話はストックしています。
なるべく先の方を書いてから上げるようにしてます(時系列の修正やジョブチェンジの補正やらできるように……)
ギザマルークとクレイラ辺りを書いてて辻褄合わなくなってアワアワしました(笑)
唐突に文字を打つと危険です、ハイ。
リンドブルムに戻り、宿はそこらの宿に泊ることになる。
お金はあったので高い店に入ってのんびりして夜が明け、城に行く前に時計を入手することにした。
ジョブチェンジしてから二十四時間数えるのは時計がないとはっきりはわからないし、いざ使おうとして使えなかったら嫌だ。
色々と店を回れば、手頃なサイズの懐中時計を見つけることが出来た。
これでジョブチェンジした時間を覚えていれば大丈夫。
懐中時計は結構良い値段がしたけど、私の財力であればこんなもの安いものだ。ふははは。
さて、お目当ての物は手に入れたし、城へと向かいますか。
エアキャブに乗って城へと着いた私は多分一番遅い到着だっただろう。
行ってみるとやっぱりみんな集まっていたようで、姫様はシド大公が預かるからという感じの話になる。
つまり我々の仕事はおしまいだということだ。
だけど、ちょうど時期的なものもあり、近々狩猟祭というリンドブルムでのお祭りが始まることも話題となった。
「もちろんヴィエラも出るだろ?」
ジタンはそう聞いてきたけど、自分はこの狩猟祭で経験値が貰えるとは思ってないので、まだ野暮用があってねと断った。
チョコボでチョコグラフを掘って、お宝を発見するのが一つで、もう一つはク族の沼に行って先にフォッシル・ルーに潜ること。
あそこならレベルの高いモンスターがいるから、狩りにはもってこいだ。
現在行ける場所で一番強いやつがいるのはそこだと思う。
話し合いは終わってまた解散し、今日もチョコボの森へ向かうつもりだ。
ジョブチェンジの時間も来たので、いつもの精霊使いに代わり、時間を覚えておく。
「頼みがあるのですが、下に出るための門を開けて欲しいのです」
近くに居たオルベルタさんに頼めば、姫様の恩人ということで私は使う許可を得た。
最も、他のメンバーは今のところ使う意味が無いので要求すらしないのである。
「どちらに行かれるのですか?」
「お宝探しですよ」
ふふっと微笑んでから会議室から去り、オルベルタさんからもらった通行証で自由に出入りすることが可能となった。
早速最下層、そしてトロッコに乗って地竜の門へと向かい、堂々と霧の下の大地へと降り立つ。
ヴァルファーレを使ってじゃないと降りられないっていったら永遠にレベル上げできなかったわ。
道端のモンスターを蹴散らしつつチョコボの森へとは入り、今日はチョコグラフでお宝探しに出かけることにした。
「チョコ、お願いね」
「クエ!」
近くにあるお宝しか現在は探すことが出来ないので、結構簡単に発見することが出来た。
中身もそれなりの中身である。悪くはない。
「ご苦労様」
撫でてあげれば嬉しそうに鳴いて、すぐに森に戻った。
それから私は穴掘りよりもク族の沼に行くことを優先にし、沼に入っていく。
クイナに出会う意味も無いと思ったので、採掘場跡があると思われる場所を歩き回るが、結構見つからないものであった。
確かに自分よりも背の高い草が生えていて周りが見えないというのはキツい。
しばらく散策して、ようやく採掘場の入り口を見つけることが出来た。
一時間くらい歩いたようだ……
早速中に入り、歩き回っているとやはりレベルの高いモンスターと会うことになった。
私はまず、なるべく魔法を使わずレイピアで戦うようにした。
首だけの女の頭のような気持ち悪いモンスターは図体もデカいから、レイピアの攻撃は当たるのだが、やつの放つファイラは結構熱い。痛いです。
こういう攻撃も避けて、そしてレイピアで牽制していかないと。
レベル差が思ったより無いから、腕を磨くには結構良い場所だと思いながら、ポーションを飲んで回復しつつ、またモンスターの死骸を積み上げていく。
強くならなきゃ、また守りたいものを守れないようじゃ嫌だ。
そうやって数日はフォッシル・ルーに通って敵を倒す日々である。
グリフォンも鳥なだけに動きが速く、戦いにはもってこいだ。
エアロを避けるのも大変で、風に引き込まれれば天井まで巻き上げられて叩き付けられたりと、これも実践だから知ることの出来た事だ。
何度も痛い目に遭って怪我だらけになりつつ、今日もたくさんのモンスター狩りをしたせいか、もうモンスターが出てこなくなってしまった。
打ち止めかな。
「うわ!なんだこりゃ」
敵を倒した時に急に声が聞こえて、振り返ってみたらピッケルを片手に持っているオジサンが立っている。
そうだ、ここには一人だけど人間が入ってきているんだった。
「騒がしてスイマセンね。私はモンスター狩りしてるだけなのでお気になさらず」
「こりゃ……何て数だ。厄介なモンスターをこんなに……あんた騎士か何かかい?」
オジサンは積み上げられてるモンスターをみて顔を引きつらせている。
確かこの人は盗掘屋さんだった気がする。
化石とかを掘り出して売ってるんだっけね。
「騎士を目指して自分磨きをしているんですよ」
そしてステータスを開けば、流石に狩りまくったので25レベまで上がっていた。
ギザマルークの洞窟に行くには高すぎると言っても過言ではないだろう。
おそらく一発の攻撃が千は行っていると思われる。
この時期の敵はHPが千あるかないかだし、ボスも5千以下の体力が普通だろう。
「こんなもんかな」
「なぁ、モンスターの素材とかもらって良いか?」
レイピアをしまっていた私にオジサンが話しかけ、全部要らないからあげるといえばニコニコしていた。
お金のためにこの採掘場に入っていたわけだし、素材が売れるからそりゃ嬉しいわな。
「……でも売れそうなのはグリフォンくらいかな」
その他のモンスターは素材になりそうになかったので、選別するとそんなに量にはならないだろうな。
それだったらファングやムーの毛皮、トリックスパロウの羽毛の方が取りやすくて儲かるだろう。
「ありがとよ姉ちゃん」
「いえいえこちらこそ」
私は採掘場を出てリンドブルム城に戻ると、狩猟祭は明日と張り紙がされていた。
特にやることもないし、時間が余ったからやはり出よっかなと思い城へと足を運ぶ。
すると客間にはジタン達も勢揃いしていて、お祭りの報酬の話をしていたようだった。
「すいませーん、気が変わりました。狩猟祭出ても良いかしら」
私が声をかければ、どうぞどうぞとエントリーを許可された。
でもここで欲しいものは何かって聞かれてめちゃくちゃ困るのである。
別に何も欲しくないんだわこれが。
「ヴィエラってそんなに無欲なのか?」
「うーん、貪欲すぎるからこそ逆に望みが高すぎて手に入らないというか」
うーんと悩んで、美味しい食事を毎日食べに来られる特権と言っておいた。
食事が美味しいのは本当だし、毎日ごちそうになることが出来れば良いことである。
食事のことをいうと何だか後に仲間になるクイナさんを連想してしまうが、しかたあるまい。ここで貰える物なんてたかがしれてるし、金なんてたんまりある。カードも要らんし、アクセサリも服も要らん。ていうか服なんてジョブチェンジしてしまうとその職の服に変わるからどうしよもねぇ。
こうして出場の話も終わり、ようやく部屋にいた見慣れない人とお話しする時間が出来た。
「こんにちわネズミ族の方。私はヴィエラ」
そう、居たのはネズミ族のフライヤである。フライヤも自己紹介して握手を交わし、狩猟祭では負けんよと言われた。
「ふふ、望むところです。むしろ私に獲物を奪われないように気をつけてくださいね」
何せ、出場できるとなればジョブチェンジしてスナイパーになり、弓を扱うスナイパーのスキルのでの連射と遠距離というチートを使って挑もうとしているのだから、みんなからしたらたまったもんじゃないだろう。
みんなの悔しがる顔が見たくていたずら気に笑えば、ジタンはちょっと後ずさりしていたのであった。
「そうじゃ、ヴィエラにききたいのじゃが、私のようなネズミ族をブルメイア領以外で見たことはあるか?」
おそらくそれはフラットレイのことだろう。
私は見たことはないので、子供だったらと答えた。パック王子はネズミ族だからまったく嘘ではない。
そう答えればフライヤは小さく「そうか」と答え、少しうつむいてしまった。
フライヤの恋人であったフラットレイは一体何処に行ってしまったのだろうねぇ。
……それからあっという間に次の日、狩猟祭がまもなく始まる。
私は昨日の話し合いが終わってすぐにスナイパーにジョブチェンジしていた。
弓使いや狩人も悩んだのだけど、スナイパーっていう名前の響きに一度くらいなってみても良いかな?って選んでしまいました。
それに連射出来るのスナイパーだけだし……
まぁ、今日の夕方になれば容易く二十四時間になるだろうから、何かあればジョブチェンジしよう。
出場メンバーはそれぞれ配置につき、私も言われた場所からスタートする。
私はジタンと一緒に劇場区でのスタートになった。
「そう言えばヴィエラの装備、弓なのか?弓まで扱えるんだな」
スタートの合図がされてからジタンは私が取り出した武器をみて「へぇ」と声を漏らした。服が替わっているだけで武器までは城に持ってきていなかったので、弦をびよんと弾かせて私は「狩りまくりだぜ」とにんまり笑う。
「確かに弓って高いとこでも狙えるから便利だが……」
威力は、と言いたいんだろう。
狩猟祭も始まっているのでそこらを走っているファング共に連射で放てば、ファングが二匹倒れる。
元々レベル差があるから一発が重いみたい。
「う、うそぉ……」
流石の威力と連射の早さにジタンも開いた口がふさがらないのか、間抜けな顔をしていて、私はそれを見て大満足である。
ああなんて快感なんだ!ひひひひひ
「ほーら、早くしないとモンスターいなくなっちゃうよー?」
私はその場で弓を引いて、見える敵を射貫いていく。
正直スキルなんて使わず通常攻撃で即死させられるから、一発一発が早い。
「ダガーとのデートがかかってるんだ!負けらんねぇ!」
ジタンは見えているモンスターに突っ込んでいき、私はニコニコ微笑みながら、この劇場区を後にする。
ここで全部狩り尽くしたらつまんないもの。
ぴょんぴょん軽々と屋根を飛んでいき、違う地域へ出る。
ゲームと違って知らない場所にも来られるし、見ている方向が違うので正直ここが何処なのかわからない。
とりあえず適当に見えている敵を射貫いているけど、ちゃんとポイントは数えて貰えて居るみたい。
あちこち移動されてて数えるの大変でしょうに、何て思いながらも屋根の上から狙撃していく。
その時、ファングと戦っている女性の背後にムーが居て危ないと思って射貫いたら、それに気が付いた女性に睨まれてしまった。
「ちょっと!私の獲物だったのに横取りしないでよ!」
あ、この人ラニちゃんじゃないか、と口を半開きにして数秒見つめてから謝れば、腹いせに近場にいたムーを大きな斧で叩き斬った。
「じゃあ私は空にいる獲物を落とすわ」
飛び回っているトリックスパロウを撃ち落としていくと、流石の連射と命中率、攻撃力に気が付いたのかラニはこの場から去った。
私と同じ場所で戦って、獲物の取り合いをしているのは時間の無駄になると思ったからなのかもしれない。
私はしばらくこの場で狩りをし、モンスターがいなくなればまた狩りをしての繰り返しをして、今何ポイントなのかなぁとぼんやり立っていたら、アナウンスが聞こえてようやく自分が何ポイントか知ることが出来た。
「ヴィエラ選手、205ポイント!現在トップです!」
おいおいおいおい、確か200ポイントって一番のお目当てのザグナルより高いよな?!
それを倒しても私と同列にならないというのは結構ヤバいくらい稼いでしまっているということだ……
「やりすぎたかー」
「お主やりおるな」
あぁーと空を仰いでいたら、後ろの方からフライヤさんが話しかけてきた。
彼女も屋根を飛んでこれるから、私の居るとこまで難無くこれたのだろう。
「点差を離しすぎたらつまらなくなるんでやりたくなかったんですけどー」
「どの面下げてそう言うか」
「フライヤさん結構言いますねぇ」
「お主の実力を見ればそうも言いたくもなる。お主、かなりの強者じゃろう」
流石武に通じているだけあって、そういうものを見抜くのは長けているのだろう。
私はニヒヒと笑いながら、これ以上狩る気にはならないのでそのまま屋根の上で一眠りすることにした。
「なんじゃ、もう狩りはせんのか」
「ここまで点数を離せば問題ないでしょうー」
そう言って目をつむり、ホントに心地よくて昼寝してしまう。
そして狩猟祭が終わったようで、終わりの花火の音とアナウンスで起こされて、ジタンが206ポイントと一点差で彼の勝ちになっていて、私は負けたーと、もう一度その屋根に倒れるのであった。
リアルなウサギとカメじゃん。
脱力しながらしばらくそのまま転がっていて、私が城に戻ったときにはジタンに望みの品とハンターの称号をもらい、しかも謁見の間の入り口にはブルメシア兵が倒れていた。
おいおい、のんびりしていたら色々イベント逃してるぞ。
「ヴィエラ!戻るのが遅いぞ!」
うん、ホントにそう思う。
ジタンに言われてゴメン寝てたと言いつつ、瀕死のブルメシア兵を看る。
もうほぼ死にかけで、これではケアルやポーションでも助からないだろう。
今私はスナイパーなので回復魔法は唱えられず、何もすることは出来ない。
兵はあっという間に事切れてしまい、丁重に葬られるためにリンドブルム兵に運ばれていった。
それから私が来るまでに知らせてきた内容と、今後のブルメシアへの対処を話し合っていて、私は知っているから半分聞いていない状態である。
横目でダガーを見たら、顔色が悪く胸元で手を握りしめていた。
ブルメシアを攻めたのがとんがり帽子の軍勢だったというから、アレクサンドリアが攻め込んだことは理解できただろう。
まさか、あの優しいお母様がそんなことするなんて、本当に信じられなかったのだろう。
これも夫と”娘を亡くしている”ブラネ女王の悲しい人生と、裏で糸を引いているクジャの甘言のせいだ。
心に空いてしまった隙間を埋めようと、ブラネ女王は狂ってしまったのだろうな……
哀れんでいたが、シド大公はブルメシアのために国境でアレクサンドリアを牽制していた飛空挺団を呼び戻して助けると言い、とんがり帽子の軍勢ということでフライヤさんもビビと同じ黒魔道士じゃないかと推測した。
「私は失礼する。飛空挺団を待ってはおれぬ」
フライヤは急いでブルメシアへ向かうと言い、ジタンも仲間の故郷が攻撃されているのだから助ける!と共に行くことを決意。
ビビも、自分と同じ黒魔道士が攻め込んでいるとなると、その真実を知るために行きたいと伝えた。
「急いで準備しましょう!私がお母様を説得するわ!」
ダガーも行く気だったからそう言うが、スタイナーさんやシド大公に止められてしまう。
流石に戦争の中に一国の姫を行かせるなんて事、普通了承する訳もない。
ジタンも危険な目には遭わせられないからリンドブルムで待てと言い、ダガーは憤りを隠せなかった。
気持ちは分かるんだけど、自分の立場を考えればそうなるのは普通のことだろう。
「万が一姫が死んだら困るし、それに、あれだけブラネ女王が連れ戻そうとしていたってのはきっと何か理由があるんじゃないかな?」
私はヒントを口にするが誰もその答えに行き着くことはない。
ブラネ女王はダガーの中の召喚獣に用があり、そして天竜の爪をもって行かれたことにご立腹なだけである。
狂ってしまったといえど、どうして長い間愛してあげていたダガーにこんなことが出来るのか、不思議であった。
長年共にしたペットにすら愛着がわいて手放したり出来ないのに、娘であるダガーにこの仕打ちは何なのだろうか。
「ダガー、戦争なんだぞ。たくさん人が死ぬんだ。今死んだブルメシア兵だってそうだ。あんなふうに死んでいくのをたくさん見ることになる。そしてその可哀想な死に方をするのが自分になるかもしれないって分かってない」
ジタンにキツく言われて、ダガーは悔しそうに唇を噛む。
私は「君の代わりに行ってくるから」となだめるように背中を撫でてやるが、その表情は変わることはなかった。
そんなに唇噛んじゃうと傷になっちゃうぞ……
「狩猟祭で地竜の門を一度閉じていたが、もう一度開くブリ。門が開くまで腹を満たしていくと良いブリ」
あれれ、もうギザマルークの洞窟に行くの?
しまったな……今のタイミングで精霊使いに戻ったら、何かあったときにジョブチェンジが出来ないぞ……
準備に一日くらいあると思ったのにな。だって狩猟祭やった後なんだよ?疲れ残ってません?
そしてトロッコの用意だの、霧のモンスターが街に入ってこないように手配するだの、地竜の門を開けるって言うのは結構手間がかかる物だった。
私もちょっとお願いした時は狩猟祭前だったから兵もいて容易かったんだろうけど、今は街に残っているモンスターの回収作業もあって兵が足りないんだろう。
早速会議室に料理が運ばれ、良い匂いが鼻腔を通り抜けていく。
ああ、匂いだけでよだれが出ちゃう。こんなのクイナが居たら大喜びで食べ尽くしてしまうだろうな。
この料理は大昔から狩猟祭料理として伝わっているものだという。
大体が肉中心で、小皿は置かれているがフォークやスプーンは置かれていなかった。どうやら手で食べるのが習わしだという。
ナゲットやチキンなら手で掴んで食べても良いんだけど、その他のベーコンやローストビーフ、ハムも手づかみなのは正直掴みづらい物ではあるが……習わしというのならばしかたあるまい。
肉料理はとても美味しく、色んな物に手を出してそれぞれを味わう。
……で、この中にスリプル草が混ぜられているらしいんだけど、一体いつそんな物振りまいたのか……姫様侮るなかれ。
私はクスリを知っていても、目の前の美味しいご飯が冷めないうちに食べたかったので、躊躇することなく食べ続ける。
そろそろお腹いっぱいになってきたな、何て思っていたら視界が回って床へ倒れる。おお、昼間にも寝ていたのにもっと寝ちゃうから、夜眠れなくなっちゃうぜ。
そしてそのまま意識を飛ばし、目が覚めた頃にはダガーとスタイナーさんの姿はなかった。
「ダガーが最近眠れないからって言って、オレがこの前スリプル草をあげたから……」
料理に睡眠薬を混ぜられていた経緯をジタンは考え、答えを出し、自分のせいで彼女を危険な地に運ばせてしまったことを悔いた。
おそらくブラネ女王を止めにブルメシアへ向かったと思われていた。
「箱入りかと思いきやあの娘、中々やりおるな」
「フライヤさん感心している場合か」
私はすかさずツッコミ、そして一行はダガーを追ってブルメシアへと旅立つこととなる。
街で必要な物はそろえ、地竜の門から霧の下の大地に出た。
そろそろ日が暮れるのか、段々と暗くなっている空を仰ぐ。とりあえずジョブチェンジで精霊術士に戻すか……いや、スナイパーのままでいた方が良いかもしれない。
時計ではもう24時間が経過しているのでジョブチェンジはいつでも可能だ。
現在のメンバーでは回復役が居ないが、ポーションを飲んでどうにかしのいでもらおうと思う。
フライヤが先頭になりギザマルークの洞窟へと向かう。
ここでプレイヤーによってはチョコボの森とク族の沼に立ち寄るかって言うのが別れると思うんだ。
今回のみんなはまっすぐギザマルークの洞窟へむかっているから、私が先にチョコボのイベントを済ませていて良かったと心底思った。
通常の流れであれば、サブ的なことはあんまりやらないのだろう。
道中モンスターに襲われるが、みんな強いから簡単に倒せてしまうので、私はただ見ているだけにになっていた。
みんなに経験値が入って欲しいから、是非私抜きで戦って欲しいよね。
1時間ほど歩いたところにそのギザマルークの洞窟があり、入り口にはもう事切れてしまいそうな兵が倒れていた。
「一体何があった!フライヤじゃ、しっかりせい!」
フライヤは必死に声をかけるが、兵は返事を返すことはなかった。
入り口の惨状を見てジタンは「こんなところにダガーが……」と表情を曇らせた。
「黒魔道士軍団とは一体何者なのじゃ……!ビビとやら、お主の仲間が……」
フライヤはビビを疑うが、すぐに「否!」と声を上げて王の身を案じて先へと急ぐ。
その先にも倒れている兵達がたくさん居て、むごたらしいこの場所にダガーがいなくてホントに良かったなと思った。
私は異世界転生のお陰なのか、こう言うのには不快感は覚えるが恐怖は抱かなかった。これは本当にありがたいことだ。
それでも、かなしい、可哀想だと思う気持ちもあり、道中でできるだけ助けてあげたいと思いポーションを使ったりするが、大体はそれでは回復しきれない者がほとんどだった。
ゲームと違ってフェニックスの羽根の効果も、意識のないものの意識を一時的に戻すくらいのアイテムで、意識不明からは脱せられる程度だ。
死者は戻らない。
私は今の仲間達がそうならないようにしないと、と拳を握りしめ、洞窟を駆けていった。