正直に言ってしまえば彼女に会えたのは棚ぼただった。
俺、スーパー最強凄い凄い霊能者、キタローこと橘小鳥は歓喜していた。
だってやっと、パートナーが出来ると思ったからだ。
俺に縋ってきている彼女はどう見ても、死んでもおかしくない状況なのに死んでいない。というか、死の因果の操作をされていない。おそらくは、というか確実に式神か犬神憑きの一族なのだろう。
じゃなきゃ今頃祟られて、家族は滅ぼされていた。
そんくらい、やべーやつが彼女に取り憑こうとしているやつなのだ。
だけど、まだ彼女達の魂(本体)を見つけられなくて、焦って強行しようとしているのだろう。
馬鹿な奴めと、内心ほくそ笑む。
たしかにやべー奴だが、その程度ならまだ格下の奴だ。
「とりあえず、落ち着いて。俺がいれば何もーー」
と彼女を落ち着かせようとした瞬間、頭上から鉄骨が落下してきた。
あー、俺に切り替えてきたなーと、能天気に考えてると意識がブラックアウトした。
まあ、死なないんだけど。
すぐに意識を取り戻した後、鉄骨に潰されミンチになっていたであろう肉体が自動的に再生していき、変な所がないか確認しながら彼女に視線を向けると、しょんべん漏らしながら腰を抜かしていた。
なーんか皆んなこれ見ると、同じ反応すんだよなあー。
「心配いらないから大丈夫だぜ!」
「な、な、何で生きて…というかなんで治って…!」
「こういう体質なんだよ。俺みたいな霊能者は皆んなこうだよ」
「そ、そうなんですか!?」
「うん、嘘だよ」
「えっ」
彼女の手を掴み、立たせながら考える。
とりあえず奴は俺を死んだと、認識しているだろう。
俺を視認出来ない。
このまま彼女の家に乗り込んで祓うのが手っ取り早い。
とりあえず警察、救急と連携とって周囲の住民を避難させなきゃな
「まあ、とりあえず君の家向かう前に休憩しに行こっか? 」
「えっ、休憩ですか? あの、そんな時間あるんですか?」
「へーきへーき。意外に映画みたいに切羽詰まることってないから。
それに君おしっこ臭いし、疲労困憊というか精神的にやばいっしょ?」
と、言った瞬間顔を赤らめながら俯き、しゃがんだ。
なんかぶつぶつ呟いているが、まあ、大丈夫でしょう。
俺は彼女を一瞥した後、とある人物にLINEする
『ちょっとドンキとかで、着替え買ってきてください。スウェットあたりでいいから2着ね買ったらLINEして』
はい、オッケー。
「とりあえずタクシー呼んで、ビジホあたりか、ラブホあたり行って休もう。着替えはなんとかなるから気にしないで」
「す、すいません。本当にすいません」
「全然気にしなくて大丈夫だよ。逆に平然としていた方が異常者だよ〜」