エリス「そうか。騎士クンを、最強に、すればいいんだ」ミソラ「( 'ω')ふぁっ」 作:ルーピア
【アメス】
「USOでしょ……」
おっと、驚きのあまり、ウソをローマ字読みをしてしまったわ。
と、いうか。
「全ステータス及び、全スキルと全魔法の熟練度完ストって、いったい何がどうなってるのよ……」
近未来的なベットの上で、健やかに眠っている青い外套を纏った騎士の少年、かつて仲間たちと共に沢山の冒険をしたあたしの相棒、ユウキを眺めながら、独り言を口にする。
異変に気づいたのは、ユウキをリダイブさせるための調整を開始して、すぐのことだった。
ユウキのステータスの能力数値が何故か軒並みアストルムの限界の値である9999になっていたの!
さらに調べてみれば、全スキルと全魔法は習得済みになっているし、熟練度も完ストしていたのよ? わけわかんないわ!
ユウキがアストルムでは特別な存在のプリンセスナイトであることを加味しても、こんなステータスになるのは、どう考えてもおかしい。
てか、プリンセスナイトって戦闘指揮特化だし、ユウキの場合、プリンセスナイトとしての固有能力が強力だったから、戦闘能力は低くめに設定されていたはずなのに……。
……ホント、いったいどうなってるのかしら? 調べてみた感じ、不思議なことにバグ扱いでは無いのよね。ステータスが【
こんな芸当、今のアストルムじゃ【
もしやれる存在がいるとすればそれは、このアストルムの世界を
つまりこいつの今の完ストステータスは、運営公認の公式チートってこと!?
……でもこれなら。今度こそ、今回こそ、行けるかもしれない──何度も繰り返されてきたバットエンドのその先に!
自然、リダイブのための作業をする手に力が入る。
丁度、その時、ユウキの瞼が半分くらい開いた。
「……ここは?」
「ごめん。起こしちゃった? 作業に集中したいからまだ寝てていいわよ」
「……キミは、誰?」
「初対面みたいな反応をされるのは、やっぱりちょっと凹んじゃうわ」
何度も繰り返してきた最初のやりとり。
……忘れられるっていうのは、何度経験してもやっぱり、寂しいものね。
「あたしは、まぁ……アメスとでも名乗っておくわ」
アメスになる前の、ガイド妖精だった頃のフィオの名は自分では名乗らないことにしている。
だって、フィオって名乗ったとして、ユウキに知らないって言われたら、とっても悲しいもの。
あたしの相棒だったあの頃のアンタはもういないって痛感しちゃうから……。
ムクリとユウキは上半身を起こす。寝てていいって、いったのに。
「……アメス……アメス。知らない。……何も思い出せない。僕は、誰?」
「ユウキ。それがアンタの名前よ」
「ユウキ……僕は、ユウキ。……!! 教えてくれて、ありがとう!」
そう言って、ユウキは花が咲いたみたいな笑顔を浮かべた。
私は嬉しくて、自分の口元が少し吊り上がるのがわかった。
記憶が無くても、アンタのそういう優しくて純粋なところは、変わってない。
「ユウキ。あたしは、自己修復が終わるまでは動けない。『現実』には関われない。だからあたしの代理として、あんたには『ガイド役』を派遣しておいたから。詳しい話はそっちに聞いてね」
きっとコッコロたんなら、今回も上手く『ガイド役』をこなしてくれるから。
「現実? ガイド役? なんの話?」
きょとんとした顔で私を見るユウキ。純粋無垢って感じで、可愛いわね。こういうところにユイたちは惹かれるのかしら?
まーアタシは、ノリはいいけど、若干ウザいアンタとの掛け合い好きだったからさ。またいつか、いえ、今回こそアンタと『現実』でそんな馬鹿みたいな掛け合いをしたいものね。
……あーあ。もうリダイブの時間か。
「……ごめん。今回はこの辺でお別れしないといけないみたい。ホントは、もっといっぱいお喋りをしたかったけど。でも、いつまでも『夢』は見ていられないから……」
ユウキの周囲から白い光が溢れ出す。
暖かなそれでいて優しい光。ユウキはウトウトとし始めて、ベットに横になり、ついに瞼を落とす。
「……またね。あんたの人生が、現実が、幸福なものであるよう祈っているわ」
…。
………。
…………。
その日の夜、ユウキの記憶データを見てみたんだけど……。
ユイとの出会い。
『助けて〜! 大量の魔物が追いかけてくる〜! (爆風) *2きゃあああ!!』
「って、魔物と一緒に森の一部が直線上に消し飛んだああああああ!? てか、確かあの周辺ってキャルちゃんが隠れてたわよね!? え、キャルちゃん死んだ? この人でなしいーーー!!」
幸運なことにキャルちゃんは生きていた。
どうやら消し飛んだ森部分のすぐそばに居て、余波で吹き飛ばされたみたい。
『……死ぬかと思ったわ。後、ほんの二三十センチ先にいたら……あたし……! ……あ、あ、アンタ。いったいなんなのよ!馬鹿なの!? 大馬鹿なの!? 化け物なの!? ぶっ殺すわよ!!』
病院で目を覚まして、ユウキにブチ切れるキャルちゃん。
これは、キャルちゃんの怒りはごもっともだわ。
よく良く考えれば今のユウキってかなり危険じゃないかしら?
イメージとしては、歩く核の赤ん坊……あ、これうっかりアストルム滅びないわよね?
とりあえず、こういう時は、えーと
──ウチの