【凍結中】攻撃に当たりたくないので速度に極振りしたいと思います。 作:零十八二 零一二
【side of Zero】
「は⁉︎あれが雷狼?まんまケルベロスじゃん⁉︎」
そう言った俺は悪く無いはず。
狼は部屋の中央に飛び降りて来た途端、三つの首が同時に遠吠えを上げた。すると、狼を中止にバリバリと音を放ちながら電気のフィールドが部屋全体に張り巡らされた。すると、俺の体から一瞬力が抜ける。
「なんだ⁉︎」
HPバーを確認すると、なんと麻痺になっていた。まさか、この部屋全体に張り巡らされているこのフィールドのせいか⁉︎
俺の動揺もお構い無しに狼は俺に電気を纏った体当たりを繰り出す。
咄嗟に避けた俺は無事だったが、右側に避けたせいで、左腕に装備されていた腕鎧に高圧の電流が流れ、砕け散ってしまった。
「あ゛っ⁉︎」
さらに、狼は追い討ちをかけるかの如く、俺に電気の球を打って来た。
(どうする!?)
電気の球が目の前に迫る。
(…一か八か…)
俺は、自分の手にある刀で、球を切ろうとした。
「うおぉぉぉらああぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎」
ガッッッキイイィィィィィィィン
結果、なんとか切ることには成功したものの、その反動で刀は崩れてしまい、装備は、グローブの下にある指輪だけになってしまった。
そしてこの瞬間。
俺のAGIは刀の【AGI +29】を【超回避】と【
それにより、俺のAGIは130+6×4×0.75×1.5で小数点切り捨てだからさっきまで891だったのが………612⁉︎やっべぇ⁉︎(実際、そこまでヤバくはない)
『スキル【
俺は自分が今持っている移動関連スキルを総動員して狼の攻撃を避けまくった。狙うはさらに上の【麻痺耐性】スキル。今の俺にはそれが必要だ。
そうやって避け続ける事早10分。
『スキル【麻痺耐性中】が【麻痺耐性大】に進化しました』
俺は加速した。だがまだだ!まだ足りない!雷狼の迷宮の鍵の取得条件の一つ、[【麻痺〇〇】の取得]!ここで耐性と表記しないということは、耐性の更に上!無効とか反射とかもしかしたら吸収なんてのもあるはず…俺はそれに賭ける!
それから数十分後。
『スキル【麻痺耐性大】が、【麻痺・電気無効】に、スキル【雷光石火】が【雷鳴高速】に進化しました』
来た─────
電気無効と雷鳴高速まで来たのは嬉しい誤算だ。さっきまで必死に避けていた電気の球がむしろ心地いい。なんか全体攻撃の放電をしているが、こんなの効かない。
しかし、休んでばかりいられないのもまた事実。そろそろ倒したいところだが…
「どうやって倒そう…」
そう。武器を壊されてしまった今、どうやってこの狼を倒せばいいのだろうかということだ。狼の攻撃はノーダメージ。俺の攻撃もノーダメージだ。
埒があかない。
しかも、死ぬか倒すかしなければこの部屋から出られないのだ。これは開発者すら予想していなかった事態だろう。
先程取得した【
─────
【
所有者に接近する魔法を自動で攻撃し、魔力結晶に変える。魔力結晶は所有者の周辺を浮遊する。システムアシスト有り。
取得条件
武器により魔法を破壊する。
─────
というもので、攻撃スキルじゃない。
「一応、弱点らしきものは見つけてるけど…」
避けている間に、狼の首裏、三つある頸の全てに毛が生えていない事は確認済みだ。流石にそこを攻撃されるとは思わなかったようだ。
「…あ、そうだ」
ある、一つだけある!攻撃方法!早速実践しようとした俺は壁、天井を蹴り、狼の背中に引っ付き、
「……いただきます」
その背中に齧りついた。
「あ、普通にうまい」
それはゴーヤのような味だったが、自分は苦いのも好きなため問題ない。
すると、何故か狼が悲鳴を上げる。?何で、と思いながら上を見ると、狼の頭上にあるHPバーが3分の2を切っていた。
「?……あ、【俊足攻撃】の効果か」
そう、俺には【俊足攻撃】があるから、STRが実質600オーバーなのである。完全に忘れてた。そしてもう二回狼を食べると、狼のHPバーが完全に黒に染まり、狼は赤黒いポリゴンになって消え、扉と反対側に光輝く魔法陣と大きな宝箱が現れた。
………ハイ、食わせました。後悔も反省もする理由がわからない。