週一更新目標ってマジでなんやって感じだったのですがここ最近すごく忙しくて、更新する余裕が無かったです。
話は変わりまして、今回は奏がメインの話になっております。
それでは、随分とお待たせしましたが引き続きお楽しみください。
五つ子との長い長い日曜日を終え、俺たちは普段通りの日常に戻っていった。
一花さんもほかの五つ子もみんないつも通りの日常に戻っていく中俺だけがあの時五月さんに感じた既視感を払拭できず、謎の罪悪感に苛まれていた。
("あの子"と五月さんは違う。わかってはいるんだけどな。)
それでも目を閉じると、あの修学旅行の思い出がすぐに思いだされた。俺の原点であり、俺の理由。
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「よっしゃー勝ちぃ!」
「風太郎君強いなぁ。」
「ホント、バカなのにこういうのは得意だよな。」
「あぁ?奏、うっせぇぞ!!」
「それより罰ゲームだな。」
「ヒィッ!!お、お願いだからそれだけはやめてくれ!あれ以来魚が食えないんだ!」
「どーしよっかなー。」
「なにやらせたらそんなになるんだよ…風太郎、あんまりいじめてやるなよ。」
俺たちは修学旅行に来ていた。あの頃はまだ風太郎も今みたいなガリ勉じゃなかったか。行き道の新幹線の中でトランプをしていた。
「こらっ、新幹線の中だから静かにしなさい!」
「せっかくの修学旅行なのにつまんねーこと言うなよ。なぁ?つまんねーこと言ってないでお前も参加しろ。」
「もー、仕方ないなー。その代わり…真田君も誘ってあげなよ。私たち五人班なんだから。」
「え…僕はいいよ。」
世話焼きの竹林とその幼馴染の真田。修学旅行特有のテンションで俺たちはなんだかんだ言いつつみんなで楽しんでいた。
「修学旅行にこんなものはいらないだろ。不要なものは捨てて行け、俺はこれだけで十分だ。」
「お前そのカメラ、親父さんのだろ。パクってきたのか?」
「おう、親父の仕事道具からパクってきたぜ。どーだ竹林、お前のことも撮って…」
「あの二人、幼馴染らしいぞ。」
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その後、風太郎がどう行動したのか俺は聞いた話でしか知らない。俺は俺で、みんなと別行動をしていたからだ。
そう、あれは駅に着いてすぐ。俺は迷子の女の子を見つけた。
「...つば、みんな、どこぉ...。」
ひと目で迷子とわかるその様子に俺は放っておくことも出来ずいつの間にか声を掛けていた。
「どうしたんだ。そんな泣きそうな顔して。」
「みんなとはぐれちゃったの...。」
話をよく聞いて見るとどうやら迷子の姉妹を探している最中に今度は自分が迷子になってしまったらしい。
「なるほどな。悪い、竹林達はみんなと先行っといてくれ。俺も後で合流するわ。...仕方ない。そのはぐれた姉妹を探すぞ。」
「う、うん。ありがとう。」
その子は少し俯きがちにお礼をして、2人で心当たりのありそうな場所を探して行った...はずなのだがその後は散々だった。
観光地や神社、本当にこいつは姉妹を探しているのか不安になるようなコースを回って一日中連れ回された。励ますために話題を振ったのが損した気分だ。
「わたしね、将来いっぱい働いてお金を稼いでお母さんを楽にしてあげるんだ!」
「そうか。それは立派な夢だな、俺には特に夢もないからうらやましいよ。」
「君はね、歌手になればいいと思うよ。」
「なんでそうなる。」
「さっき歌ってくれた鼻歌。すっごくうまかったもん!」
「あのな、夢ってのはそんな簡単なもんじゃ…」
「けど私は君の歌でとっても元気をもらったよ?君の歌はひとをげんきにするね!」
嬉しかったのだ。今思うと俺はかなりマセていたんだろう。小学生の身分で考えることではないが、夢と呼べるものがないのがひとつの悩みだった。それと同時に、臆することなく自分の夢を言えるこの女の子がとても素晴らしく思えた。
──だから俺も、こうなりたいと思った。
「まぁ俺には夢もないからな。お前がそういうならせめてお前のことを応援するような歌を歌えるようになるよ。」
「約束!私も夢をかなえるから私がまた落ち込んじゃったら君の歌を聞かせてね!」
約束。ついさっき出会っただけで、お互いの名前も知らない。なのにその瞬間確かに俺は言葉通り歌を書いて、頑張って見ようと思ったんだ。
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「─ナデ、カナデ。寝ちゃってた?もう今日の勉強会終わったから帰ろう。」
いつの間にか寝ていたらしい、確かテストも近いからと理由をつけて俺も勉強会に参加させられたのだったか。
起こしてくれた三玖を見る。この間五月さんに感じた既視感、それは三玖にも感じていた。
(まぁ、気のせいだ。そもそも俺はあの子と再開して何がしたい?今まで頑張ったねって褒めてでも欲しいのか?)
「カナデ、体調悪い?」
「いや、そんなことないよ。ちょっと考え事してただけ。」
帰り支度も済ませ、廊下を歩いていると三玖が今日あったことなんかを話してくれた。俺はそれに相槌をうちながら考えていた。
(五月さんに感じた既視感とも違うけど、三玖といるとなんだか不思議な心地良さがある。)
その感情は少し前から抱いていて、その正体も知っていて、だけど違うだろうと京都の女の子を理由に蓋をしているだけだ。
俺が京都の女の子と五つ子を重ねているのかは分からない、この気持ちも既視感から来る錯覚かもしれない
───けれど、そんなの関係ない。
「三玖。」
「どうしたの、カナデ?」
「ううん、ごめん。何でもなかったや。」
名前を呼ぶだけでわかる。
この胸の高鳴りは本物なのだから。それなら俺はこの気持ちに
──自分の恋に、本気になれそうだ。
今話も読んでいただきありがとうございます。
今回は以前書いた過去編の奏視点での話をかかせていただきました。
内容に全く関係ない話で言うと、五等分の映画見てきました。拙作を読まれている方の中でももう見た方も多いのではないかと思います。みんな可愛かったですね。
常に早く更新したいと思っていますが、予定は未定と割り切って言ってしまうことを決めました。許してください。
それでは次回もよろしくお願いします。
ご意見、ご感想ありましたら是非。
@merubi_toka