと歩きっぱなし、戦いばかりだったので、そろそろ休んで良い頃だろう。

ダガーは壁により掛かって眠っていて、皆も座ったら疲労感を思い出してしまったらしく疲れた顔をしていた。

 

景色的にはあんまり綺麗な場所とは言えないから、精神面も休まるか心配だな。

 

「ねぇ皆、今一旦休んだあとに、もう少し綺麗な景色の場所があればそこでもう一回休もう。精神的にもここじゃ休まらないよ」

 

ハーデスさんが居たとこは綺麗な水底だったから、あそこで休めば良かったかも。

 

「ヴィエラの言うとおりじゃ。心を休めるのも大事な事じゃ」

 

皆もそう思っていたらしく、しばらく黙って座り込んでいた。

それからダガーはさほど時間を経たずに目を覚まし、我々は進んでいく。

 

次の扉を開いた先には燃え盛る惑星があり、それが生まれたてのガイアだった。

星の誕生を見せられ、そして長いはしごを登っていき、更に先へと進んでいく。

 

またはしごを登って、そして開いた扉の中は宮殿の小さな部屋の中で、そして扉がいくつもあり、どこに行けばいいんだろうかと思ったその時宮殿は姿を変え、柱と足場を残して消え失せ星空が周りを包んだ。

 

そして真上から殺気を感じ取り、皆が中央から退けば、リッチが舞い降りてきた。

 

「貴様らの命もここまでだ、覚悟するが良い!!」

 

リッチはそう言って死の宣告をジタンにいきなり放ってきた。

死を司るリッチはそういう技が多くて参るよ。

 

「即死系もチートよね」

 

私は死の宣告の鏡を発動前に蹴破ってやれば、何とか発動する前に終えた。

まだこの世界で即死や宣告の効果を見ていないけど、フェニックスの羽やレイズ系が瀕死には効くのを見てきた。

 

だけど、レイズ系で死人を蘇らせることが出来るなら、誰も死ぬことは無いだろう。

だから、死は恐らく回復できない。

 

「死は分が悪いから、さっさと終わらせるよ」

 

私は本気でファイアウィップを放ち、技が使えないようにドンアク状態にしてからレイピアで首を狙う。

 

マズいと思ったリッチは逃げようとしたけど、私の方が遙かに速かった。

 

「悪いけど消えて」

 

首を飛ばし、両腕も切断し、そして腰を切り捨てて戦いは終わる。

本当は皆に戦って欲しかったんだけど、死は怖かった。

 

「……ホント、ヴィエラを敵にしたくねぇな」

 

みんな引いてて、もう突っ込む気も無くなった私は皆を無視して、エクスカリバーⅡが落ちていたであろう場所へと歩いて行く。

やはり手紙も何も残って無くて、ギルガメッシュはもう行っちゃったか、なんて思ってたら、足場の端っこにニョッと手が出てきて、私はびっくりして叫んじゃった。

 

「どうしたヴィエラ!」

 

みんな戦闘態勢になったけど、そこから出てきたのはギルガメッシュだった。

 

「ギルくん!?下で何してたのさびっくりしたじゃん!」

 

「いやさ、ヴィエラが教えてくれてからここに何とか入り込んでな、エンキドゥの手紙も見つけて帰ろうと思ったんだが……誰か来る気配がして急いで隠れたら、お前達だったってわけ」

 

ギルガメッシュは笑って腕を組み、残った腕は腰に当てていた。

そんな彼を見ながらジタンがうーんて不思議そうに顎に手を当てている。

 

「……ていうか、なんでこの場所に来られてるんだ?オレ達だって入るのかなり大変だったのに」

 

「まぁ、オレ様は何だかんだ強いからな。さて、オレは大事な用事もあるからそろそろ行かないと」

 

するとトコトコとビビが歩み寄って、あの、って声をかけた。

 

「あの、カードのこと、教えてくれてありがとうジャックさん」

 

「お、カードは楽しめてるみたいだな。それにしても裏通りのジャックもこれで終わりか。他にも色々使って楽しかったが、やらなきゃならねぇことがあるからな」

 

「バッツに勝たないとね」

 

私がそう言ったら驚いてて、私はそんな彼に拳を突き出した。

 

「初めて会った時から言ってたでしょ?私はギルくんのファンだって!応援してるよ!」

 

ニシシって笑えば、ギルガメッシュも笑ってから私の拳に自分の拳を当ててくれた。

 

「そんじゃ、元気でなヴィエラ」

 

「がんばってねギルくん!」

 

そしてギルガメッシュはスッ、と空間に溶けるように消えていき。本当に元の世界に戻ったのだろう。

 

「あの男、以前姫様に無礼を行った不届き者である!ヴィエラ殿、奴は何者なのでありますか?」

 

確かトレノでダガーから金をスリ、そしてスタイナーにバレてたイベントあったな、って今思い出したわ。だってその時クレイラとかブルメシア方面にいたからなぁ私達。

 

「あ、そう言えばあの人ご飯を奢ってくれるとか言ってたっけ」

 

「そうアル!ご飯くれなかったアル!!」

 

そういえばー!ってみんな彼のことを思い出してくれたらしく、だけどサラマンダーさんが急に隣に来たかと思ったら腰を抱かれた。

 

「お、やきもち?」

 

「…………」

 

無言って事はそうなんだろうから嬉しくって笑ってしまった。

 

「彼はまぁ、うーん、秘密!探し物しててこの世界に来ただけだからね」

 

そしてエクスカリパーを持って行っちゃうって事は、向こうのストーリー的にもまだ中盤とかなのかな?

 

「さ、進も!」

 

サラマンダーさんの手を取って“何故か一つだけ残されている”ドアに手をかけ、そして開いた。

 

 

 

 

 

――それが、絶望と恐怖だとも知らずに。

 

 

 

 

 

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