緋弾のアリア Side Shuya 〜Reboot〜 作:希望光
——平穏に生きたいと願えば願うほどそれとは程遠いものとなる、なんて言葉が昨日読んでいた漫画の中で出てきたっけかな。
実際、昨日読んでいた漫画の中身はこの言葉の通り、平穏を強く願ったものが平穏から遠ざかる話だったな。
「——約束通り、勝負してもらうわよ」
思慮に耽ていた俺は、目の前にいるピンクブロンドの長髪をツインテールに結った
もしかしたら、今俺がいるのは昨日読んでいた漫画の中なのかもしれないな。俺自身も、平穏な日々を過ごしたいと強く願っていた。だから今、俺は平穏からは程遠いところに置かれてしまったのかもしれない。
「わかってますよ神崎・H・アリア……いや『
目の前の少女、世界に名を馳せたSランク武偵——『神崎・H・アリア』に対して返答した俺はジャケットの内側に設けたホルスターに手を添える。いつでも抜けるという意思表示だ。
「勝敗が決した後の約束、覚えてるわね?」
「アイツについて知ってることを話す、だったよな。それに加え俺が提案したルールに則る形で良いんだよな?」
「ええ。アンタが負けた場合はアタシがアンタのことを自由に使える。ただしアンタが勝つ、もしくは引き分けだった場合は何も無し。試合時間は昼休みが終わるまで、よね」
彼女の言葉に対して、肯定の意を込め己の首を縦に振る。正味、戦うこと自体が面倒臭いと感じるんだが……その単語が思い浮かぶと同時に彼女の言葉が脳内に木霊する。
——『無理』、『疲れた』、『面倒臭い』。この三つは、人間の持つ無限の可能性を自ら押し留める良くない言葉よ。
この戦いを申し込まれた際に断ろうとして言われた彼女の言葉が、妙に鮮明だった。だが、何故ここまで己に響いているのかが分からないままでもあった。
「正直、未だにダルいと感じる部分はある。でも『無理』、『疲れた』、『面倒臭い』とは言わない。それが俺が示せる最大限の礼儀だと感じるから」
「そう。アンタやっぱり面白いわね」
「そいつはどうも」
彼女の言葉を軽く流した俺は、ホルスターから手を掛けていた拳銃にして世界最強のハンドガンの異名を持つ『デザート・イーグル 50.AE』を抜き出す。
「それで、どのタイミングで始めるのかな?」
「アタシの
「はいよ」
短く返した俺は左腕に巻いた時計に視線を落とす。現在時刻は13:08。ウチの学校の昼休みは13:30まで。
時刻確認を終えた俺は文字盤から視線を周囲へと移す。その先には、興味本意故か俺達を取り囲うように
蔑むような視線で観衆を見渡していると、人を掻き分けこちらへと向かってくる1人の少女の姿が目に留まる。
「アレって」
「ええ、アタシの戦妹よ」
「す、すいません!」
息を切らせながら謝罪を述べるのは、淡い栗色の短髪をこれまた短なツインテールに結った少女。知ってるぞ。コイツのこと。
「間宮、あかり……だったか?」
間宮あかり。今年度からこの学校に入学した1年生。確かランクは1番下の『E』だったはず。だが、Sランカーが戦妹にしてると言うことは何かあるのだろう。人には見せてない、素質やらなんやらが。
「は、はい……貴方は確か——」
「樋熊シュウヤ。以上。始めるなら始めよう。時間が無くなるからな」
「そうね。あかり、良いわね?」
「はい!」
元気良く返事した間宮は、俺達の元から10歩程離れ俺と彼女のちょうど真ん中となる位置の延長線に立つ。
「それじゃあ始めますよ?」
「ええ。いつでもいいわ」
「同じく」
「見せて頂戴アンタの実力を。1人の
「はいよ。言われずとも俺の持てる力を出し切るつもりさ」
誰がなんと言おうと、俺は本気を出す。出なければ、目の前のこの少女に一瞬にして喰らい尽くされてしまうだろうから。
「いきまーす——レディー、ファイッ!」
間宮の合図で俺と彼女の戦闘は幕を開いた。さーて、全力を出しますかね……最も、
俺はこの日知る事となった。彼女、神崎・H・アリアと出会った事で、運命が変わったと言うこと。そして——人は『生まれ持った
初めましての方は初めまして。ご存知の方はお久しぶりでございます。
希望光と申します。まず、閲覧の方ありがとうございました。
この作品はあらすじにも記したように、5年前に書き始めた作品のリメイクとなっております。
投稿頻度や文章などまだまだ至らないところはございますが、何卒応援の方よろしくお願い申し上げる所存でございます。
と、堅苦しい文章はこの辺で、また次回お会いしましょう。