ユグドラシル・EFFECT RTA 称号『ワールドジェネレーター』取得チャート 作:ケイオース
オーバーロード、最新刊読み忘れてから読んで無いのですが、執筆意欲が出てきたので、資料片手にRTA、書いてみようと思います。
ユグドラシル
それはぼくの、いやこの世界にいる人々に残された唯一の癒しだった。
それによって生活圏が狭められた。生けるものが生きれる空間が無くなった。
そして、『箱庭』に入れた人間が今こうしてなんとか生きている。
……我々人間は皮肉にも、核を生み出したその科学力で生きながらえている。
資源の奪い合い。
生活の格差がより広がり、底辺に位置する者と頂点に位置する者との二極化が極まった。
底辺は、食材を食べることすら難しい。しかし、『上』にいる者達は湯水のような金を使い、核汚染前と同じような食事をできるのだという。
そして、そんな『上』の者達でも、今の現状をどうにかできるわけではない。
今ある資源をすり減らし、刻々と滅びへの道を辿っているに過ぎない。
そういう、どう考えても下向きで、何になるかもわからない仕事を、ただただ生きながらえる為だけに成していた。
そんな毎日を過ごして、人生飽き飽きしていた時。
ある日本のゲームメーカーが一本のゲームタイトルを出した。
デモムービーに映る広大な風景。まだ美しかった頃の様な夜空。汚染されていない大海原。
そして、現実ではあり得ない様な武器・魔法。それを操る数多の種族。
凄まじい量のアイテムや武器防具、金色に輝く財宝たち。
現実とかけ離れていて、どうしようも無く渇望していたモノ。
この醜い
それが『ユグドラシル』。
大勢の人達がこのユメを見た。
ある人は、そこで出来た仲間達と笑い合った。
ある人は、闘争に身を委ね、頂点へと上り詰めた。
ある人は、誰かに夢を託すべく、鋼を打った。
ある人は、配信をして大勢に楽しさを共有した。
ある人は……
人の思いが重なり、さまざまな歴史を刻んだ。
時に笑い、時に怒り、
楽しい時だった。かけがえの無い時だった。
……でも、夢はいずれ覚める。
ーーーーーーーーーー
「……ユグドラシルのサービス終了、か。」
ユメの終わり。それは案外あっけないモノだ。
確かにこのゲームは盛況して、物凄い額の売り上げを誇った。
配信自体は無料であったが為に多くの人に触れられ、その分多く課金をされた。
多くのアップデートが行われ、多くのコラボが有り、そしてその度プレイヤーは盛り上がった。
しかし、時間が過ぎている間に、『次』が出てくる。
より高度なCG。新たなゲームジャンル。そこでしか体験出来ない事。
そんな売り文句を掲げて、新たなユメがやってくる。
人間は強欲だ。
最初は、ユメさえ見れれば良かった。
しかし時間が経てば、そのユメを飽きたと思う。
あまつさえ彩を求め、文句まで言う者さえ出てくるのだ。
そして、それに沿う形で違うユメを見に行くのだ。
そうすれば必然と人口は減り、勢いは鈍く、盛り上がりに欠ける。
勿論、その度に運営はさまざまなアップデートやコラボで引き戻しをした。
その度、戻ってくる人はいた。
けれども時が経つ度、やはり人口は減っていく。
「12年……長かったんだろうな。」
そうだ12年。
あっという間に過ぎ去った様に感じたこの期間は、多くのプレイヤーを新たなユメに導くには易い長さだった。
……ははっ、今となってはこの名前にしたのも滑稽に感じる。
「
過去のサーバーでは無くとも、その動画を保存している者達のお陰で、今のサイトでもその一端を見る事が出来た。
様々な手を使い、1分1秒を縮めようとするその姿。
幾つものミスをしても挫けず、リセットし続けてでもタイムを稼ごうとする彼らに感動したのだ。
彼らは生き生きとしていた。どこか生気があった。
だからぼくは憧れた。目指してみようと思った。
……だが、それは無理だった。駄目だった。
まゲームソフトが無い。データも残ってない。そして過去の作品など作ろうとする者もいない。
そしてそんな未練がぼくの名前。
【警告 サーバー停止まで1分】
「……速さを求めたよなぁ。誰よりも早くゴールに辿り着く為に。」
この姿も。
「でももう終わりなんだよなぁ。」
このユメも。
「キャラクターテキストも、誰に読ませる訳でも無いのに無駄に書いちゃったし。」
未練でしか無い。
「……ここじゃ花火も聞こえない。」
だから最後だけ。
「ここにいるのはたった1人。」
ぼくが主人公。
「……自分だけの、
これで終わり。おしまいだ。
「一回さ、言ってみたかったんだ。」
【残り3…2…1…】
「……RTA、はーじまーるよー」