胃液出た
小さい頃、私は祖母と祖父の家に母と姉、祖母と祖父と私と5人で暮らしてた。
田舎でこっちみたいな娯楽はなかったが、遊ぶ場所には困らなかったし、友人にも恵まれていた。
森で鬼ごっこをしたりドロケイや缶蹴りだったりもしていたのを今でも覚えている。でも、おままごととか人形遊びは嫌いで一切しなかった。
だってあの家に、大量の日本人形やフランス人形が飾ってあって私を見ていたから。
その視線が恐怖よりも気持ち悪くて、嫌いだった。憎悪すら抱いた。
だから、捨てて怖いって祖母と祖父に訴えかけた。
でも、祖母と祖父は守り神だから愛ちゃんを守ってくれているんだよって、捨てる事はなかった。
だから私自身が捨てようとしたけれど、運ぼうと近づこうとした瞬間に気持ち悪くなって、諦めた。
私を馬鹿にする様な、鈴の音が部屋に響いたのを覚えている。
後は、その数年後に通学中や帰りの途中、私の耳元で何かがいつも囁いていた。
「ナンデ…? どどい、どうナンして…? ワタシハアナワタナタ松は…松浦さんはどこにいますか? 松浦さんですか? 浦、秋ろき、ヒロ、疲労、声こえこえこえこおこえtoto届く…アナタハ松浦秋広さんですか?」
友達には見えないし、聞こえないのでただただ祖母から貰った御守りを握り締めていました。
助けてって念じると、鈴の音が聞こえて、徐々に存在と声が消えていったんです。
数年前までは、憎悪に駆られていたその鈴の音に、安心感を覚えていました。
その後、私が中学校を卒業すると同時に、私達はこの町に引っ越して来たんです。
それが間違いだったのかもしれないです。
だってそれから頻繁に声が聞こえてくるんです。いつも側にいたんです。御守りを握っても、鈴の音が聞こえてこないんです。
それで先日、お風呂に居たんです。
限界が近くて、お寺とか神社とか調べようとしても圏外になるし、直接行こうとしても辿りつけないし、お母さんもお姉ちゃんも妹も皆んな変だし、だからお酒飲んだ後、お風呂に入らず寝てしまって朝入ったんです。
頭を洗い、シャワーで流し終わった後それは目の前に居たんです。
腰まで長い髪で顔は見えなかったけど、黒い着物を着ていて
「後もう少しいたただきます」
それだけ呟いて消えました。
放心した後、ずぶ濡れのまま御守りを確認しにいったら黒く変色していて、ズタボロになっていて、大学にも行けなくて!
「助けて下さい! もう限界なんです! 分かるんです…。もう長くないんです!」
「良いよ、それがこの俺キタローさんの仕事だし」
私は高校生くらいの幼さが残る少年のような少女に縋っていた。
難しいいよぉぉ!
やっぱり先生は天才だああああああ!!