ようこそ悪正義の教室へ   作:ざきあ

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9.撃退

 

 

「清隆!どっちだ!」

 

「そこを左だ!その後すぐに右に入ったら佐倉がいる!」

 

真と清隆は佐倉の元へ走っていた。

言われた通りに左へ曲がりすぐ右へ向くと立ち尽くす千秋とそれに向かってナイフを向けながら走る男の姿が確認出来た。

 

「千秋!!!!!」

 

真はすぐさま千秋の肩を掴み後ろへやり、男がナイフを持っている腕を蹴り上げ回りながら腹へもう一度蹴りを食らわせた。

男は後ろへ吹き飛び動けなくなった所を真はすぐさま拘束する。

 

「清隆!佐倉と千秋を!」

 

「分かってる!」

 

佐倉と千秋が清隆に保護されたのを確認すると真は男へ殺気を出し睨み付けながら声を掛けた。

 

「よぅおっさん、誰の女に手出そうとしてんだよ、あ?」

 

「ひっ!?」

 

「強姦未遂に殺人未遂、オマケに銃刀法違反か、あんた終わったな」

 

「は、離せぇー!」

 

「るせぇ!!テメェは黙って豚箱に入ってろ!!!屑が!!!」

 

「ぁ、ぁぁぁぁぁああ!!」

 

そしてすぐに一之瀬に連れられてやってきた警備員に男は捕まり連れ去られていった。

 

「千秋!怪我は!?」

 

「だ、大丈夫…」

 

「そうか、良かった……」

 

「し、真君……」

 

「ん?」

 

「ぅ、ぁ、怖かったよぉぉぉお」

 

千秋は泣きながら真へ抱きついた。

それを真は優しく抱き締め返し頭を撫でる。

 

「怖かったよな、悪い、俺のせいだ」

 

「殺されるかと思ったぁ、真君に会えなくなるかと思ったぁ……」

 

「大丈夫だ、俺はここにいる……」

 

「じんぐぅん……」

 

「ごめんな千秋……」

 

(クソっ!なんで!俺のせいでまた千秋を危険な目に!俺がもっと慎重に動いていれば!!)

 

原作ではストーカー男はナイフなんて持っておらず、こうなると思ってなかった真は酷く後悔し、千秋に申し訳なさでいっぱいになっていた。

すると一之瀬が警備員と共に近付いてきた。

 

「あ、あの、浅桜君、警備員の人が2人に話が聞きたいって……」

 

「え、あぁ、分かった、千秋、警備員が話を聞きたいって言ってるから行こう」

 

「うん……」

 

「大丈夫、俺も一緒に行くから」

 

「うん……」

 

そうして5人は警備員に連れられ事務所にやって来て一人ひとり事情聴取を受けた。

そうしていると星乃宮と茶柱がやってきて、真は2人に説教を受けるのだった。

 

「浅桜君!今回は無事だったから良かったけど、1歩間違えれば自分の命も危ない所だったのよ!?分かってる!?もう少し慎重に動きなさい!」

 

「分かってますよ、けど俺が動かなきゃ千秋は刺されて重症、もしくは死んでたかもしれないんですよ」

 

「そ、それはそうかもしれないけど!」

 

「浅桜、確かにお前が動かなければ松下は不幸に合っていたかもしれないが、それはお前も同じだ」

 

「……けど結果的に誰も怪我1つしてないんですから」

 

「だーかーらー!!!!!」

 

「次から気を付けますから……」

 

「分かっているのかお前……」

 

茶柱に呆れられると真は嫌味を言う。

 

「そもそも今回こうなったのは学校側にも責任あると思うんですが」

 

「何?」「え?」

 

「あの男は毎日学生寮へ来て、手紙を佐倉のポストへ入れてた事が確認されてるみたいじゃないですか、怪しいと思わないんですか?」

 

「それは……」

 

「……」

 

真は口調を段々強める。

 

「確かにストーカーってのは被害にあってからじゃないと警察とかが動けないのは知ってますけど、注意喚起とか出せたりしたんじゃないですか?それすらしてませんよね」

 

「「……」」

 

「確かに俺の行為も軽率だったかもしれませんが、もう少し学校側もそーゆーとこしっかり警備して下さいよ」

 

「あ、浅桜君…」

 

「……上には今後この様な事が起きないようにするよう伝えておく」

 

「頼みますよ、マジで」

 

そして佐倉以外の事情聴取が終わり佐倉以外の4人は寮へ戻る際、一之瀬が時間も時間なので何処で晩御飯を食べようと提案し、4人はサイゼリヤへ入る。

 

「おお、ここがあのサイゼか…」

 

「あ、綾小路君サイゼ来た事ないの?」

 

「無いな、前に真から借りたアニメで主人公がサイゼを凄い推してて1度来てみたかったんだ」

 

「……俺ガイル?」

 

「おお、松下も知ってるのか?」

 

「真君にオススメされて見たよー、マッ缶は飲んだ?」

 

「……あれは中々破壊力がある甘さだが、クセになる」

 

「おぉ、綾小路君甘党?」

 

「そうかもしれない、比較的甘い物はなんでも好きだな」

 

「お前ら俺が進めた作品全部ハマってるな」

 

「「真君(真)が押す作品にハズレはない」」

 

「は、話についていけにゃいなー、あ、そういえば、浅桜君と松下さんって仲良しだったんだね」

 

一之瀬がそう言うが3人は首を傾げた。

 

「え、何か変な事言ったかな私?」

 

「一之瀬、お前真に聞いてないのか?」

 

「え?」

 

「真君、言ってないの?」

 

「え?え?」

 

「ああ、そーいや言ってないな」

 

「え?え?え?」

 

「俺達(私達)(2人は)付き合ってるんだ(よ)」

 

3人が口を揃えて言うと一之瀬は驚いた顔をした。

 

「ええ!?そうだったの!?教えてよ!」

 

「聞かれりゃ答えるけど、別にわざわざ教える事でもないだろ」

 

「真君らしいや」

 

「オレはてっきり知っているもんだと思っていたぞ」

 

「にゃー!さっきからずっと仲間外れにされてるよー!浅桜君!友達なんだから私も仲間に入れてよ!」

 

一之瀬がそう叫ぶと真がとんでもない事を言った。

 

「え、俺一之瀬と友達なの?」

 

「え」

 

「し、真君……」

 

「真……」

 

「……」

 

「いや、クラスメイトではあるけど、友達になった覚えはないな……」

 

「「oh......」」

 

そう言われた一之瀬は顔を下に向け体を震わせていた。

 

「い、一之瀬さん?」

 

「にゃー!!!!浅桜君酷いよー!!!!」

 

「どわっ!!なんでだよ!」

 

「私は友達だと思ってたのにー!学校に来て初めて喋ったの浅桜君なんだよ!?」

 

「え、喋った事あるやつ全員友達って言うのかお前」

 

「そ、そうじゃないけど!クラスメイトだしよく喋るからー!」

 

「えぇ……俺が友達だと思ってるの清隆とユキだけだからな…千秋は彼女だし……」

 

「むー!じゃあ今日から私達も友達ね!」

 

「お、おう…」

 

すると今度は千秋が

 

「真君、ユキって誰?」

 

「え、姫野だけど」

 

「ふーん」

 

「千秋?」

 

「ねぇ綾小路君、これ美味しいよ?」

 

「え、あ、そうなのか?」

 

「え、ちょ、千秋?」

 

「一之瀬さんは何が好き?」

 

「え、えと、ミラノ風ドリアかにゃ…」

 

「千秋さん?無視しないで?」

 

すると千秋がこちらを向いた。

笑顔だか目は笑っていなかった。

 

「真君、後でお話しよっか」

 

「え、あ、はい……」

 

その2人を見て清隆と一之瀬は同じ事を思った。

 

(松下(松下さん)怖い!!)

 

全力で嫉妬していた。

その日の夜、真は3時間かけて千秋の機嫌を取っていた。

そして翌日の帰りのHR

 

「それじゃ今日のHRは終わり!皆気を付けて帰ってね〜、あ、浅桜君と一之瀬さんはこの後職員室に来てくれるかな?」

 

そう言われ2人は職員室へ向かった。

 

「なんの話しかにゃ?」

 

「昨日の事じゃないのか?」

 

「あ〜なるほど〜、あれ?」

 

2人か職員室に着くとそこには千秋と清隆、それと佐倉もいた。

 

「よっ」

 

「やっほー!3人も呼ばれたの?」

 

「ん、一之瀬に真か」

 

「こ、こんにちは!」

 

「やっほ2人共、そうだよー」

 

話していると星乃宮と茶柱が来て生徒指導室へ連れてかれ、昨日の件について話してきた。

 

「昨日の件で、君達に学校側から謝礼金という形でポイントを渡す事になった」

 

「なるほど、口止め料ですか」

 

「……」

 

「浅桜君……?分かってても言っちゃダメよ?」

 

「…うっす」

 

額で言うと、通報した一之瀬、現場に居合わせた清隆へ10万、証拠を持っていて、襲われかけた千秋へ20万、千秋を助け容疑者を撃退し拘束した真へ25万、今回1番の被害者である佐倉へ30万となった。

 

「分かってはいると思うが、今回の件については他言無用で頼む、その為のポイントだからな」

 

「「「「「分かりました」」」」」

 

「それじゃ〜、皆もう帰っても大丈夫よ〜」

 

そう言われ5人は生徒指導室を後にし帰宅しようとする。

すると真は少し真剣な声で一之瀬を呼び止めた。

 

「一之瀬、クラスの事で少し話がある」

 

「ん?話?」

 

「ああ、出来れば二人で話がしたい」

 

「ええっと、私はいいけど…」

 

一之瀬が千秋の方をチラッと見る、すると千秋は真が真剣な顔をしているのを見て察した。

 

「私は大丈夫だよ、クラスに関わる大事な話なんでしょ?」

 

「ああ、清隆、悪いんだが千秋と佐倉を送ってってやってくれ」

 

「ああ、分かった」

 

「んじゃ、頼んだ」

 

そうして3人は帰って行った。

真と一之瀬は話をする為に特別棟の屋上へ向かった。

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