4月
それは出会いと別れの季節、桜が散り運命の相手と出逢うかもしれない季節
そんな中、2人の少年少女は再会を果たした。
「千秋……」
「真君……」
まさかの遭遇に2人はその場を動けないでいた。
真は何を言えばいいのか言葉が見つからないま顔を伏せて黙っていると千秋の方から声をかけられる。
「……その、久しぶりだね」
「……ああ」
「…約半年ぶり?」
「…そう…だな」
「…真君もこの学校だったんだね」
「…ああ」
「実は…入学式の日に遠目だったけどチラッとだけ見掛けたんだ」
「……そうか」
「…教室にも…探しに行ったんだ」
「……聞いたよ」
「また真君に会えると思って嬉しかった…」
「…俺は…………」
「会いたくなかった?」
「…………分からない」
「分からない……?」
「……」
「私は会えて嬉しい」
真は今起きている事に頭の処理が追い付いていなかった。
姫野から千秋が自分を探していると聞かされ、会っていいものなのか分かっていなかった。
彼女は自分が拒絶してしまった相手、嫌われようとし突き放し忘れようとしていた。
そんな相手が自分と会おうとしている。
会って何を言われるのか、罵倒され殴られ死ぬまで許さないと言われる覚悟はしていた。
そんな相手に会えて嬉しいと言われた。
何故だか真には分からなかった。
「真君は……私の事嫌い?」
「ッ!?」
そんな事を言われ思わず顔を上げ千秋の顔を見ると今にも泣きそうな顔をしていた。
「……き……きらい……」
「……」
「…嫌いじゃ……ない……」
「ほんと?」
「あぁ……けど俺は……お前を……」
「私を助けられなかった?」
「……あぁ…俺は失敗した…もっといい手段があったハズ、もっと早く解決出来たはず」
「けど……結果的に私は助かったよ」
「ッ!?」
そう言われ真は思わず叫んでいた。
「結果じゃない!!!!!」
「俺は……お前を傷付けた!!!!!」
「ずっと近くにいたはずなのに助けてやれなかった!!!!!」
「気付いた頃には手遅れだった!!!!!!」
「だからお前を遠ざけた!!!!!!!」
「俺の近くにいればまた傷付けてしまう!!!!!」
「だから……だから俺は!!!!!!!!!!!!!」
「…もう…嫌なんだ……!!!」
「自分が傷付くのも、大切な人が辛そうな顔をしているのを見るのが嫌なんだ!!!!!!!!!」
我慢の限界だった。
今まで溜め込んできたものを全て吐き出したかった。
誰でもいい助けてくれと、俺を救ってくれと真の心の叫び。
真がそう叫んでいると千秋はゆっくり真に近付いて、まるで我が子の様に優しく抱き締めた。
「……えっ?」
「真君……私が1番傷付いたのは真君が私から離れていった事……」
「ッ!?」
「あの時、真君が私を遠ざけ様とした事はすぐ分からなかった、真君がただ私の前からいなくなる事だけがとにかく嫌だった、私は真君とずっと一緒に居たかったから、何があっても真君の隣に居たかった……それに気付いた頃には遅かった……真君が傷付いていたのも……真君が私の辛そうな顔を見るのが嫌なのも……気付いてあげられなくて……私は真君を守ってあげられなかった……だから……」
真はそう言っている千秋の顔を見ると目には大粒の涙を浮かべていた。
「……私にも真君を守らせて……だから……私の前から居なくならないで………………私の大切な人を…………奪わないで……しー君………」
嗚呼、俺はまた間違えた、こいつが1番傷付いたの同級生にいじめを受けていたからじゃない……
俺がこいつの前から居なくなった事だったんだ……
なんでこんな簡単な事が分からなかったんだ……
いくら勉強して知識を得ても人の心の想いが分からないとダメじゃないか……
変わってないな俺は……
けど、気付かされたよ、俺がこれからどうするべきなのか……
俺は…俺はこいつと歩んでいく。
これからの未来へ
何があってもこいつだけは離さない……
俺が護る
真は千秋を抱き締め返し、今までで1番優しい声で告げた。
「ちーちゃん……ごめんな……」
「……え?」
「ちーちゃんの大切な人奪っちまってごめんな……けどもう大丈夫だ……」
「……ほんと?」
「あぁ、俺はこれからもずっとちーちゃんと一緒にいるよ……」
「しー……君…………う、うぅ、うわぁぁぁぁぁぁん!!!」
そうして千秋は我慢の限界から、真の腕の中で大声を出して泣き始めた。
それから約30分程2人は抱きしめ合っていた。
少し落ち着き始めた千秋を真は近くのベンチに座らせる。
「……グスッ」
「落ち着いたか?」
「うん……ごめんね真君、制服濡らしちゃった……」
「気にすんな、こんなんクリーニング出せばすぐ綺麗になるから」
「……それは私が汚いってこと?」
そう言われ真は慌てて弁明する。
「ばっ!?ちげーよ!!千秋が汚いって言ってないだろ!?」
「ふーん……」
「ち、千秋さーん……?」
「……ふふっ、冗談だよ」
「お、脅かすなよ……はぁ…」
2人はお互い昔の様に笑い合い、笑顔になっていた。
すると千秋が頬を赤く染めながら質問をしてきた。
「ね、ねぇ、真君……///」
「ん?」
「さっき、これからもずっと一緒に居てくれるって言ったけど……それって…………///」
「…………ッ!?///」
「……///」
「あ、えと……///」
顔を赤く染めしどろもどろになる真を千秋は緊張しながら見つめている。
そして真は覚悟を決め…
「その、今すぐって訳じゃない、けれど、いつかちゃんと言わせてくれ」
「……まだ待たせるの?」
「千秋さーん!?!?僕達まだ学生ですよー!?」
「ふふっ……冗談だよ」
そう言いながら千秋は真の肩に頭を乗せ、2人の手が重なり指を絡ませ恋人繋ぎをする。
「ちょっと重たいかもしれないけど……ずっと待ってるから……けど……早めにしてね?」
「……あぁ、なるべく早めに伝えれるようにするよ」
そうすると再度千秋は顔を赤く染め恥ずかしそうにして、少し心配そうな顔をしながら真に問う。
「あ、けど、その……///」
「ん?」
「えと、私達……結婚前提に付き合ってるって事でいいんだよね……?///」
「…千秋が俺と恋人同士になってくれるなら……」
「むしろここでなりたくないって言わないと思うけど……」
「ですよね……じゃあ改めて言わせてもらうよ」
「ん……」
2人はお互い向かいあい、顔をしっかり見たまま
「松下千秋さん、俺と結婚前提でお付き合いして下さい」
「こちらこそ、よろしくお願いします……真君……愛してます……」
「俺も……千秋…愛してる」
夕陽が沈む中、2人の影は重なり合い…
「……んっ」
「んっ……」
お互いの唇を重ね合わせた。
しばらくし同時に離れた2人は少し恥ずかしそうに笑いあっている。
「……レモンじゃなくてコーヒーの味がした」
「コーヒー飲んでたからな」
「ふふっ、そっか」
クゥ〜……
すると千秋の腹から空腹を知らせる音がした。
千秋は顔を真っ赤に染め恥ずかしそうにお腹を抑えるが真はその音をしっかり聞いていて苦笑いをしていた。
「……ッ!?///」
「……腹減ったし帰るか、なんか食いたいものあるか?」
「……真君のオムライス…」
「ふふっ、りょーかい」
そして2人は寮へ戻りお互い真の部屋へ入っていった。
千秋が自室へ戻ったのは翌朝の事だった。
正直2人をくっつけるか悩みました。
姫野ファンの人には申し訳ない。
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