ハドラーちゃんの強くてニューゲーム   作:モッチー7

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第40話

クレオとホーモンとの激闘は鬼岩城の天井を突き破って舞台を天空へと変えた。

そんな2人の姿に、鬼岩城の前で戦っている人間達も魔王軍も驚きを隠せないでいた。

「なんだアレは……」

「アレが大魔王バーンなのか?」

「あんなのが俺達を皆殺しにするって言うのか!?」

「スカイドラゴンって……こんなに強かったか?」

「流石バーン様の御情けで復活する程だ……俺達とは桁が違うのか……」

だが、クレオとホーモンとの激闘に士気を奪われた情けない者達を一喝する気丈な者がいた。

「ここで諦めたらいけません!」

「フローラ様!」

「ここで屈せれば我々に明るい未来はありません……私達はあれらを止めて民衆や後世に明るくて幸多き未来を与える為に、ここにいるのです!」

フローラ姫の一喝が、ホーモンの圧倒的な力に屈しかけた人間達とハドラーちゃん軍の士気を再び溢れさせた。

「そうだ!お姫様の言う通りだぜ!」

「確かにアバン程の器用さは無ぇけどよ、それでも……」

「あ、あぶねー!ここに何しに来たのか忘れるところだったぜ!」

一方のバーン軍は人間達の諦めの悪さに呆れつつ恐怖した。

「何でホーモンのあの姿を見てビビんねぇー!?」

「阿呆かこいつら!?」

「と言うか……よく視たらあれだけいた仲間が!」

そんな人間達とバーン軍の、まるで越えられない壁が有るかの様な士気の差を確信したクレオは、ホーモンに関する迷いを叩き直してくれたハドラーちゃんの事を思い出し、ある行為の実行を決意する。

「まだ早いと思ってたけど……そろそろ嘘を吐く為の本性晒しを……辞めにしよう」

ホーモンはクレオの口調がどんどん抑揚を失い無生物的になっていくのを聴き、クレオが本当に本気になった事を察した。

「モシャスを使って本来の力を隠し通したか……大魔王バーンに失礼だと思わんか?」

モシャスと腐女子本来の本性を駆使して作り上げた秘密のベールを遂に脱ぎ捨てたクレオの姿は、まるで人形の様に無表情で無感情。その瞳(角膜)もまるで防犯カメラの様に無生物的である。まるでロボットだ。

しかも、武装も既に変わっていた。

確かにハドラーちゃんの許にいた時に使っていた武装も十分過ぎる程のチートアイテム揃いだったが、クレオはある理由で普段使用している武装より階級が低いチートアイテムを身に纏っていたのだ。

が、決意を新たにしたクレオはそんな舐めプを辞めていつもの武装に戻したのである。

だが、それだけでホーモンの誇りと恥を大きく傷つけた。

「そうだ……その姿だ……その時の姿で……あの時……」

あの日、ホーモンが自身の出生への怒りに任せてホモ専用風俗街を全焼させようとしていたホーモンの前に立ち塞がったのが、目の前の無表情なロボットの様なクレオとその仲間達であった。

その時の結果は……僅差でホーモンが敗れ、断腸の思いでクレオはホーモンを嫌々ながら殺した。

だが、ハドラーちゃんがバランの手で破邪の洞窟地下200階に封印されていた異元扉を解き放った事で、ホーモンの存在が大魔王バーンにバレてしまい、バーンの力でホーモンは復活させられたのである。

 

そして更に、クレオはハドラーちゃんの前では使用しなかった鑑定スキルを発動させ、大魔王バーンがホーモンに何をしたのかを確認した。

 

【ホーモン・ドラゴンスタイル】

 

てっきゅうまじんとスノードラゴンのハーフ。同性交配による出生により先天的に強大な力を得た。

 

HP:13700

MP:∞

攻撃:480

防御:500

速度:355

 

(やはり……前より強くなってる!)

それは同時に、ホーモンの攻撃が前より……

(は!?不味い!)

ホーモンは口からギラグレイドを吐いた。

クレオはそれをルビスの剣とビリオンダガーをクロスさせて防ごうとするが……

「やっぱり……威力が上がってる!?」

危うく押し戻されそうになるクレオに対し、ホーモンは口からメラガイアーを何度も吐いた。

「ダメ。そのステータスでメラガイアーは―――」

「知った事か!BLなど……皆殺しにしてくれる!」

ホーモンのメラガイアーの連射やギラグレイドの長時間放射は、鬼岩城を更に破壊し地上で戦っている者達まで傷つけてしまっていた。

「ちょっと待て!?俺達もバーン様の……ぐわあぁーーーーー!?」

「!?……あの人達、大魔王バーンの味方。なのに何故?」

やはりホーモンは同性交配による子孫繁栄の素晴らしさを理解する気が無いと判断したクレオは、結局はあの時と同じ結果になるのかと諦めかけたが……

「ん?」

クレオは鑑定結果に違和感を感じた。

「話が違う。フレイザード2号は、ハドラーが魔軍司令になった時に黒の核晶(コア)が埋め込まれたって……」

そんなクレオの小声をホーモンは聴き逃さなかった。

「そうだ……私の身体には黒の核晶(コア)が埋め込まれている。忌々しいBLを根絶やしにすると言うバーンとの約束を果たす為にな!」

ホーモンのこの言葉は、クレオにとっては怪我の功名であり希望の光だった。

つまりホーモンは……

それに気付いたクレオは再び一瞬で終わる極超早着替えで武装を変更した。

 

菩薩の棍

勇者の盾

光の兜

神鳥の鎧

達人の手袋

漆黒のマント

悠久のズボン

帝王のブーツ

 

これが、クレオが賢者の家で得たチートアイテムの中から選んだ、BL過剰不信に陥りとんでもない誤解をしているホーモンを救うに必要だと感じた武装である。

「また……本気でこの私を殺しに来たか?だが、下手な攻撃は黒の核晶(コア)を起爆させるだけ……貴様の手で貴様の大っ嫌いなBLの絶滅に大きく貢献するだけだぞおぉーーーーー!」

 

一方、ミストバーンはホーモンの暴走を止めたくても止められない状況にイライラしていた。

下手に異元扉の眼前に背を向ける状態を辞めたら、ハドラーちゃんやバランが嬉々として大魔王バーンの眼前に土足で乗り込んで来るのは目に見えているからだ。

「良いのか?異元扉。こんなとこにいたら、ミストバーンに破壊されるぞ?」

「なんやて!?それってどう言う―――」

ならばと考えたのか、ミストバーンは異元扉の方を向き、

「馬鹿め!こうだ!」

鋼鉄以上の硬度を誇る両腕の指を伸ばして異元扉を貫こうとするミストバーンだったが、バランが割って入って異元扉を襲うミストバーンの指を全て斬り落とした。

「させぬわ!この者には、まだやって貰わねばならん事がある!」

だが、謎の違和感がバランの判断力を一時停止させてしまった。

(なんだ?この感触は!?私は今、何を斬ったのだ?)

その瞬間、ミストバーンの指は元通りに戻っていた。

「何!?」

「微塵斬りにされた筈の指が!?」

一方のミストバーンはバランが異元扉の眼前にいる事態を作ってしまった事を後悔し激怒した。

「貴様……異元扉を使ってバーン様の眼前に往く気か!?」

「他に理由があるか?」

「させるかあぁーーーーー!」

だが、ミストバーンの奮戦虚しく、異元扉は開かれてしまった。

「あ!?」

バランとミストバーンが激突している隙に異元扉を開けたのは……ハドラーちゃんだった。

「竜騎将としての役目、やっと果たせたなバラン。この時を待っていたのだ。ミストバーンが竜騎将バランと戦い異元扉から離れる瞬間を」

そう言って異元扉をくぐろうとするハドラーちゃんだったが……

「往かせるかあぁーーーーー!」

ミストバーンの叫び声が、自分の身体に埋め込まれた黒の核晶(コア)の存在を知った時点で完全に消えた筈の前の時間軸での絆が、ハドラーちゃんの脳裏に浮かんでしまい、それがハドラーちゃんの足を停めてしまうが、

「往け!ハドラー!」

気付けば未来ヒュンケルがミストバーンに抱きついて足止めしていた。

「この時間軸の俺にあの時と同じ苦しみに堕としてくれるなよ!」

未来ヒュンケルの懇願の叫びに、ハドラーちゃんはハッとする!

(そう……だったな!大魔王バーンとの戦いは、もう俺1人の問題じゃなかったんだったな!)

迷いを失い吹っ切れたハドラーちゃんは、決意を新たに異元扉を使って大魔王バーンの許に向かった。

「抜け駆けは許さんぞハドラー!」

バランが慌てて異元扉に駆け寄るが、未来ヒュンケルを蹴り飛ばしたミストバーンがバランを突き飛ばして異元扉を無理矢理閉じた。

だが、もう誰もハドラーちゃんと大魔王バーンの一騎打ちを止める事は出来ない。

「おのれハドラー……余計な真似を……」

「そこをどけ!貴様!」

怒りが頂点に達したミストバーンがバランを睨んだ。

「これ以上長生きしてくれるなよ……こっちは忙しいんだ!」

 

漸く大魔王バーンの眼前に辿り着けそうになったハドラーちゃんは、改めて自分の臆病さに嫌気がさした。

(少し……時間が掛かり過ぎたな?準備だの修行だのと言ってこの対決を後回しにしたこの俺が馬鹿に見える……)

しかし、そんなハドラーちゃんの決意に水を差して恐怖心を煽るかの様に、ハドラーちゃんの背後にあった筈の異元扉が急に消えた。

(フッ……流石はミストバーン。バランやアバンが俺の後を追うのを阻止したか……)

だからこそ、ハドラーちゃんは叫んだ。

「と言う訳だから、ミストバーンを叱ってくれるなよ!『大魔王様のお言葉はすべてに優先する』が奴の口癖なんだからな!」

それを聞いた者が、静かに言葉を紡いだ。

「漸く……ここまで来たか?魔王……ハドラー」

その言葉に邪な笑みを浮かべるハドラーちゃん。

「漸く貴様を見つけたんだ……もっと嬉しそうな顔をした方が良かったか?それとも、大遅刻し過ぎて貴様を待たせ過ぎた事を恥じるべきか?」

声の主は振り向き……ハドラーちゃんの顔を直視した。

「余が、バーン……大魔王バーンだ!」




来月は……クレオがやっとホーモンと激突し、ハドラーちゃんがやっと大魔王バーンと激突します!
いやぁー、ハドラーちゃんの自分への皮肉通り、ここまで来るのに時間が掛かり過ぎました……反省材料です。

先ずはクレオVSホーモンですが、自分の体の中に黒の核晶(コア)が埋め込まれいると信じている様ですが、クレオはその事について何を気付いたのか?それが、クレオの使用武器をルビスの剣とビリオンダガーから菩薩の棍と勇者の盾に変更した理由に繋がります。
ま、ドラゴンクエストIXとHD-2D版ドラゴンクエストIIIを知る者から視たら、この品揃えだけでも『殺す気満々だろ!?』とツッコミたくなりますがね(笑)。

一方のハドラーちゃんVS大魔王バーン……ハドラーちゃんはこの展開がここまで遅れた事を恥じてましたが、この人……よくよく考えたらキルバーンのダイヤ・ナイン以降の展開を知らない筈なんですよね?(笑)
はてさて、どうなる事やら!(汗)
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