悪夢は閃光を纏い、空を飛ぶ   作:筋トレ用具とサングラス

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アスピナの亡霊

「どうして… ただの視察だと思ってたのに…」

インテリオルユニオン旗艦、ティターンの中で少女は嘆く。

「どうしてこうなるのよぉぉぉ‼︎」

 

「敵ノーマル 距離600! 撃ってきます!」

「弾幕薄いぞ!」

「Eセンサー破損! レーダーが…」

「ここまでか……」

GA製ノーマル、ソーラーウィンド3機が迫る。対する旗艦ティターンは貧弱な三連機銃のみ、破壊されるのも時間の問題だーー

 

と思われた時無線に一つの声が入った。

「やれやれ……企業連の下っ端が餌か。なかなのクズっぷりだな。ホワイトグリント、旗艦ティターンの護衛のため敵を殲滅する。」

「ホワイト……グリント⁉︎ ラインアークの…?」

「残念だがハズレだな。企業連のお嬢ちゃん。俺はアスピナの亡霊でありーー」

 

「レイレナードの悪夢だ。」

かつての英雄の機体がミミル軍港に降り立った。

 

「ミサイル発射」

GA製の量産型ミサイルmuscle shellが同じくGA製ノーマルに襲いかかる。

このホワイトグリントはかつてのホワイトグリントからブレードとエコレーザーを排し、ライフル二丁とミサイルで重武装化したものである。

「このまま進行してティターンの進路を切り開く。」

ネクストを相手にノーマルや戦艦などなんの役にも立たない。それを示すかのようにミサイルで殲滅を続けている。

そして脱出口へと辿り着き、撃ち切ったミサイルコンテナをパージする。そこでもう一人のリンクスの声がかかる。

「こちらティターニア聞こえますか?ホワイトグリント。現在位置から距離10000のところにまでBFFの第八艦隊とインテリオルのAFスティグロが来ています。ティターンの脱出に間に合いません。」

「ああ。先に偵察した通りだ。2人もいれば十分に殲滅できるだろう。」

「確かにそれだけなら殲滅は可能なのですが… 敵の戦力を見誤りました。今回あの老人達はかなりの本気モードです。奥にAFギガベースも待機しています。 その護衛も含めたらかなりの数です。」

「……弾が足りないか。」

キッと唇を噛む。これでは作戦放棄を視野に入れなくてはならない。それだけはなんとしても避けたかった。それは老人達に負けたことになるからだ。

「この座標に行ってください。ここにネクスト用の武器庫がありました。」

彼女が応じる。

「船しかないミミル軍港の中に……?確かにあるのですか?」

「はい。テクノクラート社製の三連ロケットとカノープス、レールガンが両側ありました。」

「インテリオルの軍港にテクノクラートのがあるのはかなり怪しいが…使うしかあるまい。ロケットでスティグロをやる。ティアマトはギガベースだ。」

「数的にはギガベースの方が少ないですが良いのですか?」

「こっちのAMS適性を知っているだろ?ただでさえあれなのに今は軽量機だ。向かっている間に落ちるぞ?」

ティターニアの搭乗者はこの言葉にため息を吐く。

「仕方ありませんね。ご武運を。ホワイトグリント。」

「了解ティターニア。企業連の嬢ちゃん。聞いていたな?ロケットの準備をしてくれ。」

「わかりました。それではお待ちしています。」

「交信終了っと。しかしなかなか肝が据わっているな。」

彼はこれにかなり驚いていた。さっきまで怯えて助けを求めていた企業連の下っ端がまさか武器庫を見つけて準備をしていることに。そして嗤った。こんなに良い原石を捨て駒にする老人達の愚かさを。

オーバードブーストを起動してまだ顔も名前も知らぬ彼女の元へ向かった。

 

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