緋弾のアリア Side Shuya 〜Reboot〜 作:希望光
両手に持った小太刀を構えた彼女と、未だ
「……アンタ、雰囲気変わったわね」
「さっきからと何も変えていないが?」
「嘘ね。アタシには分かる。さっきまでとは……何かが変わったって事が」
彼女の言葉に対して訝しんだ俺であったが、それに構わず静止を破って動き出す。だが向こうも、俺の動きに素早く反応し、即座に小太刀と銃を入れ替えながら俺と逆側へと動き始めた。しかしそれも予想の範囲内。
「……そこだ」
大きく踏み込み足を止めた俺は、素早く彼女の方へ正体すると両手のDEを走る彼女目掛け撃ち放つ。これにも素早く反応した彼女は急ブレーキをかけ射撃線から外れるが、予測の範疇だ。故に俺は、既に次の攻撃へと移っており射撃を行いながら彼女目掛けて突撃していく。その動作が意外だったのか、彼女は僅かに動揺を見せた。ようやく余裕そうな表情が崩れた……逆に言えば、それぐらい戦闘時の予測力が高いってことだよね。
内心ボヤきながらも、俺はその隙を見逃さず一気に距離を詰める。
「ッ……!」
詰め寄ると同時に右手のDEを腕ごと彼女に向け撃ち放つが、寸前のところでいなされてしまう。だがそれにより相手側の
「こんのッ!」
「いッ……」
蹴りを貰った右脇腹を抑えつつ反動を利用して彼女と距離を開く。何発か無駄弾にされたよ……。
転がりながら体勢を立て直す俺に、彼女は追撃と言わんばかりにガバメントを放ってくる。途端、俺の視界はスローになり、球の動きがハッキリと分かる。……ったく、
僅かな動作で射線から逸れた俺は、シングルアクションに切り替えたDEの
「……ッ、やるわね!」
頭に顔を歪ませながらも、絶えずこちらへと発砲してくる彼女。その攻撃を1つ、また1つと避けていく俺。防戦一方かと思われる状況だが、ぼちぼちこの鉛玉の嵐も止む頃であろう。
そう思った矢先、彼女の手にしていたガバメントのスライドが開ききった状態になり、銃撃が止まる。
「弾切れ……ッ!」
銃器を引き、即座に後退の動きを取る彼女。対する俺は好奇と見て、前に出ながら左手に持ったDEの弾倉を本体から落とし、彼女目掛けて蹴り飛ばす。そのことに気がついた彼女は、腕を振って弾倉を弾き飛ばす。それとほぼ同時に、俺は彼女の前に到達し右膝で
「あんた、結構えげつないことするわね」
嫌味混じりに俺へと発せられた彼女の言葉に、俺は違和感を覚える。……なんだろう。何かがおかしい……何がだ? 訝しんだ直後、彼女と接している俺の右膝に今度は挟み込まれるような感覚が走る。コイツ……俺の膝蹴りを腕で挟んでやがる。つまるところ、俺のさっきの攻撃は彼女の鳩尾を捉えてこそいたが、奥まで入っていない。だから、彼女は普通に話せて、俺はそのことに違和感を覚えた……ってことか。なんでそんな初歩的なことも認知できてなかったんだか。
「……そう言いながら、抑えてるそっちも大概だと思うぞ」
「そう、ねッ!」
返答と共に俺の視界は大きく揺らぎ、背面に痛みが襲いかかってくる。それによって両手に持っていたDEを思わず手放してしまうことになった。ここで
「チィッ……!」
肺の中にある空気を背中を打った衝撃によって押し出されながらも、両の足を接地し蹴り飛ばすことによって勢いそのままに、
逃げる暇を与えない、そう考えて攻撃を入れ替えた俺だったが。その思考はどうやら浅はかだったようで、彼女は艶やかなピンクブロンドの髪をしならせつつ、しなやかに俺の拘束から抜け出していき離れ際に蹴りをお見舞いしてきた。
こちらの対処も間に合わなかった俺は甘いガードしかできず、放たれた蹴りでダメージこそなかったが、再度バランスを崩してしまう。……踏ん張れ俺。でないと、追撃が来るぞ。
内心で自身を鼓舞するかのように呟きながら、左足を大きく横に出して転倒を回避する。そして、空いてしまった右で握り手を、左で平手を作り左を前に突き出し、右手を引いた徒手の構えを取る。
「……ッ」
大きく息を吸い込んで顔を上げると、小太刀を両手に既にこちらへと詰め寄ってくる彼女の姿を捉える。……刀剣相手にこの状況はハッキリ言ってまずい。
意を決した俺は、構を僅かに崩しつつ地面を蹴って前へと踏み込んでいく。リーチの差を埋めるために。しかしながらこの動きは予想されていたらしく、彼女は怯むが一切見られなかった。
「そこっ!」
接近する最中、彼女の右手の刃から繰り出された上段の斬撃を微動で退け、引いていた右の拳を繰り出す。だがこの動きも読まれていたらしく、左腕を俺の右腕に当て軌道を逸らされてしまい空を切る。それと入れ替わるようにして、先ほど振るわれた右の刃が、今度は下段からの斬撃としてこちらへ襲いくる。
しまった。この下段の攻撃は避けれない。直撃を確信し目を閉じかける俺。だがしかし、俺の身体は——俺の中に潜む
「な……」
ブレザー下の背面に仕込まれたそれで、抜きたくなかったそれで俺は彼女の攻撃を受け止めていた。それと同時に、目の前の彼女の表情に驚愕の色が浮かび上がる。それは多分攻撃を止めたことよりも、俺が手にしている武器が原因だろう。
「