CoCシナリオキャンペーン『魔法科高校の劣等生』 作:虚憑き
なるほど、これが評価の力か…。
誠にありがとうございます!
《彼は首席の答辞はつつがなく終えた》
《校内にある問題に触れるような、危なげのある答辞はせず、どこまでも無難なことを話した》
《それを終えると彼の役割は終了し、1入学生として式を見ることとなる》
《退屈だが、学生の醍醐味とも言えるソレを堪能した後に彼はこれから1年を共に過ごすクラスへと移動する》
《いや、しようとした》
「糸里さん、少し時間を貰っていいかしら?」
クラスに移動しようとしたら生徒会長、【七草真由美】に補足された。
いや、何の用なのかは分かってる。
自分が首席なのだから生徒会への勧誘だろう。
「構いません。それで、どういったご要件でしょう?」
「ありがとうございます。単刀直入に言うと、貴方に生徒会への所属をお願いしたいの」
やはり勧誘だったか。
どうにも代々の伝統らしく、首席合格者は生徒会へと勧誘されている。
そこで今年の首席である自分に話が来たのだろうが…。
ぶっちゃけ断る気マンマンである。
原作『魔法科高校の劣等生』は、ざっくり言うと主人公である司波達也が隠していた能力を見出されることから始まる。
逆説的に言えば、能力を見出されなければ物語が始まらない可能性がある。
実際には時系列に沿って動くだろうが、幾つかの物語は確実に始まらないと言える。
それらは達也の実力、或いはその危険性を見ることが発端となるのだから。
なので、ここは1つ断らさせていただこう。
幸い、と言うには少し微妙だが断る理由もある。
「…お誘いいただいて、ありがとうございます。ですが、辞退させていただけないでしょうか?」
「残念です。理由を聞いても良いですか?」
言葉の割に残念がってなさそうである。
これは多分、こっちの事情を知った上で確認に来た感じかな?
よく見れば他の役員の姿が見えないし。
「はい、自分には妹が居まして…先天性の病にかかっていて、家から出すことが困難です。家の中で大人しくしてくれていても、時折発作に悩まされています。そんな妹の傍に出来るだけ居てあげたい、私事ですがそれが理由です」
魔法師にとって、遺伝子病は対岸の火事ではない。
何故なら自らの長である、十師族は遺伝子操作の果ての産物なのだから。
だからか魔法師は先天性の病というものに対してことさらに丁寧に接してくる印象がある。
まぁ、そんな目論見もあって同情を引く要素を交えて話せば…
「話してくださってありがとうございます。そういった事情であれば仕方ありませんね」
やったぜ。
まぁ、言った言葉に嘘は無いので純粋には喜べないのだが。
「折角お誘いいただいたのに断ってしまって申し訳ありません」
「良いんですよ、家族を大事にするというのは悪いことではありませんから」
それと、他にも候補は居るから…かな?言わないだろうけど。
これでおそらく司波深雪の方にも話が行くはず。
そこからならまだ、私が生徒会に入るよりは原作に近い流れになるだろう。
「引き止めてしまってごめんなさいね。私は用事があるのでこれで」
「此方こそ、お時間いただきありがとうございます」
去っていく七草会長を見送った後、のんびりと自クラスへと向かう。
途中に良さげな支柱があったのでもたれ掛かって自クラスを確認する。
Aクラスっと。
…うん、知ってた。
主人公が首席になったから一足早くクラスに入った深雪ちゃん。
そこには彼女と仲良くなりたいというモブの皆さんが!
押し寄せて来る人、人、人の群れ。
深雪頑張って!貴女が頑張らないと達也と一緒に帰るって約束はどうなっちゃうの!?
次回、『深雪、人波に飲まれる』デュエルスタンバイ!(大嘘)